--- ここからは、最近の・・・新作のお話しや石井さんが「今撮りたい"画"」ということについて、いろいろとお話しを伺いたいと思っているんですが、現在、神戸芸術工科大学のメディア表現学科で教鞭を執られているんですよね?
石井 ええ(笑)。
--- これは、いつ頃から始められていて、具体的にどのようなことを教えられているんですか?
石井 3年前ですね。具体的にはその・・・"映画作り"ですね。映画創作の実習がメインです。まず、卒業する前に「自分で30分以上の劇映画を1本作れる」っていうことを目指して、生徒全員にデジタルカメラを渡して、今プロも使ってる・・・わたしもそれを使ってますけど、そのカメラの使い方とシナリオと録音、演出と演技、編集、あと・・・美術ですね。だから、完全に映画を"自給自足"出来るように、1人1人が。もちろん、それぞれに得意不得意があるけど、「映画作りが出来るように」ということをやってます。
--- その教えられることになったきっかけというのは?
石井 きっかけはやっぱり・・・『
鏡心』とかが大きかったですね。それから、わたしがもともと・・・最初の8mm映画を撮った時の日本で「8mmが普及した」っていうのがすごく大きかったんですけど、今は、パソコンが非常に発達したっていうこととソフトがすごく安くなった。1998年くらいには2000万円くらいしたノンリニアのデジタル編集機ソフトがまあ同じものじゃないですけど、ほぼ、それ以上の性能を持ったものがもう、10万円くらいで?普及版だったらもう、2〜3万とかで買えるようなそういう状態ですから、デジタルとパソコンの普及は、アマチュアとプロと同等の機材を与えられるようになったんで・・・。
「新しい時代がやっぱり来てる」と思うんで、それをまあ・・・ちょうど3〜4年くらい前にそういう話しがあって、「じゃあ、若い奴と一緒にそういうのをやってみようかな」って思って始めたんですよね。
--- 石井さんが大学で教えられているってことをわたしも、つい最近知りました(笑)。
石井 (笑)。すごい少数ですけどね、15人くらい。
--- 今後もまだ、続けられる予定ですか?
石井 そうですね。ようやくだから・・・最初はちょっとやっぱり、世代の開きがあり過ぎて(笑)、あんまりみんな映画観てないし、ほとんど観てないのかな?ちょっと何か、どうしていいかわかんないって時があったんですけど、今はみんながんばって、すごく成長してるのが見ていてわかるので、それはとてもおもしろいですね。「彼らと一緒に映画作りが出来る」っていう段階に来たんで、もうちょっと一緒に切磋琢磨していきたいなって思ってますね。
--- その生徒さんの中から、新しい才能がいっぱい出て来てくれるとおもしろいですよね。
石井 ええ。"自給自足"出来るんで、完全に。自分達で全部やりますから。だからその・・・理想的な映画作り・・・自分がアーティストでもあり、職人でもあるっていう、そういう関係・・・仲間がやる時には自分が職人として手を貸す、自分がやる時には他の人が手を貸すっていう、そういうすごくフレキシブルな・・・"新しい創作集団"っていうのかな?そういうのを目指してたんで、それが実現しつつあるから、「もう少し続けたいな」っていう風には思ってますけどね。
--- 実際に、その生徒さんから生まれた作品を拝見出来る日も近そうですね。
石井 これからどんどん出てくると思いますよ。今年もうすでに2本くらい撮ったんで。来年は、10本くらい出来るんじゃないかな。
--- 石井さんの新作も今年動いているそうなのですが・・・。
石井 一応、8月に予定してますけど・・・。
--- その新作というのは、8年前から準備をされているというものになりますか?
石井 ああ・・・いや、うーん、いっぱいやってたんですけどね、結構・・・5〜6本ダメになってるのがあって(笑)。今、2〜3本は残ってるんですけど、そのうちの1本は一応、8月になる予定にはなってます。
--- ブログを拝見させて頂いたんですけど・・・『ホクロにコイン』っていうタイトルのものが新作になるんですか?
石井 『
ホクロにコイン』っていうのは、その神戸の大学の学生が作ったやつですね。それをまあ、プロデュースですね、わたしは。
--- 石井監督名義の新作というのは、これとはまた別のお話しなんですね。
石井 そうですね。
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