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バッハ(1685-1750)

SACD マタイ受難曲 鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン(2019)(2SACD)(日本語解説付)

マタイ受難曲 鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン(2019)(2SACD)(日本語解説付)

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    マスター・ヘルシー  |  岡山県  |  不明  |  2022年08月25日

     鈴木雅明氏。アジアで初のカンタータ全集を完遂させ、バッハメダルの授与、レコード芸術特撰盤量産機、バッハの化身と言われたリヒターやレオンハルトと同じく指揮だけでなくオルガンやチェンバロ演奏も出来る凄腕演奏者、ヘルムート・リリング続く最もバッハ大全集をほぼ単独で完成させることが出来る逸材等々と日本人の贔屓目を抜きにしても客観的に見ても彼こそが世界最高のバッハ演奏の権威でなかろうか。  さてと、マタイに最近ハマっている。ヤーコプス盤の次に手にしたのはこの日本が誇る世界のバッハ・コレギウム・ジャパン&鈴木雅明の二度目のマタイだ。前回ヤーコプス盤を聴いてレビューしたのでヤーコプス盤と比較してのレビューであることは了承して欲しい。この盤は鈴木雅明氏にとっての二度目の録音であり、説明でも書かれていたように今回はオルガンにかなり拘ったらしいとのこと。けれど実際聴いたところ自分は耳が肥えた音楽家どころか全くの素人であるためなのか、自分の耳が悪いのか、どういう風にオルガンの響きが良いのかはサッパリ分からなかった。他のマタイでもオルガン伴奏はよく聴いたりするのだが、他と比較してどのような面が良かったが分からない。だからオルガンの工夫を除いた形で演奏の善し悪しを語らせてもらう。  前回聴いたヤーコプス盤のベルリン古楽アカデミーの超絶技巧の演奏はとにかくインパクトがでかかった。それと比較するとBCJのオーケストラはやや劣る印象であるが、十二分に高水準であると響きだと思えた。飽くまで素人の耳で聴いた印象だが。演奏の随所に装飾された響きがあるがヤーコプス盤と比較して控えめであり、語りの部分の伴奏もオルガンとチェンバロの控えめな伴奏で終始している。しかし、単調にならないように随所に即興じみた響きが入っているからダレることはない。ソリストも普通に高水準であり、聞き心地は良い。ヤーコプス盤が余りにも派手だったことから聴き始めはやや地味な印象であるが、途中に入る合唱の部分は凄絶の一言。合唱部分だけで言えば、ヤーコプス盤のRIAS室内合唱団に勝るとも劣らない凄まじい響きだ。さすがは英国グラモフォン賞(合唱部門)を受賞しただけはある納得の合唱だった。  とにかく飽くまでヤーコプス盤よりは地味だというだけの話で全体的に高水準でマタイの王道に行く名盤だった。「バッハはこうであるべき」という偏狭な批評家にも受け入れられるだろうと思う。

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    うーつん  |  東京都  |  不明  |  2020年04月30日

       旧盤をもう少し聴きこんでから、と思っていた。が、某音楽雑誌に鈴木雅明のインタビュー記事が載り、新オルガンを盛り込んだ新しい音響と音楽作りについての記事を読んですぐに購入した次第。    聴いてみるとたしかにオルガンの響きがしっかり聴こえているが、オケが聞こえにくくなることもない。 オルガンの響きが豊かになることで進行もはっきりし、オケと声の橋渡しや下支えも安定してくるのだと感じた。旧盤とは骨格も肉体も同じだがその所作や表情に豊かさと静けさが滲み出た、すばらしいマタイと評価したい。    器楽もソロ歌唱も合唱も全体にゆったりとした落ち着いた雰囲気。旧盤よりさらに穏やかな表現になったと思う。ドラマとそこからほとばしる感情を表に出すというよりは、内にひそめて気持ちに表すイメージだろうか。しかし、コラールや大事な合唱部分では決然と確信力をもってマタイのドラマを伝えてくれる。 美しさ、そして哀しさとは目や耳にそのまま飛び込んでくるものだけでは感じられない、飛び込んできたものを心でそっと受けとめることで美しさや哀しさが湧き出るのだと思っている。このマタイはじっくり聴けば聴くほど心の奥底に小さな灯がともされていくようなあたたかみを感じる。もっと勉強して、そして何度も、さらに何年も聴いていきたい。おすすめです。

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  • ★★★★★ 

    singet225  |  岐阜県  |  不明  |  2020年02月08日

    冒頭から遅めのテンポだけれど、しなやかにひたひたと流れ始めるマタイ。鈴木雅明さんとBCJの演奏にいつも言える事だけれど、オケもコーラスもリズムが本当に生きているから音楽の流れ方がとても心地良い。ソリで歌われる冒頭合唱曲の清澄なコラールに心洗われる。この録音のために作られたオルガンがバッハのこの恐ろしく巨大な構築物を築く上で大きな土台を作り上げるかのようにとても印象的に響く。エヴァンゲリストのブルンスのブリリアントな歌声は抑制的に、イムラーのイエスは格調が高く、旧盤のテュルクとコーイの表情豊かな歌い口(筆者は旧盤にも惹かれる)とは趣が異なるが、BCJの厳かな音楽作りによく合っている。ソリストにムラがなく、どのアリアもテキストに寄り添った歌がオケの真摯な音色と共に心に沁みる。コラールは旧盤よりも更に彫琢された厳しい表現が見事。群衆の合唱もやり過ぎない抑制された表情が活き活きとしたリズムによって緊迫感を持って迫ってくる(筆者はガーディナーの新盤の荒々しさ・生々しさにも惹かれるが...)。マタイ受難曲がここまで外面にも内面にも盤石に録音されたこの演奏は永く人々の心に刻まれるだろう。

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  • ★★★★★ 

    なて  |  東京都  |  不明  |  2020年02月06日

    非常に端正で精密な演奏。管弦楽も合唱もあまりの正確さにぞくっとしました。 解釈はやや、わびさび系。少しだけジョンエリオットガーディナー新盤を思い出しました。 しかし、誰とも違う確かな個性、存在感です。 ヤーコプス、ヘレヴェッヘ、フェルトホーヴェンなど数々の傑作がこの世に登場しましたが、今回のマタイほどの合唱の歌唱力の高さは他にありません。 長い時間をかけて合唱曲全集を完成させた境地の作なのでしょう。旧盤と甲乙つけがたい。 旧盤も最高の作なのです 旧盤が趣向をこらした意欲作であるなら、新盤は長年の経験と技巧と思いの現れでしょう。 鈴木氏がいつから2回目の録音を行う心づもりだったかわかりませんが旧盤は最高のものであれ以上のものは作れない。だとすれば違うアプローチで同等の境地に達したいと考えていたのではないでしょうか。 BCJの長い時の流れ(教会カンタータ全集を18年かけて完成など)の集大成的作品と考えると本当に感無量なのです。 これを聴くと今までのBCJの思い出がなぜか浮かびます。最初のBWV4の驚き、BWV68の気迫、モテット集の慈しみ。

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    John Cleese  |  静岡県  |  不明  |  2020年01月10日

    昨年の春、つまりこの録音と並行して行われたタケミツ・メモリアルでの実演では、もうすでに手の内に入って久しいこの作品を、鈴木先生は自然な感興の赴くままに、部分的にはロマン的とさえ形容したくなるほど縦横に、柔軟に表現しており感銘を受けました。思えば旧録音から20年。あの峻厳さ、古楽の清廉さはそのままに、一段とスケールの大きな演奏を新録音で聞けるのは楽しみです。さいたまでの本録音はセッションですので実演とはまた異なった仕上がりでしょうが、昨年暮れに待望の全曲SACD化されて(ファンにとっては膨大なダブり購入を意味する)「バッハ合唱曲集」の一部としてリリースされた旧盤との比較も楽しみです。従来のCDと新しいSACDとは奥行といいますか、空気感とでもいうべき要素が随分異なります。新盤は最初からSACDを念頭に置いての録音ですから、その辺の比較も興味の尽きない点です。

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