トップ > 音楽CD・DVD > クラシック > ベートーヴェン(1770-1827) > 弦楽四重奏曲第12番、第14番 スメタナ四重奏団(1970,71)

ベートーヴェン(1770-1827)

CD 弦楽四重奏曲第12番、第14番 スメタナ四重奏団(1970,71)

弦楽四重奏曲第12番、第14番 スメタナ四重奏団(1970,71)

商品ユーザレビュー

  • ★★★★★ 
    (0 件)
  • ★★★★☆ 
    (1 件)
  • ★★★☆☆ 
    (0 件)
  • ★★☆☆☆ 
    (0 件)
  • ★☆☆☆☆ 
    (0 件)

レビューを書いてみませんか?

レビューを書く

検索結果:1件中1件から1件まで表示

  • ★★★★☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2012年06月20日

    1945〜1989年の長きに渡って弦の国チェコを代表する弦楽四重奏団として活躍したこのスメタナQは我々の世代のクラシック・ファンには正統派アンサンブルとしてその評価は定着したものでありました。このQが活動全盛期である1970年代初めに録音したベートーヴェン弦楽四重奏曲後期作曲グループの内ピックアップで第12番(1971年録音、タイム6’01A14’48B6’32C6’01)と第14番(1970年録音、同@6’01A3’10B0’47C13’07D5’29E1’51F6’25)をカップリングしたものです。まぁ、平凡ないい方かもしれませんが「渋い」の一言なのですが第12番で見ますとやはり全盛期というのか壮年期メンバーの充実したアンサンブルの「覇気」が感ぜられ第1楽章での堂々としたスタートから探り出したテーマのころがしは少し「英雄」交響曲を連想しましたし長い内省的な第2楽章での変奏でも沈着に運びつつ結構メリハリ感がありました。なお、スメタナQにとってはこの第12番演奏は三種ある録音の内の二度目の収録で残りの二度分は1961年録音分@6’09A13’57B7’21C6’11及び1981年録音@6’08A15’19B8’28C6’14であります。次に第14番ですが後期にベートーヴェンは聴覚を失った時期だけに短調柱でもあって更に内省的な作品でありかつ七楽章でそれも殆ど切れ目なく進行するチャレンジングな作品をスメタナQの演奏はその深い精神性を体現したものとなっております。ただこの曲も後年1976〜1985年に収録完成された全集の中の同曲(1984年録音、タイム@7’13A3’17B0’52C14’01D6’12E1’33F6’38)と比べますと重量感溢れる力強さと畳み掛けていくような気迫が印象に特に残りました。第1楽章、深遠なフーガ方式は精神的にも「凛」とした雰囲気が漲り音楽の極みとしてのスタート楽章です、大体この曲は大まかに言えば先述の様に「短調柱」で短調、長調交互に極端にショートなジョイント機能の楽章を挿入しつつ進んで行きます。問題の第4楽章は時間をかけて熟成させたワインの如く充実したうるわしさは素晴らしく途中のチャチャいれるピチカートやチェロの呟きもチャレンジングなベートーヴェンが垣間見れます。〆付近は比較的分り易くテーマを再示しつつゆっくり終わります。少し「間」があっての第5楽章はスケルツォで分りやすいウキウキ気分で後半挿入されるピチカートなど全く意外で流石「楽聖」ベートーヴェン!その辺りの澄み渡った虚無的とも受取られる空気感付近でのスメタナQの見事な演奏が聴き処のひとつです。抒情的メロディの第6楽章は最終楽章への序奏でいよいよ最終楽章はユニゾンで力強い刻みが疾走し途中和らぐ場面も経緯してコーダへは堅固な構えを基本にテーマを散らせつつベートーヴェンらしい〆への方向性を素晴らしくスメタナQは描き切ります。こうした演奏が本録音でも例の暗譜でなされたかどうかは別にして聴く方も繰り返してこのベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も完成度が高く評価が高い作品を聴き深めたいと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに 共感する

検索結果:1件中1件から1件まで表示