母影 新潮文庫

尾崎世界観

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101044521
ISBN 10 : 410104452X
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
追加情報
:
128p;16

内容詳細

小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。「ここ、あるんでしょ?」「ありますよ」電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。母は、ご飯を作る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしている――。少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ)を鋭く見つめる、鮮烈な中編。第164回芥川賞候補作。

【著者紹介】
尾崎世界観 : 1984(昭和59)年、東京都生れ。2001(平成13)年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。’12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。’16年、初小説『祐介』を上梓し話題となり、’20(令和2)年には「母影」で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 沙智 さん

    風俗店で働く母とその母が働く姿をカーテン越しに見つめる小学生の娘の小説。透明で無垢な語り口が特徴的。子供の限られた語彙で語られる世界は実情との乖離が激しくて、小説世界に没入するにつれ胸の内がザワザワしてくる。著者の手掛けてきた楽曲達とは全然印象の異なる小説だった。他の作品も読んでみたい。

  • 新田新一 さん

    2020年の芥川賞候補作。作者はロックバンドのボーカリストです。小さな女の子から見た母親の姿が描かれています。子供の視点で描かれた小説は、よく読んでみると大人のものの見方や考え方を感じることがあります。でも、この小説にはそんなところはほとんどありません。完全に子供の立場に立ったもので、子供から見たこの世界が鮮やかに描かれています。自分の母親が後ろ暗い仕事をしていることが分かっても、主人公の女の子は母を慕い続けます。その健気さが胸を打ちます。彼女が母との関係を、自分の言葉で表現する結末が忘れがたいです。

  • あいあい さん

    讀賣新聞の書評で気になった尾崎世界観氏の作品を読んでみた。言葉を使って一つの文学世界を作りあげようという意志を感じる。少女の目が、耳が、鼻が、舌が、皮膚が捉えた世界の感触が至極独特にかつリアルに描かれていてみごと。しかし、この子の置かれた状況が切なくて、短い物語なのに読み進めるのがつらかった。それでももっと作品を書いてもらいたい。又吉直樹氏の解説もお見事。

  • fabi@第一芸人文芸部 さん

    尾崎世界観さんの2作目にして、芥川賞候補作に選ばれた作品。前作『祐介』とは作風も文体も全く違う。そうなるのは主人公が小学生なので必然だが、それを書き切る表現力が凄まじい。小学校低学年の主人公「私」の見る世界と心情を、丁寧に描写する文章が秀逸。主人公の純粋さがダイレクトに伝わってきて、面白くも、心苦しくもあった。いけないことをしてそう、だとはわかっていても、具体的に何をしているのかはわからない世界を、大人になってこんな解像度で書くのがすごい。僕は小学校低学年当時の感覚や感性なんて忘れてしまっている。

  • Morgen さん

    一人称目線にしか出せない良さがある 限られた語彙で描ききってるのも才能が溢れている。又吉の解説で母影がいかにすごい作品なのか、あまり噛み砕けなかったところも理解できた。解説で面白いと感じたのは初めてかもしれない。ところどころクリープハイプの歌詞っぽく感じるところがありそこも良い。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

尾崎世界観

1984年東京都生まれ。ミュージシャン、作家。クリープハイプのボーカル、ギターとして活動しながら、2016年に半自伝的な小説『祐介』で作家デビュー。20年『母影』で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

尾崎世界観に関連するトピックス

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品