特集:フィリー・ソウル

2009年2月24日 (火)

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 フィリー・サウンド特集

モータウン50周年の陰に隠れていますが、『Love Train: The Sound Of Philadelphia』の日本盤や、『Philadelphia Soul Rarities 』のVol.2が発売されたり、音楽マニア御用達雑誌waxpoeticsでもフィリー特集が組まれるなど、今、俄にフィリーが来ています!!今回、その華麗で洗練されたサウンドで多くの音楽ファンを魅了し、後のシーンにも大きな影響を与えたフィラデルフィア・ソウルを大特集!

Love Train: The Sound Of PhiladelphiaLove Train: The Sound Of Philadelphia
・33の伝説的なアーティストによる全71曲、4時間を越えるCD4枚組
・最新デジタル・リマスター
・未公開写真を満載した64Pのカラーブックレットにはギャンブル&ハフやトム・ベルのインタビューを始めとして関係者の解説、年表などを掲載
・別冊ブックレットには曲目解説と歌詞・対訳を掲載




美しいストリングスとダンサブルなビート、そしてソウルフルなヴォーカル。70年代を中心に、珠玉の名曲を量産したフィリー・ブームの中心的レーベルPhiladelphia International Records(以下P.I.R.)抜きにはフィリー・サウンドを語ることは出来ません。まずはP.I.R.を設立した最重要人物、ケニー・ギャンブル、レオン・ハフの二人(2008年ロックの殿堂入り)と、もう一人の立役者トム・ベルの3人(MIGHTY THREE)の動きを通して、フィリー・サウンドの誕生と栄光の軌跡に焦点を当てていきます。


Birth Of Philly Sound

P.I.R.の設立から遡ること12年。1959年まで遡ります。 ケニー・ギャンブルトム・ベルは、ケニー&トニーというデュオとしてジェリー・ロスのレーベルからデビューを果たします。もちろん大して売れることもなく、ケニーはソングライターとして所属アーティストに楽曲を提供するようになります。一方のキーボーディストだったレオン・ハフはNYでフィル・スペクターらにスタジオ・ワークと、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」等のヒットで知られる名ソングライター・コンビのエリー・グリニッチ&ジェフ・バリーらに作曲を学びます。2人の出会いはケニーが手がけたキャンディ&ザ・キッシズの「The81」のレコーディングのこと。そして、ギャンブル&ハフというタッグでソングライター/プロデュースした楽曲は、ソウル・サバイバーズ「Expressway to Your Heart」でした。

66年になり、2人はエクセル・レーベル(後のギャンブル)を設立し、イントゥルーダーズの「Cowboys To Girls」などで成功を収めるとマーキュリーに移籍したジェリー・バトラーも手がけたりと、着実に階段を上り始めます。 69年にはネプチューン・レーベルを立ち上げ、後にP.I.R.の看板グループとなるオハイオ出身の実力派ヴォーカル・グループ、オージェイズをスカウトします。 一方のトム・ベルはというと、いわゆるフィリーマナーなストリングスやホーンを多用するサウンドを確立し、 プロデューサーとして関わったデルフォニックスの「LaLa Means I Love You」(68年)が、ポップチャート4位を記録。 71年には、スタイリスティックスの「Stop, Look, Listen」や「You Are Everything」 を手がけるなど、後のヴォーカル・グループの規範となるようなスウィート路線の重要作を次々と世に送り出していきました。

フィリー・サウンドがシーンに浸透するようになった71年頃、 ギャンブル&ハフの2人は、大手メジャーのColumbia Recordsに新レーベルP.I.R.の配給を契約。この巨大資本との提携が彼らをさらなる成功へと導くことになります。 この時期に、作曲家兼アレンジャーとしてトム・ベルをP.I.R.に招き入れ、 わずか1年あまりでオージェイズ「裏切り者のテーマ」、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ「二人の絆」、ビリー・ポール「ミー&ミセス・ジョーンズ」などの大ヒット曲を次々と輩出し、 輝かしいP.I.R.時代を築き上げることとなります。



Cliff Nobles
『Phil-la Of Soul Music Collection 1968-1972』
フィリーサウンドの屋台骨であるMFSBの面々が顔を合わせたと言われているのがこのCliff Noblesの68年のヒット曲「The Hoses」。P.I.R.の予習として知っておくべき1枚です。

Ambassadors
『Soul Summit』(67年)
フィラデルフィアのラジオ局のDJだったジミー・ビショップが手がけた、後にCream D'cocoaで活躍するメンバーを含むフィラデルフィアの5人組男性グループ唯一のアルバムでバックはあのMFSBが担当。

Brenda & The Tabulations
『Dry Your Eyes』(67年)
チャーミングな女性ヴォーカルBrenda Paytonに男性3人から成るフィリーの4人組ヴォーカル・グループのデビューアルバム。カヴァー曲が多いが、アーシーなタイトル曲が人気。

Intruders
『Super Hits』
フィラデルフィアのソウル・コーラスの白眉、Intrudersの初期ベストヒット集。曲とプロデュースは大半がギャンブル&ハフによるもの。彼らの出世曲「Cowboys To Girls」収録。

Delfonics
『La La Means I Love You / Sound Of Sexy Soul』(68/69)
Delfonicsの初期代表作の2in1。めくるめく甘美なフィリー・サウンドのルーツがここに。ウィリアム・ハートの強烈ファルセットに咽び泣け!

Archie Bell & The Drells
『There's Gonna Be A Showdown』(69)
元はテキサスを拠点に活動していたが、69年のアトランティック盤からギャンブル&ハフを起用。荒削ではあるけれど、フレッシュで嫌味のない躍動感溢れたダンス・チューンばかり。

Jerry Butler
『Gamble & Huff Sessio』
元Impressionsのリード・シンガーJerry Butlerが60年代後半にギャンブル&ハフと組んだフィリー録音2作品の編集盤。ソウル的粘りを増した唱法、持ち前の粋な身のこなしがフィリーの洒落た感覚と絶妙の相性。

Laura Nyro
『Gonna Take A Miracle』(71)
ソングライターとして名を馳せたローラが全曲をR&B、ソウルのカヴァー作で統一しファンや周囲を驚かせた第5作。Patti Labelleの在籍した黒人女性コーラス・グループLabelleとの共演も大きな話題に。プロデュースはギャンブル&ハフ。

Harold Melvin & The Blue Notes
『Harold Melvin〜』(72)
リード・ヴォーカルにTeddy Pendergrassを迎えて再出発したBlue Notesがギャンブル&ハフのプロデュースを得て、72年に発表したベスト・セラー・アルバム。

O'Jays
『Back Stabbers』(72)
ギャンブル&ハフの洗練されたダンス・サウンドに、エディの荒々しいリードVoとバックコーラスが応える70年代ソウルを代表する傑作アルバム。「裏切り者のテーマ」、「Love Train」収録。

Stylistics
『Stylistics』(72)
ラッセル・トンプキンス・Jr.をリードVoに5人組としてスタートした彼らがトム・ベルと出会い生まれた名盤。青い果実のような甘酸っぱく切ないファルセットとコーラスが織り成すハーモニーが魅惑的。

Billy Paul
『360 Degrees Of Billy Paul』(72)
不倫定番曲「Me and Mrs. Jones」であまりにも有名なビリーの代表作。ポップマーケットを意識してか、キャロル・キングやエルトン・ジョンのカヴァーを収録。


MFSBと成熟期

その成功の裏には、フィリー・サウンドの要となるスタジオ・ミュージシャン達の存在があったことを忘れてはいけません。 名アレンジャー、ボビー・マーティンのもと集まったMFSB(マザー、ファーザー、シスター、ブラザー)。 「ソウル・トレイン」のテーマ曲である「TSOP(ザ゙・サウンド・オブ・フィラデルフィア)」で知られるグループで、リズム隊とストリングス隊、ホーン隊を中心に構成されていました。

核を 成していたのは、 ギター隊のノーマン・ハリス、ボビー・イーライ、ボビー・イーライ、アール・ヤング(ドラムス)、ロニー・ベイカー(ベース)、ラリー・ワシントン(パーカッション)、 ドン・レナルド(ヴァイオリン)、ヴィンセント・モンタナ(ヴィブラフォン)、ジャック・フェイス(サックス&フルート)、レオン・ザッカリー(アルト・サックス)、ラリー・ゴールド(チェロ)、 鍵盤隊のレニー・パクラ、リチャード・ローム、ロン・カーシィといった面々。ちなみに、後に大活躍するホール&オーツが、シグマスタジオで働いていたことも有名です。 そして彼らをバックアップしたのが、ジョー・ターシア所有のシグマ・スタジオのエンジニア達の存在。彼らがいなければ、あの魔法のような華麗なフィリー・サウンドは生まれなかったと言っても過言ではないでしょう。


Ebonys
『Ebonys』(73)
ニュージャージーで結成された男女混成の4人組による、P.I.R.を代表する1枚。甘く切なく美しい「It's Foever」をはじめ、全曲が名曲といえる絶品アルバムだ。

Three Degrees
『Best Of』
「荒野のならず者」のヒットで知られ、74年には東京音楽祭で「天使のささやき」が金賞を受賞するなど日本でも馴染み深い。シュープリームス以降のガールズ・グループの雛形。

Spinners
『Spinners』(73)
飛ぶ鳥を落とす勢いのフィラデルフィアに詣で制作した73年の作品。洒落たフィリー・サウンドとソフトなフィリップの歌声がマッチしたアルバムで大ヒット曲「I'll Be Around」収録。

True Reflection
『Where I'm Coming From』(73)
後にMirageを結成するジョーイ・コールマン、Temptationsのメンバーとなるグレン・レオナードが在籍していたワシントンDC出身の4人組の唯一のアルバム。録音はシグマ・スタジオ。

Blue Magic
『Blue Magic』(74)
74年にソウル・チャートNo.1を獲得した名曲「Sideshow」など収録したフィリー・ソウル・クラシック。テッド・ミルズの美しいファルセットと切なくやるせないメロディにズブズブと埋もれてしまう。

First Choice
『Phily Golden Classics』
スタン・ワトソンのフィリー・グルーヴからデビューした女性3人組。このベストには76年以降のサウルソウル期は未収録。純粋にMFSBサウンドを楽しめます。

Ecstasy Passion And Pain
『Ecstasy Passion〜』(74)
大御所、ボビー・マーチンをプロデューサーに迎え、サウンド面の大黒柱、MFSBのサポートで出来上がった彼らの唯一のアルバム。甘く切ないスロー・バラードから、フィリー・ダンサーまでグループ名通り、恍惚、情熱、苦悩の世界を見事に表現している。

William De Vaughn
『Be Thankful For〜』(74)
ワシントンDC出身のシンガーが74年にリリースした本作は、プロデューサーにジョン・デイヴィスを迎え、シグマ・スタジオでMFSBをバックに録音。タイトル曲は、Massive AttackからN.W.A.まで使う超定番ネタ。

David Bowie
『Young Americans』(75)
空前のフィリーブームの中、誰もが認めるロック・スター、David Bowieもシグマに出向いたアーティストの一人だ。本作は当時ボウイが聴いていたBarry WhiteやIsley Brothersのサウンドを持ち込もうとしたと言われる作品。

Trammps
『Trammps』(75)
フィラデルフィア・サウンドの礎を築いたMFSBと共に活躍したグループが、1975年、ゴールデン・フリース・レーベルから発売したの1stアルバム。後のディスコ期の作品よりもフィリー度高し。

Major Harris
『My Way』(75)
72年からデルフォニックスのメンバーに加わったメイジャー・ハリスの1stソロ。ルーサー、アヴェレージ・ホワイト・バンド、ナンシー・ウィルソン、ジョニー・マティスにいたるまでカヴァーされたフィリー・ソウル・クラシックスの大名曲「Love Won't Let Me West」収録。

MFSB
『Best Of: Love Is The Message』
フィリー・サウンドの大黒柱、MFSB のベスト!O'jaysやBlue Notes等にあの独特のリズムを提供していたMFSB。その魅惑のインスト・ナンバーはフィリー・サウンドのまさに真髄です。米レガシー編集の充実のベストです。


フィリー 詣、そして後期P.I.R.を支えた人々

これらの成功により、フィラデルフィア、シグマ・サウンド・スタジオを目指せば、オレ達もヒット・シングルを作れると思った他地域のシンガー/グループは、所謂「フィリー 詣」をするようになり、それは76年頃ピークを迎えるようになります。 フィリー詣をしたアーティスト/グループといえば、ジャッキー・ムーアスピナーズマンハッタンズLTDデルズテンプス、そしてジャクソン5改めジャクソンズカーティス・メイフィールドデビッド・ボウイエルトン・ジョンにいたるまで有名・無名・ジャンル問わず様々。フィリー・サウンドはさらに多くの人々の耳に届くようになります。

しかし、70年代中ごろから、MFSBのメンバーやアレンジャー達が入れ替わるようになります。その中でも、 中心メンバーであったノーマン・ハリスの離脱(NYのサルソウルに移籍)が決定打となり、 永遠と思われたP.I.R.の輝きに翳りが見えてくるのです。 ギャンブル&ハフは 、離れていったバックミュージシャンの代わりに、 シカゴ・ソウルのクイントン・ジョセフ(ドラムス)らを起用。 プロデューサーもデクスター・ワンセルやシンシア・ビッグスが関与するようになり、音の傾向も徐々にメロウになっていきます。 P.I.R.の最後の一花となったのが79年発表のマクファデン&ホワイトヘッドの最大のヒット曲、ダイナミックなフィリー・ダンサー「Ain't No Stoppin' Us Now」です。

その後、オージェイズやソロに転向したテディ・ペンダーグラスらがレーベルをバックアップ。80年代は、 パティ・ラベルの『I'm In Love Again』などを手がけたプロデューサー、デクスター・ウォンゼルがP.I.R.を支え、レーベルは85年まで続くこととなります。

しかし、フィリーの持つ魅惑的なサウンドとグルーヴは場所を変え、時を越えて、受け継がれていきました。 ジョ−、ケン、スタンのカイル3兄弟が74年に立ちあげたNYのサルソウル・レーベル は見事にフィリー・グルーヴを継承し、ダブル・エクスポージャー「Ten Percent」をはじめ、煌びやかなディスコ・サウンドが花開きます。 またハウス・ミュージックのルーツとも言うべき、原曲にエディットを施すリミックスという概念を、トム・モウルトン、ウォルター・ギボンズ、ラリ−・レヴァンらが確立しフィリーサウンドは、ハウス・ミュージックへ変貌していきます。


Whispers
『Janus Recordings 1972-1974』
LAのヴォーカルグループがフィリーに出向いて録音したジョナス時代をまとめた編集盤。ノーマン・ハリスがプロデュースした74年の名作『Bingo』がそのまま収録。

Manhattans
『Manhattans』(75)
73年にコロムビアに移籍し、その後6年間シグマで録音し傑作を次々と生み出したMahattans。特に本作は有名な「涙の口づけ」収録していることで人気。

Modulations
『It's Rough Out Here 』(75)
MFSBをバックに、ゴスペル色豊かなヴォーカルが絡み合うワシントンDC出身の4人組Voグループ。フィリー・ダンサー「Love At Last」などのダンス・ナンバーはもちろん、バラード曲も魅力的。

Barbara Mason
『Best of the Buddha Year』
Buddah期のベスト盤が本作。Billy Paulの「Me & Mrs Jones」のアンサーソング「Me & Mr Jones」収録。MFSBバックのフィリー録音と、「Give Me Your Love」などで知られるシカゴ録音で構成。

Bunny Sigler
『My Music』(76)
フィリーの名ライターのPIRで3枚目となるソロ作品。Instant Funkをバックに、ジェントル且つダイナミックに歌いあげる。後のディスコやファンクへの兆しもかいま見れる秀作。

Double Exposure
『Best Of』
フィリー・ダンサーの大傑作「Ten Percent」で知られる4人組ヴォーカルグループのベスト盤。ジェイムス・ウィリアムスのリードヴォーカルと、誰もが心地好いと思うダンスビートの相性は抜群だ。

Jean Carn
『Jean Carne / Happy To Be With You 』(76/78)
元はジャズシンガーだが、彼女の真髄はPIR時代の4枚。Brand New Heavies、Chantay Savage等がカヴァーしたメロウナンバー「Don't Let It Go To Your Head」収録。

Jacksons
『Goin Places 』(77)
モータウンを離れ、グループ名を変更し出直しを図ったJacksonsの2枚目の作品。曲の大半はギャンブル&ハフのコンビによるもので、前作よりもポップで明るい内容です。

Joneses
『Joneses』(77)
全曲シグマ・サウンド・スタジオで録音されたモノで、ハロルド・テイラーの太いだみ声、溢れるフィリー・グルーヴ、どこを切ってもヴォーカル/コーラスのフィリー・ダンサーでこころゆくまで満足できる裏決定盤。

Moment Of Truth
『Moment Of Truth』(77)
NYのセッション・シンガーを集めて結成された4人組ヴォーカル・グループがSalsoulからリリースした唯一のアルバムで、グルーヴ重視の内容で、ディスコ・アルバムとしては一級品。

Teddy Pendergrass
『Life Is A Song Worth Singing 』(78)
Blue Notesを離れ、ソロ転向後リリースした2枚目。テディの歌の素晴らしさは言わずもがな。都会人の悲しみを刺激するとでも形容したくなるテディのハートフルなヴォーカルが全篇に溢れた作品。

Mcfadden & Whitehead
『Ain't No Stoppin Love Us Now -the Best Of The Pir Years』
O'jaysの「Back Stabbers」など多くの楽曲を提供したソングライターチームで、79年に男性デュオとしてデビュー。後期フィリーを象徴するダンス・ナンバーてんこ盛り!

Love Committee
『Law And Order』(78)
ジョー・フリーマンのバリトンが炸裂&ロン・タイスンのファルセットが翻る!フィラデルフィア黄金期から少々遅れてやってきたLove Committeeの78年の初アルバム。ミディアム・テンポの「Tired Of Bening Your Fool」の心地良いフィリー・グルーヴといったら!

Jean Terrell
『I Had To Fall In Love』(78)
SupremesからDiana Rossが脱退後、リードVoとして加入したJean Terrellのボビー・マーティン・プロデュースの78年作品。レアグルーヴ・ブームで有名になったGrey & Hanksによる「How Can You Live Without Love」、モダン・ソウル・ナンバー「No Limit」収録。

Jones Girls
『Jones Girls / At Peach With Woman』(79/81)
デトロイト出身のジョーンズ3姉妹が79年に発表したデビューアルバムと81年のセカンドの2in1。ソウルフルな歌と華やかでダンサブルな曲の組み合わせは最高ですが、バラードも秀逸です。

Instant Funk
『Instant Funk』(79)
Bunny Siglerのバックバンドとしてフィリーに移り、多くの名曲に参加。その後、79年にSalsoulへ移籍し発表したアルバム。大ヒットを記録した「I Got My Mind Made Up」収録。ジェームス・カーマイケルの絶唱は要チェック。

Dexter Wansel
『Voyager / Time Is Slipping Away』(78/79)
キーボード奏者だったDexterがPIRとアーティスト契約したのは76年。ジャズ・ファンクにソウルやディスコを織り交ぜたスタイルの作品を発表。スペーシーなジャズとファンクを追求した前者とTerri Wellsを迎えた「Sweetest Pain」で知られる後者の2in1。

Creme D'cocoa
『Nasty Street』(79)
元The EbonysのJennifer Holmes、元AmbassadorsのHerley Johnson, Jr.、Orlando Oliphant、 Bobby Toddというフィリー/スウィート・ソウル・ファンが唸る最強メンバー構成のCream D'cocoa。超・超・超絶品ダンサー"Doing the Dog"を収録。

Tavares
『Madam Butterfly』(79)
メンバー全員がリードをとれるグループ、Tavaresがボビー・マーティンをプロデューサーに迎えて制作した7thアルバム。ライターにはあのサム・ディーズやグレイ&ハンクスの名前も。スウィートなフィリーダンサー「Madame Butterfly」収録。

Curtis Mayfield
『Heartbeat 』(79)
ヴォーカルの圧倒的存在感が光る、「You're So Good To Me」等を含む作品。ドス黒さがないのでソウル・ファンからの評価は低いが、キラリと光る部分を持った隠れた名盤。ノーマン・ハリス、バニー・シグラーを制作に迎え入れたフィリー/NY録音。

Patti Labelle
『Spirits In It / I'm In Love Again』(81/83/85)
Labelleからソロ転向後、81年にPIRと契約し発表した3枚のアルバムを1枚にまとめたお得盤。名曲「Over The Rainbow」、ガラージュ・クラシック「Spirit's In It」収録。バニー・シグラーとの相性が抜群。

Shirley Jones
『Always In The Mood』(86)
Jones Girlsのリードシンガーとして活躍したShirley Jonesのソロ作品。バニー・シグラーのプロデュースが光るアニタ・ベイカーばりのクワイエット・ストームが堪能できるA面とJones Girlsを彷彿とさせるダンス・チューン中心のB面で構成。

『Conquer The World: The Lost Soul Of Philadelphia』
ケニー・ギャンブル&レオン・ハフ、ロックンロール殿堂入り記念。ソウル・ファンやマニアの探していた曲が蘇るコンピレーション。オージェイズなどPIRの代表アーティストの影に隠れた名曲が数多く収録。

『Sound Of Philadelphia: Gamble & Huffs』
70年代のフィリーソウルの名門Philadelphia International Recordsの良質音源から大ヒットしたフィリーソウルを収録したベストオブフィリーソウルと呼べる究極のフィリーソウル大ヒットコンピレーション。 フィリーソウルの入門編にしてベスト盤!


フィリーの隠れた至宝が明らかに!

Philadelphia Soul Rarities: Vol.2Philadelphia Soul Rarities: Vol.2
昨年発売され、大きな話題を呼んだ、フィリー・ソウルの名プロデューサーWeldon Arthur Mcdougal IIIの蔵出し音源集の第二弾!! 未発表音源12曲を含む、超レアな楽曲ばかり。これがお蔵入りされていたというから驚き。ライナーは林剛 氏。直輸入盤仕様のVol.1も林氏ライナー付き同時リリース。




生き続けるフィリー・サウンド

ここ、日本でもフィリー・サウンドの影響力は絶大で、 日本の歌謡曲、例えばスリー・ディグリーズに楽曲を提供した作曲家の筒美京平『筒美京平ウルトラ ベスト トラックス Soul & Disco』をぜひ)や細野晴臣作曲の「ミッドナイト・トレイン」や、ティン・パン・アレイの面々が 関わった作品はフィリー臭漂う楽曲多し。 また、ちょい前の小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」やMisia「Never Gonna Cry!」、 といったところは有名。 Smapモーニング娘。w-inds.といったアイドル作品にも フィリーやサウルソウルの匂いを感じ取ることができます。

最近は石井竜也が筒美京平とタッグを組んでフィリーソウル・アルバム作るなんてニュースもありました。 もちろん、本国でもロビン・シックのようなブルーアイド・ソウルのアーティストがもろフィリーサウンドなシングル「Magic」などを発表しております。 フィリーの魂は、脈々と現在まで受け継がれているんですなあ。



マンハッタンズ 2009年来日公演決定!
3/31(火)〜4/1(水)ビルボードライブ東京 (問)03-3405-1133
4/2(木)ビルボードライブ大阪 (問)06-6342-7722
4/4(土)ビルボードライブ福岡 (問)092-715-6666

エディー・リヴァート of オージェイズ 2009年来日公演決定!
5/6(水)〜9(土) ビルボードライブ東京 (問)03-3405-1133
5/11(月)・12(火) ビルボードライブ大阪 (問)06-6342-7722
問: http://www.billboard-live.com/