キース&ヘイデン 好一対のデュオが再び贈る神品至宝 『ラスト・ダンス』
2014年7月31日 (木)

2014年ジャズ・シーン最重要作品!
キース&ヘイデン、好一対のスプレマシー・デュオが再びお届けするスタンダード・ラヴソングの数々。神品至宝『ラスト・ダンス』の到着です。
“アメリカン・カルテット”解散から30年、キース・ジャレットの自宅スタジオでレコーディングされ大ヒットを記録したデュオ作『ジャスミン』の続編ともいえるスタンダード・デュオ・アルバムが登場!
今回は、セロニアス・モンク「'Round Midnight」、バド・パウエル「Dance Of The Infidels」などに加え、「My Old Flame」、「My Ship」、「It Might As Well Be Spring」、「Everything Happens To Me」、「Every Time We Say Goodbye」といった珠玉のスタンダード・ラヴソングが全面に収録されており、まさしくファンが待ちに待った充実の内容となっている。また、「Where Can I Go Without You」、「Goodbye」のオルタナティヴ・テイクも収録。
「前作《Jasmine》が好きだった人には必ず気に入っていただける作品。僕たち2人が一緒に演奏すると、まるで2人が歌っているようなんだ」と語るキース・ジャレット。それぞれの曲が元々持っている強さを尊重して演奏されているのは勿論だが、メロディや詞に潜む”陰れた部分”までを表現。ヘイデン曰く「キースもよく聴き、僕も聴く。それが僕たちデュオの極意。お互いを聴くことが演奏には大事なんだ」と。本作もキース・ジャレットの自宅にあるスタジオでの録音となる。
今回は、輸入、国内盤に加えて、2枚組180g重量盤LPも限定プレスでリリースされる。お買い逃しなきよう、ご予約・ご購入はお早めにどうぞ!
寄り添い、重なり、絶妙な距離感を保ちながら、ゆっくりと時間が流れていくような、音の隅々に成熟の極みを感じることができた。
キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンという、ジャズ界およびECMレコードを代表する2人の音楽家による、今年最高の輝きを放つ美しいデュオ・アルバムが完成した。
キースとヘイデンといえば、60年代後半から「アメリカン・クァルテット」のメンバーとして活動を共にし、モード、ポスト・バップ、フリー、エスニック、フォークなど多彩なエッセンスを織り交ぜながら、それこそECMの基礎となるようなサウンド・メイキングを構築し、当時のアメリカのジャズ・シーンにも多大な影響を与えた。
この朋友の仲と呼ぶにふさわしい二人が30年ぶりに再び邂逅をはたしたのが、2010年に届けられたデュオ・アルバム『Jasmine』だった。まるで静かに対話をするような親密な空気感。寄り添い、重なり、絶妙な距離感を保ちながら、ゆっくりと時間が流れていくような、音の隅々に成熟の極みを感じることができた。収録曲は全て古いジャズ・スタンダードで、しかもラヴ・ソング。だからキースでいえばソロ・ピアノ・アルバムの名作『Melody At Night With You』の後日談ともいえる内容であり、このピアノ・タッチを望んでいたファンも多かったのも頷ける。この演奏を聴けば、キースが現代ピアニストして最高峰であると、誰もがそう思うはずだ。そして、このデュオが見事なまでの美風景を描き、静謐な渋みの境地に到達することができたのは、ヘイデンの卓越した対話力も他ならない。過去にヘイデンがピアニストたちと残したデュオ・アルバムは本当にどれも魅力的だ。復帰したハンプトン・ホーズにやさしく手を添えた『As Long As There's Music』。ハンク・ジョーンズとトラディショナル・ソングをスピリチュアルに奏でた『Steal Away:Spirituals Hymns & Folk Songs』。ケニー・バロンとニューヨークの夜を切りとった『Night and The City』。ジョン・テイラーと深く澄んだ音の粒を黄昏の空に並べた『Nightfall』。そしてピアニストではないが、パット・メセニーと録音した『Beyond The Missouri Sky』も同じ系譜で聴くことができる一枚。どうしてヘイデンは様々な音楽家とこうして自然に対話を行い、自然に溶けこんでいけるのだろう。

今回、届けられた『Last Dance』は、『Jasmine』の続編という位置づけの作品である。今回も『Jasmine』同様に録音はキースの自宅で行われた。収録曲もまた全てスタンダードで、セロニアス・モンクの「Round Midnight」、バド・パウエルの「Dance Of The Infidels」、さらに「My Old Flame」、「My Ship」、「It Might As Well Be Spring」、「Everything Happens To Me」、「Every Time We Say Goodbye」といったレパートリー。『Jasmine』よりもスウィングした曲が多いという印象であるが、どの曲からも2人のリラックスした表情を伺うことができる。しかし、もはやこの2人の演奏に関しては、曲がどうのというレヴェルではないはずだ。
とにかく、一音一音にじっくりと耳を傾けていたい。そして出来ればスピーカーで鳴らして聴きたい。キースの粒立ちのよいピアノと柔らかな余韻、ヘイデンのふくよかで温かみのある弦の音色は、空気に触れて流れると、この上なく極上の響きとなる。アルバムのラストに置かれた曲は「Goodbye」。さよならを言わずにまた再び、2人が対話をすることはあるのか?ただ今は、心のおもむくままに、“ラスト・ダンス”に身を任したい。
『Last Dance』 収録曲
- 01. My Old Flame 10:18
- 02. My Ship 9:36
- 03. ‘Round Midnight 9:33
- 04. Dance Of The Infidels 4:22
- 05. It Might As Well Be Spring 11:54
- 06. Everything Happens To Me 7:12
- 07. Where Can I Go Without You 9:31
- 08. Every Time We Say Goodbye 4:25
- 09. Goodbye 9:06
Keith Jarrett (p) / Charlie Haden (b)
Recording Engineer: Martin Pearson
Produced by Manfred Eicher
recorded at Keith Jarrett's home studio

キース・ジャレット (Keith Jarrett)
1945年5月8日ペンシルヴァニア州アレンタウン生まれ。3歳でピアノを始め、7歳で初めての「リサイタル」を開いたという。62年に学校を卒業するとバークリー音楽院に学び、この頃からボストン周辺で彼のオリジナル・トリオで活動を開始している。65年ニューヨークに移ったキースはアート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズに4ヶ月ほど参加。初期のキースの姿を捉えた貴重な作品とも言えるこの時期の演奏は『バターコーン・レディ』として残っている。66年、テナー・サックスのチャールス・ロイドのバンドに参加。1969年までの在団時に、ピアニストとしての評価を固めることになる。その後、9月には名作『Forest Flower』に参加、ヨーロッパ・ツアーに出発、やがて大きな影響を与える「この地」に演奏家としての初めての足跡を残している。
1967年5月4日、初リーダーアルバム『ライフ・ビットウィーン・ザ・イグジスト・サイン』を、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンという最高のサイドメンを従えて、アトランティック・レーベルの傍系Vortexレーベルに吹き込んでいる。1968年から1969年は、キースにとって次の飛躍へのステップの中間の年であり、68年10月にはキース・ジャレットのオリジナリティを初めて世に問うた名作『サムホエア・ビフォー』を、前作と同じくヘイデン〜モチアンとのトリオで録音。「民族派」もしくは「カントリー派」的な感性を感じさせている。やがて、キースは1969年11月の『フォレスト・フラワー '69』をもってロイド・グループを退団する。

1969年、マイルス・デイヴィスに請われ彼のバンドに参加。当時マイルスが追求していたエレクトリック・サウンドに合わせるかのように、キーボーディストとして登用され、先に同バンドに在籍していたチック・コリアとのツイン・キーボード制の中で主にオルガンを演奏した。「第3回ワイト島ポップ・フェスティバル」での演奏など、3ヶ月強というごくわずかなツイン・キーボード体制の後、チック退団に伴いひとりでオルガンとエレクトリック・ピアノを担当することになる。在籍中には、『ライヴ・イーヴィル』、『アット・フィルモア』、のちの『ゲット・アップ・ウィズ・イット』などに参加する。
71年、発足間もないECMレーベルへ、ジャック・デジョネットとのデュオによる作品『ルータ・アンド・ダイティヤ』を録音、新しい出発を図った。続いて、契約が残っていたらしいアトランティック・レーベルに『モーニング・オブ・ア・スター:流星』、『バース:誕生』を録音。後者ではトリオにデューイ・レッドマンが参加、この後のグループとしての表現形式がかたち作られている。一方でECMへはソロピアノ・ブームの先駆けとなった初期キースの最高作『フェイシング・ユー』を1971年11月に録音。さらに72年春には、“勇み足”と後年揶揄された『エクスペクテーションズ』をColumbiaからリリースする。この時期、キースはマイルス・バンドで共演したアイアート・モレイラの『フリー』や同じくアイアートが参加したCTIでのフレディ・ハバード『スカイ・ダイヴ』にも参加している。キースにとって次のキース時代への序章とも言える時期で、後年、形を成す表現フォーマットを矢継ぎ早に試している。
発売は相前後するが、Impulse!録音の『シェイズ』でレギュラー・カルテットを解散したキースは、ソロ活動と共に新しいカルテットを、2歳年下の北欧ノルウェイの若き獅子ヤン・ガルバレクを迎えて結成。一方、75年に入るとキース・ブームを巻き起こし、『リターン・トゥ・フォーエヴァー』と共にECMレーベルの基礎を固めたLP2枚組のソロピアノ・アルバム『ケルン・コンサート』を録音する。当時までの常識からいって、LP2枚組のソロピアノ作品など考えられない時代だったが、この作品は爆発的なヒットを記録する。その後は、それまで築いてきた路線を進化させると共に、新たなオルガン表現の可能性を模索した『スフィアズ』を発表。のちも、ソプラノを吹いたり、ソロピアノを弾いたりと、ややクラシカルな表現をとりながらも独自の道を切り開いていった。
『チェンジズ』でまさに「変換」を宣言したキースは、『スタンダーズ, Vol.1,2』の成功によって、図らずも次の表現フォーマットを固定。それは、80〜90年代を通じて多くのジャズ・ファンを獲得、さらにアメリカ・ジャズの呪縛に苦しんでいた(?)ヨーロッパのピアニストたちを解放することになる、ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネットとの「スタンダード・トリオ」である。この作品以降、スタンダード曲を、ある意味でヨーロッパ的な感性を含む表現で演奏した作品が、ヨーロッパから輩出する。空間を意識したホールトーンを基本とする録音方法と、スタンダード曲のクラシカルな解釈によって、キース・ジャレットは、意識しなったにもかかわらず、ウイントン・マリサリスの登場によって「ジャズの伝統」への回帰を意識していた当時のアメリカにおける「ネオ・クラシカリズム」に対応した形で人気を博していく。
90年代中盤過ぎ、精神的なプレッシャーから、立ち止まったキースだが、『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』で見事復活。さらに2000年にはパリでのスタンダード・トリオによるライヴ盤『ウィスパー・ノット』を発表する。確かに、かつての氷を凍らせるようなハイテンションと、鼓膜を緊張させる美しいピアニズムにはまだ遠いが、キースの持ち味を十分に発揮した演奏は、21世紀に向かって彼の新しい表現の可能性を感じさせる演奏だった。00年代以降も、ベクトルをインプロヴィゼーション演奏に向けた『インサイド・アウト』、『オールウェイズ・レット・ミー・ゴー』といったライヴ盤でトリオの別軸を提示しながら精力的に活動を続け、結成から25年、30年という時間が瞬く間に流れていく。
マイルスの時代が終わりを告げ、ヨーロッパから、独自の感性が押し寄せた80年代後半、キース・ジャレットは、ピアノトリオにおけるビル・エヴァンス以降初めての「ザ・トリオ」を確立、前述したようにヨーロッパのミュージシャンに大きな影響を与えた。そうした意味ではキース・ジャレットこそが、ヨーロッパの「国替え=国家再編」の時期に生まれた新しい「時代」の象徴だったのかもしれない。
チャーリー・ヘイデン (Charlie Haden)
チャールズ・エドワード・ヘイデンは、1937年8月6日、彼自身が22ヶ月でデビューすることになる、ラジオ・ショウを持っていたC&Wのファミリー・バンドの家族としてアイオア州シェナンドに生まれる。
歌っていたチャールズは、15歳でポリオに感染、歌を断念する。やがて、スプリングフィールドに移住したヘイデン家は、ここでもレッド・フォリーがホストを務めるTVショウに出演。チャールズはべースプレイヤーとしてデビューした。後年、感じるカントリーライクな音色と、決して都会的ではない暖かいぬくもりの演奏は、こうした家庭環境がもたらした。
1957年、LAへ移住。そこでジャズを演奏し始め、エルモ・ホープ、ハンプトン・ホーズ、アート・ペッパーといったミュージシャンと共演。そして、運命的な出会いとなるポール・ブレイと「Hillcrest Club」のハウス・バンドのメンバーとして契約する。ある晩、もう一つの運命的な出会いとなるオーネット・コールマンをジェリー・マリガンのバンドのメンバーとして聴く。オーネットは程なく、マリガンのバンドを去るが、やがてヘイデンはブレイ=コールマンにドン・チェリーを加えたカルテットでHilcrest Clubに出演、親交を深めていく。
1959年、チャールズはオーネットとともにニューヨークにのぼり、ドラマーにビリー・ヒギンスを加えたバンドで「Five Spot」デビューを飾った。キース・ジャレットとのアメリカン・カルテットをはじめ、その後のヘイデンの活躍はジャズファンの知るところだが、デニー・ザイトリン、アーチー・シェップ、ロズウェル・ラッドらと自己バンド、リベレーション・ミュージック・オーケストラで活躍することは、この時代のキャリアにおける重要なトピックだろう。

1976年には、ドン・チェリー、デューイ・レッドマン、エド・ブラックウェルとのバンド、オールド・ニュー・ドリームズに参加。また80年代にはカリフォルニア芸術大学で教職に付いた。さらに90年代に入ると、ビバップを甦らせたバンド、カルテット・ウエストを、アーニー・ワッツ、アラン・ブロードベントらと結成。その間、カナダのモントリオール・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライヴ演奏を収録した「Montreal Tapes」シリーズを発表。ジェリ・アレン、ゴンサロ・ルバルカバ、ポール・ブレイ、ドン・チェリー、そして、エグベルト・ジスモンチを擁した音源に加えて、リベレーション・ミュージック・オーケストラの演奏も発表する。
さらに2002年発表されたマイケル・ブレッカー、ブラッド・メルドーを擁した『American Dreams』は、ヘイデンの世界がさらにスペイシーな広がりを増しつつあることを認識させた。2003年発表された、亡きジョー・ヘンダーソンをフィーチャーした1989年の録音は、アル・フォスターとのトリオでヘンダーソン畢生のテナー演奏を収録した作品となった。2010年には、カルテット・ウエスト名義としては11年ぶりとなるアルバム『Sophisticated Ladies』を発表。ノラ・ジョーンズ、ダイアナ・クラール、カサンドラ・ウィルソン、メロディ・ガルドー、さらには妻であるルース・キャメロンといった現代ファースト・レディの歌唱をフィーチャーしたエレガントなヴォーカル作品となった。
ヘイデンの活動は多岐に渡りつつも、家庭環境がもたらした、優雅なC&Wライクな音色とフレーズで人気は高い。現代ジャズベースにおける数少ない重い音を持った巨匠と言えるだろう。
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国内盤
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