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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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1 people agree with this review 2012/04/12
リストの交響詩「前奏曲」というと何か大層な劇運び的先入観を持っており殊にリストと同国出身の演奏家による盤はちょっと避けてフルトブェングラー、クナッパーブッシュ等独墺系指揮者で間に合わせていたのですが昨年リスト生誕200年だったのを機に余り知名度が高いとは思われぬ・・・と申せ日本には結構来てその指揮姿を見せたらしい・・・ヴェテランハンガリー指揮者フェレンチク/HSOによる1982年録音分・・・フェレンチク晩年75歳・・・を聴き結構その堅実なけれんみの無い演奏に感心しました。代表曲「前奏曲」は周知の通りオペラ、バレエ等の所謂幕開け曲ではなくラマルティーヌという詩人の「人生は死への前奏曲である」という意味から採られたもので演奏タイムは16’39と中庸な処で適度なスケール感とロマン性は明快率直でこの変奏風な曲を飽きさせず堅実にクライマックスの高揚にまで引っ張ってくれます。「オルフェウス」はハープ混じりのゆったりした序奏から始まりますがこれは音楽の神オルフェウスの奏でる竪琴をもじった美しい優雅な部分でその後も穏やかに進み締めも余韻を持って・・・、演奏タイムは11’18と私自身他の演奏と比較する術はないのですがリストの交響詩としては規模は小さい方ですね。三曲目「タッソー、悲劇と勝利」(タイム19’22)は16世紀のイタリア・ルネッサンスの詩人の数奇な運命を悩めるタッソーの心情を短調スタートさせてすぐに激しさ、華やかさ等々正しく冒頭触れた劇運びに移って行く曲ですがここでもフェレンチクは最後のクライマックスに向けての勝利感を説得力溢れる表現で招きます。曲への個人的好みは別にして彼の曲作り構成力に録音の良さが効果的に寄与していると思いました。西側国で活躍したハンガリー指揮者の多い中でキャリア上滑り出しはウィーン国立歌劇場指揮者だったりベートーヴェン交響曲全集を収録もしていたとは言え殆どハンガリー国内に留まった一人の巨匠を知る格好な素晴らしいランク盤・・・それも淡白自然・・・であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/04/11
他のこのリヒターのコーナーで書き込みましたがリヒターカンタータシリーズは他の演奏を受付けない位独峰なのです。個人的な曲の好き嫌いはあったとしてもリヒターのロマン性を塗した心地よいリズム感とメロディ感に支えられた演奏は全体としては「最高」の評価にならざるを得ません。全集として完成しなかったのは残念ではありますがリヒター自身何も一気呵成の実務・事務的な収録に根ざしてはおらず曲によったら足掛け部分々三年以上時間をかけて?いるものもあり彼の考え方も分るような気がします。本盤から私の好きな収録曲カンタータBWV26「あゝ、いかにはかなく、いかにむなしき」は1966年録音で演奏タイムは6曲トータル15’24。指揮者リヒター40歳、歌手陣はU.ブッケル(S)40歳、H.テッパー(MS)42歳、E.ヘフリガー(T)47歳、T.アタ゜ム(B)40歳と年齢的にも過不足ないです。このカンタータは比較的各独唱アリア・・・特にテノール、バスが聴き処で人生無常観の琴線に触れた感触は鴨長明の「方丈記」に言う「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは 、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し」に通じキリスト教との全面対決臭とは違った・・・歌詞自体は別にして・・・普遍的な曲で最後のコラールも緊迫感溢れる印象的なものでリヒター演奏の特徴がよく出た名カンタータの一曲としております。本盤のその他の収録分、BWV80「われらが神は堅き砦」(1978年録音、タイム8曲26’27)、BWV116「汝 平和の君、主イエス・キリスト」(同1978年録音、同6曲17’17)もやや録音年代が下った為かつての厳しいリヒター雰囲気は弱まってはいますが本盤全体では最高ランク盤かと思われます。本盤は現在廃盤なのですが特に先述のBWV26を思えば(多分他の盤にはあるのかも・・・)再登場願いたいしカンタータ入門としても皆さんに聴いてもらいたい曲であり演奏であると思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/04/10
カラヤン/BPOのDG収録のバロック曲の集大成的なアルバムで私も時折各代表盤にレビューを書き込んでおりました。本盤にはそのレビューを主に転記させていただきます。先ず元々リンゴが並んだ印象的なジャケット表紙が気に入り曲目も「四季」「クリスマス協奏曲」「アダージョ」等がセット収録盤で聴いていた「四季」は1972年カラヤン64歳の時の演奏であります。カラヤン/BPOの豊潤な音色のバロックで何も難しいこと無しで贅沢な時間(演奏タイム・・・春11’10、夏10’48、秋11’29、冬8’54)を過ごすことが出来ます。例によって流麗で響きの豊かな演奏がこのバロック音楽「四季」において縮小編成しないBPO全ストリングメンバーアンサンブルで迫力ある仕上がりになっておりヴァイオリン・ソロのシュヴァルベ(当時53歳のBPOコンサートマスター)も繊細で美しく感動的なしっとり感を提示し「カラヤン美学」の演奏を盛り上げております。カラヤンはこのDG盤以外にも後年VPOと1984年あのムターのヴァイオリンで録り直し(EMI,春10’49、夏10’17、秋10’52、冬8’34)していますし1987年収録DVDもある様です。次に1964年から1965年にかけて録音されたブランデンブルグ協奏曲はシュヴァルベ、ツェラー、コッホ、シェルバウムといった主にBPOの各名手が夫々独奏部分を担当しカラヤンの幾分緩やか且つ華麗な演奏運びが今のトレンド演奏からするとやや大層な感じがしないではありません。当時ブームにより雨後の筍の様に立ち上げられた諸バロック室内管弦楽団によるバッハに耳慣れていた私などはこのカラヤン演奏に対して幾分色眼鏡で見る傾向があって何でも進出して来るカラヤン/BPOに対してその一辺倒ぶりを恐れたのも事実であります。各名手ですからそれは見事な華やかさで録音がサン・モリッツで行なわれたというのもカラヤン時代開幕を象徴しているようでした。第5番第1楽章後半活躍するチェンバロはエディト・ピヒト=アクセンフェルトが受け持っていますがほぼ同じメンバーで同じくサン・モリッツで1967年撮られたDVD分はカラヤン自らのチェンバロで進めているようです(カッコいいですね!)。参考までに各曲演奏タイムをメモしておきますと第1番(@4’24A5’04B4’58C12’14)、第2番(@5’23A4’09B2’58)、第3番(@6’47A0’20B6’01)、第4番(@8’06A4’00B4’51)、第5番(@11’00A5’58B5’49)、第6番(@7’04A5’53B5’52)となっております。なお、カラヤンはBPOを振って1978年〜1979年に同じDGにこれら協奏曲を再録(独奏メンバーは勿論変わっております・・・)しております。1964年録音の管弦楽組曲(第2番タイム@8’52A1’42B2’59C2’04D3’24E1’23F1’24、第3番タイム@9’19A6’35B3’48C1’18D3’04)の方もそれは壮麗そのもので先述しました様にやや時代がかってはいてもマァ肩のこらない演奏ということです。他の各曲もぶ厚いハーモニー、申し合わせた様な終楽章の最後の結びの引き伸ばしはゴージャスな「往年の演奏」の一言です。例の様に演奏タイムだけはメモしておきましょう。・ヘンデル「合奏協奏曲第6番第3楽章ミュゼット」(1967年録音、タイム7’41)・パッヘルベル「カノン」(1969年、4’06)・アルビノーニ「アダージョ」(1969年、10’01)・ヴィヴァルディ「フルート協奏曲第2番『夜』」(1983年、@3’24A2’15B3’44)、以下何れもサンモリッツでの1970年和気あいあいとした雰囲気の録音でこれらのサンモリッツでの録音当時がある意味ではカラヤンのピークだったのではと思われますね。・・・・ロカテッリ「クリスマス協奏曲」(トータルタイム19’46)、・コレルリ「合奏協奏曲第8番」(同16’48)・トレッリ「合奏協奏曲」(同9’19)・ヴィヴァルディ「4声シンフォニア『聖なる墓に』」(@3’27A4’30)・「2つのヴァイオリンのための協奏曲」(@5’10A3’34B3’48)・「ヴァイオリン協奏曲『恋人』」(@4’17A2’21B4’27)・「弦楽のための協奏曲『コンチェルト・ア・ラ・ルスティカ』」(@1’10A1’37B2’13)・「ヴァイオリン協奏曲『不安』」(@2’26A2’31B2’54)・「弦楽のための協奏曲『マドリガレスコ』」(@4’45A&B2’54)・「ヴァイオリン協奏曲『恋人』」(@4’17A2’21B4’27)(タイムについては盤により多少異なる場合があります)。
0 people agree with this review 2012/04/09
現在ヴィヴァルディ「四季」の演奏盤はHMVカタログ上でも三百種ほど載っており勿論過去消えていったものそしてこれから登場するものを考えると本当に人気曲である事が今更の様に知らされ夫々工夫された演奏を楽しむには事欠きませんね。私もここ二・三日いささか古い演奏ですがこの「四季」のレビューを書かさせていただいております。さて、R.バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽Oによるヴィヴァルディ「四季」演奏盤にも三種類ほどありますが本盤(再登場)はそれらの内一番初期の1959年バウムガルトナー42歳の時の収録でヴァイオリン・ソロは彼とこのオーケストラを立ち上げたかつてVSO,VPOのコンサート・マスターを務めた名手W.シュナイダーハン(録音当時45歳)であります。1959年頃と言えば「四季」の色々な演奏が出ていた頃で各演奏個性を競っていた中でちょつと本盤演奏は地味な存在ではありました。地味と言っても中々落ち着いた運びで演奏タイムは春・・9’21、夏・・9’37、秋・・9’38、冬・・7’58となって比較的ガチッとした造形が特徴で当時の各演奏トレンド範囲内ではあり聴き応えは充分ありました。多分に真のウィーン正統派ヴァイオリニスト、シュナイダーハンのある意味での音頭取りに因る処「大」ということかと思われました。なお、バウムガルトナーは1979年日本でこの「四季」を再録(ヴァイオリンはG.ラルセンス、タイム・・・春10’33、夏10’59、秋11’46、冬9’05)しており更に1994年ライブ盤としてヴァイオリンをローラ・フラウチが受け持った演奏物もあった様ですが正直鳴かず飛ばずな感じ・・・というよりマァ1970年代半ば以降古楽器やノンビブラートの変化溢れるスタイルが台頭し出し歯切れ良くきちっとしたテンポ感での彼の様な従来スタイルにファン目線が届かなくなったのでは・・・でやはり彼の「四季」代表的演奏は本盤という世間での評価ですね。成る程残るべき素晴らしいランクかと思います。他の収録曲である「2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」(1958年録音、バウムガルトナーが自ら一方のヴァイオリン、チェロはクロード・スタルク、演奏タイム@4’33A3’32B2’34)及びタルティーニの「ヴァイオリン協奏曲」(1957年録音、タイム@5’32A4’16B3’00)の方は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/04/08
R.バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽Oによるヴィヴァルディ「四季」演奏盤には三種類ほどありますが本盤はそれらの内一番初期の1959年バウムガルトナー42歳の時の収録でヴァイオリン・ソロは彼とこのオーケストラを立ち上げたかつてVSO,VPOのコンサート・マスターを務めた名手W.シュナイダーハン(録音当時45歳)であります。1959年頃と言えば「四季」の色々な演奏が出ていた頃で各演奏個性を競っていた中でちょつと本盤演奏は地味な存在ではありました。地味と言っても中々落ち着いた運びで演奏タイムは春・・9’21、夏・・9’37、秋・・9’38、冬・・7’58となって比較的ガチッとした造形が特徴で当時の各演奏トレンド範囲内ではあり聴き応えは充分ありました。多分に真のウィーン正統派ヴァイオリニスト、シュナイダーハンのある意味での音頭取りに因る処「大」ということかと思われました。なお、バウムガルトナーは1979年日本でこの「四季」を再録(ヴァイオリンはG.ラルセンス、タイム・・・春10’33、夏10’59、秋11’46、冬9’05)しており更に1994年ライブ盤としてヴァイオリンをローラ・フラウチが受け持った演奏物もあった様ですが正直鳴かず飛ばずな感じ・・・というよりマァ1970年代半ば以降古楽器やノンビブラートの変化溢れるスタイルが台頭し出し歯切れ良くきちっとしたテンポ感での彼の様な従来スタイルにファン目線が届かなくなったのでは・・・でやはり彼の「四季」代表的演奏は本盤という世間での評価ですね。成る程残るべき素晴らしいランクかと思います。他の収録曲である「2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲」(1958年録音、バウムガルトナーが自ら一方のヴァイオリン、チェロはクロード・スタルク、演奏タイム@4’33A3’32B2’34)及びタルティーニの「ヴァイオリン協奏曲」(1957年録音、タイム@5’32A4’16B3’00)の方は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2012/04/07
先日、日本列島を吹き荒れた記録的爆弾低気圧の通過後各地桜の花開花情報が聞かれるのに相応しく「春」スタートの「四季」を・・・昔、LP時代に聴いていたヴィヴァルディの「四季」の数種演奏盤の中に確か本盤のルイ・オーリアコンブ指揮/トゥールーズCO盤があったと記憶しております。そのLPはギュンター・ノリス・トリオによるジャズ版「四季」とセットになっていた様で私にはちょっとその目玉企画に違和感を抱いた事も・・・。さて、本盤演奏に当たるクラシック「四季」は記憶頼りなのですがトータル演奏タイムが45分近く(春・・12’02、夏・・11’00、秋・・12’33、冬・・9’33)で出だし「春」からのスローペースに当時例えばイ・ムジチ盤やミュンヒンガー盤とは少し異なる印象を持ちました。「春」での有名なテーマから鳥の鳴き交わし場面に移るちょっとした瞬間の音の処理の独特さはいかにもフランスっぽく、こういった感性は以降季節を進み移り運ぶ滑らかな主曲線の内でもフレーズの端々に表れてオーリアコンブの芸術を偲べることでしょう・・・時代がかってはいるものの・・・。「夏」以降も一音一音たどって行くある「確かさ」も魅力的です。1960年の録音ですからオーリアコンブ43歳頃の演奏で「四季」のヴァイオリン独奏はG.アルマンドです。往年の先述の様な各演奏盤と同様にもう今では古いスタイルになってしまったのかな?なお、本盤には(私は未聴なのですが)1963年録音の「2つのヴァイオリンと弦楽のための協奏曲イ短調作品3-8」がセットになっております。本盤は現在販売されてはいない様ですが、とにかく懐かしさに釣られて素晴らしいランク盤としてメモさせていただきました。なお、他の合奏協奏曲等は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/04/06
ノルウェー出身の女流ピアニストE..クナーダールは1978年から1980年にかけて・・・彼女が五十歳を越えた頃にBISにグリーグのピアノ作品を全部録音したらしく本盤はその中でも一番有名なピアノ協奏曲を含む盤であります。そのピアノ協奏曲は先ず演奏タイムとしては@13’56A7’17B10’59とどちらかと言えばゆっくりペースと申せましょう。バックはK.インゲブレトセン(録音当時三十歳代半ばで私はあまり知らない指揮者)/RPOです。第1楽章あの出だしは比較的ゆったり線太く所謂ノルウェーの厳しい自然を象徴する様なものでない事が意外です。つまり鋭い感じはせず従って北欧イメージ(あくまで私の抱いているイメージでひょっとしたらこの感じが北欧風景の正解かも?)とはちょっと異なる様に私には思えました。オーケストラは各楽器セクションの分離がよくなされて特に管楽器の動きが終始明瞭性を保ってピアノと共に気負いがありません。多分この音楽そのものを落ち着いて進め運び後段のピアノ独奏部分もじっくり・・・スケール感があります。中間楽章も何故か私には暖色系に聞こえ管楽器のフォローが効果的、さりとて間延びはしません。第3楽章はオーケストラの安易な走りはなくじっくり説得力を持って押さえ最後フィナーレでのピアノの堂々さを強調します。要は本盤演奏はコセコセしていないという一言に尽きましょう。周知の様にグリーグはこの曲を何回か改訂しており本盤演奏は勿論私たちが聴き慣れた改訂版、クナーダールにはこの改訂版演奏の他にT.ミケルセン/リトアニア国立SOバックでの演奏(タイム@13’19A6’35B10’13)もあったようです。次に我々が馴染んでいるノルウェー舞曲を彼女は協奏曲で指揮を担当したインゲブレトセンとピアノ連弾(つまり四手)した四曲(タイム6’20+2’04+2’57+6’11)でこの各曲は概ね急緩急的な構成であり緩部分に特に舞曲的イメージが強く突然休止も有り変奏風もあり中々面白い曲ですがこの演奏も割りと重心低く進めており好感を持ちました。本盤他の収録曲「2つのメロディ」(タイム4’48+4’31)と「6つのノルウェーの山の歌」(トータルタイム5’01)はクナーダールの独奏で曲ニュアンスとしては人生を思いめぐらさせる処もありますがマァマァ・・・。全体素晴らしいランクを確保したいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/04/05
2008年引退コンサートのCDがリリースされたのがついこの間の様でありましたブレンデルはその人柄と共に特に独墺の古典派からロマン派作品にかけての演奏については業界において信頼感が寄せられていた様です。ベートーヴェンのピアノソナタ全集について彼は正式盤として三度収録しており、(A)1962〜1964年、(B)1970〜1977年、(C)1992〜1996年の各収録時期となっております。本盤は(A)に属する盤でありまだ彼がそんなに知名度が高くないLP時代に所謂タイトル付きの有名曲分を廉価でもあったので一枚々買い求め始め聴いて見た第一印象が録音はやや劣る?ものの演奏自体が贅肉のない淡々としたもので知的というか冷静な「弾き込み」に当時レコード業界上全盛だったバックハウスやケンプといった巨匠奏者とはちょっと趣きの異なった処・・・上手く表せませんが哲学的とかそう言う難しい事を聴く者に強制しない雰囲気・・・に「引き込まれ」ました。ブレンデルがまだ30歳代前半であった時で若いだけに瑞々しい説得力も有した演奏で私はこのあと変奏曲、バカテル等も追加した次第です。この(A)盤は中々評判も良い様でHMVカタログでも何種類か健在であり私の印象が間違いなかった事に嬉しく思いました。少し細かいですがサンプリングで各年代の主なタイトル付き各ソナタの演奏トータルタイムをメモしておきましょう・・・第8番「悲愴」(A)18’51(B)19’23(C)19’31、第12番「葬送」(A)19’43(B)20’04(C)19’23、第14番「月光」(A)15’48(B)15’59(C)15’02、第15番「田園」(A)24’56(B)25’07(C)25’41、第17番「テンペスト」(A)21’05(B)25’59(C)24’32、第21番「ワルトシュタイン」(A)24’27(B)24’59(C)25’14、第23番「熱情」(A)23’48(B)24’36(C)24’41、第26番「告別」(A)14’45(B)17’02(C)16’41、第29番「ハンマークラヴィア」(A)43’16(B)44’48(C)44’32・・・反復演奏の有無もあるかも知れませんが(A)の時代の収録分がタイム上ではやや速めになっている様ですね。これらタイトル付きソナタを含め音質も改善されていることでしょう、素晴らしいランク間違いないですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
ヴェイロン=ラクロワが亡くなってもう早や二十年が経つのですね。ヴェイロン=ラクロワはカザルス、ヤニグロ、ミュンヒンガー、パイヤール、リステンバルト、レーデルらと各地で協演したり長年フルートのランパルとコンビを組んでの演奏は幅広いレパートリーを誇っておりましたしフランス、イタリア、ドイツ、イギリスのチェンバロ曲を、それぞれの時代に製造された楽器で弾き、曲本来の響きを作品ごとに描き分けるニュアンス、音色の変化多彩さ、陰影の深さ、豪華なスケールには実に存在感があったものです。私はLPで本盤に収録された一部の曲も含めたものを聴いておりました。チマローザ、クレメンティ、ペルゴレージ、ガルッピ、ルティーニ、パラディージ、マルチェッロ、マルティーニ、ガスパリーニそしてスカルラッティの各18世紀のイタリア作曲家のチェンパロ作品で何れも1〜2分の小品・・・私自身他の演奏と聴き比べをしたわけではありませんがどの曲もシンプルで親しみやすく可愛いくとても魅力的、ヴェイロン=ラクロワは音色や強弱の大胆な変化を頻繁に用い,聴く者を飽きさせません。主に1965年彼が43歳のまさに油の乗った時の現代チェンバロを使っての録音でした。本盤は更にバッハ、ヘンデルは言うに及ばずクープラン、ラモーといった彼の本家フランス物が収録されフランス的精神を体現しております。収録曲の詳細、各曲演奏タイムについてはHMVレビューがあり大いに参考になりますね・・・助かります・・・。しかし現在廃盤であるのは「去るもの、日々に疎し」なのでしょうか、素晴らしいランク盤だけに少し寂しいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
本盤演奏については以前別盤レビューで書き込んでいたものをほぼ繰り返しさせていただきます。1969年の録音というからもう40年以上経っている演奏ですがいまだにLPなりCDそして本盤SACDがあるという事はある程度の需要があるのでしょう・・・・私は特に業務上BGMなどに必要かなとは思っております。ランパル、ラスキーヌと言えばモーツァルトの若干押しの強いフルート&ハープ協奏曲の演奏が浮かんで来ます。本盤は日本の旋律を(矢代プロ編曲で)フルートとハープで表そう、しかも大演奏家・・・親日家のランパル47歳、ラスキーヌ76歳・・・による演奏という企画物なのですがその目的さえ理解する前提ならばマァこんなものでしょう。旋律重視で考えると演奏時間7’23を要する宮城道雄の「春の海」が10曲余の中では「歌詞」が通常過ぎらない為一番スンナリと受け入れ易かったです。「さくらさくら」(タイム7’08)はやはり歌詞を知っている事やその他演奏自体の展開でいかにも情緒が外国演奏家が演奏しているという感じで違和感がつきまといました。他のもう少し短い曲も演奏が豪華過ぎて似たり寄ったりのイメージ。ここは先にも触れた様な「割り切り」が聴く者には必要になってくると思われます。又、そうした違和感を楽しむくらいでどうでしょうか・・・。ランパルは他にも日本のメロディを何回か吹き込んでいましたが私は「春の海」に関してはアニー・ダルコのピアノ伴奏によるLP盤を以前聴いていました・・・やはり「春の海」は馴染み易かった様です。参考までに他の収録曲のタイムをメモしておきましょう。中国地方の子守歌(2’05)、赤とんぼ(3’11)、ちんちん千鳥(3’13)、南部牛追い唄(5’00)、出船(5’44)、この道(3’44)、花嫁人形(1’54)、荒城の月(3’40)、城ケ島の雨(5’23)、花(3’41)(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2012/04/04
これらの曲演奏は組合せをいろいろ替えてリリースされていますので旧盤に準じてレビュー書き込みする次第です。本盤演奏はLP時代から親しんだもので勿論CDでも聴き続けてカラヤン/BPOの豊潤な音色のバロック音楽を何も難しいこと無しに贅沢な時間を過ごしております。1969年フランス・サンモリッツでの録音というからカラヤン61歳頃の全盛期、カラヤンはこのDGG以外にも後年幾曲かは録り直ししている様ですがこの盤録音当時がある意味ではピークだったのではと思われます。カラヤン・サウンドでの実に語り上手にくり広げられる世界は、流麗なレガートによる分厚いハーモニー、申し合わせた様な最後の結びの引き伸ばし・・・手の内が分っていてもつい惹きこまれ聴き継がれて行くであろう名演であります。本盤は更に仕様向上されその音質はアダージョにおけるオルガン(オルガン担当のHMVレビューにあるヴォルフガング・マイヤーという名前は私などは管楽器奏者で知っていたのですが・・・??)など底力と鮮明さが大いに期待されますね。一応各曲の演奏タイムをメモいたしますが何れも少しゆったり目な展開になっております。アルビノーニ/ジャゾット編「弦楽とオルガンのためのアダージョ ト短調」(10’01)、パッヘルベル/ザイフェルト編「カノンとジーグ ニ長調」(4’06+2’00)、ボッケリーニ「小五重奏曲マドリードの夜警隊の行進」(0’43+1’50+2’51+2’18)、レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲」(3’35+8’20+3’19+4’48)といった具合です。この演奏そのものとはもう私は三十年以上のつきあいとなり始めの頃の評価から・・・本盤の音質も考慮の上・・・ワンランク上がり今や最高ランクにさせていただきました。ちょっと前まではバロック指揮者がシンフォニー指揮者に転身する例が多かった中、詳しいカラヤン録音暦はさておきシンフォニー指揮者がバロック物に進出しそれなりの成果を挙げているのには流石(好き嫌いは別にして)彼の守備範囲の広さというか能力を思い知らされた演奏盤でもありますね。皆さんのレビュー通りです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2012/04/04
2 people agree with this review 2012/04/03
アンセルメはスイス・ロマンドO(SRO)から退いた最晩年85歳の時いやもう86歳になった1968年にこの「火の鳥」全曲版を彼としては二度目の収録(トータルタイム47’34)を行なっておりそれもオーケストラはNPHOと実に上手いと思います。先ず音が比較的よく録れていることとストラビンスキーの三大バレー曲でリムスキー・コルサコフの影響を受けたためかロシア民謡のバリエーションを聴きやすく作曲されている為私はボーッと聴いている分三曲(「春の祭典」、「ペトルーシュカ」そしてこの「火の鳥」)の中では一番好きな曲です。アンセルメは慣れたもので従前収録のものに何かがプラスされたものと思われますが私は他収録盤(1955年収録、オーケストラはSRO、タイム43’56)を聴いていませんのでこの盤を唯一最高のものとコメントさせていただきます。彼はバレエ音楽の神様とも言われただけあってこの演奏は単純に音楽を進めるだけではなく舞踏団の踊りを前提にしたのか不思議な柔らかさがあって、この曲の魅力を増している様です。無理なテンポをとっていない処が特徴で逆現象と言うか「王女たちのロンド」での淡白感も印象的ですね。彼は演奏について「理想的な演奏とは曲の本質をつかんだものであり、曲の心に触れたものである。そういう演奏は心の響きが聴衆に伝わって来る。私はいつもそういう演奏をしているわけではないがいつも、そういう演奏をしたいと努力している」と述べている事が何となく分りますね。そしてこの演奏、フィナーレは当然それなりに盛り上がりますが安定感があります。本演奏はオーケストラがニュー・フィルハーモニアO(NPHO)であった事もプラス作用したと思います。アンセルメはSROとの来日時でも「火の鳥」を演奏しており又同曲組曲版については1964年NHKSOを振った盤や組曲版では他に1946年LPO、1950年SRO、1962年BRSOの盤がかつてあった様ですよ。本盤にはリハーサル風景を収めた盤(タイム49’25)が一枚別に付いておりどのような雰囲気のなかで、どういったプロセスを経て演奏が作られていったかが手に取るようにわかります。音程、強弱、リズム、テンポに渡って細かに指示を出し亡くなる前の三ヶ月前とは信じられぬ対応姿勢なのはオーケストラが長年コンビのSROではなかった事もありますが親交のあったストラヴィンスキーの作品への変わらぬ情熱を感じる時間でもあり、こうして曲の隅々まで目の行き届いた演奏が仕上がっていったのですね・・・貴重な資料となりましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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3 people agree with this review 2012/04/03
2008/7にレビューを入れた者ですがこの演奏が忘れられない様にLP時代収録曲のデータ的なものを追加して伝えておきましょう。LP盤(私が聴いていたフィリップス盤はいかにも当時クラシック音楽の入門盤ながらラファエロの絵画「聖母と二人の子供」カラー印刷分を窓開けジャケット装丁に収めた立派なもので音質も一定レベルだったです)と本盤では曲目に入り繰りがありLPの方は「聖母の宝石」と「カヴァレリア・ルスティカーナ」の各間奏曲等も収録されており所謂クラシック音楽の入門の良き案内としてそれなりにステイタスがあったと記憶しております。多分本盤収録曲含め大半は1959年の録音・・・ウィーン出身の指揮者P.ワルター53歳の時の演奏は古き良きウィーン情緒を染み込ませ親しみ易い各曲となって変にポップス化されたり大げさな情緒を主張せずオリジナルでの一頃の懐かしい穏やかに中庸を得た演奏であり、すきっと洗練されない響きですけれど、これがかえって朴訥とした味わいに結びついた雰囲気を醸し出し、何度でも味わいたくなるような演奏仕上がりになっております。時代とは言えこういうアルバムもメジャーブランドに取って代わって行くのは寂しいものです。参考までにLP時代の収録各曲のタイムをメモしておきますが一見しても穏やかさが伝わって来ると思います。悲歌劇「聖母の宝石」間奏曲(4’34)、歌劇「「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(3’12)、円舞曲「ドナウ河のさざ波」(7’04)、円舞曲「金と銀」(8’14)、円舞曲「スケートをする人々」(スケーターズワルツのこと、6’53)、「時の踊り」(7’22)、歌劇「道化師」間奏曲(3’20)、喜歌劇「こうもり」序曲(8’06)、「加速度円舞曲」(4’29)。もう今では演奏者も本盤演奏も永遠の彼方的になってしまいましたがしっかり役割を果たした素晴らしいランクのものかと思いレビューメモを再度入れた次第です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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0 people agree with this review 2012/04/02
親日家のジャンドロンは個性的には灰汁の強い方ではない評価が定まってすらいたのですが私には彼の残したバッハ無伴奏の演奏等において実に堂々たる品格の良さを感じたものでした。本盤はチェロ協奏曲としてはカップリング定番のハイドンの作品101チェロ協奏曲とボッケリーニの作品482チェロ協奏曲の組み合わせ盤(この二人の作曲家には結構チェロ協奏曲作品が数ありその中でもレコーディングされる対象曲は定まっていたようです・・・)で1960年録音、ジャンドロンが丁度40歳の時の演奏です。バックオーケストラであるコンセール・ラムルーOを指揮するのは彼の師である御大カザルス(当時84歳)でどちらもやや明るめに気合いも入った大振りな演奏の印象を受け、ボッケリーニの方はやや重心を低めに旋律線を強調した様に思われました。演奏タイムはハイドンの方が@15’31A5’40B5’03、ボッケリーニの方が@9’42A5’46B6’50とどちらもゆったりとした運びも想定範囲ではありますが両者の息使いまでが伝わりリアルな間近さがその辺りに拍車をかけます。まぁ、ハイドン、ボッケリーニの曲にすればホットな演奏に属するでしょうが今日では聴けない演奏でもありましょう。余談ですがカザルス自身もチェロ奏者としてこれらの曲を1930年代以降から何度か収録しております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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