工藤淳子/ファゴット オリジナル秘曲集
2004年12月2日 (木)
管楽器の中でも馴染みの薄いファゴット。そんなファゴットの意外なオリジナル曲を集めた当アルバムは、その魅力を多角度的に存分に味わうには絶好の一枚です。ファゴットならではのとぼけてユーモラスなフチーク作品から、真摯なエルガーとマスネ、流麗なグリエール、まるでピアノとスポーツ合戦を行なっているかのようなチェレプニン、先年ポップス界で大ヒットした『大きな古時計』に基づく華麗な変奏曲まで、まさに多士済々。大ピアニストのグールド、カサドシュの珍品も注目。この楽器の底知れぬ表現力、おしゃれで多彩なカッコ良さに目を開かされること請け合いです。この「ファゴット・レボリューション」がCDデビューとなる工藤淳子は、1978年福岡県生まれ。2001年に東京芸術大学音楽学部器楽科を卒業、ファゴットを菊地保、岡崎耕治、室内楽を山本正治、小畑善昭、岡崎耕治、四戸世紀の各氏に師事。現在、フリーランサーとしてオーケストラ、室内楽等で活動中です。腕も立つうえ容姿端麗な彼女は、今後スターとなる大きな可能性を秘めています。
●工藤淳子/ファゴット・レボリューション
フート:『大きな古時計』による変奏曲
グレン・グールド:ファゴット・ソナタ
ビゼー:初見用小品
マスネ:初見用小品
エルガー:ロマンス op.62
フチーク:小言おやじ(おどけたポルカ)op.210
グリエール:即興曲 op.35-9
グリエール:ユモレスク op.35-8
ニーノ・ロータ:トッカータ
ロベール・カサドシュ:2つの小品 op.61
チェレプニン:ソナチネ・スポーティヴ op.63
ラトハウス:道化役者
ウィリアム・ロイド=ウェッバー:ノーシントンの牧場
工藤淳子(ファゴット)
白石光隆(ピアノ)
録音:2004年4月14日,8月2日,10月21日、キング関口台第1スタジオ(192kHz, 24bit)
収録作品解説
★フート:『大きな古時計』による変奏曲
数年前に平井堅の歌で大ヒットした『大きな古時計』は、日本で最も親しまれ続けている外国童謡と言えるでしょう。この曲は1876年にアメリカ人ヘンリー・クレイ・ワークにより作詞・作曲された。アメリカ人にも当然愛されているこの歌に基づき、ウィリアム・フートが20世紀初頭にファゴットとピアノ用に作曲した変奏曲で、ファゴットの機能と長所を最大限に活用した作品となっています。主題と4つの変奏から成るが、各変奏はオリジナルの歌詞に基づき描写的な内容となっています。
★グレン・グールド:ファゴット・ソナタ
『ファゴット・ソナタ』は1950年、18歳の作で、翌年1月4日にトロント音楽院にてニコラス・キルバーンのファゴット、グールド自身のピアノで初演されました。この日は作曲家グールドのデビューでもあり、トロント中の音楽通が会場に詰め掛けましたが、演奏中の意外なアクシデントも重なり、作曲者は出来に満足せず「二度と演奏すべきでない」と主張したといわれます。作品は音の運びの点でシェーンベルク、線的なポリフォニーの点でバッハ、乾いた新古典主義的な感覚でヒンデミットの影響が感じられ、ピアノ・パートはグールドの演奏スタイルが明瞭に反映されています。
★ビゼー:初見用小品/マスネ:初見用小品
ジョルジュ・ビゼー (1838-1875)の作品はピアノ曲を除くと歌劇をはじめとする声楽作品が主で、室内楽作品はこれしかありません。最晩年1874年の作で、歌劇「カルメン」のオーケストレーションで多忙な中に書かれました。ビゼーならではのリズミックさと異国情緒にあふれています。
ジュール・マスネ (1842-1912)もオリジナルの管楽作品はほとんど残されていません。この曲は1882年の試験用作品。マスネならではの美しいメロディが深々と歌われます。
★エルガー:ロマンス op.62
エドワード・エルガー (1857-1934)は、若い頃ヴァイオリニストを目指しましたが、同時にファゴットも巧みに奏したといわれます。この曲は1909年から10年にかけて、ヴァイオリン協奏曲 op.61と並行して作られました。ロマンスというタイトルから連想されるような甘さはなく、晦渋でとりとめなく彷徨い続けますが、聴く者の胸を打つ真摯な情感に満ちています。
★フチーク:小言親父(おどけたポルカ)op.210
ユリウス・フチーク (1872-1916)は行進曲『剣士の入場』で知られるチェコの作曲家。プラハ音楽院でファゴットをミルデに、作曲をドヴォルザークに師事しました。1897年にはオーストリア・ハンガリー帝国第86連隊の軍楽隊長となりました。軍楽隊で成功する以前は生活のために軍楽隊やオーケストラでファゴット奏者として働きました。
『小言親父 Der alte Brummbär』は「年老いた熊」という意味もあります。フチークはユーモアとウィットに富んだ人だったらしく、タイトルの親父もしくは熊は彼自身もしくは知り合いのファゴット奏者とのこと。旋律素材はすべてワーグナーの楽劇から採られ、徹底的にデフォルメされ、漫才のボケとツッコミよろしくファゴットとピアノが爆笑を誘う掛け合いを演じます。この楽器のコミカルな効果を最大限に発揮させています。
★グリエール:即興曲 op.35-9/ユモレスク op.35-8
レインゴリト・グリエール (1875-1956)は旧ソ連作曲家。ロシア・ロマン派の伝統を受け継ぐ作品を数多く残しました。『即興曲』は民俗楽器を模した流麗な旋律でロシアの爽やかな夏景色を描いたような風景画。『ユモレスク』はロシア・バレエのキャラクター・ダンスそのもの。チャイコフスキーの強い影響が感じられます。ロ短調の主部と、ニ長調のおおらかな旋律が歌われる中間部の三部形式によります。
★ニーノ・ロータ:トッカータ
ニーノ・ロータ (1911-1979)は、まず何よりもフェリーニ、ゼッフィレッリ、ヴィスコンティらの映画音楽で知られ、20世紀の作曲家としてはジャンルを越えて異例の人気を誇る作曲家となっています。ロータはピツェッティとカセッラに作曲を師事し、トスカニーニからの寵愛も受けた全くのクラシック畑出身。『トッカータ』は1974年、同時期の映画音楽「アマルコルド」や「ゴッドファーザーPartU」と並行して作曲されました。全体に映画音楽的で、いろいろな情景が思い浮かんできます。
★ロベール・カサドゥシュ:2つの小品[1.サラバンド、2.タランテラ]op.61
20世紀フランスの大ピアニスト、ロベール・カサドシュ(1899-1972)の『2つの小品』は1961年パリ音楽院ファゴット科のコンクール用作品。彼はかなりの作品を残し、それらはフランス風にエレガントながら、近代味もまじえた佳品が多く、再評価の兆しが見られます。「サラバンド』は弱音主体でアルカイックな雰囲気に満ち、ラヴェルを思わせる絶美な世界が展開されます。「タランテラ」は活気のある舞曲ながら、あくまでもフランス的なセンスでまとめられています。大規模な3部形式で、ファゴットが華麗な走駆を見せる前後に対して、異国的で妖艶なメロディが現れる中間部とコントラストを成します。大ピアニストの作だけあり、ピアノ・パートは極めて美しく効果的に書かれ、またそれがカサドシュ自身の演奏スタイルを彷彿とさせます。
★チェレプニン:ソナチネ・スポーティヴ op.63
アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)はペテルブルグに生まれ、革命後フランスへ移り、タンスマンやマルティヌーらと「パリ楽派」を結成、活躍しました。1930年代に数度来日して伊福部昭や松平頼則らを教え、作品を出版したり音楽賞を設けるなど日本音楽界に多大な貢献をしました。この曲はスポーツの要素を音楽へ移し変えようとしたもので、第1楽章はボクシングで、ファゴットとピアノが音楽で殴りあいます。第2楽章ハーフタイムでは何故かバッハが顔を出します。第3楽章は短距離走。カノン手法により段々間隔が狭くなっていきますが、最後にどちらが勝つかは聴いてのお楽しみ。
★ラトハウス:道化役者
カロル・ラトハウス (1895-1954)は、近年「退廃音楽」の系譜で再注目されているポーランド出身の作曲家。ベルリンを本拠に前衛的な作品を発表しました。ナチスに追われた彼はパリ、ロンドン、アメリカへ逃避、生活のためアメリカの出版社からの依頼で教育用器楽小品の連作を作曲し、そのひとつが1939年作のファゴットとピアノのための『道化役者』。「ロンドーによるリゴドン」の副題を持ち、軽快で明朗、ファゴットは牧歌的な音色に終始し、かつての「退廃音楽」的要素は全くみられません。
★ウィリアム・ロイド=ウェッバー:ノーシントンの牧場
ウィリアム・ロイド=ウェッバー (1914-1982)はイギリスのオルガニスト兼作曲家。ロンドンの王立音楽院でヴォーン=ウィリアムズに作曲を師事しました。彼のふたりの息子、ジュリアンは有名なチェロ奏者、アンドルーは「キャッツ」や「オペラ座の怪人」などのミュージカルで知られる作曲家です。『ノーシントンの牧場』は1950年作曲の組曲『田舎の印象』の第4曲。彼の住まいだったサリー州の豊かな自然が源泉になり、牧歌的で飄々とした風情が漂います。しばしばファゴットの低音が牛の鳴き声を模すのが面白いところ。

器楽曲最新商品・チケット情報
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