ソウル・デュオが奏でる静寂の波紋
ジェイムス・ブレイクのデビュー作『James Blake』には緻密にシークエンスされた電子音とゴスペルに通底する崇高な歌声、そして、その間から深々と伝わる静寂に耳を澄ませ、心を振るわせた。今回はそのようなアンビエンスとThe Weeknd、Autre Ne Veutらとの同時代性も兼ね持つ、L.A.のソウル・デュオ2組の作品をご紹介。先ずは、カナダ出身のマイク・ミロシュとデンマーク出身のロビン・ハンニバルによるRhyeのデビュー作『Women』。ミロシュのシャーデーのような影のあるコントラルトで女性的な声と淡い官能的な歌詞、脹よかなストリングスをはじめとする、10ccのような楽曲構築。特に「Open」と「The Fall」は、 ロビンと同郷の映像作家、ダニエル・クラー・ヤコブセンによる、連続性のある映像と共に、溜息が出るほど美しい。続く、『No World』は、4ADからの作品となり、ラファエル・サディーク〜ベック等のサポート・ミュージシャンとして確かな腕を持つアンドリューとダニエル・エイジドの双子の兄弟、INC.のデビュー作。作詞作曲から録音、ミックスに至るまで自分たちで制作した本作は、研ぎ澄まされたミニマルなトラックと立体的な音響、アンドリューの耽美な声と退廃的な歌詞が魅惑的である。 これらは音の間の静寂の波紋が何より美しく、聴き手に新たな思惟を与えてくれる、そんな作品である。文●野見山実
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
