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ベートーヴェン(1770-1827)

LPレコード 交響曲第9番 オットー・クレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団&合唱団(2枚組/180グラム重量盤レコード/Warner Classics)

交響曲第9番  オットー・クレンペラー、フィルハーモニア管弦楽団&合唱団(2枚組/180グラム重量盤レコード/Warner Classics)

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    sunny  |  兵庫県  |  不明  |  2014年04月26日

    その昔、「Art Of Conducting」と言う映像を見、往年のフルトヴェングラー、ワルター等の指揮姿を初めて見ました(今も、発売されてるのかな?)。壮年期の、カラヤン、バーンスタイン等も登場する、確か、BBC制作の番組でした。その番組で、最も、重用され、最後に「第九」を、演奏していたのが、クレンペラ―、フィルハーモニア管。戦後、EMIのレコーディング・オーケストラとしてスタートし、イギリスで、やっぱり変人でしたが、ドイツ本流の、数々の伝説となる演奏を、レコードに、聴衆に残したクレンペラ―。質実剛健、インテンポ、構成重視、厳しくも情熱ある音楽で、不思議、不可解な程、独自の音楽で、フルトヴェングラーとは大きく違うけれど、高い評価と人気を誇った。その代表盤のひとつ。ミサソレムニスも、そうでしたが、ひれ伏す程、感動しました。  時代は、大きく変わって、フィルハーモニア管は、音楽消費地、ロンドンで、若いムーティを擁し、一時破産寸前から立ち上がって、数多くの演奏と、レコーディングを、EMI中心にあらゆるレーベルとレコーディング、これまたあらゆる指揮者と、演奏する世界有数の、忙しオケとなった。本拠地もない、パリまで行くなんて当たり前、薄給の奏者、今は消えてしまった「The Phil」のドキュメンタリーは、オーケストラ運営と、芸術の維持の厳しい現実を見せてくれた。  自腹を切ってレコーディングもしていたシノ―ポリ死後、世の趨勢も有って急激にレコーディング減ってしまったが、怖ろしいスケジュールにめげず、コンサートをこなし、機能性と暖かい音を持ち続け、老若名人奏者と、現在、敏腕指揮者サロネンと、頻繁に立ち変わる客演指揮者、ソリスト、エキストラ、そして、事務局、裏方、スポンサーと共に、教育やネットも活用した現代的オケとして、ソリッドに変貌を遂げた。レコーディングも再開。指揮者とオケの力関係も変わった。これが、現代。これで、いいのだ。  このパイプを咥えた巨匠の様な演奏は、もうないだろう。厳しくてスケールがある。聴衆も、レコードやラジオでは味わえぬ貴重な機会、求めていた。  フィルハーモニアの歴史は、戦後の民間プロフェッショナルオーケストラの歴史、そのもの。

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年04月22日

    悠揚迫らぬ素晴らしい名演だ。ベートーヴェンの第9の名演としては、フルトヴェングラー&バイロイト祝祭管弦楽団によるドラマティックな超名演(1951年)の印象があまりにも強烈であるが、当該名演とは対照的に、微動だにしないゆったりとしたインテンポによって曲想を精緻に、そして格調高く描き出しているクレンペラーによる重厚な名演もまた、格別な味わいに満ち溢れていると言える。クレンペラーは各楽器を力強く演奏させており、とりわけ木管楽器をやや強めにするのはユニークであると言えるが、いささかも無機的な演奏に陥ることがなく、どこをとっても彫の深い音楽が紡ぎ出されていく。巧言令色などとは全く無縁であり、飾り気が全くない微笑まない音楽であるが、これは正に質実剛健な音楽と言えるのではないだろうか。全体の造型はきわめて堅固であるがスケールは極大であり、いずれにしても、本演奏は、前述のフルトヴェングラーによる名演も含め、古今東西の様々な指揮者による名演の中でも、最も峻厳で剛毅な名演と高く評価したい。独唱陣はいずれも優秀であるが、とりわけバリトンのハンス・ホッターとメゾ・ソプラノのクリスタ・ルートヴィヒは比類のない名唱を披露していると言える。クレンペラーの統率の下、フィルハーモニア管弦楽団や同合唱団も最高のパフォーマンスを示しているのも、本名演に大きく貢献しているのを忘れてはならない。録音は、今から50年以上も前のものではあるがステレオ録音であり、前述のフルトヴェングラーによる演奏などと比べると、条件的には恵まれた状況にあると言える。現時点では本HQCD盤がベストの音質であるとは言えるが、前述のフルトヴェングラーによる1951年盤がSACD化されたことによって素晴らしい高音質に蘇ったことを考えると、抜本的な音質改善が図られたとは言い難い。クレンペラーによる至高の名演であることもあり、今後SACD化を行うなど更なる高音質化を大いに望みたい。

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