カンブルラン&南西ドイツ放送響/ドビュッシー:『聖セバスティアンの殉教』
2024年04月01日 (月) 17:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
ドビュッシー:『聖セバスティアンの殉教』
1910年、イタリアの詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオが書いた「聖セバスティアンの殉教」。ドビュッシーはこの膨大な台本に、合唱曲と、オーケストラの間奏曲、アリアで構成された1時間ほどの音楽劇を作曲。翌1911年の5月にパリ・シャトレ座で初演されました。この時はドビュッシーの親友アンドレ・カプレが指揮を執りましたが、キリスト教と異教の伝統を織り交ぜた音楽に加え、ユダヤ系ロシア人のバレリーナ、イダ・ルビンシュタインがセバスティアンを演じたことで騒動に発展。パリの大司教の怒りを買い、カトリック教徒の鑑賞を禁じたのち、ダンヌンツィオの著書も教皇庁から禁書にされてしまいました。
この作品を気に入っていたドビュッシーは歌劇への改作を構想していたものの、彼の死によって叶うことがなく、以降は原形での上演機会はほとんどありません。現在ではカプレによる「交響的断章」、もしくはアンゲルブレシュトによるオーケストラと声楽のみのオラトリオ版が演奏されています。
このカンブルランの演奏はアンゲルブレシュト版(フランス語歌唱)によりつつ、1951年生まれの作家マルティン・モーゼバッハによる新たなドイツ語の朗読が添えられています。朗読のテキストはダンヌンツィオ作品の中心的な部分を要約したもので、原作を現代的な視点で解釈したもの。カンブルランはオーケストラを見事にコントロール、東洋風な響きも交えた繊細な和声を引き出し、ナタリー・シュトゥッツマンをはじめとした独唱陣と、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントの合唱、デルテ・リセウスキの朗読がこの神秘的な物語を見事に描き出しています。
当CDは「Glor Classics」レーベルから「GC08181」として発売されたものと同じ音源です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ドビュッシー:聖セバスティアンの殉教(歌唱:フランス語、語り:ドイツ語)
・第1幕『ユリの庭』
1. Nr. 1: Prelude. Lent (I)『Frere, que sera-t-il le monde』
2. Ist sterben so schon?(朗読)
3. Nr. 2: Mouvement de Prelude『Sebastien, Sebastien, Sebastien』
4. Der Name Sebastianus kommt von sequens(朗読)
5. Nr. 3: Assez anime (I)『Soufflez de pres』
・第2幕『魔法の部屋』
6. Nr. 1: Prelude. Tres modere (II)
7. Der Prafekt der Stadt Rom(朗読)
8. Nr. 2: Andantino (II)『Je fauchais l'epi de froment』
9. Der Sohn des Prafekten(朗読)
10. Nr. 3: Modere (II)『Qui pleure mon enfant si doux』
・第3幕『異教の神の宗教会議』
11. Nr. 1: Prelude (III)
12. Da klagten die Richter(朗読)
13. Nr. 3: Modere (III)『Pean, Lyre-d'or, Arc d'argent』
14. Sebastian, dein Gott ist eifersuchtig(朗読)
15. Nr. 4: Lent (III)『Avez-vous vu celui que j'aime』
16. Adonis, du bist wie eine menschliche Blume(朗読)
17. Nr. 5: Tres modere (III)『Cessez, o pleureues!』
18. Nr. 6: Assez anime (III)『Io! Io! Adoniastes』
19. Nr. 7: Lent (III)
20. Es ist unbegreiflich(朗読)
・第4幕『傷ついた月桂樹』
21. Nr. 1: Prelude. Sombre et lent (IV)
22. Siebzehn Pfeile sind in unsern Kochern(朗読)
23. Nr. 2: Tres modere (IV)
24. Die Heiligen bezwangen(朗読)
25. Nr. 3: Modere (IV)『Ah! Helas! Helas!』
・第5幕『天国』
26. Nr. 1: Interlude. Modere (V)
27. Nr. 2: Modere (V)『Gloire! Sous nos armures flamboyez』
処女エリゴーヌ、Vox Sola、天の声、セバスティアンの魂:ハイディ・グラント・マーフィー(ソプラノ)
マルクス/ダグマル・ペツコヴァー(メゾ・ソプラノ)
マルケルス/ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
聖なる者、朗読/デルテ・リセウスキ
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント
バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送交響楽団
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
録音時期:2005年1月19,20日
録音場所:Konzerthaus Freiburg, studio(ドイツ)
録音方式:ステレオ(デジタル)
旧品番:GC08181(Glor Classics)