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サイード音楽評論(本)

Friday, January 18th 2013

サイード音楽評論 1
境界の音楽


サイードのもう一つのライフワークであった各紙誌発表の音楽評論初の集成。時評を超えて普遍性をそなえた全44篇。1巻は演奏・オペラ評を中心に前期10年分を収録。四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/320頁。

【内容】
40歳代前半で発表した『オリエンタリズム』(1978)で世界に衝撃を与えて以降、20世紀を代表する思想家の一人に数えられるE・サイード。彼がかつてシェーンベルクの愛弟子E・シュトイアーマンに師事したピアニストで、西洋クラシック音楽に造詣が深いことはよく知られており、音楽愛好家にとっては『音楽のエラボレーション』『バレンボイム/サイード 音楽と社会』の著者としてすでに馴染み深いだろう。しかしこの分野におけるサイードの仕事の中心は演奏評から本格論考までを含む新聞・雑誌への寄稿であり、これは日本ではもとより本国でも、生前には単行本として蓄積されることがなかった。本書は1983年から20年にわたって厚い信頼を集めたその音楽評論を初めて集成したものである。
 作曲者の意図、演奏者の解釈行為、聴き手の解釈行為、その基盤となる歴史と社会環境と政治。それらをふまえたサイードの評論は音楽学の成果を取り込みつつも微視的になることがない。また逆に文化論に拡張して音楽そのものから離れてしまうこともない。現代の音楽をめぐる状況については一貫した主張がある。そのぶん賛否両論を呼ぶだろうが、一人の音楽評論家に望みうる、あらかたの魅力をサイードはそなえているといえるのではないだろうか。希代の思想家の音楽への愛情に満ちた、きわめて水準の高い評論群である。(みすず書房)

【目次】
第1部 一九八〇年代(音楽そのもの―グレン・グールドの対位法的な洞察力/ 奏でられたものの追想―ピアノ芸術の現存性と記憶/ 音楽祭は威風堂々/ リヒャルト・シュトラウスを考える ほか)/ 第2部 一九九〇年代(リヒャルト・シュトラウス/ ヴァーグナーとメトロポリタン歌劇場の『指輪』/ オペラ制作―『ばらの騎士』『死者の家から』『ファウスト博士』/ スタイルの有無―『エレクトラ』『セミラーミデ』『カーチャ・カバノヴァー』 ほか)

サイード音楽評論 2
境界の音楽


2巻はバッハ、ベートーヴェン、ヴァーグナー、ブーレーズほか重厚な作家作品論を中心に死の直前までの10年分を収録。刮目すべき未完の書の起草文を巻末に。四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁。

【内容】
「思想と同じように、音楽においても小さな細部が精密に調和することで、初めて大きな視野が生まれるのである。コンサートや演奏に接するときのサイードはこうした細部に目を向けていた。多くの専門家も、そのいくつかは見過ごしてしまいそうな細かい点にである。主題について知的に表現するための知識を持たない批評家や、先入観なしに聴く能力が欠けている批評家もいるが、サイードは多くの点でそうした批評家たちとの違いをあきらかにしていた。先入観なしに音楽を聴けない批評家のばあいにはっきりいえるのは、最良のときでも彼らは作品について“正しい”解釈という考えを捏造することである」。(「序文」ダニエル・バレンボイム)

 音楽はひたすらに聴けばよい、評論はいらない、というのも一つの真理かもしれない。しかし「小さな細部が精密に調和する」議論が展開されるのを目のあたりにし、そこに「大きな視野が生まれる」とき、音楽はより豊かになるだろう。聴き手ばかりでなく演奏家にとっても刺激に満ちた評論集の第2巻。
 巻末の「補遺 バッハ/ベートーヴェン」は、未完のまま断念された本の起草文。音楽がサイードのもうひとつのライフワークであったことがうかがえる、貴重な文章である。(みすず書房)

【目次】
第2部 一九九〇年代(承前)(バード音楽祭/ ヴァーグナーに対しては不忠実であるほうが忠実である/ 身ぶりの音楽―ショルティについて/ ベルリオーズ『トロイアの人びと』 ほか)/ 第3部 二〇〇〇年代(文化の壁を越えた絆―ダニエル・バレンボイム/ グレン・グールド知識人であった巨匠/ 宇宙的な野心―クリストフ・ヴォルフ著『ヨハン・ゼバスティアン・バッハ』/ バレンボイムとヴァーグナーの禁忌 ほか)
【著者】
エドワード・W・サイード : 1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。コロンビア大学英文学・比較文学教授を長年つとめた。2003年9月歿。邦訳されている著書に『オリエンタリズム』『イスラム報道』『始まりの現象』『音楽のエラボレーション』『知識人とは何か』『世界・テキスト・批評家』『パレスチナとは何か』『ペンと剣』『文化と帝国主義』『遠い場所の記憶 自伝』『フロイトと非ヨーロッパ人』『パレスチナ問題』『バレンボイム/サイード 音楽と社会』『オスロからイラクヘ』『権力、政治、文化』『晩年のスタイル』『文化と抵抗』『故国喪失についての省察』などがある。

【訳者】
二木麻里 : 1960年生まれ。上智大学外国語学部卒。東京大学大学院学際情報学府博士課程在。和光大学非常勤講師。訳書『ポパーとウィトゲンシュタインとの間で交わされた10分間の議論の謎』(筑摩書房、2003)、D・グロスマン『死を息ながら』(みすず書房、2004)。共編著『徹底活用「オンライン読書」の挑戦』(晶文社、2000)など。

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境界の音楽 1 エドワード・w・サイード音楽批評集成

Books

境界の音楽 1 エドワード・w・サイード音楽批評集成

エドワード・w・サイード

User Review :5 points (1 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥3,520

Release Date:November/2012

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