--- 「日本のロックにおけるフェイヴァリット・アルバム3枚」です。
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4 フラワー・トラヴェリン・バンド 『Satori』
70年代日本のロック黎明期において、最強の実力を誇り、独特の東洋色と英語詞にこだわり続けたフラワー・トラヴェリン・バンド。海外でも圧倒的な評価を得た、サイケ感溢れる傑作2ndアルバム。
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4 カルメン・マキ&OZ 『カルメン・マキ&OZ』
デビュー曲「時には母のない子のように」のヒットで、当時のアングラ・シーンのヒロインとして話題を呼んだカルメン・マキが、その後、ジャニス・ジョプリンの音楽と出会い、日本の女性ロック・シンガーとして過去のイメージを払拭させた75年名盤中の名盤。日本ロックの名曲「私は風」を収録。キーボードを効果的に使い、メロディーを強調した劇的な構成は、マキの歌声によく似合う。ピアノ、シンセ、ハモンドオルガン、ノイズをSEに使用するなどインパクト溢れるサウンドと完成度の高い歌詞は、日本のロック・シーンに大きな衝撃を与えた。
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4 あんぜんバンド 『アルバム A+1』
埼玉出身の相沢民夫(g)、長沢博行(長沢ヒロ)(b)、伊藤純一郎(ds)によるロック・トリオ、あんぜんバンドの75年ファースト・アルバム。ラジカルな日本語歌詞と叙情的なサウンドを融合させた傑作。ドゥービー・ブラザーズやグレイテフル・デッドの強い影響下を窺い知る名曲「けだるい」、「めかくしランナー」を収録。さらには、「13階の女」のシングル・ヴァージョンをボーナス・トラックとして追加。
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--- この辺りの作品というのは、ビートルズなどを聴く以前に聴いていたのでしょうか?
ユカイ 同時期だね。あの頃は、こういう人たちがロックだったんだよね。あとは、サウス・トゥ・サウスなんかもあるんだけどね。実は、上田(正樹)さんは、昔から、俺好きなんだよね。
あんぜんバンドは、よく知ってるし、長沢ヒロさんにお世話になってるしね。これは、本当にいいアルバム。「けだるい」は本当にかっこいい曲だからね。
--- お次は、「現在の新しい世代の日本国内のバンド、アーティストのフェイヴァリット・アルバムを1枚」ということなのですが・・・こちらは、ユカイさんご本人のアルバム『D☆y Short Bible』ということですね。
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4 ダイアモンド☆ユカイ 『D☆y Short Bible』
ダイアモンド☆ユカイの約11年ぶりとなるソロ・ロック・アルバム。レッズ時代の旧友シャケが2曲参加ほか、三国義貴、ichiro、YUKARIE、斉藤ノブなど歴代の豪華ミュージシャンも多数参加。
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ユカイ そうだね。このアルバムを一応載せとこうかな(笑)。
--- 最近の若いアーティストの作品は、あまり聴かれないのですか?
ユカイ いや、そんなことないよ。ちょろちょろ聴いてるけどね、アジカンとかさ。そういうのも聴いてたけど・・・歌詞がやっぱり共感できないんだよね。チャラくて(笑)。まぁ、しょうがないよ、世代間の違いだよね。曲自体は、アレンジとかバンドの演奏も巧いしさ、すごく進化したんだなぁって思うんだけどね。名前を忘れちゃってるけど、いいバンドもいっぱいいるけどね。ラジオでちょっと聴いたりして、あぁ、すごいなぁっていうのは。ただ、ライヴ観ると、ちょっとがっかりすることはあるけどね。
--- では、「ライヴ・アルバムのフェイヴァリットを3枚」です。
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4 Paul McCartney & Wings 『Wings Over America』
ポール・マッカトニー率いるウィングスが、『At The Speed Of Sound』発表とともに、76年に行った初のアメリカ・ツアーの模様を収めたライヴ盤(77年発表)。アナログ時代は、3枚組というヴォリューム。ソロ期のヒット・ソングは勿論、ビートルズの名曲も披露。
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4 Rolling Stones 『Get Yer Ya-ya's Out』
69年11月に行われたマジソン・スクエア・ガーデンでのライヴを収録したライヴ作第2弾で、ブートレグ対策でもあったという1枚(70年発表)。現在でも数々出廻る同時期録音のブートと比較するのを”ナシ”とすれば、キース・リチャーズと新ギタリスト、ミック・テイラーとのギター・コンビネーションを軸とする、新生ストーンズの横顔は十分堪能できると言いきれる秀逸ライヴ盤。
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4 Donny Hathaway 『Live』
カーティス・メイフィールド、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイらと並ぶニューソウルの旗手のひとり、ダニ−・ハサウェイによる音楽史に残るライヴ・アルバム。71年の8月28日、29日にLAのトラバドールで2回に渡って行われたライヴは、延べ30曲近くになったが、その中からアルバム最初の4曲をチョイス。さらには、同年10月27日〜29日にNYのビター・エンドで7回のステージの模様を録音。マ−ヴィン・ゲイのカヴァー「What's Goin' On」は、ジャズに精通していたダニ−の柔軟な発想とフィル・アップチャーチらバック・メンバーの高い技術が融合した素晴らしい名演。
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ユカイ ダニー・ハサウェイの『Live』は、もう究極だよね。コレは、ちょっと前に完全盤が出て、それも買っちゃったけどね。ダニー・ハサウェイは、ミュージシャンはみんな好きだから、あんまり声を大にして言ってもね、しょうがないんだけど(笑)。本当にいいライヴだよね。ミュージシャンズ・ミュージシャンだから、言うことないよね。あのコード感といいさ、もう、天性のものだよね。スティーヴィー・ワンダーも恐れたっていうぐらいだからさ。
もうひとつ言わせてもらうと、ダニー・ハサウェイがロバータ・フラックとやってるさ、あのデュエット・アルバム。あれは、本当にいいアルバムだよねぇ。最後のキーボードとピアノで、2人で終わるところなんてシビレちゃうよね。
ただ、ダニー・ハサウェイのスタジオ・アルバムは・・・暗いんだよね(笑)、全部が。ライヴはハジけてるんだけど、すごく陰があるというか、内にこもった楽曲が多くてさ。そういうの聴くと、内向的な人だったんだなぁっていうのはあるよね。いい曲いっぱいあるけど。ここには入れてないんだけど、マーヴィン・ゲイも好きだよ。
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4 Roberta Flack / Donny Hathaway 『Roberta Flack / Donny Hathaway』
ダニー・ハザウェイとロバータ・フラックによる72年発表のデュエット・アルバム。ソウル・ファンなら誰もが胸を熱くさせるであろう2人の情感豊かなヴォーカル、そして、その絶妙な掛け合いにはただただ心酔するばかり。時代を超越した名曲「Where Is The Love」は、後に多くのアーティスト達にカヴァーされた。
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--- お次は、最も盤選に迷われたかと思いますが、「ビートルズ/ソロ作品のフェイヴァリット・アルバム3枚」です。
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4 John Lennon 『Walls And Bridges』
”失われた週末”と呼ばれるヨーコとの別居や、米国からの国外追放などといった苦悩に満ちた時期にリリースされたアルバム(74年発表)。エルトン・ジョンとの共作でシングルにもなった「Whatever Gets You Thru the Night(真夜中を突っ走れ)」を収録。この他、ニルソンなどの協力を得て4ヶ月で制作された本作は、かなりの出来栄えとなった。息子ジュリアンとの「Ya Ya」も話題に。
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4 Beatles 『Past Masters Vol.1』
アルバムからもれたシングル、EPからの音源から構成された編集盤にして、これまでになく優れた作品集。アメリカ、日本でのデビュー曲「抱きしめたい」、名曲「She Loves You」、ファンに人気の高い「This Boy」、「Yes It Is」、ギター・リフもノリの良い「I Feel Fine」、ポールには意外と珍しいストレートなR&B調の「She's A Woman」等。ヒットしたシングル曲は勿論、どの曲からも全力で曲作りに挑んだ彼らの熱気が伝わってくる。
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4 Beatles 『Past Masters Vol.2』
ビートルズが発表したシングル、EPから集められた名曲の宝箱、パストマスターズの第2集。ギターのリフが強烈な「Day Tripper」、ジョン、ポールの個性が見事に掛け合わされた名競作曲「We Can Work It Out」、コーラスのユニークな「Paperback Writer」、サイケな作風とリンゴのドラミングがカッコイイ「Rain」、ジョンの息子ジュリアンに捧げられたポール作の「Hey Jude」、ジョンのヘヴィな作品「Don't Let Me Down」、アコギの響きが美しい「Across The Universe」、ビートルズのジョーク好きを示す「You Know My Name」と、全曲駄曲ナシ!
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ユカイ ジョンの『心の壁、愛の橋』は、高校時代によく聴いてて、自分の支えになった1枚だね。ジャケットも大好きだし。何だか大人っぽいアルバムだよね、すごくさ。大人ぶって聴いてたから(笑)。
あとはもう、『Past Masters』のVol.1、2だね。「Get Back」のシングル・ヴァージョンだとかさ、そういうマニアックなシングル曲を集めた編集盤なんだけど。今となっては、『Past Masters』になっちゃうよね。だって、ビートルズは、どれもいいもん。
サントラ・マニアだもん(笑)
ちょっとでもいいなぁと思った
映画のサントラは
買っちゃうね
--- 昨年末に日本公開となった映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」の公式サイトにコメントもお寄せになっていましたが、「ローリング・ストーンズのフェイヴァリット・アルバム3枚」です。
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4 Rolling Stones 『Black And Blue』
76年発表、フェィセズに在籍していたロン・ウッドが加入しての最初のアルバム。ギターの粘着質な刻みもイカすファンク・ナンバー「Hot Stuff」、「Hey Negrita」、さらには、「Cherry Oh Baby」に代表される当時新たなレベル・ミュージックとして注目されていたレゲエのカヴァー曲が印象的。フックで、キースが哀愁を塗す名バラード「Memory Motel」などにも成熟を感じさせるなど、この年勃興するロンドンのパンク・ムーヴメントとストーンズは、良くも悪くも対照的な関係だった。
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4 Rolling Stones 『Goat's Head Soup』
初のジャマイカ録音となった73年発表『山羊の頭のスープ』。極端に言ってしまえば、デヴィッド・ボウイの奥方アンジーのことを歌った名バラード「悲しみのアンジー」収録ということが否が応でも目立つ1枚。「Dancing With Mr D」、「Doo Doo Doo Doo」、「Star Star」、「Silver Train」等、小粒ながらピリリと辛いロックンロール・チューンも収録しており、聴けば聴くほどに味わい深い1枚であることも確か。
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4 Rolling Stones 『Let It Bleed』
ブライアン・ジョーンズの脱退/変死、ミック・テイラーの加入、ハイドパーク追悼コンサート、3年ぶりのUSツアー、オルタモントの悲劇・・・”ストーンズ激動の69年”に発表された傑作。レオン・ラッセルの起用、グラム・パーソンズ、ライ・クーダーからの影響等、米スワンプ〜ルーツ・ミュージックのエキスを大幅に吸収した新生ストーンズが、来る70年代を見据え作り上げた”手練手管の金字塔”。
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所謂、“ロン・ウッド”、“ミック・テイラー”、“ブライアン・ジョーンズ”と、三代のサイド・ギタリスト期の作品がキレイに出揃いましたね。
ユカイ お、そうだね。全部跨いでるね。選んでて、気付かなかった(笑)。
『Black And Blue』は、かっこいいアルバムだなぁって当時から思ってたね。基本的には、ミック・テイラーがいた時代のストーンズが好きだけどね。『山羊の頭のスープ』は本当によく聴いたなぁ。
--- 『山羊の頭のスープ』は、「Angie」のようなヒット・シングルの他にも、地味ながらいい曲がいっぱい入っていますよね。
ユカイ そうなんだよね。聴けば聴くほど、そっちの地味な曲の方が好きになっちゃうんだよね。マニアックな方が良くなっちゃうっていうね。
それから、『Let It Bleed』のあの何とも言えない雰囲気ねぇ(笑)。ブライアンの最後のアルバムだよね。キースが歌ってる曲あるじゃん。「You Got The Silver」。あれも好きだったよ。あの頃、ロバート・ジョンソンに傾倒してたんだなぁっていうギターだよね。スライドもいいしね。あのスライドは、ブライアンって言われてるんだよね。
--- では最後に、「最近ご購入されたフェイヴァリット・アルバム」です。
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4 Jackson Browne 『Time The Conqueror』
2008年11月の来日公演も大盛況に終わったジャクソン・ブラウン。近年、ソロ・アコースティック作品が続いたが、本盤は、2002年『Naked Ride Home』以来6年ぶりとなるスタジオ・アルバム。人肌温かく繊細な”ジャクソン節”は健在にして、普遍。日本盤のみボーナス・トラックとして、盟友デヴィッド・リンドレーとの共演ライヴ「Late For The Sky」を収録。
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4 Soundtrack 『A Good Year:プロヴァンスの贈りもの』
巨匠リドリー・スコットとラッセル・クロウ。2001年に「グラディエイター」で世界中を魅了した名コンビが、南仏プロヴァンスを舞台に、極上のワインのような薫り高い珠玉の感動のドラマを製作。ハリー・ニルソン「How Can I Be Sure Of You」、「Jump Into The Fire」、「Gotta Get Up」、パティ・ペイジ「Old Cape Cod」、デラニー&ボニー「Never Ending Song Of Love」等を収録。
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ユカイ ジャクソン・ブラウン好きでさぁ。去年、来日公演観に行っちゃった。新しいアルバムの『Time The Conqueror』の好き嫌いはもう別にして、やっぱりいいよねっていう。最近はずっと、アコースティックのアルバムを出してたんだけど、あれも好きでさ。巧いんだよね。ジャクソン・ブラウンは、キーボードも弾くじゃない?そのキーボードもいいんだよね。ライヴもすごく良かったよ。いいギター弾いてるしね。かっこいいギターばっかり持ってんだよね(笑)。
『A Good Year』はサントラ。邦題は、『プロヴァンスの贈りもの』っていうんだけど。リドリー・スコットが監督のこの映画が好きでさ。主演のラッセル・クロウのファンなんだよね。ラッセル・クロウの映画は結構観てるんだけど。サントラには、ジョン・レノンと仲の良かったハリー・ニルソンとか、パティ・ペイジとか、色々入ってるんだけどね。これは、最近よく聴いてるなぁ。
--- サントラはよく買われるのですか?
ユカイ サントラ・マニアだもん(笑)。ちょっとでもいいなぁと思った映画のサントラは、買っちゃうね。でも、一時的に集中してガーッと聴くんだけど、飽きちゃって聴かなくなっちゃうからさ、サントラって(笑)。リドリー・スコットの他のサントラはどうか分からないけど、デヴィッド・リンチとかの作品のサントラはすごいからね。監督のこだわりっていうか、その人の色になってるからさ。俺、いっぱい持ってるよ、サントラ(笑)。
--- では、ユカイさんの”サントラ話”をお伺いする機会は、あらためて、たっぷりとお時間をご用意させていただきますね(笑)。
ユカイ オーケー、サントラでね(笑)。
--- 今回、挙げて頂いたアルバムなり楽曲を聴けば、ユカイさんの作品が、これまで以上に様々な角度から楽しめるのではないかと思います。
では、残念ながら、そろそろお時間ということでして・・・最後に、HMV ONLINEをご覧のファンの方々にメッセージをお願い致します。
ユカイ 今年は、この究極のベスト・セルフ・カヴァー・アルバム『I AM A ROCKMAN』、これを引っさげて、ROCKMANが駆け巡るぜっていうね。若いヤツからお年寄りまで、ROCKMANを見せつけてやるっていう。これがメッセージかな。
--- 今日は長いお時間、ありがとうございました。
ユカイ とんでもない。ありがとうございました。
【取材協力:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント・ジャパン】