2007年6月12日 (火)

町田昌弘、対談企画「here,there,everyone!」第1弾!
  「町田昌弘×玉田豊夢(100s、小谷美紗子Trio)」
玉田豊夢さんが描いた、『here,there』のアルバム・ジャケットを見ながら。
  玉田豊夢さんが描いた、『here,there』のアルバム・ジャケットを見ながら。
―インタビュー続き―



-では、「here,there」の作品の話をもっとしましょうか?(笑)



町田「そうだよそうだよ!そんな身体がどうだとか家がどうだとかじゃないじゃん!そうそう、この『here,there』のジャケットはね、トムが描いてくれたんですよ!なんとね、玉田豊夢、ジャケットのイラストレーター・デビュー!ですよ。これはね、トピックだからね。前面に押し出して行くからね。アルバムをアピールするのにね!」
玉田「そうかぁ。いやぁ。ほんとは俺、後悔してるんだよね…」
全員「(大爆笑) 」
町田「なんだよ〜、後悔すんなよ〜(笑)」
玉田「いやいや違うって。だってさ、最初ジャケットの表と裏だけっていう話だったでしょ?それだったらなんとか描けるかな?と思っていてさ。そしたらだんだん3面とか5面とかになっていっちゃってさぁ(笑)。もうどうしようって…(笑)」
町田「前からさ?トムの絵心?画才?があるっていうのを知ってたから頼んだんだって。昔から暇さえあれば絵を描いていたでしょ?スタジオのレコーディング中とかでもそうだしさ。トムは絵が好きなんだなぁっていうのを昔から知ってたからさ。だから『here,there』というアルバムを“トムが絵にしてくれたら、きっといいものになるはずだ!”という思いのもとにですね、トムに頼んだんですよ。そしたらね、“いいよ!”って言ってくれたからさ。俺がだんだんエスカレートしていってね(笑)」

玉田「ていうか“どんなの描いたらいいの?”って聞いたら“なんでもいいよ!”って(笑)。もう、何もない状態から書くのが一番困るわけで。でもやるしかないから、とりあえず描こうと思って紙に向かったんですけどなかなか…。ようやく自分の中で思いついたコンセプトが“一筆で絵を描く”ということで、アルバムのイメージを想像しながら描きはじめたんですよ。でもね、これ、色が難しかったんだって(笑)。最初さ、下書きだけ描いて“あ、いい感じだな”ってなってね。で、何を使って色塗ろうかなって考えたときに、絵の具よりもクレパス的なものにしようと思って、塗りだしたらとんでもなく大変だって事に気づいて(笑)。どうしよっかなぁ…って結構悩んでしまったんですよ。でもまあやっているうちになんとなくコツを掴める様になって来たんでなんとか形にはなったんですけどね」



-色の塗り始めはジャケットの一番初めのページから?



玉田「そうですね。そこからですね。」


-そこで、どこでつまずいて悩んじゃったの?


玉田「い、いや、もう、もうこの最初の時点で…(と、ジャケットの最初の部分を指差す)」
全員「(大爆笑) 」
町田「うわぁ…。ほんとごめんねぇ…。困らせちゃって…」


爆笑トーク炸裂!
 
爆笑トーク炸裂!



-玉田豊夢さんは基本的にヴォーカリストというものを重要視しながらドラムを叩くというスタイルであると思うのですが、“ヴォーカリスト、町田昌弘”のバックでドラムを叩いてみた感想は?

玉田「実はまっちぃをヴォーカリストとして意識したことは無いんですよね。ギタリストとして知り合って一緒にプレイしてきているから。まっちぃが唄ってるんだけど、他のシンガーソングライターとかヴォーカリストの人のバックでドラムを叩く感覚とは違うんですよね。独特というか特殊ですね」
町田「一緒にものづくりしている感があるしね。14年来の付き合いもあるしね。そして、ドラマーとしての玉田豊夢というよりも、人間としての玉田豊夢を必要としてしまうんですよね、僕は。やっぱり必要不可欠なんですよ。どんな状況でも、どんな作品でも、最初に音を出すのはトムなんですよね。そこが決まらないと先に進めない。その後に、じゃあベースどうしようかとか、鍵盤どうしようかとか…。もっと凄いこと言っちゃうと、トムのドラムによってメロディーラインが変わっちゃいますからね。うん。歌詞も変わってしまうときもあるし。“このドラムパターンをやって”って指定することが多いんですけど、それをね、俺の頭の中で鳴っていっるパターンを超える音を出すときもありますし。だから本当に信頼しているというか。ほんと、“俺のわがままを聞いてくれる”という感じかな、やっぱ(笑)。ていうかさ、改めてなんだけどさ、トムはこの『here,therer』というアルバムを聴いてみてさ、どうなんだい?」
玉田「いやいや、結構俺好きだよ。来たね」
町田「来た?」
玉田「うん。結構来た(笑)。あのTHE PRETTY SIDE MOVIEのころからね、こう色々と積み重ねてきてね。凄いと思うよ



-THE PRETTY SIDE MOVIEというのは?


町田「THE PRETTY SIDE MOVIEは、24-5歳のころに2年ぐらいやっていたバンドで、THE BEACHESのTOMOTOMO clubがベースで、トムがドラムで、俺がギター&ボーカルをやっていたバンドなんです。はい。その頃からだよね?俺が曲を作ってギター&ボーカルをやってトムとバンドをやり始めたのは。それを経て、トムが、中村一義の2001年のサマー・フェス出演のメンバーに誘ってくれたという感じでね。でも今振り返るとそれからの伸び方、2人の伸び方は凄かったよね?改めて考えるとやっぱり100sって凄いよね。ほんと。今まで見えなかった世界も見えてきたし、自分がやれることもたくさん見えてきたし、足りなかったことも見えてきたしね」


-今でも演奏をしているときに、THE PRETTY SIDE MOVIEをやっていたときの感覚とか、初めて出会った14年前のこととかが蘇ってくることとかはあるんですか?


町田「そうですね。僕はトムと演奏しているときは常にそういう感覚があるんですよね。スネアが一発入っただけで“昔だったらそこでスネア入らなかったのに、ここで入るか!”みたいな(笑)。きっと俺のギターもそうだと思うんだよね」
玉田そうだね。“昔のまっちぃだったらそうは弾いてないな”っていうのはある。音色にしてもグルーヴにしてもね」


-なるほど。先ほどからまっちぃから“トムくんはかけがえのない存在だ”“必要不可欠な存在だ”という言葉が沢山出てきているんですが、トムくんから見たまっちぃはどういう存在なんですか?


玉田よいしょするの?ここで?」
全員「(大爆笑) 」
玉田いやいや、やっぱおんなじですよ。やっぱかけがえの無い存在ですよ。ヒロもそうですし。やっぱでかい存在ですよ。単純に付き合いが長いっていうのもあるけど、でも、ね?こうやって、ね、“10何年も一緒にやんねぇだろう、普通?”ていうね(笑)。普通だったらこういう人には出会えないじゃない?だって、東京に出てきて一番初めに出会ったのが、まっちぃとヒロだからね。それがここまで繋がっているんだからね」
町田「トムが大分から東京に出てきて。同じ専門学校に入ってね。最初に生徒研修というか、“初めまして、仲良くなりましょう研修”みたいのがあって。そん時トムは一人も友達いなかったんだよね?」
玉田「そうそう(笑)。友達がいなくて。で、その研修の場所に行くバスの中で、一人ずつ自己紹介をしていって。そこで俺が、“玉田豊夢です。えっと、ジャズからロックまでなんでもやりますんで、一緒にセッションしましょう”って言ったら、バスの一番後ろに座っていたまっちぃが、“イエイ!”って言ってくれたんですよ(笑)」

全員「(大爆笑) 」
玉田それで、部屋に行ってね。まっちいがあれだ、あの…」
町田「ファイル!あの、トムがね、自分の持っていたファイルに自分の好きなドラマーの切抜きを貼っていたのを見て俺が反応して。それで俺からトムに、“君、なんていう名前だっけ?玉田くんって言うんだっけ?”って話しかけて(笑)。“どのドラマーが一番好きなの?”みたいな(笑)。そこから始まった感じですね」



小谷美紗子『Out』
 
小谷美紗子『Out』
  100s『ALL!!!!!!』
 
100s『ALL!!!!!!』



-しかし色々考えても本当に奇遇な出会いだったんですね。



町田「そうですね。ほんと、あそこで出会ってなかったらやってなかったよね、ここまで。ヒロと出会ったのもその時期だしね。新入生のくせに、“新入生歓迎会でバンド演奏する!”っていう無謀な行動に出て(笑)。そこではじめて演奏したのが、俺とトムとヒロなんだよね.

忘れもしないDoobie BrothersChina Grove』のカバー!ていうかもう14年…。どうなんだろう(笑)。まあ奇跡的な出会いということでね。うん。あの小谷美紗子Trioも奇跡的な出会いだしね。ヒロとトムがあそこまで長く、ぐっとのめり込むアーティストってあまり今までいなかったよね?ずっと一緒にやるってね。しかも、ピアノ、ドラム、ベースっていう、最小限の音じゃない?そのトリオで突き詰めていく感覚はすごいよね。カッコイイよね、って思うし。逆にうらやましくもあり、憧れでもあったりするのでね、“いつまでも俺の憧れでいてね!トム!”ということで(笑)」


-わざわざ締めのお言葉をありがとうございます(笑)。それでは、玉田豊夢さんにも締めのお言葉を頂戴したいので、町田昌弘のソロ・アルバム、「here,there」の魅力をリスナーの人に向けて紹介して下さい!


玉田「はい。えー、町田昌弘という人間の“今”が詰め込まれたアルバムになっているので、みなさん買って聴いてください。あとギターやドラムなどの楽器を演奏している人が聴いても楽しめる内容になっているので是非とも!です!」


-玉田豊夢さんのおススメの楽曲は?


玉田「僕個人のおススメですか?ん…。やっぱり、『言う 愛』ですかね…。ん…。ていうか楽曲のバリエーションが凄いんですよね。だからどれも甲乙付け難いというかね。でもね、不思議と統一感があるんだよね?通して聴くとね」
町田「そうそう。そうなんですよ。例えるならば、100sの『ALL!!!!!!』とは対極的なアルバムになっているからね。内省的なところが強い作品でもあるし…。ていうかやっぱりね、いいドラムの音と、いい絵をありがとう!トム!」

玉田「いやいや、これからも…?」
町田「よろしく…?」
町田&玉田「お願いします!!」
全員「(大爆笑) 」

Axe Riverboy / Tu Tu To Tango


町田昌弘 / Here, There

 100sのギタリスト、“まっちぃ”こと町田昌弘の、“キャスバル”名義によるソロ・プロジェクト以来の待望のソロ・アルバムの完成!
100sのメンバー、中村一義、池田貴史、小野眞一、山口寛雄、玉田豊夢をはじめとして、海北大輔(LOST IN TIME)、櫻井雄一(ART-SCHOOL)、宇野剛史(ART-SCHOOL)、小谷美紗子、TOMOTOMO club(THE BEACHES)、r.u.ko(THE BEACHES)という顔ぶれが、彼の熱き人望のもとに集い完成された7曲入り、軽快かつ濃厚な音楽愛溢れる作品です!

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