イゾルデ・メンゲス/ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、他(2CD)

2024年04月09日 (火) 19:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


名教師レオポルト・アウアーの弟子たちを紹介するシリーズにイゾルデ・メンゲスが登場。
バッハのシャコンヌ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲等の記念すべき世界初録音を復刻!


1893年に英国ブライトン近郊で音楽教室を営む家庭に生まれたメンゲスは、自然と楽器になじみ、初めて人前で演奏したのは3歳半の時だったと伝えられます。16歳の時にペテルブルクでアウアー門下に加わりました。アウアーは精鋭ぞろいの門下の中でも「最も才能に恵まれた生徒のひとり」と語ったそうです。1913年、ロンドンでコンチェルト・デビューした際はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とラロのスペイン交響曲をひとつのコンサートで弾き、当時の批評は「目覚ましい弓のテクニック、濁りの無い音、クリーンで歯切れ良いスタイル」と讃え、「卓越した技量を披露する時は子供のような喜びよう」を示し、「難しい箇所をとんでもない速さで弾くので指揮者がテンポを落とすよう指示しなくてはならないほどだったが、華麗な演奏はそれ自体が見ものだった」と伝えています。この成功を受け、ロンドンではウッドやワルターらの指揮で演奏、アムステルダムではメンゲルベルクが指揮するコンセルトヘボウ管とベートーヴェンとブラームスの協奏曲を演奏しました。1916年にアメリカ・デビューを飾ると、第1次大戦が終わるまで北米に留まりましたが、1919年にイギリスに戻った後は長旅を避け、主に英国内で活躍。プロムスにも繰り返し出演しました。室内楽にも精力的に取り組み、自らの名を冠した四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏を行い、またピアノ・トリオでも高く評価されました。英国王立音楽大学では38年の長きにわたり後進の指導に当たり、その功績を讃えてイゾルデ・メンゲス賞が設けられています。
 メンゲスはHMV(英コロンビア)を中心に録音を遺しました。当盤の中で特に注目すべきはバッハのシャコンヌ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ヴォーン・ウィリアムズの『揚げひばり』。名曲中の名曲として今日では数え切れないほどの録音がひしめいていますが、ここに復刻された演奏が史上最初の録音とのこと。メンゲスの演奏は全般的に停滞感のない明快なもので、特にベートーヴェンの第3楽章などは切れ味抜群ですが、バッハのエア(G線上のアリア)での落ち着いたテンポと巧みなポルタメントを交えた表現など、情感にも不足しません。尚、シューベルトのアヴェ・マリアとヴィエニャフスキのア・ラ・ツィンガラでは原盤に存在する大きめのノイズがあります(後者は鳩時計が鳴るような音も)。
 ブックレット(英語のみ)にはWayne Kileyの解説5ページに加え、写真4枚と肖像画1枚、メンゲスが使っていた1714年製のヨーゼフ(ジュゼッペ)・ガルネリ・フィリウス・アンドレアの写真3点が掲載されています。(輸入元情報)

【収録情報】
Disc1
1. J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ長調 BWV.1016

 録音:1928年6月11日&12月13日/初出盤:HMV C 1632/33

2. J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV.1068〜エア(ウィルヘルミ編)
 録音:1927年6月27日/HMV D 1288

3. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV.1006〜ガヴォット(クライスラー編)
 録音:1929年6月26日/HMV B 3465

4. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調 BWV.1001〜フーガ
 録音:1922年9月7日/HMV E 269

5. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004〜シャコンヌ
 録音:1924年4月27日/HMV D 875/76

6. ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
 録音:1923年9月4,5,6,21日/HMV D 767/71

Disc2
7. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.1-3, HWV.361

 録音:1926年10月11日/HMV D 1371

8. ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.1-13, HWV.371
 録音:1921年12月16日、1922年1月11日/HMV E 279/80

9. シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)第3番ト短調 D.408
 録音:1927年12月13日/HMV D 1398/99

10. シューベルト:アヴェ・マリア(ウィルヘルミ編)
 録音:1927年6月27日/HMV D 1313

11. ブラームス:ハンガリー舞曲 第7番イ長調(ヨアヒム編)
 録音:1930年1月10日/HMV B 3465

12. フバイ:チャールダーシュの情景 第4番『ヘイレ・カティ』 Op.32
 録音:1926年12月1日/HMV D 1223

13. フバイ:花の生命〜第5曲『ゼフィール』 Op.30-5
 録音:1930年1月10日/HMV B 3749

14. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)
 録音:1927年6月27日/HMV D 12881

15. ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調〜第3楽章「ア・ラ・ツィンガラ」
 録音:1916年9月1日/HMV D 529

16. ファリャ:スペイン舞曲(クライスラー編)
 録音:1927年10月31日/HMV E 508

17. スタンフォード:妖精の踊り Op.89-3
 録音:1928年6月12日/HMV C 1623

18. エルガー:愛の挨拶 Op.12
 録音:1927年6月27日/HMV D 1313

19. ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり
 録音:1928年3月21日/HMV C 1622/23

 イゾルデ・メンゲス(ヴァイオリン)
 ハロルド・サミュエル(ピアノ:1)
 アイリーン・ビーティー(ピアノ:2,3)
 サー・ランドン・ロナルド指揮、ロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団(6)
 アイリーン・ビーティー(ピアノ:7,8,10-14,16-18)
 アルトゥール・デ・グリーフ(ピアノ:9)
 チャールトン・キース(ピアノ:15)
 サー・マルコム・サージェント指揮、オーケストラ(19)

 復刻プロデューサー: Eric Wen
 復刻エンジニア:Raymond Glaspole
 デジタル・マスタリング:Rick Torres

2件中1-2件を表示
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて