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0 people agree with this review 2011/10/10
ゼルキンはモーッアルト、ベートーヴェン、ブラームス弾きとしてそうレパートリーの広いピアニストではありませんでしたが彼自身の録音その他への誠実さから来る処もあつたのでしょう。DGでのモーッアルト・ピアノ協奏曲集はアバド/LSO等のバックで進められましたが全曲には到りませんで15曲?止まり・・・残念。さて、私にとって第20番は数多ある同曲盤で初めて接した・・・勿論LPで・・・のがゼルキン/セル盤(1961年収録)で曲の悲劇的ドラマチック性にぞっこんの上に演奏が比較的整然と・・・ゼルキンの唸り声は相変わらずではありますが・・・した処が大変気に入ったものでした。不安を煽る様な出だしなのに決して情だけに流れずベートーヴェンによるカデンツァは誠実なゼルキンにより余すところなく進められます。有名な緩徐章・・潤いは過度ではないもののたっぷりした整然さがそれを補います。本盤1981年収録のアバドとの共演分も懐かしいく小さないうなり声が始終つきまといますが気にはならずかえってホッとしました。第1楽章最終コーナーじらすようなカデンツァを経てフィナーレへ・・・思わずウーンと・・・・聴いたこちらが唸り声の始末(タイムは@14’47A9’47B8’03 )。なお、ゼルキンはこの第20番を先述の通り1961年セル/コロンビアSO(タイムは@14’24A9’47B7’18 )とそして後年1966年シュナイダー/ECOなどと・・・そして一連協奏曲収録で1981年にアバド/LSOと再録したのが本盤でバックのアバドがレガート気味に流し時には流麗過ぎる処も面白く、ゼルキンが80歳近くの演奏だとは思えない位タッチがソフトなのにも面白く聴きました。生憎私は第21番とのセット盤で聴いておりもうひとつの第24番(1985年録音、タイム@14’27A8’37B9’22)は聴いておりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/10/09
先日偶々FM放送でコンタルスキー兄弟連弾によるハンガリー舞曲四曲(第1番・・・タイム3’07、第2番・・・4’06、第5番・・・1’51、第6番・・・3’09)を聴いて何か大変懐かしい感じがしました。私自身はバルトークの諸作品を通して初めてコンタルスキー兄弟のピアノ・デュオによる演奏(勿論LP)を知った者なのですが彼らはどちらかと言うと今申し上げたバルトークはじめシュトックハウゼン、ツィンマーマンといった現代作曲家作品を主に手がけていたドイツ出身デュオで彼ら1930年代初めの生まれなので存命ならば今じゃもう80歳前後・・・出だし当時の完璧なテクニックに裏打ちされた緻密な演奏は現代曲のみならず本盤の様な作品にもその実力が発揮されております。四手ピアノによるハンガリー舞曲集は管弦楽とは異なり色彩感は乏しいけれど直接的な躍動感が感ぜられ私などは以前フランス出身のラベック姉妹の盤を聴きかじりはしていましたが本盤は同じ様に「きょうだい」によるコンタルスキー兄弟の1976年録音盤で決して意表をつかれるという事ではありませんが緩急・強弱その自在さ新鮮さは時にスリル感もあり先述の現代曲を多く手がけて来た賜物かもしれません。ハンガリー舞曲のオリジナル版の録音がそう多くないだけに全21曲聴いたわけではありませんが残っておくべき素晴らしい演奏と思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/08
1959年バーンスタインがNYPOを率いてのモスクワでの第5番コンサート後ショスタコービッチと握手している(後年NYPOが北朝鮮でコンサートを開いたような米ソ冷戦当時の印象)光景のジャケット表紙のLPは懐かしくCDでも同指揮者・オーケストラ組合せの東京ライブ盤(1979年、演奏タイム@17’43A5’23B16’01C10’18)がリリースされているにも拘わらずこの1959年に後日改めて演奏録音した分(バーンスタイン41歳)・・・つまり本盤と同ソース分・・・を愛聴しております。比較的初期ステレオでも第1楽章の迫力や小生小学生の頃NHKTVニュースで頻繁に使用されていた第4楽章(大阪ローカルドラマ「部長刑事」始まるテーマBGMにも使用)よりスピード感ある演奏等元気一杯の姿勢は名盤価値があり演奏タイムは@16’16A4’57B15’35C9’00となっております。このバーンスタイン/NYPOによるショスタコーヴィッチ交響曲第5番旧盤はどうしても約20年後の1979年東京ライブ演奏盤と比較してしまうこととなります。基本的にはその闘志感・勝利感までへの導きは同じ姿勢に私などには聴こえますが後の盤の方は無駄に年月を過ごしているわけではなくその演奏表現課題を更に咀嚼を加えて洗い直して来ているわけですがライブ所以の興奮一途性は私には感じられずタイム的には四つの楽章全て旧盤を上回ってライブに伴う合間はあるもののトータル一割・・約4分長くなっています。従って個人的にはもう以前からお馴染の旧録音盤が好きで最高ランクの演奏です。なお、バーンスタイン/NYPOのショスタコーヴィチ交響曲第5番には1945年ライブ分が既にあり更にこの年つまり1959年ザルツブルグ祭でのライブ盤も出ております(タイム@16’31A4’47B14’52C8’42は同年演奏ですから勿論本盤分とニァリー・イーコール)。なお、本盤収録のもう一つの曲、ピアノ協奏曲第2番は未聴でありますがショスタコーヴィチが1957年に完成し息子マクシムに献呈された曲らしくバーンスタインがピアノ弾き振りで演奏(タイム@7’11A〜B12’08)した1958年作品出来たてホヤホヤの録音らしいですね。未聴曲がありますので★一つ保留しておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/07
既に書き込んだ別盤へのレビューを転記させていただきます・・・マタチッチと言えば1960年代から1970年代にかけてオペラの随行指揮者として日本に顔見世された人ですがNHKSOを振ってのオーケストラコンサート指揮者としても私達の世代ではあのバトンを持たないで象さんが泳ぐ様な独特な指揮スタイルがTVを通してもいまだに記憶に残っております。容貌からも何かスケール感もある昔風の感じでしたが本盤は1984年彼が85歳の時・・・東京の方のレビュー等にも書いてある様に死の前年・・・そのNHKSOでブラームス交響曲第1番を演奏したライブ録音です。音質が随分良く演奏そのものの凄さがしっかり聴く者に伝わってきます。演奏タイムとしては@12’53A7’58B4’40C17’06(拍手分を考慮すると実質16分余)となっており全体としては重厚剛直な割にはテンポ感は速いイメージで特に第2楽章はタイムとしても短いと申せましょう。第1楽章あの出だしは堂々とゆっくり重心の低いサウンドで当時のこのオーケストラのドイツ物志向ならではといった処。展開部は少しテンポをアップして次第に演奏の熱っぽさ・ボルテージを上げて行きます。中間過ぎのピークではギクシャク感を上手く使って下って行きますがちょつとこの辺りは流れとしては弱い印象も受けたのも正直な気持です。比較的サラッと第2,3楽章を経て最終楽章ではあの歓喜テーマまではインテンポなのですがその後はテンポを触ってスピードアップ、若干アンサンブルで怪しい処も弛緩まで到らずストーリー的には乗り越えます。さて、いよいよフィナーレへの前段階ちょっと見得を切りこの辺りの先述の昔風が懐かしいですね。太い線でもって細かい事は言わず〆へ興奮を高めながら雪崩れ込みます。その折のティンパニー、管楽器群がNHKSOも中々やるなっていう感じで思わず唾を飲み込んでしまいました。曲自体の性格もありますが、とにかくともすれば無難な演奏が身上なこのオーケストラからこれ程の生命力を引き出したマタチッチの指揮芸術の妙技が味わえます。なお、マタチッチ/NHKSOによるブラームス交響曲第1番には1967年録音盤(@14’03A8’47B5’06C16’41)もありタイムだけチェックしても本盤演奏の切迫感が死の前年を思わせる残された時間の少なさを物語っている様ですね。新鮮味には欠けるものの素晴らしい演奏盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/06
私はブラームスのヴァイオリン協奏曲単品収録の盤で聴いておりますので当該曲について感じた事をコメントさせていただきます。ムターは1963年生まれというからカラヤン/BPOとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を録った1978年では僅か15歳・・・15歳であのカラヤンと「録音」するというのは凄いですね、勿論彼女の音楽性も素敵だったのでしょうがカラヤンが余程彼女を気に入ったということなんでしょう。以降毎年大ヴァイオリン協奏曲を同じカラヤン/BPOと収録しベートーヴェン、メンデルスゾーン、そしてこのブラームスが1981年の収録・・・それでも18歳! この演奏大変堂々とした肉厚な感じのする演奏でバックのカラヤンサポートも実に華麗・豪華に仕上げております。ブラームスとしてこれでよいのかなぁという思いはするもののティーンエィジャーがここまで大カラヤンとやり合うのですからとにかく大したものと申せましょう。第1楽章ゆっくり甘く入って行きやがて堂々はち切るようなヴァイオリンが・・・。カデンツァ前のオーケストラもすごく豪華でさてこのヨハヒム作のカデンツァも普段聴くものとは少し異なるのですがしっかりしたテクニックで圧倒されボッウとしていたら呑まれてしまいそうです。この楽章最後はゆったり「伸ばし」に「延ばし」て終わります。実に甘い中間楽章を終え最終楽章も怒涛のごとく押し寄せる音楽の洪水・・・とにかく凄い・・・終わりはやはり堂々とゆったり〆ます。演奏タイムは@21’56A9’40B8’28で特に過不足感はありません。カラヤン/BPOの伴奏でのこの曲と言えば私などは1964年録られたフェラス盤を懐かしく思い出します(このフェラス演奏は@23’06A9’47B8’30でいかにカラヤンがこういった点でも軸足のしっかりした運びをしていたか分かります)。ドイツなどではディナーにおいて我々比較的体格の小さな日本人が腹いっぱい食事してパンパンなんだけれどそれが前菜というかプレで本コースは隣の「食事間」に用意されていることってあるらしくゲンナリする場合があると聞いたことがありちょっとそれを思いださせる演奏とは思いました。そう豪華・肉厚・堂々過ぎて体力的についていけない・・・・ズバリ「若さ」についていけない自分を見る思いの演奏でした。なお、本盤他の収録曲であるブラームスと同じ1981年収録のベートーヴェンのトリプル・コンチェルト(ヨーヨー・マVC、ゼルツァーP担当、タイム@17’53A5’49B12’33)を聴いておりませんので「素晴らしい」ランク止まりにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
1 people agree with this review 2011/10/05
バレンボイムにとってモーツァルトは重要なレパートリーでありビアノ協奏曲も全集ほどではありませんが何回か録っているようです。本盤は若き頃の弾き振りでのビアノ協奏曲選集で私はこの内第21番と第27番セットのLPで聴いておりましたのでこれらの感想を述べてみますね。1968年バレンボイム26歳の頃の録音(オーケストラはECO)である第21番・・・、第1楽章から割りと表情をつけた粘っこい前奏でリズムもアクセントをつけます。ピアノの方も大きくテンポが動きロマンチックなカデンツァも印象的。第2楽章もアクセントをつけながら少し重たい感じで冗長さを感じる方もいるかも・・・。メリハリつけた最終楽章ではカデンツァの繊細さが素晴らしいです。演奏タイムは@14’44A8’41B7’41となっており後年1986年BPOとの共演分@14’18A8’23B7’24とそんなに大差はありませんが室内管弦楽団の小回り感とは聴いた印象は後述の第27番同様異なっているようです。その第27番・・・1967年録音でタイムは@14’45A8’41B8’59・・・第1楽章室内管弦楽団伴奏の特徴的な感じがなだらかにスタートさせますが決して典雅という程ではありません。中間楽章はゆっくり運ばれ曲想そのものからもムード調が強いですね。最終楽章は陰影感は乏しいものの穏やかで大きな表情がついたカデンツァと対照的。なお1988年BPO録音分はタイムが@14’21A7’57B9’16と中間楽章に微妙な違いが認められます。1960年代後半から1970年代前半にかけてECOとはこれらモーツァルトのピアノ協奏曲と交響曲選集を録っていたバレンボイム自身ユダヤ系の人として過去微妙な発言をしている演奏家ですが若い頃のこの演奏も中々「若い瑞々しさ」だけでは片付けられない演奏家としての「色気」がいい意味でも悪い意味でもあるように思え一筋縄では行かない強かな二十歳代の若き姿にその後の彼の加齢の有様からは一種の憧れを持ってはおります。本盤他の曲・・・つまり1967年録音の第20番(タイム@14’38A10’05B7’44)、第23番(同@11’11A7’35B7’30)等は聴いておりませんので今回はOK以上確保とさせて下さいね。なお、ピアノを弾いてのこの頃の演奏盤は第22番、第23番1970年クーベリックとのライブ盤や第25番1967年クレンペラーとの録音盤があるようです。指揮だけを担当したものとなると更にいろいろな録音があるようで冒頭申し上げたようにモーツァルトでのバレンボイムの位置付けを物語っているようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/10/04
本盤はロシアバレエ管弦楽曲を集めた企画盤で私は収録曲の内「シェヘラザード」と「四季」を聴いていましたのでメモいたします。ムーティ/PPOが1982年に録音した「シェヘラザード」は発売当時「音の豪華なゴブラン織り」という中々上手いコピーだったのが思い出され確かにムーティとフィラデルフィア・サウンドがこの曲に打ってつけなイメージが私の中でも先行もしました。PPOの音楽監督に就任したとっかかり、ムーティ41歳と働き盛りで少しムーティの強引さもありながら結果的にはPPOとの色彩感豊かな成果物の一つとなったのではと思います(昔LP時代幕開けの時のこのオーケストラPPO・・・指揮ストコフスキー・・・演奏の「シェヘラザード」も存在感があったらしいです)。演奏タイムは@10’01A12’33B10’20C12’13と特に突出したタイム特徴はありませんが第1楽章は心持ち速めにややルバートをかけながらのマッシブな音塊にこのコンビらしさを早々見出します。第2楽章でのV独奏(N.キャロル)の艶っぽさは抜群だし様々な管楽器がちゃんと各役割を果たしメリハリ感を強調しておりクライマックスへの盛り上げ方も大満足。 第3楽章は穏やかな流れに更にデリケートさが加わるとムーティの力づくだけかと思われた演奏へのバラエティ味が素晴らしいですね。最終楽章は一気的な迫力感もさりながら幾分鋭いタッチの録音仕上げが海原でのスリリングさを助長させます。 全体的にはPPO演奏先入観もあるとは言え派手はでしく明るめな「千夜一夜物語」なのでしょう。次にスヴェトラーノフが珍しくPHOを振った演奏盤で1977年(スヴェトラーノフ49歳)の録音「四季」は私も好きな曲で中の幾つかの曲はよく昔TVニュースのBGMにも使われていました。私が並行して聴いているアンセルメ盤「四季」の演奏に比しこのスヴェトラーノフ盤はタイム@10’38A5’28B12’29C12’30と全体少しゆったり目で演奏も 通常彼がよく振るロシアのオーケストラとの力任せの演奏とは違ったPHOだからこそ出てくる情感ニュアンスが伝わって来ます。彼は周知の通り作曲もしておりその作品を確かTVでも聴いたのですが中々分り易いしかもそれこそ情感ある作品に仕上がっていたのを記憶しております、単に行け行けドンドン戦車演奏イメージを払拭させる演奏であります。他のハチャトォリアン等の曲も演奏者は夫々打ってつけと思われ全体として本盤曲の好み、価格を加味して最高ランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/03
ムーティ/PPOが1982年に録音した「シェヘラザード」は発売当時「音の豪華なゴブラン織り」という中々上手いコピーだったのが思い出され確かにムーティとフィラデルフィア・サウンドがこの曲に打ってつけなイメージが私の中でも先行もしました。PPOの音楽監督に就任したとっかかり、ムーティ41歳と働き盛りで少しムーティの強引さもありながら結果的にはPPOとの色彩感豊かな成果物の一つとなったのではと思います(昔LP時代幕開けの時のこのオーケストラPPO・・・指揮者はかのストコフスキー・・・演奏の「シェヘラザード」も大変存在感があったらしいですよ)。演奏タイムは@10’01A12’33B10’20C12’13と特に突出したタイム特徴はありませんが第1楽章は心持ち速めにややルバートをかけながらのマッシブな音塊にこのコンビらしさを早々見出します。第2楽章でのV独奏(N.キャロル)の艶っぽさは抜群だし様々な管楽器がちゃんと各役割を果たしメリハリ感を強調しておりクライマックスへの盛り上げ方も大満足。 第3楽章は穏やかな流れに更にデリケートさが加わるとムーティの力づくだけかと思われた演奏へのバラエティ味が素晴らしいですね。最終楽章は一気的な迫力感もさりながら幾分鋭いタッチの録音仕上げが海原でのスリリングさを助長させます。 全体的にはPPO演奏先入観もあるとは言え派手はでしく明るめな「千夜一夜物語」なのでしょう。前年1981年録音の「1812年」(タイム15’23)は未聴でありますの。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/02
★カラヤンの指揮するブラームス交響曲第3番盤は何種類かありまして1960年VPO(タイム@9’47A8’14B5’56C8’52)、1964年BPO(同@9’44A7’38B5’51C8’45)、1977年BPO(同@9’56A7’42B6’04C8’35)、1988年BPO(同@9’34A8’08B6’15C9’11)の四演奏が代表的なもので夫々カラヤン自身の年齢に応じた演奏になっている様な気がします。曲としてはブラームスの英雄交響曲とも呼ばれた処からカラヤンの若かった?前二演奏時代が何となく適している様にも思えたり第3楽章や最終楽章の〆辺りの寂寥感からは年を重ねた後二演奏時代が合っている様な中々これらの演奏の甲乙はつけがたいだけカラヤンの演奏のブレの少なさが改めて思い知らされます。その中で本盤は最晩年カラヤン80歳の1988年演奏が入っています。この頃録ったブラームス交響曲はカラヤンのスタジオ録音最後の交響曲全集となったわけで私見ですが第4番等形だけ整えた面のある演奏に思えたりはしない事もなきにしもあらず・・・といったイメージ??さて、第3番第1楽章はやや荒っぽいというかBPOのゴリ押しで忙しい感じがします。ただ「英雄」コンセプトには適したイメージかと思います。ちょつと芸が無かった第2楽章を経て有名な哀愁的な第3楽章(フランソワーズ・サガン原作の映画「さよならをもう一度」の中で使われた事などは旧聞になってしまいましたね)は過度に感情移入はされていないのですがそれだけカラヤンの思いも察せられタイムも長め。最終楽章はテンポを落として最後の〆の小波はやはり素晴らしく思いました。★次にヴァイオリン協奏曲は1981年の収録で大変堂々とした肉厚な感じのする演奏でバックのカラヤンサポートも実に華麗・豪華に仕上げております。ブラームスとしてこれでよいのかなぁという思いはするもののティーンエィジャームター(当時18歳)がここまで大カラヤンとやり合うのですからとにかく大したものと申せましょう。第1楽章ゆっくり甘く入って行きやがて堂々はち切るようなヴァイオリンが・・・。カデンツァ前のオーケストラもすごく豪華でさてこのヨハヒム作のカデンツァも普段聴くものとは少し異なるのですがしっかりしたテクニックで圧倒されボッウとしていたら呑まれてしまいそうです。この楽章最後はゆったり「伸ばし」に「延ばし」て終わります。実に甘い中間楽章を終え最終楽章も怒涛のごとく押し寄せる音楽の洪水・・・とにかく凄い・・・終わりはやはり堂々とゆったり〆ます。演奏タイムは@21’56A9’40B8’28で特に過不足感はありません。カラヤン/BPOの伴奏でのこの曲と言えば私などは1964年録られたフェラス盤を懐かしく思い出します(このフェラス演奏は@23’06A9’47B8’30でいかにカラヤンがこういった点でも軸足のしっかりした運びをしていたか分かります)。ドイツなどではディナーにおいて我々比較的体格の小さな日本人が腹いっぱい食事してパンパンなんだけれどそれが前菜というかプレで本コースは隣の「食事間」に用意されていることってあるらしくゲンナリする場合があると聞いたことがありちょっとそれを思いださせる演奏とは思いました。そう豪華・肉厚・堂々過ぎて体力的についていけない・・・・ズバリ「若さ」についていけない自分を見る思いの演奏でした★1959年録音ハンガリー舞曲選集からの第1番(2’50)、第5番(2’33)は私はLPのドヴォルザーク・スラブ舞曲選集とのカップリング盤で聴いていました・・・流石カラヤン壮年期だけの演奏で分り易い演奏ですね。★ケンプの弾いた「ブラームス名演集」と銘打った二枚のDGLPが私のライブラリーにあります。そこから本盤では作品117インテルメッツォ三曲(タイム14’01)と作品118六曲の小品集(トータルタイム21’28)が入っている様です。1963年収録なので奏者であるケンプも結構年配時(68歳)の収録だったのでしょう。内省的なアプローチである事は勿論しぶいというか枯淡というか武骨というかこれらの感激が綯い交ぜになった次第です。これら一連の作品は大きな交響曲も書いてしまった後の虚脱感も垣間見られ私くらいの年齢でそのセンスが分かる様なふとした切なさ・ロマンに陥ってしまうのは短調曲が多いのにも左右されているのでしょう。素晴らしい演奏と申せましょう。★ズッカーマン、バレンボイムらはパールマンとともに私の年齢世代に近く彼らはユダヤ系でもあります。そのズッカーマン(当時26歳)、バレンボイム(P)による1974年録音のヴァイオリン・ソナタ第1番(タイム@11’09A8’12B8’58)は彼らがまだ若い頃のものですが曲自体ブラームス晩年近くの確かな構築力を有するもので彼らの溌剌とした演奏が曲の趣きを奔ばしらせています。私はこの演奏者コンビのヴィオラ・ソナタ2曲とFAEソナタ(スケルツォ)のCDも聴いています。★ベーム/VPOサポートによりルートヴィヒ他の歌う「アルト・ラプソディ」(ルートヴィヒ48歳頃の1976年収録、タイム16’17)の方は聴いておりませんが私は1962年録音のクレンペラー/PHOによるものをLP(タイムは12’32で第三部の合唱は略されています)で聴いており彼女の量感ある深い歌唱ぶりに圧巻な印象を受けており本盤も彼女が年を重ねたとしても多分1962年盤に勝るとも劣らないものになっている事と推察いたします。以上ブラームスが好きなリスナーには一定の演奏レベルを整えた作品集でこの種の盤として最高ランクにしたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
2 people agree with this review 2011/10/01
別盤で本演奏に入れたレビューを骨子にさせていただきますね・・・以前はフォーレのレクイエムと言えばこのクリュイタンス盤(録音当時57歳)が先ず話題になった名盤です。以降年では様々な優れた或いは別の切り口での演奏盤が出てきて本盤の位置が相対的に後ずさった観はありますが私は長く愛聴されるべき最高の演奏と思います。クリュイタンスはやヽ厚ぼったく演奏はしていますが彼の演奏の根本にあるゲルマン・ラテン両性から論理と抒情を上手く融合しフィッシヤー=ディスカーウ(録音当時37歳)とデ・ロス・アンヘルス(同39歳)という大歌手がその表現と軌を一にしています(そしてフィッシヤー=ディスカーウのいつもの深みのある歌唱には脱帽!)。1962年録音で演奏タイムは@8’07A9’08B3’18C3’17D6’45E5’19F3’47となって特に第5曲「アニュス・デイ」のゆったり流れる雅さには私は注目させられました・・・。ドビュッシーの管弦楽の「映像」(1963年収録、タイム@7’16A7’15+8’02+4’23B7’43)自体私は他の演奏をそう聴いているわけではありませんので本演奏の客観的な位置づけは分かりませんが本演奏は割りとスッキリしクリュイタンスの大人のダンディズムが聴き所なのでしょう。この録音4年後1967年クリュイタンスはまだこれからの62歳で亡くなっています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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1 people agree with this review 2011/09/30
ハイドン交響曲集と言えば私などはフィルハーモニア・フンガリカを指揮して1970年代半ばにかけて録音されたドラティ盤をすぐ思い出します・・・当時はその偉業に感心したものです。時代は約十年下って1980年代録音開始されたホグウッド/AAMによる同曲集はどうも途中で頓挫?してしまったのかホグウッドの研究に基づいた意欲的な演奏だっただけに残念ですね。地味なハイドン交響曲集というのはそれをビジネスに乗せるにはそれだけ難しいのでしょう。本盤は第94番「驚愕」1984年録音(ホグウッド43歳)(タイム@8’46A6’31B5’01C3’53)、第96番「奇跡」1984年録音(同@9’43A5’40B6’22C3’09)を入れたものでやはり初演時の小編成で再現した実に快速なテンポとアクセント、時に強奏アタックと大きな「間」を対照的に扱ったりし新鮮に聴けました。大編成の演奏で聴く管とかティンパニーの代打にフォルテピアノを使ったりその他フルート等別の楽器で意表を突かれたりしますし弦楽SQ協奏曲的にSQが主体で室内楽団が伴奏するイメージ(同指揮者の別盤かもしれません)で時には生々しさが身近になり面白かったです。ただ繰り返して聴くのに堪えれるかは私自身「自信」がありませんが研究成果を纏め上げて行く当時のホグウッドの姿勢に素晴らしいランクで評価させていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2011/09/29
クーベリックにはブラームス交響曲全集が二種類あり一つ目は1956〜1957年VPOとの録音、二つ目は本盤1983年BRSOとのライブ録音(クーベリック当時69歳)であります。本盤の全曲を聴いたわけではありませんが概ね第2番と第3番が好評な様です。洗練はされておらずどちらかと言えば素朴な感じで自然体でコシがありながら決して熱きに流れない、マァ大人の演奏なのでしょう・・・その辺りで少し聴く側からすれば比較的冷静に対処(ブラームスとじっくり)出来る処の評価具合如何と思います。例えば第3番の演奏タイム@14’23A9’41B6’18C9’26とVPO盤(タイム@13’56A8’59B6’06C9’02)のみならず他指揮者分と比較しても幾分ゆったり目なのはさておき、第1楽章BRSOのくすみ勝ちな雅やかな音色でスタートし序奏後の弦遣り取りも到って円やかな処がもう大人の世界?私などはもっとこの曲のヒロイックな面が欲しい感じがしました。反復演奏がなされ展開部のホルン他もマッタリ感で推移、但し〆への攻めは引き締まります。穏やかでゆったりした第2楽章は時として蕩け勝ちでふと私は同じコンビによるモーツァルト交響曲録音盤が過ぎりました。第3楽章も寂寥感を掘り下げないでむしろ優雅な心持ち・・・前二楽章の延長戦上。最終楽章は従って出だしオドロオドロしないでピークもヒーロー的色彩は皆無。しっかりした歩調で進み〆は小波の様に余韻の美しさは素晴らしいですね。第2番(@20’33A9’46B5’22C9’08)(因みにVPO盤@13’53A8’48B4’58C8’43と比べて第1楽章が反復演奏されていることが分かります)においても溜めは使用しますがこの交響曲のある派手さは抑えています。第2,3楽章のホルン他管の美しさは第3番同様。最終楽章は若干の乱れがあるものの熱きに流れて行かない処が面白いですね。録音がライブホールトーンにも多分左右されマイルドさが目立つ傾向があったのでは・・・。ライブながら聴き飽きしない演奏であり先述の様に全交響曲を聴いたわけではありませんので当面★一つ保留してOKランクで・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2011/09/28
もう何回か本演奏(第88番、第100番)についてレビューを書き込んだ者でその骨子を本盤レビューにも繰り返しさせていただきます・・・若い頃は比較的地味なハイドン交響曲にそんなに深くレコードで馴染む対象ではありませんでしたが比較的早く接したこのワルターのV字(1961年録音、タイム@5’42A7’21B4’44C3’35)、軍隊交響曲(V字と同じワルター85歳最晩年の1961年録音、同@7’35A6’34B5’50C5’50)のLPはハイドン交響曲の「良さ」を感じ取ったものです。多分他の指揮者の演奏に最初に接していたならその良さに気がつくのはもっと遅れていたでしょう。それ位ワルターの演奏はハイドン以上( ハイドンには失礼!)の何かふくよかさが込められた様に思え人生の余裕時間を過ごせるようにも感じ私にとっても最高盤、勿論CDも愛聴しています。・・・本盤は先の二曲プラス1953年(当時ワルター77歳)NYPSOとのモノラル録音である第102番(同@8’35A5’15B5’20C4’35)が入っていますが瑞々しくかつ重厚さも失わない第1楽章や情感豊かな第2楽章そして力強い第3楽章等正しくワルターのハイドンがオーケストラが異なっても展開されている様ですね。本盤廃盤になってしまっていますが全体「最高ランク」間違いないでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
2 people agree with this review 2011/09/27
様々なバッハ宗教曲の合唱・独唱部分の抜粋盤でその内「ヨハネ受難曲」からも相当数ピックアップされており私は「ヨハネ受難曲」を割りと繰り返し聴いていましたのでメモをいれます。ガーディナーが手兵EBSとMCを率いて録音進行したバッハ宗教曲大作の一つ、1986年(ガーディナー43歳)の録音で彼にはこの「ヨハネ受難曲」は別に2003年ライブ盤(トータルタイム114’47)がありますがこちらの方が(好みは別にして)彼らしい小気味良いやや速いテンポで初心の良さを汲み取れました。タイムとしては先のライブ盤より当然短く一部32’53、二部73’02実トータル105’55(トラック間余白を考慮しますとこれに約一分が加算されます)となっておりオーケストラは現在のトレンディな古楽器演奏団体と比べますと人数としてはやや多いものの当時としては思い切った絞込みだった様ですね。それに独唱者も大半MCからの選抜に担当させ手兵という一体感を活かしたガーディナーとしてはよりやりやすいアプローチだったのではないでしょうか。従って全体小回りの効く強弱を強調した勢い良さが印象的でこの受難曲に対して情緒的なものを求める私の様な者にはその「割り切り型」が時としてひっかかりはしました。先述の如く各歌唱・・・冒頭(9’16)と最後(6’46)の合唱が短めなのに表れている様でありますがそうした中で福音史家役のA.R.ジョンソン(T、当時46歳・・・彼は昨年亡くなってしまいましたね)は充分その抑揚感を発揮していますしアルトによる第30曲「こと果たされぬ」(5’18)でのM.チャンス(A、31歳)や第35曲ソプラノの「融けて流れよ、わが心よ・・・」(6’54)でのN.アージェンダ(S、29歳)は充分時間余裕を駆使しての歌いこみが素晴らしかったですね。それに最後のコラールがこれは又短いものの力強く終結〆(1’45)するのがこの演奏盤のある種「爽やかさ」を特徴づけている様であります。冒頭申し上げた様に本盤収録曲全てを聴いたわけではありませんがガーディナーのバッハアプローチは素晴らしいですし望むらくは抜粋盤ではなく聴くからには各々の曲を全曲盤で聴いていただければと老婆心ながら思った次第です。という事で本盤現在廃盤でもありますし演奏は素晴らしいのですがOKランクにしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/09/26
ミュンヒンガー/SCOの演奏したブランデンブルク協奏曲は1950年モノラル録音(ミュンヒンガー35歳)、1958〜1959年ステレオ録音、1972〜1973年ステレオ録音の三種類がありましたが本盤を含め殆ど廃盤になってしまい寂しい限りです。私自身は1958〜1959年盤(LP)で親しんだもので彼の堅固なガチガチのドイツ丸出しの演奏が今となっては大変懐かしく、又クラシックを聴き出した頃の初心を思い起こします。本盤が上記三種類の何れかは不明なのですが本盤収録の第1番、第5番についてのデータ的(一部怪しい?)なものをメモして彼の演奏を偲びたいと思います。1950年・・・第1番タイム@4’14A4’04B5’01D9’17、第5番@10’45A6’06B6’34、主な共演者R.バルヒエット(V),A.ペピン(F),G.ヴァウチャー(H)、1958〜1959年・・・第1番@4’13A4’11B5’23D10’02、第5番@10’49A5’37B5’51、主な共演者W.クロツィンガー(V),W.グラス(F),I.レヒナー(H)、1972〜1973年・・・第1番@4’11A4’00B5’14D8’57、第5番@10’02A5’36B5’39、主な共演者S.ミラノバ(V),A.ニコレ(F),I.キプニス(H)(なお、Obを宮本文昭が担当していたのも特筆される演奏盤)。第5番などは段々テンポが速くなって来ているのは注目ものですね。ミュンヒンガーのバッハは録音回数を重ねる毎に折りしもバロック演奏様式が古楽器使用と共に世間では変わって来たのに応じ角がとれ彼の特徴が薄れて来た印象もあり例えば先のキプニス他を用いた後年録音のハープシコード協奏曲集も現在では跡形も残っていない始末で残念ですね。本盤は録音年代は不明なのですが何れにしても素晴らしいランクにしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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