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SOIL&"PIMP"SESSIONS インタビュー【2】

Tuesday, September 15th 2009

interview

SOIL&”PIMP”SESSIONS

林檎さんにしかできない。

--- 林檎さんとは一緒にやりたいなんて話はもともとされていたんですか?

元晴:今出てる林檎さんのアルバム『三文ゴシップ』のなかでも、「マヤカシ優男」と「カリソメ乙女」ではSOILが、「旬」ではみどりんと丈青と秋田ゴールドマンのピアノトリオJ.A.Mがアレンジで参加したりしていて、そのレコーディングの最中とかにSOILでも一曲歌っていただけませんか?なんて言っていて。で、正式にお願いをしたら喜んでくれまして。スタジオに入って曲を創るところから一緒にやりましたし。ヨーロッパのツアー前に終わってるはずが、みんなのこだわり、ゆずれないところがあって。林檎さんも色々考えてきてくれて、つい先日出来上がった(笑)みたいな感じです。

--- スタジオの雰囲気っていうのはどんな感じだったんですか?

タブ:非常にいい雰囲気で(笑)。なんて言うんだろうな、僕らバックバンドっていう意識はなくて、フューチャリングていうよりは、一人のバンドメンバーとしてやってくれる感じだったので、非常にバンド感というか。そういう意味で遠慮なく意見交換できたりとかして、良く出来ましたね。

元晴:元々インストヴァージョンが2年ぐらい前に録ってあったんですね。それでサックスでソロをとっていた部分、それを歌のメロディにしようっていうことで。いかんせん楽器でやっているソロだから、すごい難しいんですよね。音の並びとかも速いですし。でもこれが歌で出来たら最高だけど、難しいよね〜なんて言ってたのに、完璧に歌えるようになって来てくれて。その時点でこの曲は大成功するなと思いましたね。この6人が演奏して、失礼かもしれないですけど歌が負けないっていうのは林檎さんにしかできないですよね。シックスフロントだけど林檎さんが引っ張ってくれた部分も大きいし、俺らの林檎さんに対するリスペクトも大きいので、何倍にも膨らんだ気はしますね。

--- そしてもう一人ジェイミー・カラムもヴォーカルとして参加されていますが、これはどういった経緯で話が進んだんですか?

タブ:これはもともと、ジェイミー・カラムが、彼はスゴイ音楽に貪欲な人で。SOILが最初ロンドンに行ったときに、日本のバンドとかスゴイチェックしてくれてて、普通にクラブに聴きに来てたらしいんですよ。その時はお会いしてなかったんですけど。その次のときにジャイルス・ピーターソンがジェイミー・カラムを紹介してくれて、それから親交がありますね。ライブも何度か一緒にやったりとか、向こうのラジオで一緒にやらせていただいたりとか。

元晴:ロンドンのエレクトリックプロムだね。ミュージシャン同士がコラボレーションするという企画でSOIL withジェイミー・カラムっていうのをやって。その時は初めて一緒に音を出したんですけど。その企画を知った日本のJ-WAVEのプロデューサーの方が、日本でもジェイミー・カラムとSOILが聴きたい!っていうことで、そのコラボレーションを恵比寿のガーデンプレイスで企画してくれて、「STOLEN MOMENTS」をやったんですよ。その時に一緒にスタジオに入ってアレンジして、その曲が今回入ってる曲です。

タブ:ジェイミー・カラムはずっとツアーに周ってて、なかなかつかまらない状況だったんですね。何日間かここだけ空いてるっていう感じで、僕らの締め切りもギリギリっていう状況で。ちょうどその空いてる時に録ってもらって、そこで想像を超えたものをジェイミー・カラムは創ってくるな〜っていう印象だったんで、出来栄えはもう最高ですね。

元晴:うん、最高ですよ(笑)。ジェイミーは音楽キッズがそのまま大きくなったような。本当に音楽を楽しんでやってるのが一緒にやってスゴイわかるし、スタジオに入って鍵盤とか弾いててもスゴイ楽しそうだし。歌も自然と出てきてるっていう感じだし。

タブ:自分がメインストリームにいながらも、色んなミュージシャンをチェックしてるんですよね。アンダーグラウンドの音楽を掘り下げていたり。

元晴:UKのジャズチャートの常に上位にいるような人なんだけどジャズだけにおさまってないですよね。そういう感覚も僕らと気があった要因なんですよね。初めてジェイミーのライブを日本で観た時に“ジェイミー超かっこいい!”アンド、このバンドをSOILがやったらさらにかっこよくなる!って思ったし、“一緒にやりたい!”って思ったんですよね。そのまま楽屋行って、お話して。それを考えたら3年越しぐらいかな、やっと作品として出せる状態のタイミングになりました。

---そしてもう一方、DJKENTAROも参加してしますね。一曲目の「SEVEN」に参加されていますが、このタイトルが気になったんですけど?アルバム『6』の一曲目のタイトルが「SEVEN」とは??

元晴:これは社長がつけたのかな。6人でやってきて6年目でやってきたから『6』なんだけども。もちろんいままで、いろんな人の影響を受けて、いろんな人のサポートもあってここまで来れたと思ってるし。それを今回のアルバムで、例えば6人プラスDJKENTAROくん、7人で初めてそういう作品を創る。椎名林檎さんも、ジェイミー・カラムも6人プラス1人。そういう意味での「SEVEN」です。

--- 社長の語る詩が印象に残りました。SOILの音楽に対する姿勢が表されてるような気がして。

元晴:そうですね、その詩がまずありきで、その詩を元にイントロを作りたいっていう希望があって。そこにSOILらしさみたいなのと、客観的にミックスしてくれる人として、KENTAROくんしかいないと思ったんで。前からKENTAROくんとは、ライブでコラボしようよなんて言ってて、まあスケジュールが合わなくて実現はしなかったんですけど。

--- そもそもKENTAROさんとの出会いはいつぐらいだったんですか?

元晴:nbsaかな?犬式とかcro-magnonとかがやってるイベントに、、、僕が覚えてるのはハタチぐらいの若いKENTAROくんがですね。シャンパンを持ってきて楽屋に訪れて、大人びてるな〜、只者じゃないな〜というのを覚えてますね(笑)。その辺が初めて会った感じですかね。今回はイントロを作ってもらうオーダーだったんですけど、KENTAROくんってイントロから盛り上げるじゃないですか、そういうKENTAROくんらしいスタイルと、SOILの一曲目に繋がっていく、SOILのイントロっていうバランス感覚もKENTAROくんはさすがなもんで。

タブ:また向こうからのオーダーで、最後の一言“さあこの道に針を落としてみよう”とかも、社長とのやり取りがあったりとか。

元晴:欲しいネタがあれば、言ってくれれば録って送るからっていう話はしていて。

タブ:一緒に創り上げていくっていう感覚は素晴らしかったですね。

--- ぜひライブで一緒に共演するのも観てみたいですね。

タブ:そうですね、KENTAROくんならどんな感じでもセッションに入ってこれるし、やりたいですね。

profile

SOIL&”PIMP”SESSIONS

東京のクラブ・イベントで知り合ったメンバーにより結成。ライブ・パフォーマンスを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらも、ラフでエンターテインメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。DJが主体であったクラブに、LIVEパフォーマンスを持ち込んだパイオニアとして、クラブ・シーンでは知る人ぞ知る存在となる。