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町田昌弘対談!「here,there,everyone!」第1弾!

2007年6月12日 (火)

町田昌弘、対談企画「here,there,everyone!」第1弾!
  「町田昌弘×玉田豊夢(100s、小谷美紗子Trio)」

町田昌弘100sのギタリストとして活躍中の町田昌弘が待望のソロ・アルバム『here,there』をリリース!それに伴って特別対談企画をスタート!その名も、「here,there,everyone!」
彼のソロ・アルバムに参加してくれた豪華ゲスト・ミュージャンを交えて対談をするというこの企画。その対談相手は、なんと、100sで演奏を共にしているメンバー! その中から、小谷美紗子Trioとしても大活躍中の玉田豊夢(Dr)、そしてレキシとして『レキシ』なるソロ・アルバムをリリースした池田貴史(Key)、さらに、100sといえばこの人、中村一義の3人を迎えて、3本連続で連載します!まずは、第1弾として、町田昌弘と14年来の付き合いという玉田豊夢との対談を掲載です。是非ご覧下さい!
(司会進行:保坂壮彦)


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Axe Riverboy / Tu Tu To Tango 町田昌弘 / Here, There

 

町田昌弘×玉田豊夢対談1
 
町田昌弘(後)、玉田豊夢(前)



-まずは『here,there』レコーディングお疲れ様でした。

玉田(以下文中、トム)「お疲れ様でした」
町田(以下文中、まっちぃ)「えっと、ぶっちゃけ、今回どうでしたかね?」
玉田「レコーディングした場所が特殊だったよね(笑)」
町田「そうだね(笑)。場所ね。熊谷(埼玉県熊谷市)ね。東京から車で約2時間の長旅!カズ(中村一義)のコーラスと、池ちゃん(池田貴史)の鍵盤と、小谷美紗子のコーラスは、100sのプライベート・スタジオの100st(ひゃくすた)でレコーディングしたんだけど」
玉田「俺好きなんだよね、熊谷のスタジオ。あの狭さがね



-町田昌弘さんのソロ・アルバムでドラムを叩いてみての率直な感想は?


玉田まっちぃもそうなんですけど、アレンジャーさんがドラマーじゃない人が言ってくるドラムパターンって面白いものが多くて。曲に合ったのが多いんだけど、ドラマーとしては逆に難しいみたいな(笑)。でもやっぱり“それかっこいいからやりたいな”みたいな感じが好きなので。そういうところも含めて楽しかったですね」
町田「俺ドラム大好きだからね(笑)。ドラマーがかっこいいからって音楽を始めたんだけど、何故か今、ギターをやっているという感じですから」


-玉田豊夢さんが参加した楽曲、「てくてく」、「言う 愛」、「ブルンベルグ」、「クラシック」、「ティース!!」の中で一番思い出深い楽曲は?


玉田ん…。敢えて言うならば。『言う 愛』かなぁ」
町田「なんで?」
玉田だってこの曲、地味じゃん?(笑)」
町田「地味って!(笑)」
玉田(笑)。いやいやこの地味さが俺好きなんだよね。なんでもない感じなんだけど、沸々と来る感じがね。今回のアルバムって、音質がシックっていうか。今までだったら、バキーンとした感じだったけど、太い感じとかが良くてね。どの楽曲も」
町田「俺の中での印象深いのは『ブルンベルグ』のツインドラムだね。LとRで違うドラムを鳴らしているんですよ実は。全く同じことを叩いてね。それをLとRに振り分けているんですよ。だから変なドラムの鳴り方しているんです。是非聴いてみて下さい!」
玉田たまに違った音、スネアのズレとかがあると“おっ!”みたいな(笑)」
町田「でもそれも凄いんだって。1本目録ったあとに、2本目は1テイクで録り終わっちゃったんだからね。“自分のドラムにまた同じ自分のドラムを合わせるのは簡単でしょう?”って思うかもしれないけれどね、これがまたまた普通は合わないんですよ?」
玉田「意外と難しいんです。はい」




町田昌弘『here,there』
  町田昌弘『here,there』


-今回の「here,there」のレコーディングは、久しぶりに100s以外で一緒にレコーディングしたんですか?


町田「いや。最近も他で一緒にやってもらっているから、そんなことないですね。僕がプロデュースするアーティストとかの時は基本的にトムですからね、ドラムは。それと、この『here,there』のアルバムに参加しているベースのヒロ(山口寛雄、100sのベーシスト)もね(笑)。いやぁねぇ、この2人のリズム隊は強力すぎて…。なんかこう、替えがきかないというか。ほんとにいないと困るんですよ、非常に。だから今回の『here,there』も、本当にありがたいかぎりでねぇ…。この玉田豊夢という男の技量、スキル。やはりたまらんな、と。楽だな、と思ってしまったわけです(笑)。」
玉田「…(苦笑)。ていうか、最近のまっちぃはさ、大人になってきたよね?さすがに(笑)」
町田「さすがにって!(笑)」
玉田「昔は相当“暴れん坊”だったけど、最近いい感じに落ち着いてきたよね」
町田「ほんと?ていうかその“暴れん坊”っていうのはどういう意味で“暴れん坊”なのよ?」
玉田「性格とかもそうだし、100sのメンバーにしょっちゅうちょっかい出してたじゃん?でも最近そういうのも無くなってきてるし(笑)。なんか、それ見て“あれ?なんか歳とって来たのかな?”って思うようになった(笑)」
町田「違うって!みんなをかまう気力が無くなってきてるだけだって(笑)」
玉田「いやいや。そういうのがね、いい感じに劣化してきてるんだよね(笑)。いいんじゃないかなってね」


-それを感じはじめたのはいつぐらいからなの?



玉田「30過ぎてからかなぁ?(笑)ギタープレイ的にも本人が言っていたんですけど、昔はギターをプレイしていて“前に!前に!”って感じが気持ちよさそうだったのが、だんだんとドラムより後ろに行くようになって、それが気持ち良くなってきたって言いはじめて…」
町田「そうそう。最近ギタープレイに対して凄く顕著なんだけど、意識しないと前に行けなくなってきているんだよね(笑)。でも今はね、昔だったら我慢しないと行けなかったタメのギターとかに自然に行ってしまうようになってる。でもやっぱり、僕は基本的に“ギターは前であれ”という風に思っているから。リズムよりもちょっと走っているくらいのギターのほうがかっこいいと思っているから。そういうつもりでやっているんだけど、最近自分が遅くなっちゃったから(笑)。“あれ?ここが一番気持ちいい場所だったっけ?”みたいな(笑)。“これはやばい、歳だ!”みたいな(笑)。ていうかね、俺からすると、逆にトムが最近“暴れん坊”になっている気がするね」
玉田「そうだね。僕は逆に、30前後でちょっと大人な感じに行こうと思った時期があったんだけど、“こりゃいかんいかん”みたいな(笑)。老けたらまずいなと思いはじめて、めちゃ太いスティックとかに持ち替えたりしてね(笑)」
町田「なんか強力なフィルを打ち出す回数が多くなった気がする」
玉田「それはあるかも。前はちょっと中途半端というか。意識していなかったところも叩いていたりしたんだけど、最近は自分の中で明確になっているものを出そうとするのが多いからね。意識的に強くみたいな」



-ということはお互い30歳を過ぎてから“暴れん坊”の度合いが上手くすり替わってバランスが取れてきた感じなんだね。


町田「そうそう(笑)。なんかね、昔はね、5-6年前はね、トムがびしっとタイトで大人なドラムを叩いていたからこそ俺が“暴れん坊”ギターを弾けていたという。それで成り立っていたっていうのがあった。そう考えると今あの当時のままのギターでトムとやっていたら合わなかったかもね」



-でもそれは話し合いのもとそうなったわけではなく、自然にそうなったんですよね?



町田「うん。そう。でも俺はトムといっぱい話ししたいんだけどね」
玉田「(笑)」
町田「俺は話ししたいけど話す機会がない(笑)。でも一緒にプレイしていればね、話す必要もないんだけどね。話さなくてもね。音出してればね、わかるもんだからね。でもね、俺は、もっと、トムと話が、したい…(笑)」



穏やかな昼下がりのもと、終始なごやかな雰囲気で対談は進んで行きました。
  穏やかな昼下がりのもと、終始なごやかな雰囲気で対談は進んで行きました。


-では、これを機会にお互い話したかったことを話してみませんか?



町田「いや〜(笑)。改めてそういわれるとなぁ…。基本的にトムは喋らないからね。でもみんな勘違いしていると思うんだけど、トムはね、喋るのが苦手とかそういうのじゃないんだと思うんだよね。人の話を良く聞くタイプだと思うんだよね。 “トムはあんまり喋らない”とか100sのライブで言うじゃない?俺とか池ちゃんとかが。でもそういうんじゃなくて話を聞く人だから。喋らないように見えるだけでね。でもそれって逆を返すと、俺とか池ちゃんって人の話を聞かないっていうことになるのか…(笑)」
玉田「(笑)。ていうか、100sの中にいると、もう、“凄いなぁみんなぁ…”で終わっちゃうんですよ。まっちぃやら池ちゃんやら小野ちゃん(小野眞一、100sのギタリスト)やらね。中村くんもそうだし、ヒロはもう天然だし(笑)。そのもうまわりで巻き起こっているところを見ているだけで、“うわぁ〜、もう凄いなぁ…。”で終わっちゃうんですよ(笑)。いっつも圧倒されっぱなしで。凄すぎてそこに入れないんですよ」




-玉田豊夢さんと町田昌弘さんと山口寛雄さんは専門学校の時代からの友達ですよね?その3人でいる時はどのような関係性なんですか?



玉田「まっちぃとヒロがいつも喧嘩してる(笑)」
町田「そうそう。“お前はなんでそこでそういうベースを弾くんだよ!”って。でもそれ言っても絶対に曲げないからね、あいつは(笑)。言うこと聞いてくれない」




-玉田豊夢さんと山口寛雄さんは、小谷美紗子Trioでも共演していますが、どういった会話を?


玉田「ん…、どうなんだろう…。普通に見たらあまり会話していない風に見えるかもしれませんが、喋ってますよ。“身体のどこが痛い?”とか、“マンションいいところない?”とか…(笑)」
町田 「なんだよ!病気と家の話しばっかじゃんか!(笑)」


―続く―
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