-それでは、岸田さんが最近感動したことは?
岸田「最近ねぇ…。怒ってばっかですからねぇ…。感動、あったかなぁ…」
-ならば最近怒ったことの話でもいいので教えてもらえますか?
岸田「もうなんか凄く機嫌が悪くて怒っていた時があって。一人で渋谷の夜の街を暴れまわったことがあったんですよ(笑)。あのねぇ、僕、あんまりその怒らないんですよ。怒りの感情というか…。まあイラちなんで、すぐイライラするんですけど。その時は凄く怒っていて。この怒りの感情をなんとか処理せなあかんな、と思って。久しぶりにゲーセンに行ってパンチング・マシーンをバーンって殴って。独占して15分ぐらい殴り続けましたね(笑)。まあ、最近あんまり怒ってなかったから、“ここで怒れてよかったかな”って。そこで俺が勝手に思ったのは、よくスポーツとかでストレス解消とかをする人がいるじゃないですか?ゲームとかなんでもいいんですけど。僕、普段そういうことしないですから。でもみんなしてるってことは、みんな普段凄く怒ってんのかな?って(笑)。まあ、その日、大量に酒を飲んでたっていうのもあったからなんですけどね。はい。でまあ、そんなこともあり。一人で納得して。朝、家に帰ろうと思って朝焼けを見たら、“ああ、綺麗やなぁ”っと思って。これは感動やないな(笑)」
-(笑)。逆にゆーきゃんさんは普段怒ったりするんですか?
ゆーきゃん「たぶん普通に怒っていると思うんですけど、忘れるんですよ。怒っていたこと自体を忘れるんですよ。それか、本当に怒ったことがないのかなんですよね…」
-ということはあまり怒りの感情、負の感情で曲を作ったりすることはないんですか?
ゆーきゃん「そうですね。でも悲しいことは多いですね。何かにつけて悲しいとか。何かにつけて楽しいとかですね。それで僕は曲を作ってるんやないかなと思います」
-その悲しい感情と楽しい感情の落差は激しいほうですか?それともバランスが取れているほうですか?
ゆーきゃん「バランスが取れているときもあるし、取れてないときもありますね。あの、カラスを見て悲しくなるときもあるし、楽しくなるときもあるんですよね。ゴミを突っついて空を飛んでいっている姿、その生きている姿を見て、悲しい気持ちになるときもあるし、楽しい気持ちになるときもあるという感じですね」
-隣で岸田さんがニヤニヤしながら話を聞いているんですけど(笑)
岸田「いやぁ、おもろいなぁと思って(笑)」
ゆーきゃん「(笑)。僕、人と感動するポイントが違うんじゃないかな?って思うときが多いですからね。上手く説明できないんですけど」
岸田「いやぁ、そのね。カラスを見て、俺も悲しいと思ったり楽しいと思ったりするときがあるんですよ。でもその具体的に何かっていうのが全然違うのでおもしろいなぁって思ったんですよ。僕の場合、悲しいときはカラスが眼中にないんですよ。カラスが居るっていう景色自体が悲しいBGMみたいな存在というか…。自分が悲しくて、カラスがそれを彩っているという感じなんですよ。で、楽しいときは、カラスの動きを見て楽しんじゃうんですよね。変な動きをしているのを見て。生物としてすごく見てしまうんですよね。そんな僕の感動と比べると、ゆーきゃんの方が綺麗やなぁと思って(笑)。なんか人のそういう想像力を聞くのっておもしろいんですよね。最近ね、というかいっつもそうなんですけど、倫理とか、自分が置かれている環境とか関係なく、“もしなんでも許されるなら、一番やってみたいイヤラシイことってなにか?”という話をするんですよ(笑)。“それほんま、性欲か?”っていうのが出てきたりして(笑)」そういう話をすると人それぞれで。本音を言い合うとほんまに面白いんですよ。