Wednesday, November 19th 2008

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シスコのサイケ・シーズンを飾った 世界一素晴らしい名を持つグループ。 ドリーミーであり、アシッドであり、 捉えどころなき未知のサイケデリアを
67年、ユタ管弦楽団のヴァイオリン奏者デヴィッド・ラフレイム(出身はシアトル)と、その妻で鍵盤奏者のリンダ・ラフレイムを中心に結成された、サンフランシスコの6人組のサイケ・ロック・グループ、イッツ・ア・ビューティフル・デイ(以下、IABD)。素晴らしいグループ名ですよね。初めてのスタジオ録音を終えたラフレイムが、外に出たときに発した言葉から、この名前が付いたそうです。伸びをしながら、「あー、やっぱ外は気持ちイイね」。きっと、こんな具合だったのでしょう。彼らが、1stアルバム『It's A Beautiful Day』を発表した69年のベイエリア・シーンと云えば、グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインを2大巨頭に、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サービス、ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー、ヴァニラ・ファッジ、モビー・グレイプ、アイアン・バタフライなど、ロック史にその名を残す多数のビッグ・アクトが、「フラワー・ムーヴメント」、「ヒッピー・ムーヴメント」という一大カウンター・カルチャーのもと、サマー・オブ・ラヴのさらなる高みを求めて鎬を削っていたというのはご存知のところでしょう。彼らIABDも、ラフレイムのヴァイオリンとヴォーカル・ハーモニーを主体にした、ファンタジックでドリーミー、しかし、時に、ハード且つ凄惨なサイケデリック・サウンドを奏で、人気を博しました。映画「フィルモア最後の日」においても、デッド、ジェファーソンに負けず劣らずの存在感を示し、やはり、シスコ・ロックを語る上で決して外せない重要グループということを認識されたファンの方も多かったのでは?
ファイン・アートに出典をみたと思しき初期のジャケット・アートも、IABDの魅力のひとつと云えるでしょう。ヒッピー・カルチャー全盛という時代/土地柄、ドぎつく覚醒的なサイケ&アシッド・アートが氾濫する中で、彼らの古き良きアメリカをイメージしたかのような風通しの良いジャケット・アートは、やはり一際異彩を放っていたと云っても過言ではないでしょう。このことは、1stアルバム『It's A Beautiful Day』のジャケットに全てが集約されています。
ここでざっと、グループのヒストリーをご紹介しましょう。第1期メンバー(1967〜69)は、ラフレイム夫妻のほか、ハル・ウェイジネット(g)、ミッチェル・ホルマン(b)、ヴァル・フエンテス(ds)、パティ・サントス(vo)からなる6人。69年、上述のデビュー・アルバム『It's A Beautiful Day』をリリース。この1st発表後、リンダはグループを脱退。代わりに、フレッド・ウェブ(key)を加えた第2期ラインナップ(1969〜71)で、2ndアルバム『マリイング・メイデン』を70年にリリース。その後、ホルマンが脱退し、ビル・グレゴリー(g) と、トム・フォウラー(b)を新たに迎えた第3期ラインナップ(1971〜73)で、『Choice Quality Stuff』(71年)、そして、ライヴ盤『At Carnegie Hall』(72年)をリリース。翌73年、ギャラの問題に端を発する他のメンバーとの軋轢(家族との時間を大切にしたい説あり)から、デヴィッドが脱退。グループは、新たにグレッグ・ブロック(vln)、バド・コックレル(b)を迎え、IABDを継続。この第4期メンバー(1973〜74)で5作目『Today』(73年)をリリースするものの、編集盤『1001 Nights』(74年)がラスト・アルバムとなってしまいました。
そんな秀逸なジャケット・アートを身上としていた(?)IABDのアルバムが、Vividサウンドより待ちに待った「紙ジャケ」でリリースされるというのが、本稿のメイン・テーマ。抜けるような青空の下、西海岸の爽やかな風にひとり吹かれる、ロック・ジャケット・アート展の大常連アルバム『It's A Beautiful Day』から、デヴィッド・ラフレイム脱退後の74年作『Today』(単品でのCD化は初!)までの全5タイトルが登場。くどいようですが、そのラインナップは、サマー・オブ・ラヴ・イヤーを象徴する名曲「White Bird」を収録した1stアルバム、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアを迎えて、サイケデリック・サウンドとカントリー/フォークのテクスチャを融合させた2ndアルバム『Marrying Maiden』、ホセ・チェピート・アリアス、コーク・エスコヴェードといったサンタナ・グループの強靭なパーカッション部隊を招き、ラテン・ロックにも挑んだ、通称「キャメル・アルバム」(多分!)の3rd『Choice Quality Stuff』、エリオット・メイザーをプロデューサーに招いた、第3期ラインナップによる71年12月、N.Y.はカーネギー・ホールにおける実況録音盤『At Carnegie Hall』、そして、73年の最期のオリジナル・アルバム『Today』。さらには、その『It's A Beautiful Day』のジャケット・アートをあしらったボックス・セット(5タイトル同梱)も、完全限定生産で同時発売というのですから、シスコ・ロック、サイケデリック・ロック、アート・ロック・ファンにとっては朗報以外の何ものでもない玉盤放送級のアナウンス。
「シスコ・ロック第4の刺客」なんて、大胆なことを記してしまいましたが、実際は、69年デビューということを鑑みれば、「遅れてきた大型グループ」あるいは、「シスコ・ロックの最終兵器」・・・なんていうキャッチの方がしっくりくるのかも知れませんね。ただ、楽曲的な完成度は、デッド、ジェファーソン、クイックシルヴァーと比較しても全く遜色のない、至極高いものであるのは、紛れもない事実でしょう。往年のIABDファンの方々が、深く頷いているのがリアルに目に浮かびます。そういう意味でも、強豪揃いのシスコ・シーンの偉大なる「4番手」と、彼らIABDを位置づけたかったのです。なにしろ、1stアルバム『It's A Beautiful Day』を聴いていただければ、この思いがきっとお分かりになって頂けるハズです。
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4 『Columbia Years 1969-74』 « New«
サイケ〜シスコ・ロック及び、全アメリカン・ロック・ファン問答無用のマスト・アイテム登場!権利関係上、一部廃盤が続いたIABDの輝かしきコロムビア時代の初期全5タイトルをボックス・セットでご提供。アートワークに使用されたジャケットは、言わずもがな名盤1st『It's A Beautiful Day』のそれ。初回限定生産品につき、数に限りがありますので、お早めのオーダーをオススメします。メーカー特典として、抽選で50名様にTシャツが当たる応募券が封入されています。
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4 『It's A Beautiful Day』 « New«
グレイトフル・デッド、ジェファーソン・エアプレインなどと共に、60年代サンフランシスコ・ロックの黄金時代を彩った名グループ、イッツ・ア・ビューティフル・デイ(IABD)の69年記念すべき1stアルバム。代表曲「White Bird」、「Hot Summer Day」収録。サマー・オブ・ラヴ時代を象徴する名曲「White Bird」におけるデヴィッド・ラフレイムの天空を舞うようなヴァイオリン、「Hot Summer Day」でのラフレイムとパティ・サントスによるヴォーカル・ハーモニーの見事なコンビネーション、ディープ・パープルが「Child In Time」にイントロを引用したことでも知られる幻想的なインスト曲「Bombay Calling」などを収録したグループ最高傑作。
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4 『Marrying Maiden』« New«
ゲストにグレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアを迎えて、サイケデリック・サウンドとカントリー/フォーク・テイストを融合させた、70年の2ndアルバム。上掲の1st発表後、70年半ばにリンダ・ラフレイムが脱退。あらたに、フレッド・ウェブ(key)を加えて制作された本作は、ジェリー・ガルシア(pedal steel,banjou)と、リチャード・オルセン(clarinet)が参加。軽快な4ビートのインスト・ナンバーM-1、ガルシアをフィーチャーしたフレッド・ニールのカヴァーM-2など、前作で聴けたサイケなソフト・ロックに、ジャズやカントリーのフレイヴァ、さらには、東洋的なサウンドも加味した、よりバラエティに富んだ内容となっている。
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4 『Choice Quality Stuff』« New«
レコーディング半ば、ミッチェル・ホルマン(b)とハル・ウェイジネット(g)が脱退。代わりにビル・グレゴリー(g)、トム・フォウラー(b)を加えて完成された、第2期ラインナップによる『Anytime』サイドと、第3期ラインナップによる『Choice Quality Stuff』サイドからなる、72年の3rdアルバム。特筆すべきは、「CQS」サイドでの、ホセ・チェピート・アリアス、コーク・エスコヴェードといったサンタナ・グループの強靭なパーカッション部隊を招き、タイトなリズム・セクションをフィーチャーしたロック・ナンバーM-1、M-6。バンドの新生面を示した、ラテン・ロック好きにも需要の高い1枚。
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4 『At Carnegie Hall』 « New«
前作からフィーチャーされた第3期ラインナップによる唯一のフル・アルバムは、71年12月、N.Y.カーネギー・ホールにおける実況録音盤(72年発表)。デヴィッドのヴァイオリンと、ビル・グレゴリーとの掛け合いでツイン・リード・ギターのようなサウンドを聴かせるM-1、IABD脱退後に、フランク・ザッパのマザーズに参加するベースのフォウラー作によるファンキーなM-6など、グループ史上最強の演奏力を誇ったラインナップによる白熱のパフォーマンスを完全収録。プロデューサーは、エリア・コード 615、リンダ・ロンシュタット、ニール・ヤング作品を手掛けたことでも知られるエリオット・メイザー。
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4 『Today』 « New«
デヴィッド・ラフレイムと、トム・フォウラーが脱退し、バド・コックレル(b)とグレッグ・ブロック(vln)を加え、プログレめいたブルース・ロック・テイストを打ち出すなど、新たな方向性を示唆・・・しかしながら、グループのラスト作となってしまった73年作品。フリーやブロンコを思わせるブリティッシュ・テイストも聴きドコロ。M-7は、ジム・シールズ(シールズ&クロフツ)のカヴァー。本作でのコックレルとサントスとのコンビネーションは、78年のバド&パティ名義のアルバム『New Bigennings』へと発展。またこの後、コックレルは、パブロ・クルーズを結成。ブロックは、イタリアのプログレッシヴ・バンド、PFMにマウロ・パガーニの後任として参加することとなる。
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現在、デヴィッド・レフレイムは、 ジェファーソン・スターシップのツアー・メンバーとしても活動
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4 David Laflamme Band 『Beyond Dreams』
IABD時代の名曲「White Bird」、「Bombay Calling」のアップデート・ヴァージョンを含む、デヴィッド・レフレイムのバンド名義による2003年ソロ作品。
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4 Jefferson Starship 『Jefferson's Tree Of Liberty』
ジェファーソン・エアプレインの離陸から44年目を迎え、今なお意欲的な活動を続けるポール・カントナーと、彼が率いるジェファーソン・スターシップの最新作。その長い歴史の中で多彩なサウンドを試みてきたポールが、再び自身のルーツに対峙し作り上げたファン必聴の意欲作。ツアー・メンバーとして参加しているデヴィッド・レフレイムもヴァイオリンで全面的にフィーチャーされ、もはや準メンバーとしての地位を確立。盟友デビッド・フライバーグと3人の女性シンガーを起用したジェファーソン伝統のボーカル・ワークをご堪能あれ。
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シスコ・ロック症候群処方
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4 Grateful Dead 『Live Dead』
泣く子も黙るシスコ・ロック・ファイネスト、グレイトフル・デッドの70年発表の名ライヴ盤。ドでかいPAを使っての演奏を、当時最新鋭の16トラック・レコーダーで収録。アナログ時代、A面全てを使って収録されていた「Dark Star」は、デッドのライヴ名演として名高いもの。洪水のようなバンドの一体感に体を揺らすジャム、「Eleven」も鳥肌モノの素晴らしさ。
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4 Jefferson Airplane 『Bless Its Pointed Little Head』
69年初頭に発表された『フィルモアのジェファーソン・エアプレイン』。68年10月のフィルモア・ウエスト、11月のフィルモア・イーストで行われたステージの模様を収めた、グループ初のライヴ作。政治的になりつつあったポール・カントナーに反発し、ヨーマ・コーコネンとジャック・キャサディは音楽そのものを楽しむ為、この時期ホット・ツナを結成。エアプレインと並行して活動を行った。 |
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4 Quicksilver Messenger Service 『Happy Trails』
クイックシルヴァー・メッセンジャー・サービスの69年発表の2ndアルバム。スタジオ・ライヴ音源を含んだ本作は、ライヴ・バンドとしての醍醐味をダイレクトに伝えている点で間違いなく初期の最高傑作と言える。とりわけアナログ盤のA面全てを使った25分に及ぶ表題曲は、ボ・ディドリーのリズムに乗って、延々と繰り広げられる天才ジョン・シポリナのギター・インプロヴィゼーションが最大の聴きもの。
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4 Big Brother & Holding Company 『Be A Brother』
ご存知ジャニス・ジョプリンの「バックバンド」としてもおなじみのビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーの、ジャニス脱退後、ニック・グレイブナイツをボーカルで数曲でフィーチャーした70年作品。
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4 Vanilla Fudge 『Vanilla Fudge』
60年代末の「アート・ロック」、「ニュー・ロック」ムーヴメントの先鞭をつけた存在として、当時日本でも人気の高かったバニラ・ファッジ。サイケな装飾のステージと、それに呼応するヘヴィなサウンド。本作は、67年発表のデビュー・アルバム。ビートルズ曲や、ソニー&シェール曲など、彼らは主にカヴァー曲をレパートリーとしていたが、アレンジの段階で原曲を大胆に料理し、自らの曲といってもいいほどの完璧なモノに仕立て上げている。
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4 Moby Grape 『Wow』
あのはっぴいえんどにもサウンド・コンセプトや、アティテュードの点で多大な影響を与えたモビー・グレイプの名作2ndアルバム。モヤッとしたサイケ感と、古いアメリカン・ミュージックの要素が組み合わさったサウンドは、今も新鮮さを失っていない。「He」のイントロが、はっぴいえんど時代の細野晴臣・作の名曲「夏なんです」のイントロのモチーフとなっていることも有名。ジャケットも素晴らしい。
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4 Neighb'rhood Childr'n 『Neighb'rhood Childr'n』
ジェファーソン・エアプレインに次ぐ存在としてデビューした、女性メンバーを含む男女4人組サイケ・グループ、ネイバーフッド・チルドレンが68年に発表した唯一のアルバム。ファズ・ギターとオルガンで奏でるスペイシーなトリップ・サウンドは、まさに60sサイケの煙たさを漂わせた傑作。いかにも60sベイエリアなジャケットも人気の1枚。
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4 Blue Cheer 『Vincebus Eruptum』
ヘヴィなのを2発。まずは、サンフランシスコ出身の3人組で結成された、元祖・轟音ガレージ、元祖・ハード・ロック/ヘヴィ・メタルと名高い、ブルー・チアーの68年発表傑作1stアルバム。本作収録のエディ・コクランのカヴァー「サマータイム・ブルース」のファズ・ギターのカッコ良さは、ザ・フーのライヴ・ヴァージョンと共に永遠に語り継がれていくことだろう。
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4 Iron Butterfly 『In A Gadda Da Vida』
お次は、こちら。サイケ一辺倒の当時のシスコ・シーンに撃鉄を落とした、問答無用のヘヴィ・ロック・サウンド。アイアン・バタフライの68年の2作目となるライヴ・アルバム。当時のAtcoレーベルで唯一100万枚のセールスを記録したロック・レコードとしても有名。インド音楽のオリエンタル性を取り入れた17分にも及ぶ「In-A-Gadda-Da-Vida」を初めて耳にした時の衝撃が今も忘れられない。
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4 V.A. 『Summer Of Love: The Hits Of 1967』
シスコのフラワー・ムーヴメント期のアーティストの音源を収録した2枚組コンピレーション・アルバム。フラワー・ムーブメントが頂点を迎えた67年のミュージック・シーン、まさにその渦中にいたママス&パパス、ビーチ・ボーイズ、ジェファーソン・エアプレインらに加え、同時期に英で活躍したヤードバーズなども含め、多くのミュージシャンのオリジナル・バージョンを含む全40曲を収録。付属のDVDには、14トラックのパフォーマンスに加え、インタビューも収録。
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