キャスリーン・パーロウ/HMV&米コロムビア録音全集&CBC放送録音集(2CD)

2023年08月24日 (木) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


アウアーのレガシー
キャスリーン・パーロウ/HMV&米コロムビア録音全集&CBC放送録音集


20世紀初期に世界的な人気を博したキャスリーン・パーロウ。ワールド・ツアーで日本を訪れたこともある彼女の懐かしのSP復刻に加え、大注目の初出音源を収録!
 レオポルト・アウアーの門下の演奏家を紹介する「Biddulph」レーベル「アウアーのレガシー」シリーズ第2弾は、カナダ生まれの伝説的女性ヴァイオリニスト、キャスリーン・パーロウ[1890-1963]です。パーロウは幼くして才能を発揮し、サンフランシスコでシュポアの弟子ヘンリー・ホルムズに師事、6歳でリサイタル・デビュー。14歳でイギリスにデビューした際は、バッキンガム宮殿で国王エドワード2世のために演奏、その後ロンドン交響楽団とベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を共演し、ベヒシュタイン・ホール(現ウィグモア・ホール)でリサイタルを行いました。
 ミッシャ・エルマンの演奏を聴いて感銘を受けたパーロウは、エルマンの師レオポルト・アウアーに師事することを決め、16歳の年にサンクト・ペテルブルク音楽院に入学。エルマン(パーロウの1歳下)、エフレム・ジンバリスト(1歳上)らと同じクラスで学びました。アウアーがノルウェーのクリスチャニア(現オスロ)で夏期講座を行っていた縁で同地を訪れたパーロウは、ノルウェー国王夫妻の前で演奏し、ある富豪からヴィオッティが使っていた1735年製のグァルネリ・デル・ジェスを贈られました。またハルヴォルセンはヴァイオリン協奏曲を作曲して彼女に献呈しています。
 その後はイギリスを拠点として、欧州でビーチャムやワルターといった巨匠たちと共演を重ねて名声と人気を高めました。1909年にはHMVが当時のスター歌手と並ぶ破格の条件で録音契約を提示、1912年にはビクターが擁するクライスラー、エルマン、モード・パウエルへの対抗馬として米コロムビアにスカウトされました。第1次世界大戦後はワールド・ツアーを敢行。1922年には日本を訪れ、ニッポノホンに録音も遺しましたが、1920年代末にはコンサート・ツアーと録音から身を引き、1941年から1963年に亡くなるまでカナダに居を定めて、トロント大学で教育活動を行いつつ、折に触れて室内楽や協奏曲の演奏を行いました。
 このアルバムにはパーロウがイギリスHMVと米コロムビアに行った録音をすべて収録。加えてカナダCBCの放送音源も収録(初発売)しています。彼女の演奏はルバートやポルタメントを多用した、非常にロマンティックなもの。現代の演奏とは趣が異なりますが、エレガントなヴィルトゥオジティは他に代えがたい魅力を放っています。パーロウの盤歴はSP時代で止まっていたため、そのレパートリーは小品主体だったのですが、今回発掘された放送音源を通じてメンデルスゾーンやバッハの大作の演奏を聴くことができます。また、これまでほとんど知られていなかった50代、60代の演奏を聴けることはファンにとって嬉しい驚きでしょう。ゆったりとしたテンポで始まりポルタメントを多用するメンデルスゾーンは、典型的なロマンティック・スタイル。一方、バッハのパルティータは速めのテンポでグイグイと弾き進めつつ、対位法の綾をくっきりと浮かび上がらせる力強い演奏。13分40秒で弾き切った『シャコンヌ』は、テンポとダイナミックスを控えめながら効果的に操作することで各変奏の性格をきっちりと描き出し、曲全体の構造とドラマティックな高揚を直結させた熱演となっています。生演奏の一発録りのようで演奏上の傷はありますが、66歳のパーロウが達していた境地を印象強く伝えます。
 ブックレット(英語)にはWayne Kileyの含蓄に富んだ解説に加え、パーロウが使っていたグァルネリ・デル・ジェスのカラー写真2枚、貴重なモノクロ写真15枚(表紙含む)が掲載されており、「弦のBiddulph」らしい充実した作りとなっています。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)


【収録情報】
Disc1
● HMV録音集(1909)

1. パガニーニ:常動曲(無窮動) Op.11
2. J.S.バッハ:G線上のアリア(ヴィルヘルミ編)
3. ハルヴォルセン:モザイク組曲〜 第4曲『ヴェスレモイの歌』
4. ハルヴォルセン:ノルウェー舞曲 第2番イ短調
5. ショパン:夜想曲 ニ長調 Op.27-2(ヴィルヘルミ編)

● 米コロムビア録音集(1912-1916)
6. シューベルト:楽興の時 第3番
7. ドリゴ:火花のワルツ(アウアー編)
8. クライスラー:愛の喜び
9. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)
10. ベートーヴェン:メヌエット ト長調(ブルメスター編)
11. トマス・ムーア:アイルランド民謡集〜夏の名残りのぱら
12. ドヴォルザーク:ユモレスク ト長調
13. ルビンシテイン:メロディ ヘ長調
14. J.S.バッハ:ガヴォット( 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 BWV.1006より)
15. アレンスキー:セレナード
16. ドリゴ:セレナード Op.30-2(アウアー編)
17. マスネ:瞑想曲( 歌劇『タイス』より、マルシック編)
18. ドヴォルザーク:ヴァイオリン・ソナチネ ト長調 Op.100〜第2楽章(クライスラー編)
19. クライスラー:中国の太鼓 Op.3
20. ヴィエニャフスキ:グノーの『ファウスト』より『庭園の情景』
21. マスカーニ:間奏曲( 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より)
22. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調〜第2楽章
23. チャイコフスキー:メロディ 変ホ長調 Op.42-3(アウアー編)
24. スヴェンセン:ロマンス ト長調 Op.26

Disc2
25. サラサーテ:カルメン幻想曲
26. ベートーヴェン:メヌエット ト長調(ブルマイスター編)(2nd recording)
27. シューベルト:楽興の時 第3番(2nd recording)
28. ムーア:アイルランド民謡集〜夏の名残りのぱら(2nd recording)
29. ドリゴ:火花のワルツ(アウアー編)(2nd recording)
30. ショパン:夜想曲 変ホ長調 Op.9-2(サラサーテ編)(2nd recording)

● CBC放送録音集
31. メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64(全曲)
32. グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調 Op.13〜第1楽章
33. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調 BWV.1003〜第3曲『アンダンテ』
34. J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004(全曲)

 キャスリーン・パーロウ(ヴァイオリン)
 ピアノ伴奏(1-5)
 オーケストラ伴奏(1-13,20-22,26-28)
 チャールズ・アダムズ・プリンス(ピアノ:15-19,23,24,25,29,30)
 アーネスト・マクミラン(ピアノ:32)
 ジェフリー・ウォディントン指揮、CBC交響楽団(31)

 録音:
 1909年(1-5)、1912年(6-13)、1914年(14,15)、1916年(16-30)、
 1941年5月13日放送(31)、1941年11月13日放送(32)、1957年1月15日放送(33,34)
 各曲の初出時のレコード番号とマトリックス番号はブックレットに記載されています。(輸入元情報)

 復刻プロデューサー:Eric Wen
 復刻エンジニア:Raymond Glaspole and David Hermann
 マスタリング:Rick Torres


アウアーのレガシー/キャスリーン・パーロウ(2CD)

CD輸入盤

アウアーのレガシー/キャスリーン・パーロウ(2CD)

価格(税込) : ¥3,630

会員価格(税込) : ¥2,712

まとめ買い価格(税込) : ¥2,712

発売日: 2023年10月05日

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