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プロコフィエフ(1891-1953)

CD ピアノ・ソナタ第6番、第7番、第8番 スティーヴン・オズボーン(日本語解説付)

ピアノ・ソナタ第6番、第7番、第8番 スティーヴン・オズボーン(日本語解説付)

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  2021年03月09日

    プロコフィエフのピアノ・ソナタ、第6番から第8番までの3曲は、「戦争三部作」と呼ばれる。第6番と第7番はコンクールなどでもよく弾かれる人気曲だ。しかし、この3つのソナタ、高い演奏技術を必要とするだけでなく、プロコフィエフ特有のウェットな情感や乾いたアイロニーが散りばめられていて、ただ技術的にクリアしただけでは、聴き味の薄いものとなる難しさがある。 そんな中、イギリスのピアニスト、オズボーンがやってくれた。とにかく凄い。「とにかく」なんて言葉でくくってしまうのは乱暴であるが、聴いてみて直感的に「スゴイ」と感じるのだから、「とにかく」とシンプルにまとめることは、当演奏の形容方法として、あながち間違ってはいないだろう。だが、それだけでは、当欄のコメントとして不足かもしれないから、もう少し書いてみよう。 第6番は第1楽章から重々しい和音が連なり、しかもある種の複雑性と重さを伴っている。速さとパワーの双方が要求されるが、オズボーンの演奏はこの観点で圧倒的だ。重々しい質感がありながら、立ち回りは機敏そのもの。パワフルな音が鮮やかに消音し、鋭いリズムで矢継ぎ早に次々と移るその響きは爽快無比。かと思うと中間楽章では優美で表情豊かな瑞々しさに満ちる。終楽章のリズムとスピードの融合は、凄まじい聴きモノだ。第7番でも早めのテンポを主体としながら、場面展開に伴った機微の変化が豊かで見事。第2楽章の幽玄を経て、第3楽章は一気果敢に押し通す。ここでも、速さと重さの双方が結び付いた鮮烈な演奏ぶりだ。第8番は一転して思索的で情緒に富んだ響きが聴かれる。この楽曲には気難し一面もあるのだが、オズボーンの解釈は、細部まで克明に照らし出された感があり、とてもわかりやすい。 スリリングで楽しい、見事なプロコフィエフです。

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