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TOP > My page > Review List of 遊悠音詩人
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0 people agree with this review 2009/10/05
コンヴィチュニー★★★★、ボンガルツ★★★、マルケヴィチ★、ザンデルリンク★★★、ノイマン★★★★★、マズア★★★★(5段階評価)。白眉はノイマン指揮《我が祖国》とマズア指揮《第九》。特に前者は、かのチェコPO盤をも凌ぐ名演!ライヴに匹敵する興奮度と、ゲヴァントハウス管ならではの渋い味わいが同居した、実に素晴らしい演奏だ。後者は新ゲヴァントハウスこけら落とし公演として知られているもので、特別な機会がもたらした特別な演奏だ。特に合唱の透明感と神々しさは折り紙付きで、旧東独の合唱のレベルの高さを物語る。オケゆかりのメンデルスゾーンは、ヴァイオリン協奏曲が絶品!独奏はオイストラフの息子イーゴリだが、これがとてつもなく巧い!父親譲りの甘美な音色で、繊細な強弱や緩急を駆使し、大いに歌い尽くしている。ゲヴァントハウスでガーシュウィンを聴くのは何だか不思議な感覚だが、これが意外とハマるから面白い。アメリカのオケのような“遊び”は無いが、ニュアンスは独特で、飽きさせない。唯一、マルケヴィチが不本意な結果に終わっているのが残念だ。彼なら、もっと精緻で明晰でひねりの効いた演奏をしてくれると思うからだ。だが、全体としてはよくまとまっており、加えて音質も良好なので「すばらしい」とする。何より、グローバル化の名のもとにすっかり変容した現在のゲヴァントハウス管からは聴けない、純ドイツ的な燻し銀のサウンドが聴けることが、ファンには堪らない。
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1 people agree with this review 2009/10/03
交響曲第1番★★★、第2番★★、第3番★★★★★、第4番★★★★、第5番★★★★、ピアノ協奏曲★、真夏の夜の夢★★★(5段階評価)。白眉は交響曲第3番。この曲の持味である、凍てつくような透明感と仄暗さが充分に表現されている。これはゲヴァントハウス管の燻し銀の音に加えて、残響をたっぷりと入れた録音によるところも大きいだろう。第4番および第5番もなかなかの秀演で、殊に第5番の終楽章は速いテンポながら荘厳で、敬虔な祈りと信仰の歓びが共に昇華したような演奏になっている。残念なのはピアノ協奏曲。オケはよいのだが、ピアノを弾くカツァリスのデリカシーの無さには嫌気がさす。だがよくないのはこれだけで、全体としてはよくまとまったBOXだと思う。何より、メンデルスゾーン・イヤーに彼ゆかりのゲヴァントハウス管で交響曲を全部聴くという贅沢感は、ちょっと他では味わえないだろう。録音は、個人的にはもう少し地鳴りのするようなアグレッシブなサウンドが好みだが、その分溶け合うような豊かな響きが聴けるから良い。
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2 people agree with this review 2009/10/01
中国かロシア辺りの雑技団の少年が、鞭を片手に怒鳴りつける鬼教官に追い立てられ、金切り声を上げながら曲芸の練習をしている――彼のヴァイオリンを聴いて、こんな光景が目に浮かんだ。聴いていて、非常に窮屈。超絶技巧の曲ばかりを不安定なピッチで高速で弾くものだから、まるで夏の盛りに蝿やら蚊やらに追い回されているような気持ちになる。とはいえ、収録当時は弱冠17歳。年令を考慮すれば、良く出来たほうだと思う。だが、本当に彼の真価が問われるのは、技巧云々よりもまず精神性や歌心が問われるような曲を、説得力ある表現で聴かせられるか否かだと思う。このアルバムに収録されているような曲は、言葉は悪いが勢いでいくらでも誤魔化せるのである。誤魔化しのきかない曲でどれだけ勝負できるか、見物である。
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4 people agree with this review 2009/09/25
ゲヴァントハウス管の魅力満載!昨今、特にシャイーが就任してからのゲヴァントハウス管は、どうも響きが雑になってしまった。しかし、ブロムシュテットの時代は違う。オケのポテンシャルを自然体で引き出すブロムシュテットに引導され、知・情・意の見事な均衡を見せている。特にメンデルスゾーンが素晴らしい。メンデルスゾーンはこのオケの十八番中の十八番として知られているが、いくらそのような曲でも、指揮者の解釈如何によっては名演にも駄演にもなり得てしまう。例えばコンヴィチュニーは遅めのテンポを取っており、仄暗くも壮大なスケールに仕上げているが、見方によっては緊張感の不足を感じてしまうだろう。最近出たシャイーも、歴史考証自体は面白いが、オケの響きが乱雑で、テンポも拙速に過ぎている。ではブロムシュテットはというと、彼らしく“中庸”である。しかし決して面白みに欠けることはなく、キビキビとした運びで、よく躍動し、しかも歌うところではよく歌う。非常にバランスがよいのだ。他に、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーといったドイツ本流の作曲家も秀逸。少しの奇の衒いもない、正攻法の表現は、個性ばかり出そうと躍起になる余り曲の魅力を損ねることの多い昨今の音楽界にあって、大変貴重と言えよう。録音も、燻し銀の重厚サウンドをよく捉えた硬派な仕上がりである。
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5 people agree with this review 2009/09/18
ロシア魂炸裂!スヴェトラーノフならではの、豪傑・濃密・壮大なチャイコフスキー!白眉は第4番。全交響曲中最もドラマティックとも言われるこの作品で、スヴェトラーノフは恐ろしい程の猛進を見せる。特に終楽章、7分半という驚異的に早い演奏時間が示すとおり、冒頭から物凄い勢いで飛ばしまくり、挙げ句最後の最後でまた捲るという、とんでもないハイテンションぶりである。終演直後のブラヴォーの嵐にも納得である。第3番も秀逸だ。とかく地味で取るに足りない曲と思われがちなこの曲で、スヴェトラーノフは持ち前の豪腕ぶりをフルに発揮して、実に説得力ある演奏をしている。僅か3年後の再録では遅めのテンポだった終楽章もここでは速めで、かつ雄大だ。第1および第2番に見られるコテコテのド演歌風演奏もスヴェトラーノフならではだし、第6における男性的な表現も独特だ。惜しむらくは第5番の音圧で、これだけ他より低く、力感不足を感じる。CANYON盤では問題なく、骨太な質感を持ち、しかもスヴェトラーノフご愛用の赤い扇風機の音までリアルに収録された録音だっただけに、残念としか言えない。CANYON盤は現在どれも廃盤になってしまっているが、WARNER盤より音質が良さそうである(CANYON盤は24bitのリマスタリングが施されている)。CANYON盤の復刻を切に願う。
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5 people agree with this review 2009/09/16
火花散る技巧と豊かな抒情!決して有名とは言い難いメトネルの協奏曲二曲を、デミジェンコが鮮やかに描き切る!メトネルはラフマニノフの親友として知られ、事実ピアノ協奏曲第2番はラフマニノフに献呈されている。このことからも分かるように、ヴィルトゥオジティとロマンティシズムが最高潮に昇華した作風を持っているのだが、デミジェンコはそれら特徴を完璧に手中に収めている。Allegroの胸のすくような歯切れの良さと、Andanteの夢見るような情感の豊かさの対比はまことに鮮やか。第2番など、自作自演を軽く凌駕している。むしろ、ラフマニノフが弾いたら多分こうなるだろうと思わせるような、目眩めく超名演!第3番は特に終楽章がいい。6分過ぎた辺りから、それまでの雰囲気から一変、優しく柔らかく濃厚なロマンが歌われる。ここでデミジェンコは、まるで瞑想するかのように、繊細極まるタッチで奏でるのだ。第2番のToccataでバリバリのスタッカートを聴かせた人と同じ人が弾いているとはとても思えない。つくづく、デミジェンコの幅の広さには心服させられる。録音も、名エンジニア、トニー・フォークナーが担当しただけあって超優秀!
8 people agree with this review 2009/09/16
王道中の王道!やはりコンヴィチュニー時代のゲヴァントハウス管は格が違う!重厚にして壮大。仄暗いが、底光りのする渋い響き。これらオケの特徴が、シューマン特有の厚手で灰色掛かった世界と見事な一致を見せ、まことに素晴らしいものとなっている。殊に交響曲は《ライン》以外は全てゲヴァントハウス管が初演したという曰く付きの曲目であり、その伝統に裏打ちされた、少しの奇の衒いもない正々堂々とした鳴りっぷりがすこぶる立派だ。騒ぎ立てない、はしゃがない、しかし腹にズシリと響く。シャイー時代に入ってからは完全に喪失した、正統派という名の個性が聴ける。勿論管弦楽曲も聴き応え充分で、特に《コンチェルトシュテック》では、ペーター・ダム他による、まろやかなコクのあるホルンの名技を堪能出来る。年代離れした優秀な録音も特筆される。正統的ドイツ・ロマン派好みの方、必聴!
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1 people agree with this review 2009/09/08
痛恨の編集ミス!《ピアノ協奏曲》および《スペインの絵》は、二つの楽章が休みなく演奏される曲だが、あろうことか不要な「間」が入ってしまい、音がプツリと途切れてしまっている。貴重な自作自演の正規盤なのだから、もう少し丁寧に復刻して欲しい。しかし、演奏そのものはロシア魂炸裂ともいうべきもので、特に《交響曲第1番》が素晴らしい。ショスタコーヴィチを彷彿とさせるコテコテのリズムと、ド演歌丸出しのロシア情緒が絡み合う、中々聴かせる曲だ。《ピアノ協奏曲》など、ラフマニノフさえ赤面するのではないかと思える程の激甘ぶりで、ハ短調という調性からかラフマニノフの第2協奏曲を思わせる節がある。《ハープと管弦楽の為のロシア変奏曲》では、ロシア的というよりむしろフランス的な色彩美が聴かれる。その他の曲も、スヴェトラーノフ節溢れる個性派揃い。音質は決して最善とは言えないものの概して良好だ。録音年代は1954〜1978と開きがあり、どの曲がいつに収録されたのか詳細が書かれていない。この点は、はやしひろし氏のサイトに詳しいので、参照されることを勧めたい。
1 people agree with this review 2009/09/03
情緒豊かな演奏!特にショスタコーヴィチが個性的だ。通常この曲は、自作自演でもそうだが、諧謔的なニュアンスを押し出した演奏をされる。だがヤブロンスキは、遅目のテンポで、恐らく作曲家自身さえ気付かなかったであろう情緒的側面を引き出してしまっているのだ。あたかもショスタコーヴィチを、モダニズムや社会主義リアリズムなどの視点からではなく、グリンカやチャイコフスキーなどのロシア音楽の伝統の延長線上に捉えているようだ。特に第2楽章など、意外な程の歌心に魅了される。ハチャトゥリアンも、野蛮さもさることながら素朴さも醸し出している秀演。最後の《ワルソー・コンチェルト》は、ラフマニノフ好きなら容易く理解できよう。哀愁漂うロマンがラフマニノフとそっくりであり、加えてグリーグ風の透明感も併せ持っている。10分に満たない作品だが、聴き応え充分だ。なお、ジャケットに録音年代が記載されていないが、販売年および使用の写真の撮影年月から推測して、2006年の収録と思われる。録音自体は、音圧レベルが割と強めに設定された鮮烈な録音だ。
2 people agree with this review 2009/08/29
カラヤン美学が最高潮に表れた名演。弦の美しさは、現在のBPOからはなし得ない程の、透明感溢れる素晴らしいものだ。しかし見方によっては、耽美を極めた代償として、素朴でローカルな味わいが掻き消されているとも言える。この点は、カラヤン唯一にして最大の弱点であろう。個人的には、濃厚な表現と対向配置による掛け合いの面白さが際立つチャイコフスキーを聴かせてくれたスヴェトラーノフ&ロシア国立管と、滋味深さと愛着の深さを感じさせるドヴォルザークを披露したクーベリック&バイエルン放送響を第一に推したい。
0 people agree with this review 2009/08/28
神業!ショスタコーヴィチの自作自演はとにかく凄い!ピアノ協奏曲二作品は、サモスードおよびガウクと組んだロシア盤もあり、録音年代も極めて近しい為、甲乙付けがたい。だが、クリュイタンスの指揮の鮮やかさがよりモダンな風合いを醸している点は、こちらに軍配が挙がるだろう。併録のピアノ曲は、普段皮肉めいた作品ばかり書くショスタコーヴィチにしては珍しいほどに抒情的だ。音質も、最後のトラックだけ音割れが気になるが概して良好だ。しかし、どういう事情で録音されたかが気になる。何故かというと、@ロシア盤と極めて近しい録音年代であるから。A東西冷戦真っ只中に、ソ連の代表格のショスタコーヴィチが何故フランスのオケと共演できたのか。BEMIは既に1955年にステレオ録音を行っているのに、何故モノラルで収録されたのか。いやはや、ショスタコーヴィチは何とも謎の多い作曲家である。
8 people agree with this review 2009/08/28
カリンニコフの真の決定盤はこれだ!!巷ではクチャル盤を高く推す傾向があるようだが、はっきり申し上げてクチャル盤はつまらない。聴かせ所が全く分からないまま、ただただ浮草のように流れるだけだった。ところが、このヤルヴィ盤ときたらどうだろう。まるで同世代のグラズノフや後のラフマニノフに一脈通ずるような、大変魅力的な作品であることに気付かされるではないか!特に、第1番。第2楽章のハープは、クチャル盤では点滅信号にしか聞こえなかったが、ヤルヴィの演奏には心がこもっている。ハープに乗って奏でられるメロディも抒情溢れる素晴らしいものだ。第3楽章など、グラズノフのスケルツォ楽章に見られる絶妙のリズム感を彷彿とさせるし、終楽章もこうでなくてはと思わせる。第2番も秀逸で、ある意味第1番以上に濃厚なロマンを感じさせる。ヤルヴィはいたずらに民俗色を強調させることも、逆に過度に洗練を極めることもしない。「クチャルとスヴェトラーノフの中間的な歌い方」と的を射たコメントがあるが、まことにその通りで、折衷様式的な歌い方がカリンニコフの芸風にピタリ合致している。音質もよく、自信を持って推奨したい。
3 people agree with this review 2009/08/28
カリンニコフの入門盤、あるいは決定盤として名高い一枚だが、これは頂けない。聴かせ所や盛り上がり所を作れず、たださらりと流しているだけの、つまらない演奏だ。言葉は悪いが、まるで浮草か薄雲のように浮遊しているだけで、ロシアの大地にガシリと踏張るような、腹に落ちるような所が何一つない。作品を通じて、一体何を表現したいのか、よく分からない。同世代のグラズノフ(1つ違い!)や後のラフマニノフに一脈通ずるような、抒情的なメロディや構成、展開等が聴かれるはずの曲だけに残念だ。なお、お薦めはヤルヴィ&ロイヤル・スコティッシュ盤(CHANDOS)だ。
3 people agree with this review
1 people agree with this review 2009/08/26
これぞロシアの魂!スヴェトラーノフが描くチャイコフスキーは、単なる名曲集の枠を遥かに超えた熱演揃い!白眉は《1812年》で、冒頭のテーマの情緒ある歌い方といい、中間部の荒れ狂う雰囲気といい、実にドラマティック。最後には、壮麗を極める鐘の響きと、必殺のスヴェトラーノフ・クレッシェンドが炸裂!もはや言葉すら出ない程の圧倒的クライマックス!それから《弦楽セレナーデ》も秀逸。カラヤン&BPOに代表されるような過度な洗練さはなく、もっとゴツゴツした肌ざわりで、純ロシア的な深い響きを出してくれる。惜しむらくは《ロミオとジュリエット》で、これだけヒスノイズが混入しており、ダイナミクスが他より劣る。表現も、スヴェトラーノフならもう少し濃厚にやってくれるはずだ。しかし、アルバム全体としては高水準であり、通俗的になりがちなこれらの曲で感動的な名演を繰り広げたスヴェトラーノフに敬意を表したい。録音もCANYON原盤だけあって優秀だ。
2 people agree with this review 2009/08/17
ムンムンと漂うアルメニア臭!ジャケットの風刺画のように暴れ回るハチャトゥリアンが目に映るような、アグレッシヴ極まりない演奏。しかも抒情的な部分ではこれまたしっとりと、ある種の官能美まで醸してしまうから凄い。決して、浅田真央人気にあやかったBGM集などではない。特に名手オイストラフと組んだヴァイオリン協奏曲など、冒頭から狂おしい位に跳躍している。第2楽章の妖艶な表情は、さながら“アルメニアのカルメン”といったところか。続く第3楽章などオイストラフの面目躍如たるもので、目が醒める程の技巧で疾走する。最後の畳み掛けなど、手に汗握る熱さだ。《ガイーヌ》は音質的には有名なDECCA盤(1962年ステレオ)を取るべきだろうが、当盤の演奏には、より多くの含蓄がある。単に力で押すだけでなく、ふとしたところに柔らかさを加味することで、よりドラマティックな表現になっているのである。これは《仮面舞踏会》にも言えることで、情熱的ながら過度な煌びやかさを避けているところが、この曲の持つ宿命的なドラマを暗示するようで面白い。音質もモノラルながら良好だ。
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