フーガの技法 渡邊順生、崎川晶子(チェンバロ)(2CD)
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2022年01月30日
必聴かつ必読のディスクとしてお奨めしたい。 作品の性格ゆえか人を寄せ付けないような厳しさをイメージして入手した。しかし、実際に聴いてみると音は温かく明晰で丸みもあり、少なくとも「隔絶の感」というイメージはない。判り易く言うと「聴きやすい」のだ。音列の変化と派生・発展が美しい調和をもって響きかけてくる気がするのだ。詳しい評価は耳の良い他の方々のレビューを待ちたいところ。おそらくこの作品に初めて取りかかる方にも聴き込んでいる方にもそれぞれ評価されるような演奏ではないだろうか。 どうしても「フーガの技法」というとバッハ最晩年の作曲技法の極北と構えて作品に挑むパターンになるように思う。もちろん、それだけの覚悟をもって対峙しないと取り組めない作品なのだろう。ところが渡邊順生(と崎川晶子)両氏の手によって聴き応えと「聴く愉しみ」も兼ね備えたディスクに仕上がっていると思う。 そして解説書のボリュームと質の高さがすばらしい。渡邊順生氏の丁寧な説明文は「買ってよかった」と思える充実した内容なので学ぶ価値の高いディスクとしても薦めていきたい。「初期稿(自筆稿)」と「印刷稿」別の聴く順番やCDトラックのプログラム指南まで添えてある位なのだ。どの順番で聴こうとその価値に違いが出るわけではない、むしろいろいろな聴き方をすることで作品へのアプローチも感想も増えてくることだろう。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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