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TOP > My page > Review List of 風信子
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4 people agree with this review 2018/07/17
創造は記憶から生まれると言うが 聴き手にも同じ作用があるようだ 既に聞き心動かされた演奏の記憶の輪から抜け出せないでいる 知識を教養と取り違えるに等しい そこから得た心の豊かさを教養というのだが‥ 後継の者は不幸だ 先にあった”もの”が威力を持って立ちふさがる 奇を衒って新しいことをしようというのではない ただあるがままに対峙し 聴き語りかけ得たインスピレーションを伝えるべくスコアを音化しただけなのに 肯定か否定かも分からぬ繰り言を聞かされる ド・ビリーは校訂を経たスコアをそのまま演奏した ppは囁く fは明朗に ffは決然とベートーヴェンが指定したテンポで鳴らした これが気に入らないなら何故ベートーヴェンを聴くのか そこから先は”教養”の問題なのだ その音楽その演奏から聴衆が何を幻想するかまで音楽家は与り知らない あなたにとって音楽とは何か わたしには生きる勇気を与えてくれるもの ここに素晴らしい音楽がある
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0 people agree with this review 2018/07/17
ブラームスのトリオをあまり聴かない 魅力ある楽想が次々に登場する愉しみは感じながらも その書法が気に障る 三つの楽器と云う究極の編成であるにも拘わらず ユニゾンが多用されている 特に気になるのが弦楽器VnとVcが重なっていることが多く これではピアノとのDuoに等しい 三体しかない楽器それぞれが独立して動けばもっと変化に富んだ音楽が生まれるのにと考えてしまう 当然色彩感や変化に乏しい風情となる 一つの歌を斉唱しているかのようだ いや それこそブラームスの狙いであってそれこそが楽曲の魅力なのだと言われてしまえば返す言葉がない 好きな人には堪らない味わいがあると想像する カプソン兄弟&アンゲリッシュの美しい演奏は 多くのブラームス・ファンを喜ばせることだろう わたしは仕事の気繋ぎに家具の音楽として聞くだろうけれど
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1 people agree with this review 2018/07/16
アンゲリッシュ&ブラレイに依る”ハンガリー舞曲集”に酔う 前後がちょっと詰まった感じのリズムが曲想に合って弥が上にも興奮を駆り立てる 自然に身体が動き出して踊ってしまうのはわたしだけではないだろう コンチェルト”第1番”はパーヴォ・ヤルヴィ指揮するフランクフルトRSOの演奏とあって精細な描出が際立つ 透明感のあるサウンドもこのコンビが持つ一大特徴となっている このソノリティにアンゲリッシュのピアノが見事に嵌まっている 雄弁でありながら 口説くならず 音楽は滔滔と流れ軽やかに飛翔する 長大な第一楽章が終わると疲労感を覚えてしまう演奏にしばしば出会うが アンゲリッシュ&ヤルヴィの対話に退屈が忍び込む隙はない 第二楽章はいつまでも聴いていたい思いに一抹の寂寥すら感じる Finaleをこれほど意味深く聴いた記憶がない シューマンに認められたブラームス二十代前半の傑作に芳しき栴檀の双葉を見る思いだ 朋に奨めたい あなたも如何
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LP時代によく聴いた 子どもの頃だ 版も何も分かっていなかった ブルックナーへの憧憬をいや増す演奏だった 批判精神をもって久しぶりに聴いてみた 第一楽章はAgagioとAllegroが交替して進行する曲だが クナッパーツブッシュはModeratoを貫く しかしAlla breveも疎かにしない 練習記号Pからテンポを落とすAndanteといったところか 同UでA Tempoする デュナーミクも含めて改訂版の指示にも正確には従っていない 第二楽章は2/2のAdagioを完璧なテンポで奏する 三連符が推進力になって実際はAndanteに聞こえるブルックナーのアイディアを汲んでいる 昔も今も練習記号G からの落涙を禁じえない 同Hからの4/4もテンポを変えることなく高揚する見事さに感動する 第三楽章は小気味良い 幾度なく挟まるlangsamerも極端にテンポを落とさず accelerandoの指示を巧みに生かして流れの勢いを止めない TrioはAndantinoで軽やかなのも好い 改訂版なのでda capoするとScherzoはすぐ終わってしまう もの凄い省略だ 第四楽章は大幅に書き換えられていて 後半はパラフレーズが甚だしく別の曲と言うべきだ クナッパーツブッシュから学ぶことは多い 第三楽章のトリオまでは理想とすべき演奏だ わたしはここから指揮者の呼吸法を学んだ
2 people agree with this review 2018/07/15
20世紀フランスの作曲家8人によるクラリネット曲を集めている 名曲揃いとはいえ作曲者の個性を顕にしている面白さは格別 闊達に縦横無尽に歌ってみせるプーランク 心に秘める何ものかを絞り出さんとするドビュッシー ミヨーのクラリネット版スカラムーシュ オーベールの独白 最もポピュラーなサン=サーンスは人気曲だ ピエルネの歌を挟んで 最大の聴きものオネゲルのソナチネへ クラリネットも然ることながらピアノも主体的な働きをする 喜遊性に偏らず表現の領域は広く深い Duoとして聴きごたえがあるのは最後のフランセも同じで 変奏曲がより繊細にピアノとクラリネットをからみ合わせていく スペンドンクとタローのエッジの利いた演奏に古さなど感じない 20年以上も前の演奏とは驚く 夏の風のなかで聴こう 朋よ おなたも如何
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3 people agree with this review 2018/07/14
この演奏を聴いた人は一様に言うだろう ブルックナーの”第1番”って良い曲だなぁと 続いて ゲルギエフが面白く演出したのだろうと それは違う 凡てはスコアに書かれている ブルックナーが書いた当初からこのように立体感に富み色彩豊かな音楽なのだ 初期作品を価値薄き習作扱いしたのは100年を越えて偽ブルックナーを捏造してきた愚者たちなのだ それが何を因とし何の為なのか知らない 現実に今もスコアを無視した演奏が大々的に行われている オーケストラ演奏の習慣だか慣行だか知らないが 指揮者が作品に勝手に手を入れて音楽を書き換える愚行がまかり通ってきた ブルックナー・シンフォニーは初めから完成していた ブルックナーが書いた通り演奏が行われていれば 幾通りもの改訂版など存在するはずもなかった 書く側から疑問を挟む高慢分子が多々いた 理解できない人は演奏しなければいい ゲルギエフ&ミュンヘンpoがスコアに忠実に見事な演奏をした その個性はと問われれば どのパートも歌うことに長けている分 抒情過多になった 勢い演奏時間がやや長い 朋に教えられて聴いた あなたも如何
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5 people agree with this review 2018/07/14
バイエルンRSOのサウンドはブルックナーに相応しい 長年月多くの名指揮者とのブルックナー演奏経験の蓄積が生かされている ヤンソンスは造作もなく安心感を持ってこの大曲に望めたのだろう 中庸をいく演奏と言える 決して個性や特徴がないという意味ではない 万人に受け入れられるだろう 第一と第二両楽章はAllegro moderatoと同じ指示記号で始まる ヤンソンスは第二楽章3/4をこのテンポで三つ降りしている これは一つ振りにすべきだが 問題は第一楽章2/2を四つ振りしていること これは二つ振りのAlla breveだが 百歩譲って4/4で通したとしても 四分音符が第二楽章のそれより長い(遅い) 第二楽章のTrioが遅すぎることを含め 第一・二楽章で聴き疲れてしまう その後にAdagioが来るのだから 音楽が肥大化して感動の焦点が定まらない 演奏時間80分のどこが遅いのかと反論もあろうが もうこうした大時代の亡霊を追うのはやめよう スコアに戻って音楽に奉仕しよう ピリオドの精神をブルックナーにも反映した時 真の姿を見せてくれる 誰よりもブルックナーが130年待っている
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0 people agree with this review 2018/07/14
再発を待ちに待ったDisc ジョルジュ・プルーデルマフェのラヴェル・ソロを聴いて以来の想いだ 他人のことは言えないが わたしの朋たちもプルーデルマフェの存在を知らなかった 本当に後れ馳せながらその演奏に触れ 当に目から鱗が落ちた 遅きに失したのか コンチェルトを手に入れられなかった カサドシュには申し訳ないが ラ・ヴァルスもボレロも耳に入らない ”ト調”から聴く ピアノは何を弾いているのだろう 打鍵音がしてくるような乾いた渋さだ よく跳ねて粒立ちも好い 緩徐楽章はやっぱり泣いてしまった このサラッとした儚さは憧れる寂しさを引っ張り出す ジャズ調のフィナーレも軽やかに駆け抜けた えっ もう了り こんなに待っていたのに 音楽は残酷だ 管弦楽曲を挟んで ”左手”を聴く タッチが変わる 鍵盤に指が吸い付くようだ ピアノを鳴らす意志が随所に表れる 足りない音を埋めるように カサドシュ&リールNOも沿うように音が長めになる その底に怒りと哀しみが揺蕩っている これでいいのだ ようやく朋に逢えた心境に浸っている あなたも如何
3 people agree with this review 2018/07/13
これがバレエ音楽だったことを思い出させてくれた 主役はダンサーなのだ 音楽がしゃしゃり出て表現過多になってどうするのか コンサート用に編集された抜粋あるいは組曲を聞いているときに知らず知らず聞き手のわたしたちも妙なアクセントやうねるような刺激の波を期待していたようだ 戯曲の味わいをバレエで伝えるためにプロコフィエフをはじめ制作者集団が大変な知恵と時間を費やしたと聞いている 踊りと表情だけでドラマを表現するために音楽が果たす役割は言葉の代わりをすることだろう 囁きから絶叫までを超えて 心の声から喧騒まで その表現の振幅は極めて広い 有名曲だけが印象に残り続けるような演奏はバレエの邪魔だ 凡ては大きなドラマの展開と流れを生かす音楽でありたい 呼吸を乱さずニュートラルな運転がベストだ オールソップはプロコフィエフの新たなオーソリティになった ここに退屈はない 改めてプロコフィエフの才能に舌を巻く 全曲なんてと言わず あなたも如何
2 people agree with this review 2018/07/13
ピアノのヴィルトゥオーソだったフランセとあれば ピアノ曲が多いかしらんと思ったら それは一枚目だけだった 代表曲と言える”二台のピアノのための協奏曲”をはじめクラヴサンのソロまでフランセ自身の鍵盤演奏が聞ける 記念盤に相応しい 二枚目はドイツ流に云えばハルモニームジーク集だ その中にギター協奏曲が挟まっている 三枚目も管楽合奏が続くが フランセがシンパシーを得た作曲家たちへのオマージュとしての作編曲が並ぶ ハイドン シューベルト ショパン シャブリエ そしてモーツァルトだ なるほどと首肯いた次第だ 20世紀の作曲家でありながら調性音楽を志向したこと以上に喜怒哀楽の喜楽の心模様しか表現されない音楽性に呆れたを通り越えて見惚れてしまった なんとあっけらかんとした人生だこと いや そんなことはない あの激動の時代に人間の悲惨を見ずに済んだ筈はない ここには強い魂が歩いた軌跡が残っている ここからあなたは何を聴き取るだろうか
0 people agree with this review 2018/07/12
”マレディクシオン”を初めて聴いた リスト二十歳前後の作品と言われるが 改作を続けるが決定稿に至らなかったと音楽辞典にはある シュニーダーは弦楽アンサンブル版を採っている ”呪い”と訳されるがおどろおどろしさなど皆無の清涼感溢れる抒情曲だ 若き日の憧れに揺れ動く魂に触れたようでこそばゆい ”巡礼の年”第1年”スイス”は聴きものだ スイス人なのだなあと思う 美しく謳うが情に溺れない 耽溺したり嘆息したりしない 醒めている アンセルメもそうだったが 理智的なのだ 怜悧な透視力が働いている この合理性の間尺が他国人には冷たいと映るかもしれない べたつかず纏わりつかぬ肌にさらりと触れてするっと去る涼しさこそスイス人気質の最大の美質なのだ だから音楽が重くならない 時間の経過を忘れるほど軽い わたしはこうした人や音楽が好きだ 最後に大好きな聖フランチェスコの”伝説”が聴けて嬉しかった あなたも如何
0 people agree with this review 2018/07/11
マティアク指揮のDiscはこれまで協奏曲ばかりだった 管弦楽曲だけを収録した初めての一枚 リヒャルト・シュトラウスとヴォルフ-フェラーリ しかも”イタリアから””ヴェネツィア組曲”と渋い アラフォーの女性指揮者だが存在を知らなかった 先頃曲目に惹かれて聴いたそれも協奏曲集のDIscの指揮者が偶々マティアクだった フランセのコンチェルトと対になっていたプーランクの”模範的な動物たち”が印象に残ったのでこれを聴くことになった ”イタリアから”感じる自然な息遣いに沿って聴いているうちに心が晴れてきた 清潔な歌に力みや誇示するそぶりすら無い シュトラウスがイタリア紀行で寛いだ心そのままにイタリアを歩く こんなに素敵な音楽だったんだと改めて坦懐した ”ヴェネツィア組曲”は初めて聴いた 短い4つの楽章が小さなオーケストラで綴られていく 孰れも緩徐でAndanteとAdagioは水上を小舟で往くテンポだろうか 不思議な浮遊感がある マティアクに注目していきたい あなたも如何
1 people agree with this review 2018/07/11
チェコを併合したオーストリア皇帝の婚儀を祝って書いたと云うこともあってか”祝典交響曲”は徹頭徹尾明るいソノリティに覆われている 延々と続く祝辞のようだ 劇性も変容もない スメタナと云う人は楽天家だったのだろう 真逆”我が祖国”を書いた人が征服者に媚び諂うわけがない しかしノンポリ・能転気と謗られても仕方がない 支配者に疎まれ同胞に無視され”祝典交響曲”は現在に至るまで極めてマイナーな扱いになっている 流石NAXOSである こうした曲を見捨てない ダレル・アンの見事な指揮とベルリンRSOの快演が晴れ晴れとした日の当たる場所に不運な作品を引っ張り出してくれた それはそれで美しい さて後半”売られた花嫁”抜粋が入っているのは皮肉かと思ったが これが爽やかな印象が残る名演なのだ 大いに感情と想像力を掻き立てられる演奏だ お楽しみはこれからだった 朋に知らせたい あなたも如何
2 people agree with this review 2018/07/11
アーノンクールがこんなDiscを遺していた ヨハン・シュトラウス集だ ベルリン poやウィーンpoでもないコンセルトヘボウO.とだ 眉間に皺寄せて厳しい貌と眸でオーケストラを睨み付けて指揮するニコラウスは実は19世紀ウィーン・ポップスが好きでたまらないことをみんな知っている ポルカ4曲 ワルツ3曲 オペレッタ序曲2曲 行進曲1曲 J.シュトラウスを代表する10曲は粋で思わず笑みがこぼれてしまう選曲だ 序曲に始まって序曲に了る構成はアーノンクールらしい ウィーンpo流儀に沿わないのが好い たった10曲ではない 聞き応えが満載の見事なコンサートになっている シュトラウスは昔のダンス・ミュージシャンでは片付けられないぞと暗に叫んでいるようだ 本当にいい音楽だ そして好い演奏だ これこそまだなら是非 あなたも如何
ブルックナーの交響曲様式の芽生えがここにある 2/2 Alla braveがFinaleに登場する 第1楽章は4/4だが 書法はアラ・ブレーヴェに大きく傾いている ジュリーニは最後の三曲以外ではこの”第2番”だけを録音している その洞察の確かさを証明したDiscだろう スケルツォが少し遅く フィナーレで持って回ったところがあって 後半ややもたつくが ブルックナー交響曲の特徴と美点を紹介するに不足はない 大時代を闊歩した指揮者としては上出来だろう 長い時間市場にて指示を得ているのも首肯ける だが すでにブルックナーの青春性と未来性を描出した演奏が数々登場している 往年のジュリーニ・ファンも新しい風に吹かれては如何か
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