Bob Marleyのすゝめ 【6】

2008年11月4日 (火)


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第6篇
一族の名にかけて 〜ボブ・マーリーの遺伝子

Marley Family Goes On


たしかに、「なんとかの七光り」というのはごく一握りの人間にしか与えられない特権でもあるのですが、 やっかみ半分の周囲の目を気にしないっていうのもひと苦労・・・
2世タレントが、伸び悩む理由の最大の要因に、
偉大すぎる親御の影との闘いに疲れ果ててしまう、
というのも、経験はないけど深く頷けます。

・・・それはそうと、
Ziggy、Stephen、Julian、Kymani、Damian。(勿論、これが全員じゃないですよ)
萎縮することなく、偉大なる父の遺志を受け継ぐ、
誇り高きマーリー・ブラザーズの精鋭5人の作品に耳を傾ければ、
「良質な血を絶やすわけにはいかない!」
そんな強い使命感に駆られていることも、お分かりいただけるはずです。

彼ら一族は、Bob Marley & The Wailersにちなんで、
所有車を、BMWで統一してるんだとか。。

Peter Toshのルード・ボーイ魂を受け継ぐ、Andrew Toshもお忘れなく。




Conscious Party   Ziggy Marley&The Melody Makers
『Conscious Party』

Bob Marley、Rita Marley夫妻の長男として生まれたZiggy。David Bowie好きが高じて付いたニックネーム=Ziggyからも分かるとおり、偉大すぎ、似すぎている父の背中を追ったレゲエ・ミュージックをストレートに表現するというよりは、よりインターナショナルなポップ・ミュージック路線へとその音楽的方向性を求めていった。妹のセデリア、弟のステファン、異母姉妹であるシャロンと共にMelody Makersを結成するも、正直パッとしない時期が続いた。88年のVirgin移籍を機に、Talking HeadsのChris Frantzらをプロデューサーに迎え制作した、この『Conscious Party』で大ブレイク。次作『One Bright Day』では、見事グラミー賞を獲得した。ヒット・シングル「Tomorrow People」収録。  


「Tomorrow People」が視聴できます♪

Love Is My Religion   Ziggy Marley
『Love Is My Religion』


2003年にファミリー・グループ=Melody Makersを解消したZiggyが、2006年に発表した2ndソロ・アルバム。流麗なレゲエ・トラックを中心にしながらもアフリカン・ビートが高らかに鳴る楽曲など、ワールド・ミュージックのスパイスも効いている本作は、前作『Dragonfly』以上のヴァリエーションを兼ね備えている。Ziggyの社会的、政治的テーマが色濃く反映された内容となっている。


「Love Is My Religion」が視聴できます♪

Mind Control   Stephen Marley
『Mind Control』


Bobの第2子として、早くからアーティスト活動を続けてきたにも関わらず、プロデュース業など裏方仕事に専念していたゆえ自身のタイトル作品がなかったStephen(スティーブン)が、満を持してリリースした2006年のソロ・デビュー・アルバム。兄Ziggy、弟Damianを筆頭に、Mos Def、Ben Harper、Bunny Wailerらが参加し、ジャンル、世代を超えたブラック・コミュニティの結束の固さを、Bob Marleyという伝説的フィルターを介し、見せ付けている。Damianとの共演曲「Traffic Jam」でのヒップホップ・テイストが今どきな感じで胸すく。


「Traffic Jam」が視聴できます♪

Lion In The Morning   Julian Marley
『Lion In The Morning』

他の兄弟に較べると若干注目度の低いと思しきJulianは、75年ロンドンで、Bobと白人女性との間に生まれた。本作は、96年に発表した全世界デビュー・アルバム。「ルーツ、ロック、レゲエ」然とした濃ゆさは薄いものの、ジャズ、ロック、ブルースなどの要素を取り入れた新鮮なレゲエ・サウンドが聴くことができる。父親譲りのしゃがれ声は、端正な顔立ちとのギャップとも相俟って魅力倍増。


「Lion in the Morning」が視聴できます♪

Time & Place   Julian Marley 『Time & Place』

Julianの2003年発表の2ndアルバム。プロデュースは、兄のStephenが手掛け、リリースは、そのStephen、Lohan(Lauryn Hillの夫君)、Julianで立ち上げたGhetto Youths Internationalレーベルより。


「Summer Daisies」が視聴できます♪

Many More Roads   Kymani Marley
『Many More Roads』


「ワン・ラブ」、「シャタ」といった映画における俳優活動でもおなじみのKymani Marley。母はジャマイカの卓球選手だそう。アメリカ育ちで、ジャマイカのMarleyー家とは一線を画した独自の活動を展開。Dee JayのClifton "Specialist" Dillonに見い出され、99年にBobとの疑似共演曲も含む『The Journey』でメジャー・デビュー。こちらは、グラミー・ノミネートもされた2001年の3rdアルバム。ちなみに、現在もマイアミ在住。


Radio   Kymani Marley 『Radio』

上掲の前作から6年ぶりとなった4thアルバム。父親に最も似ていると評される歌声は、もちろん健在。ゲストに、G-UnitのYoung Buckや、Myaといったヒップホップ/R&B勢を迎え、そのスジのリスナーにも訴求力は十分。ベテランDee Jay、Louie Rankinの参加にもニヤリ。



「March」が視聴できます♪

Mr Marley  Damian Marley 『Mr Marley』

Bobの愛称「Tuff Gong」から、「Jr. Gong」というミドル・ネームを継承した、ファミリーの末っ子Damianは、今年でちょうど30を迎える。母親は、76年のミス・ワールド、シンディ・ブレックスピアーで、Bobが他界した時、彼はまだ3歳にも満たなかった。本作は、兄Stephenをプロデューサーに迎えて制作した、父Bobに捧げるアルバム。Bobの代表曲を兄Stephenがカヴァーし、そこにDamianが、トースティングを乗せるトラックを中心とした、96年の記念すべきデビュー作。


「Party Time」が視聴できます♪

Halfway Tree  Damian Marley
『Halfway Tree』


Motown移籍第1弾となる、2001年の2ndアルバム。「一人前のアーティストとしてやっていけること、自分で作詞ができることを示した最初の作品。」と本人が云うとおり、前作を遥かに凌ぐ濃密で高い完成度を誇る。グラミー賞で、ベスト・レゲエ・アルバムを受賞。Naughty By NatureのTrech、Ruff RydersのDrag-On、Lost BoyzのMr. Cheeksといったヒップホップ人脈とのつながりは、レゲエ/ダンスホールのさらなる可能性を示唆してみせている。尻尾にシークレット・トラックとして、Bob「Could Be Loved」のリメイク「And You Be Loved」を収録。



「Educated Fools」が視聴できます♪

Welcome To Jamrock   Damian Marley
『Welcome To Jamrock』


ジャマイカ〜N.Y.での特大スピンを経て全世界に飛び火。2005年に空前の「Welcome To Jamrock」旋風を巻き起こしたビッグ・ヒット・アルバム。兄Stephenは勿論のこと、Bounty Killer、Eek-A-Mouse、ヒップホップ/R&Bフィールドからは、Nas、Black Thought(Roots)、Bobby Brownといった豪華絢爛のゲスト陣を迎え、レゲエの枠を超えたワールドワイドなサウンド&ヴァイヴスを作り上げている。こちらは、グラミー賞で「ベスト・レゲエ・アルバム」、「ベスト・アーバン/オルタナティヴ・パフォーマンス」の2部門を受賞。



「Welcome to Jamrock」が視聴できます♪

Andrew Sings Tosh (He Never Died)Andrew Tosh
『Sings Tosh (He Never Died)』


父Peter Tosh(母は、Bunny Wailerの姉Shirley Livingstone)の遺志を継ぐAndrew Toshは、生まれた時からWailersを始めとする最高の音楽に囲まれ、10歳になる頃には、父から歌の手ほどきを受けていたという。17歳でDJのCharlie Chaplinをフィーチャーした「Vanity Love」で華々しくデビュー。87年、父の葬儀で「Jah Guide」、「Equal Rights」を歌ったのを皮切りに、精力的な音楽活動を開始。アメリカで行われたPeter Toshの追悼ライヴでは、以前Peterのバックを務めていたミュージシャンと共にバンドを結成して演奏を捧げ、『Make Place For The Youth』というアルバムとなって世に出た。本作は、2004年リリースの父Peter Toshソングブック。



         

第1篇 ボブのオリジナル・アルバムをとにかく最安値で
第2篇 未発表曲、初期音源、ベストに手を伸ばしてみよう
第3篇 死後に多数リリースされたライヴ盤をピックアップ
第4篇 目に焼き付ける、ボブ・マーリー
第5篇 バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュの作品