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tae(ヌマクラタカシ&小野眞一)インタビュー2/2

Monday, November 20th 2006

  tae、ニュー・アルバム完成!リリース!
  tae(ヌマクラタカシ&小野眞一)インタビュー 2/2

―インタビュー続き―

-『ロックミュージック』というタイトルに込められたものも含めて、今回のアルバムのコンセプトというようなものがあったら教えてもらえますか?

沼倉「演奏とか曲調にしては、所謂、スロウなバラードとか、よりポップなものを創ろうという構想は今回は外して、僕らのロックミュージックをセレクトして入れたという感じで。タイトルが決まった時点でほんと上手く、いろんなロックミュージックがはまったなという感じですね。結果的によかったです」

-スピード感のある楽曲が少ないというか、ミドルテンポのロックが多いなって感じたんですが。

小野「まあなんか、モッシュをするよりか、気持ちよく踊れるテンポの曲が多いですね。そう考えるとそういう曲を今やりたがっていた結果なのかもしれないですね」

-所謂、ロックが持つ過剰な激しさってあんまりないですよね、ほんと。

沼倉「そうっすね。今言われて思いつい出したんですけど、自分が好きで今まで踊っていて好きだったテンポ感がこれだったんじゃないっすかね。若い頃から」

-アルバムに収録されている「80s/90s」が象徴しているのかもしれないですね。そのような懐古感を改めて今に表現するという感覚が。

沼倉「そうですね。『80s/90s』に込められた思いっていうのは、その頃のことを忘れないというか、覚えていたいという話なので。その、なんていうか、無かったことにはしたくないっていうか。辛いことも含めて」
小野「曲で20年間を語ってしまうというのが凄いなって思ったんだけど(笑)」
沼倉「そうだね(笑)。ていうか、みんな変わっていくじゃないですか? 下北沢の駅も再開発がもっと進むんだろうし。でも僕はそういう変化に関しては全然問題にしないんですよ。それは、変わっていく必然があるからいいんじゃないかって思うほうで。僕はそれに反対もしないし賛成もしない。けれど、僕が関わっていくものに関しては反対賛成ありますが、外側の変化に関してはなんとも思わないというのは変ですが、“僕が覚えているから大丈夫”みたいな。変わるときは変わるじゃないですか? 人間も、景色も。この『80s/90s』を書いて改めて俺はそういう風に思っているんだなって、今回自分自身解ったというか。発見したというか」

-じゃあ、今後、“俺が世界を変えてやる!”みたいな歌詞が産まれるということはない?

沼倉「ん……だって、変えられないでしょう!? 世界は」
小野「前にそういうことを話したことがあるんだけど、そういうことを言うんだったら、政治家にでもなればいいっていうことなんじゃないかな。音楽に出来ることって凄い大事なことだと思うんですが、もうちょっとささやかな。もうちょっとそっと後押ししてあげられるようなものなんじゃないかなって思うんですけどね…。といいつつ、僕は音楽で人生変えられちゃいましたからね(笑))」

-(笑)。逆に沼倉さん小野さんから『ロックミュージック』を改めて聴きなおしてみて、収録楽曲を演奏してみて、お気に入りの曲とかライブで演って気持ちいい曲があったら教えてもらえますか?

沼倉「演奏していて気持ちいいのは、『フライデーナイト』のイントロからギターのリフが始まって行く部分が好きですね。もう、“わー!”みたいな。テンション上がりますね…」
小野「俺は演奏していて気持ちいいのは『ウェル ウェル ウェル』かな」
沼倉「おー、そうですか。了解しました(笑)」
小野「あの曲は、あのグランジの匂いというか。そういうのがあってね。あと、今回のアルバムはギターの音をほとんど直さなかったんですよ。ほとんど一発撮りというか。そういうところにロックの秘密というか、魔法のエッセンスがあるというか。後はギターの間とか呼吸間とかも上手く表現できたかなと思いますね」

-逆に、お互いがお互いを見て、“気持ちよさそうにしてるなぁ”と感じる曲は?

小野「『ロックミュージック』かな。気持ちよく唄ってるんじゃないんですか?」
沼倉「うん。気持ちよく唄ってますよ。ていうか俺、基本的に全部気持ちよく唄ってますから大丈夫ですよ(笑)。そういえば、『ウェル ウェル ウェル』は小野さん気持ちく演奏しているね。そう考えるとね」

-このアルバムを創るにあたってもそうですが、この場にいないリズム隊のキャラクターも含めて、taeというメンバー間というのはどのような関係性で成り立っているか教えてもらえますか?

小野「アベちゃんは、ドラム番長だよね。“ドラムは俺に任せろ。後は知らん”みたいな(笑)。それと、ススムさんは、tae全体を見ていて、なんかミスリードになりそうになったらそれを引き戻してくれるっていう。」
tae
ヌマクラタカシと小野眞一(左から)

-素朴な疑問なんですけど、taeってリーダーいるんですか?

沼倉「リーダー…」
小野「最近、“小野眞一率いる〜”って書かれたり言われたりしているんですけど、全然率いていないですからね(笑)」
沼倉「まあ、こういうインタビューを受ける機会が多いから俺なのかもしれないけれど一概にそうとも言えないし。ススムさんがリーダーなときもあるからね。アベちゃんが仕切ってガンガンやるときもあるし。『つぼ八』言ったらアベちゃんリーダーだしね。気づいたら目の前にアベちゃんがオーダーしてくれた『緑茶割り』がいっつも俺の目の前に置いてあるからね(笑)」
小野「それってリーダーか?」
沼倉「リーダーじゃないか(笑)」

-(笑)。ではtaeが何かをスタートさせるときのきっかけを作るのは誰なんですか?

沼倉「まず、話し合いをしますね」
小野「“次こうするからついてこい!”ていう人はいないんですよ。だから、所謂バンマスとかはいないよね」

-改めてこの『ロックミュージック』を創り上げた後の実感、やり遂げた感というのは今までの作品と比べてどうですか? 違いはありますか?

小野「僕は、今回は、自信があるというか、後悔が一切ないです」
沼倉「今まではあったんですか!?」
小野「いやいや(笑)。例えば、ギターのノイズとかが残っていて。俺はそれを消したかったんだけど、他のメンバーが良いというから残してしまったりとかそういう細かいところなんだって」
沼倉「ああ、そいうことね、わかるわかる」
小野「今となってはいいんだけども、 “これって結局正解はどっちだったんだろう”ってことをリリースした後に思うんですよ、今までは。でも今回のアルバムに関してはそういう細かいこと含めて後悔が一切ない。これはみんな思っているんじゃない?」
taeスタッフ「小野ちゃんが珍しく、飲み屋とかで自ら進んで今回のアルバムをかけてみんなに勧めたりするんですよね」
小野「そうそう! 僕、アルバム創り終えたらしばらく聴かないんですよ、いつも」

-それは自信というか、自分を客観的に見ることが出来るようになったんですかね?

小野「それもあるかもしれませんが、出し切った感が強いからなんじゃないですかね。出し切った感じがないと、ギターの音ばっか気になって聴いちゃうんですよね…。だからと言って、今までのアルバムが良くなかったと言っているんでは無いですからね(笑)。あと音がいいってみんな言ってましたね。そこに関してはみんな満足していますね。今回エンジニアをやってくれた方が、ブルーハーツからクロマニヨンズまで手がけている川口聡さんだったので」
100s
100s

-なるほど。ではここで小野さんをフューチャーいたします(笑)。100sでのギタープレイとtaeでのギタープレイでの違いを教えてもらえます?

小野「うーん…。なんだろう……。100sはみんな賢いというか、賢く来る感じがするな。今回の『ALL!!!!!!』はロックなアルバムで、でもそこには緻密な計算がある感じなんだけど、taeはもう肉体的にというか直感的にやってる感じがするなぁ…」

-100sのことを好きになってtaeというバンドを知り、このアルバムを聴いてみようと思っている人も多いと思うので、そのような100sファンの人たちに、今回のアルバムをおススメしてもらえますか?

小野「う……。これまたハードル高いなぁ……(笑)。まあ、ロックミュージックということですかねぇ…(笑)。これがロックミュージックだということですよ。とにかく、“ロックミュージックが好きだったら聴いてみよう!”ということですかね。面白い発見が、ね、あると、思うんです。あと、ね、ロックにはこういうやりかたもあるんだよと。まあ、100sとは全然違いますからね…。色んな部分で」
沼倉「100sでの小野さんよりもやはりtaeでの小野さんのほうが自由度が増すので、それを僕らが制限しないという。笑っちゃうぐらい好き勝手やってるからね」
小野「そうだね。メンバーの数で言っても、1/6と1/4という差があるしね。そういうところでも全然違うしね。だからtaeは足枷が少ないというか。ルールがないみたいな」
涼宮ハルヒの憂鬱
涼宮ハルヒの憂鬱

-そうでうよね。ありがとうございました。それではインタビューも終わりに近づいてきましたので、そろそろなんですが、もう一つ! 小野さんに質問があります! 今、沼倉さんにモバイルでブログを書いてもらっているのですが。そこで「今日のお勧め」というものをやってもらっているのですが。この場を借りて、小野さんに「今日のお勧め」をお願いしたいのですが。しかもお得意のアニメで(笑)。

小野「アニメかぁ…。やっぱりそう来たかぁ…(笑)。ま、わかりやすいところでいうと、『涼宮ハルヒの憂鬱』が去年のアニメなんですが、一番お勧めですかね」
沼倉「じゃあ、わかり辛いところで言うと?」
小野「『らき☆すた』というアニメのオープニングの曲が滅茶苦茶良かったですね(笑)。もう“今までこんな曲聴いたことがねえ!”ぐらい衝撃でした。ロックだなぁって思いましたね。歌詞の載せ方が人間離れしているんですよね」
沼倉「それは、ラップみたいな感じなの?」
小野「そうなんだけど、すっげー早いの。歌が(笑)」

-(笑)。それでは小野さんのアニメ話も聞けたということで、最後にHMV ONLINEをご覧のみなさんにtaeを代表して一言ずつお願いします!

小野「ブルーハーツ時代の甲本ヒロトさんが、『パンク・ロック』という曲で、パンク・ロックは“やさしいから好きなんだ”って唄ってたんですけど、僕はロックミュージックはやさしいから好きなんだと思った。そんなアルバムなんで、是非聴いてください!」
沼倉「ほんとにいいアルバムが出来たので。もしこれを聴いてちょっとでもプラス思考になったり、ちょっとでも良くなったりしたらいいかなぁと思って曲を創ったので、そうなってもらえればいいかなと。あと僕と同年代の人たちに、“昔のことを思い出しても悪いことじゃないっすよ!”と言いたいですね。そういうアルバムです!」

-ありがとうございました。最後に小野さん、まだ何かありますか?

小野「いやぁ…もう」
全員 「(笑)」

  

 

tae / 小野眞一


【インタビュー後】

 インタビューお疲れ様でした!ということで、ヌマクラさん、小野さんと一緒に、スタッフ一同居酒屋へ直行! ヌマクラさんもリラックス。インタビュー中緊張気味だった小野さんも、大好物の生ビールを片手に大満足!  この後、深夜遅くまで、小野さんが潰れるまで、飲みが続いたのは、言うまでもなく、紛れも無い事実です。。。。お疲れ様でした。。。。


 

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