【インタビュー】NINI TOUNUMA

2010年11月15日 (月)

interview

Spangle call Lilli lineのヴォーカル・大坪加奈によるソロプロジェクト、NINI TOUNUMA。 相対性理論・永井聖一プロデュースによるシングル「dreamer」を皮切りに、アルバム『VIEW』『Forest At The Head Of A River』と3作品連続リリース、そして恵比寿リキッドルームでのLiveと、SCLL本体の活動が目白押しだった今年前半。そこから半年を待たずに届けられたNINI TOUNUMAの2ndアルバムは、過去にfelicityからリリースされたコンピ『SP-つながり』でも共演したSPANOVAを共同サウンドプロデューサーに迎えた、骨太なビートや煌びやかなシンセが舞うクリスタルのような輝きを持ったエレクトロニック・アルバム。前ソロアルバム、そしてSCLLとはガラリと趣きを変えた本作は一体どのようにして作られたのか、その一端でも触れられればということで、大坪さんにメールインタビューでお答えいただきました。



-- 今年は3月から6月にかけてSpangle call Lilli lineでのリリース、そしてLiveと、SCLL本体が非常にアグレッシヴな年でしたが、まさかソロ作まで聴けるとは思いませんでした!非常にタイトなスケジュールのように感じるのですが、実際の本作の制作期間はどのぐらいになるのでしょうか?

大坪 加奈(以下 大坪)  断片を作り始めたところから入れると、9ヶ月ほどになるかと思います。


-- 今作『woolgathering』のタイトルに込められた意味、アルバム全体的なムード・テーマとは?

大坪  無重力的な感じが出る言葉を探していて、字面も含め、このWoolgatheringは合うなと思いました。 ムードテーマは、CD帯などに載せているこの感じです。

限りなく空気と宇宙に近い、センセーション・ミュージック
このまま重力を忘れてしまえばいい


-- 今回共同プロデュース/ミックスでSPANOVAが参加された経緯をお聞かせ下さい。
また、SPANOVAは制作のどの段階から関わっているのでしょうか? その作業工程、リクエストしたコトなどがありましたらお聞かせ下さい。

大坪  以前にfelicityのコンピでご一緒させて頂いた事があり、そしてSPANOVAさんの世界観が好きでした。 またNINIの1stを褒めて下さっていて。 NINIの音に理解があり、ブラックの要素が自然にある方に頼みたいと考えていたので SPANOVAさんしかいないと思った次第です。
曲は大体出来ていて曲順も決まっていて、こんな感じですがやっていただけませんかとお願いしました。 やってみたいが出来るかどうかという事で、すぐに返事を頂けませんでしたが、結果引き受けて下さり 私が思っていた以上の素敵な曲達になりました。 音の足し引きや、元の音を美しく磨いて下さったり。まさに「サウンドプロデュース」という形で 関わって頂いています。
リクエストは、好きなようにやって下さいとお願いしました。SPANOVAカラーに染まりたいですと。


-- 以前、DVD『SCLL LIVE』リリース時のインタビューで、「SCLLとSCLL以外での活動の違いを一言で表すと?」という質問に、大坪さんからは「SCLL→社員型 SCLL以外→ワンマン姫型」とお答えいただきました。
今作でのSPANOVAとの関係をこのカタチでなぞらえると?

大坪  SPANOVAさんは、ワンマン姫の考えているイメージを具体的にしてくれる、また的確なアドバイスをくれる 大統領補佐ならぬNINI姫補佐と言った感じでしょうか。


-- 楽曲のイメージが浮かぶ一番のシチュエイション(場所・時間など)は?

大坪  夜寝る前に浮かんだりする事もありますが、大体は音楽を聴いている時ですかね。 買い物中にショップで流れている曲に引っかかり、ここのビートだけほしい!とか思って 別の曲を頭の中で作ったり。家にたどり着く前に忘れてしまいますが(笑)


-- 独特のアブストラクトでオリジナルな歌詞がいつも印象的ですが、作詞時に心がけているコトはどんなことでしょうか?

大坪  歌詞が他の音に限りなくfitするという所。どれだけ聞き心地が良いか重要視してます。
あと空耳的なものはおもしろいなと思いますね。 それから意味不明な言葉が並ぶ中、突然はっきりドスンと来る言葉が出てくると際立つかなとか。 NINIでは英語と日本語で歌っているので、どこから日本語になったのか分からないような感じも楽しんでます。


-- アルバム・アートワークも大坪さんが手掛けてらっしゃいます。
楽曲を制作されている時とアートワークを手掛けている時、それぞれの気分にはどのような違いがありますか? (もしくは同じでしょうか?)

大坪  どちらも遊びながら対話する感じで、同じでしょうか。 曲なら音に、アートワークなら色や線に、どういう色がいいかな、これ合うと思うんだよねといった感じで。


-- アルバム制作中、思い出深いエピソードがあれば是非お願いします。

大坪  SPANOVAさんと電話で曲の話をやり取りする時に、いつも感動するような名言がポンポン飛んでくるんですね。 録音しておけば良かった、と何度思ったことか。
また仕上った曲を最初に聴かせて頂いた時、すごく良くて心臓がバクバクしたのを覚えています。 そして次々に仕上がってくる曲達、毎回感動の嵐でした。


-- このアルバムに隠された秘密…もしありましたらお聞かせ下さい!

大坪  ジャケットなのですが、よく見ると照明が2つあります。1つはSPANOVAさんの明かり。もう1つは私の明かりです。 この明かりの下で、Woolgatheringは完成しました。


-- ありがとうございました!
それでは最後に、リスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

大坪  Woolgatheringによって、心の中に何かポジティブで特別な感情が生まれてくれたら最高に嬉しいです。 NINIを見つけてくれてありがとう。












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      NINI TOUNUMA / woolgathering
    2010年11月17日発売

    大好評の2枚のフル・アルバム、相対性理論永井聖一とのコラボ・シングル、即ソールドのリキッド・ルームでのワンマン・ライブ、そして突然のライヴ活動休止発表。激動の、そして熱狂に包まれたSpangle call lilli Lineの2010年が一段落したところで届けられたヴォーカル大坪加奈によるソロ・プロジェクト、セカンド・アルバム。「ホニャララ語」とも評される彼女オリジナルの言語感覚はここでも健在…どころか、奔放なそのセンスがサウンドをも支配。背景に見えるのはハウス/ダンス・ミュージックだが、彼女はそれを積み上げるのでも解体するのでもなく、文脈を身軽に飛び越え、分類の眼差しをすり抜ける。まさに「NINI TOUNUMAの音」としか評し得ない世界を築きあげた。さらに今作には彼女のリクエストに応えSPANOVAがミックス/共同サウンド・プロデューサーで参加、NINI TOUNUMAの世界を見事にトリートメントしている。アートワークも自ら手がけ、まさに大坪加奈の分身のような作品に仕上がった。そして、そのクールな音像の中、彼女のつややかなイマジネーションが無邪気な子供のように駆け巡っている。

profile



ニニ トウヌマ [NINI TOUNUMA]

大坪加奈によるソロ・プロジェクト。数年前から録りためていたものを初音源にして、Easelレーベルより2009/01/21にアルバムタイトル「TOUNUMA NINI」でリリース。NINIという名は大坪の誕生日=22日から名付けたという。NINIの頭の中で鳴っていた「音」の色と形を、セルフプロデュースにより完成させたnewアンダーグラウンド・ミュージック。Spangle call Lilli lineのヴォーカル他、riss & niniのヴォーカルとしても始動。他 Ughhella Bikini、Lux Infinite等に参加。漢字での名称は「登沼弐弐」。





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