サンタナでの活躍や、シーラ・Eの叔父としても知られる、名パーカッショニスト、コーク・エスコヴェードが率いたラテン・ファンク・バンド=アズテカの初期メンバーとして活躍していたことでも最も知られるギタリスト、ジェイムス・ヴィンセント。ヴィンセントは、あのシカゴ結成のキーマンの一人で、かつてはピーター・セテラらとジ・エクセプションズというバンドで活動し、テリー・キャス、ダニエル・セラフィン、ロバート・ラム等とも親交が深かったシカゴ・サーキットの重要人物なのです。78年に発表した「スティーヴィーmeetsウェス・モンゴメリー」とも称される、奇跡のファンキー&メロウ・アルバム『Waiting For The Rain』が遂にナイス・ディスカヴァリー・リイシュー!世界初CD化!しかも紙ジャケですよ!
レコード・コレクターズ誌のAOR特集やAORガイド『AOR Light Mellow』にも掲載され、長らくそのスジのファンから幻の名盤と崇められていた3rdアルバム『Waiting For The Rain』。実は、今回の正規CD化以前に1度、自身のホームページのみでCD-R(恐らく!)が自主制作販売されたものの、それも今や日本での入手が困難になってしまったというほどの垂涎盤。この作品から、現在傾倒するコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックへの接近が始まったと言われているのです。
「メロウなフュージョン・テイストをバックにしたヴォーカル・ナンバー多数」という半ば常套句気味のキャプションさえあれば、ピンとくる人はピンピン!タイトなリズム隊に琴線触れまくりの哀愁・美メロが絡むソウルフルなオープニング・チューン「What Does It Profit A Man?」、スペーシー・フォーク・アンサンブルの妙「Etude#20/Daniel、Daniel」と、前半はフュージョン・テイスト溢れた楽曲がずらり。爽やか且つ、泣きドコロもおさえまくった、本盤の目玉トラックとなるメロウ・グルーヴァー「How Can I Thank You Enough」以降は、至極のメロウネスが溝という溝から大噴出。「The Seventh Day」は、西海岸よろしくな爽風をこれでもかと運んできてくれる、AORファンど真ん中の逸品。もちろんフリー・ソウル系リスナーにもどツボ!シーウィンド・ホーンセクションの参加も吉★
さらに嬉しいことに、ジェイムス・ヴィンセント紙ジャケ復刻は、これだけにとどまらず!マハヴィシュヌも裸足で逃げ出すインストゥルメンタル・サイケデリアの集大成とも謳われる、74年ソロ1st『Culmination』(録音は71年)、ハーヴィ・メイソン、ジャック・ニッチェ、同郷アース・ウィンド&ファイアのホワイト兄弟、さらには、盟友ピーター・セテラもヴォーカル参加した76年の2nd『Space Traveler』、AOR名盤と名高いコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック系レーベル、スパロウに移籍しての80年4th『Enter In』の3作品もめでたく正規CD化決定!もちろん、こちらももれなく紙ジャケですよ!
求ム「ライト・メロウ」、求ム「アーバン・ソウル」、求ム「ファンキー・フュージョン」。このスジの3大欲求を同時に満たしてくれる全方位的な逸品はそうそうないですよ!ボズ・スキャッグス、エイドリアン・ガーヴィッツ、マシュー・ラーキン・カッセル、マイケル・フランクス好きの諸兄は、この機会にまとめ買いのご準備を。ちなみに、『Waiting For The Rain』のライナー・ノーツは、金沢寿和氏執筆によるものということです。お楽しみに!