メーカーさん すみません・・・そろそろお時間ですので・・・。
--- はい・・・。
メーカーさん (空気を感じて下さって・・・)あ、ではラストの質問までで、大丈夫です(笑)。
--- すみません、ありがとうございます(笑)。本当にいろいろお伺いしたいことがあったのですが・・・では、個人的にすごく惹かれた海の・・・あの小屋のシーンなんですが、色彩が本当に美しくて、うっとりしてしまいました。あのシーンは、どのように撮られたのかというのをお聞かせ頂けますか?
黒沢 あの海のシーンは、実は・・・かなり凝ったことをやってるんですね。海のシーン全体なんですけど、何でもないようであれはね、大変だったんですよ。というのはまあ、狙いからして、「真っ暗な海を撮りたい」と。だけど、光学的には撮れない訳ですよ、真っ暗な海なんてね(笑)。でも、何かはもちろん、見えている・・・というところで、「一体どうするか?」っていうのをずいぶん、撮影部、照明部、悩みまして・・・僕も細かくどうしたってうまく言えないんですけど。
照明も焚いたんですけど、実際、本当にかなり暗い中で撮影してですね。実は、部分的にはデジタル的な効果、コンピューターグラフィックスほどではないですけど、何気なくそういう処理をして、いじってあるところなんです。暗い海なんですけど、「ちょっと変でしょ?」っていうのを出してるんですね。
--- そうだったんですね。あのシーン、本当に美しいですよね。CM的でもあり、すごくアート性もあって・・・。今まで家の中から出なかった母親が家の中から外に出て行った先には、あんな光景が広がっているなんて・・・と、すごくはっとしたシーンでもありました。
黒沢 ありがとうございます。僕も、今回ももちろん全部、35ミリのフィルムで撮影してるんですけれども、自分で言うのもなんですが、日本のフィルムの撮影、現像も含めて、そういう技術って、世界のトップレベルにある・・・という気がしました。
昔はヨーロッパはなかなかよかったんですけど、今はもうだめですね、正直言って。ごく一部で、なかなかいいのもありますけど、今たぶんヨーロッパより日本の方が優れている・・・アジアの中でも。アメリカはやっぱりまだね、相当いいのがあるんですけど。
内容だけじゃない、そういう撮影の技術が本当に日本映画は今、すごいところに来ている。それは、誇っていいことだろうと思いました。(少し小声で)まあ、そうじゃない作品もありますけどね?(笑)。「やれば出来る」。それは本当に言えると思いますね。
--- お時間が足りないくらいだったのですが・・・。
黒沢 そうですね、残念ですけどね。
--- 本日は、ありがとうございました。
黒沢 いえ、こちらこそ。ありがとうございました。
おわり