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Review List of レインボー 

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  • 5 people agree with this review
     2023/05/16

    ユージン・オーマンディが、コロムビアに録音したモノラル音源を纏めたボックスもの。
    オーマンディは幅広いレパートリーで知られているが、本CDでも定番どころはもちろん、何度も録音したシュトラウス・ファミリー(本ボックスにも何枚か取り上げられている)やオペラの全曲、同時代のアメリカの作曲家の新曲等々、様々な作曲家の作品が取り上げられておりうち、なんと152曲が初CD化というもの。
    これはこのボックスの売りの一つだろう。
    この時代のオーマンディは後年の端正なサウンドに加えて、速めのテンポをとっている曲が多い。
    そのため、のちに録音がある曲でもこちらの方が良いと言う演奏も多く、これもこのセットの聴きどころの一つ。
    オーマンディ以外の指揮者の録音も意外と多く、ミトロプーロスやワルターと言った有名人から、カストン、ヒルスバーク、オコンネル、トムソン(この人は作曲家として知られるが)といった今では無名の指揮者の演奏も収録されており、なかなか楽しい。
    録音年の割にどれも音は悪くない。
    加えて大変丁寧なボックスの作り。
    解説書はカラーな上、録音データ等も記載されている。
    当時のデザインをそのまま復刻した紙製ケース(但し2枚以上を纏めたものは片方のみ、それ以外は解説書に収録)にCDは収録され、CDのデザインもSP盤を模したものだが、ちょっとどれも同じに見えるのが難点だろうか。
    尚、ソニーミュージック・ジャパン出荷分のみ、オーマンディの研究家市川幹人氏によるライナーノーツが付いており、その熱いオーマンディへの文は必読。
    購入から聴き通すのに約2年程かかったが、非常に満足度の高いボックスであった。
    決して安いとは言えないが、興味を持っている人は是非ともおすすめする。

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     2023/05/15

    ロシアの作曲家、リムスキー=コルサコフの管弦楽作品集です。
    アメリカのレーベルであるVoxが発売したもので、同社の音源から集められたもの。
    時折スター級の演奏者の音源もあったりするVoxですが、知名度の低い演奏家の音源も多かったりします。
    この盤もそうで、知名度は低いながらなかなか魅力溢れた演奏が多いです。
    1枚目は組曲『見えざる町キーテジと聖女フェヴォローニャの物語』で、リチャード・カップ指揮、フィルハーモニア・フンガリカの演奏です。
    カップはアメリカの指揮者で、自身が設立したフィルハーモニア・ヴィルトゥージなどの室内管弦楽団を振った録音で知られ、フルオケの録音は珍しいのでは無いかと思いますが、ケルジェネツの戦いの表現力は見事で、聴き所の一つ。
    組曲『ムラダ』『5月の夜』『クリスマスイヴ組曲第2番』及び2枚目の『3つのロシア主題による序曲』『伝説』は、オトマール・マーガ指揮、ボーフム交響楽団の演奏です。
    マーガはチェコ出身の指揮者で、日本にも来日しています。
    ボーフム交響楽団1971年から1982年まで指揮者を務めていたようでその間の録音でしょう。
    素朴で真面目なドイツ的とも言える演奏で、悪くありません。
    有名なムラダの貴族の行進の打楽器が鳴った演奏や、弦楽器を歌わせたロシア主題の序曲や、伝説等マイナー系の作品に良い演奏が多いです。
    2枚目の3曲目は、歌劇『サトコ』で、ミルトン・ケイティムス指揮、シアトル交響楽団の演奏。
    ケイティムスはアメリカの指揮者で長らくシアトル交響楽団の音楽監督を務めましたが、CDは非常に少なくこの音源は貴重なもの。
    ただ、この演奏は特筆すべき事のない普通の演奏です。
    2枚目4曲目は『ピアノ協奏曲』で、Voxの看板ピアニスト、マイケル・ポンティがソロを取り、リチャード・カップ指揮する、ハンブルク交響楽団が伴奏を務めます。
    比較的マイナーなリムスキーのピアノ協奏曲ですが、本演奏はポンティの高い表現力と技術力もあり、この曲の好演奏のひとつと言えるでしょう。
    カップとハンブルク交響楽団の伴奏も悪くない感じ。
    5曲目は『2つのロシア主題による幻想曲』で、アーロン・ロザンドのヴァイオリンと、ルイ・ド・フロマン指揮、ルクセンブルク放送管弦楽団による演奏で収録されたもの。
    ロザンドのヴァイオリンはまずまずと言ったで、意外とオケの方がよく鳴っているが、知られざるこの作品を聴くには問題ない水準。
    録音年代は1960年代から1970年代頃ではないかと思うが、そこそこのホールトーンもあり問題なく聴ける。

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     2023/05/14

    オランダの楽譜出版社、モレナールの参考演奏集です。
    本CDは79枚目にあたるもの。
    参考演奏集という事もあり、新作はもちろん、行進曲やポピュラー作品
    と多彩なジャンルの作品を収録している。
    近年モレナールの参考演奏集のCDはポルトガルのレーベル、アファナウディオと手を組みポルトガルの吹奏楽団を起用、このCDもポルトガル空軍軍楽隊の演奏で収録されています。
    指揮者はアントニオ・マヌエル・カルドーソ・ロサド大尉です。
    世界的に見て空軍の軍楽隊は歴史が新しいバンドが多く、その分陸軍や海軍の軍楽隊に比べて多彩なレパートリーを誇っているバンドも多いのですが、このポルトガル空軍軍楽隊も、オマージュの様な吹奏楽の定番の行進曲はもちろん、レオナルドの夢のような新作オリジナル、6~8曲目のポピュラー作品など多彩で幅広い表現力と技術力で聴かせてくれます。
    参考演奏だけではなく、鑑賞用としても聴けるでしょう。
    録音もなかなか良い。
    尚、日本では2022年の新譜扱いですが、本国での発売は2019年だったようで、録音年もその頃だと思われます。
    最後に収録曲です。

    1.レオナルドの夢 (サウル・ゴメス・ソレル)
    2.ORYZA (ラモン・ガルシア・イ・ソレル)
    3.マレフィセント (ジェームズ・ニュートン arrエリック・ローゼンドン)
    4.ホラ・ハデラ (ハーム・ヤン・シュンケル)
    5.オマージュ (マイケル・ガイスラー)
    6.ガーデン・パーティー (エイソール・ガイアーソン arrロレンツォ・ボッチ)
    7.愛のテーマ (バリー・ホワイト arrロレンツォ・ボッチ)
    8.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール (ロジャー・ウォーターズ arrロレンツォ・ボッチ)
    9.2本のトランペットの協奏曲 (ゾラン・ローゼンダール)
    10.サマータイム (ジョージ・ガーシュウィン arr和田直也)

    演奏 ポルトガル共和国空軍軍楽隊
    指揮 アントニオ・マヌエル・カルドーソ・ロサド大尉

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     2023/05/13

    アメリカのレーベルVOXが発売した、ロシアの作曲家の作品集。
    LP時代に発売された2枚のアルバムを纏めて一枚にした物らしい。
    まず最初はボロディン作品集で、オトマール・マーガ指揮、フィルハーモニア・フンガリカの演奏。
    『交響曲第2番』『中央アジアの草原にて』を収録している。
    マーガはチェコ生まれの指揮者で、来日経験もある。
    録音としてはこのVOXへの録音もしくは、コロセウムに入れたニュルンベルク交響楽団との録音で知られているだろうか。
    このボロディンは、交響曲は重厚とも軽いとも言えないサウンドと、意外な程テンポが動く個性的な演奏。
    こう言うタイプの演奏は、この曲ではほぼない。
    中央アジアもそんな感じで途中の管楽器の音色が聴きどころ。
    一流ではないが、マイフィヴァリット的な演奏と言えるだろう。
    イヴァノフ『コーカサスの風景』グリエール『赤いけしの花』は、ジークフリート・ランダウ指揮、ウェストチェスター交響楽団の演奏で収録されたものです。
    指揮者ランダウはドイツ生まれのアメリカの指揮者ですが、録音はVOXに知られざる管弦楽作品集と協奏曲の伴奏を吹き込んでいるぐらいのマイナーな指揮者です。
    ウェストチェスター交響楽団は詳細不明の団体ですが、アメリカに同名の地名があるので、そこのオケでしょうか。
    決して悪くはないのですが、両曲とも全体的にオケの非力さが目立ちます。
    一応両曲とも他に録音があるため、必ず聴くべき演奏とは言えませんが、ロシア水兵の踊りは勢いがありこれはこれで面白い。
    録音は1960年代から1970年代頃と思われ、VOXらしく平板な音質。

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     2023/05/12

    ポール・ダニエル指揮、イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニアの演奏でナクソスに入れたウォルトンのアルバムの一枚だ。
    ウォルトンと言えば王冠や宝玉と杖の様な機会音楽の行進曲が最も有名であるが本CDはその手の行進曲と珍しい管弦楽作品をカップリングしたアルバムです。
    収録曲は『スピットファイアから前奏曲とフーガ』『協奏交響曲』『ヒンデミット主題による変奏曲』『英国諸国民の歴史の行進曲』である。
    ピアノを伴った協奏交響曲やヒンデミット主題による変奏曲、英国諸国民の歴史の行進曲は初めて聴いたが、なかなかの作品でウォルトンの卓越したオーケストレーションが光る。
    ダニエルとイングリッシュ・ノーザン・フィルはどれも高い演奏を聴かせてくれるが本CDでもそう。
    ドノホーのピアノと共演した協奏交響曲やヒンデミットでの流れるような音楽作りは見事だし、スピットファイアの前奏曲では金管をしっかり鳴らし(派手にならないのがイギリス的)その後弦楽のメロディを品よく奏て、フーガに入りクライマックスへ持っていくこの演奏は実に素晴らしいし、最後に収録された英国諸国民は王冠をややコンパクトにした様な作品で、こちらも気品のあるサウンドが聴きどころだ。
    録音も悪くなく、ウォルトン入門にも良いのではないか。

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     2023/05/11

    このCDはデ・ハスケ社の2014年の新譜集です。
    デ・ハスケがハルレナードの傘下になってから参考演奏集は2枚組で発売される事が殆どですが、アリゾナのタイトルのこれもそう。
    主に1枚目はシンフォニックな作品を、2枚目にはライトな作品を収録している。
    演奏者が複数いる編集盤であり、簡単にそれぞれの団体について感想を書こうと思う。
    まずCD最大の登場を誇るのが、アントワープ・ウィンズ(指揮:ユリ・ブリアト)である。
    2枚目に登場し、CDには団体の詳細な記載がないためあまり詳しくはわからないが、あまり規模は大きな団体ではないようで、正直に言えば演奏もそこまで上手くないが、収録曲はライトで軽い聴きやすい曲も多くそこまで酷い演奏はない。
    同じく2枚目のみに登場するのが、ドイツ連邦軍軍楽隊(指揮:クリストフ・シャイブリング中佐)で、こちらは2曲のみの演奏であるが、硬いドイツらしいサウンドを聴かせながら安定した演奏を聴かせてくれる。
    1枚目、2枚目両方に登場するのはデ・ハスケの参考演奏を多数手がけた、オランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊(指揮:テイメン・ボトマ少佐、ジョルジュ・モロー、ケヴィン・ホーベン)で、現隊長のボトマ少佐のタクトもありますが、ホーベンとモローの客演指揮者の演奏も多いです。
    2005年の合併当初はサウンドに迷いがありましたが、ここでは数年経っているからか、どれも芯のある演奏、楽器もよく鳴り、冒頭のドスのファンファーレを聴くとよくわかるでしょう。
    1枚目のみ登場するザクセン・ウィンド・アンサンブル(指揮:トーマス・ドス)は日本ではライプチィヒ放送吹奏楽団と言えば通りが良いだろうか。
    ここでは2曲のみだがオッフェンバックの『美しきエレーヌ』の演奏は流石だろう。
    ミッドウエスト・ウィンズは1枚目、スパークが編曲した『コルディッツ・マーチ』のみ。
    アントワープと同じ感じだが、演奏はまずまず。
    尚、これのみ指揮者の記載はない。
    録音は新しいだけあり悪くない。

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     2023/05/10

    レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックが録音した、コープランドの管弦楽作品集です。
    収録されているのは、『アパラチアの春』『ロデオ』『ビリー・ザ・キッド』『市民のためのファンファーレ』と言ったもので、コープランドの交響曲を別にした代表曲を収録したものです。
    バーンスタインとコープランドは親交があったらしく、演奏は大変見事なもの。
    手兵ニューヨーク・フィルハーモニックを存分に鳴らし、この時期のバーンスタインらしいヤンキー気質を全面に出した元気でノリの良い演奏は、まさに名盤ふさわしい出来だと言えます。
    もちろん、コープランド入門にもおすすめ。
    また市民のためのファンファーレは、一般的に演奏されるバージョンではなく、交響曲第3番のアレンジで録音された珍しいもので、これなどバーンスタイン節が炸裂しています。
    録音は1959年から1966年までですが、年代を考えれば特に問題ない音質です。

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     2023/05/09

    ウクライナの国民的作曲家、ボリス・リャトシンスキーは5つの交響曲を書いたが、本CDはその後期の交響曲、『交響曲第4番』とスラヴ風の副題を持つ『交響曲第5番』を収録している。
    演奏は、ローランド・バーダー指揮、クラクフ・フィルハーモニー管弦楽団によるもの。
    リャトシンスキーの作品集といえばナクソスにクチャルが残した音源が有名であるが、このCDもほぼ同時期に録音されたもの。
    同時期と言ってもこちらの方が新しく、この後録音はされてないと思うので4番、5番とも最新の録音という事になる。
    指揮者のバーダーはドイツ出身で、日本にも来日、また大学で教えていた事もあるようだ。
    結構録音を残しているのだが、ほとんどがマイナーなレーベルなためイマイチ知名度は低い。
    クラクフ・フィルとは1980年代にシェフとなって以来このコンビでの録音が多い。
    演奏は4番は、至って平凡な演奏だが、5番はなかなか良く、やはり同じスラヴ圏のオケだけあり、共鳴する部分があるのかもしれない。
    1994年録音、音質良好。

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     2023/05/08

    オランダの楽譜出版社、モレナールが発売するニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの1枚。
    56枚目にあたるこのCDは近年モレナールで活躍が目立つ作曲家の比較的規模の大きな作品を集めた内容となっています。
    新曲4曲に加えてクラシック編曲1曲の5曲を収録しています。
    新作は個人的に良いと思う作品が多く、ピアスの英雄は何度でも立ち上がるや、スウィッガーズの天照大神の伝説等はなかなか良いかと思います。
    演奏はジョアン・アフォンゾ・セルケイラ大尉指揮、ポルトガル共和国国家警備隊音楽隊である。
    このバンドは1838年にまで起源を遡る事が出来る歴史あるバンドだそうで、ポルトガルの他の吹奏楽団と同じく大編成バンドです。
    本CDでもその大編成ならではのサウンドが特徴的で、軍楽隊らしいパワー全開なブラスや巧みな表現力が聴きどころです。
    タイトルのわが祖国は実は全曲ではなく、モルダウのみですが、これは指揮者セルケイラ大尉の編曲で、つまり編曲者による自作自演です。
    録音はポルトガルの吹奏楽レーベル、アファナウディオが担当しており、吹奏楽系の録音では優秀と言える録音です。
    尚、録音年や録音場所の記載はありません。
    最後に収録曲と作曲家は以下の通り

    1.ハ・ダ・ダー (カルロス・ペリセール)
    2.天照大神の伝説 (エリック・スウィッガーズ)
    3.英雄は何度でも立ち上がる (アンドリュー・ピアス)
    4.チテス (ルイス・カルドーゾ)
    5.モルダウ (ベトルジハ・スメタナ arr.ジョアン・アフォンゾ・セルケイラ)

    演奏 ポルトガル共和国国家警備隊音楽隊
    指揮 ジョアン・アフォンゾ・セルケイラ大尉

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     2023/05/07

    ビゼーのオペラ『カルメン』全曲盤。
    ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン交響楽団の演奏で1954年に録音されたもの。
    劇場での演奏ではなく演奏会形式で録音されたライヴ録音。
    歌手陣はなかなか豪華で、シミオナートにゲッダ、ギューデンと当時のスター歌手が並ぶ。
    カラヤンのカルメンといえばRCAのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を振った音源と、DGのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を振った音源が知られているが、このCDの様なライヴ録音もあり、この録音の翌年にミラノ・スカラ座管弦楽団を振ったライヴ録音などがCDになっている。
    最も古いこの録音は後年には見られない推進力があり、演奏自体はなかなか良い。
    特に第2幕のジプシーの歌はシミオナートの熱演も合わさって名演と言える。
    メンブランのこのCDは、やや曇ったところもあるが、比較的楽器の音が良く聴こえて、年代の割には良い方と言った録音である。
    尚、演奏者はCDにはウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団となっているが、他の同音源のCDは全てウィーン交響楽団演奏、ウィーン国立歌劇場合唱団となっているので、そちらが正しいものと思われる。
    デジパック仕様。

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     2023/05/06

    本CDはクラシックの名曲を集めたもの。
    発売元はCDレーベルではなく、通販会社だそうで、このCDはどういう経緯で出されたのかは不明だが、HDCクラシックを音源を原盤としているようだ。
    ヒーリング系のCDとして出されたものらしく、選曲はかなりバラバラである。
    まず前半はロシア・プログラム。
    チャイコフスキーの白鳥の湖のワルツと、アンダンテ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番2楽章は、ティトフ指揮、サンクトペテルブルク・ニューフィルハーモニー管弦楽団による演奏。
    ティトフは1954年生まれで、サンクトペテルブルクを中心に活躍するロシアの指揮者。
    録音もそこそこある。
    オケはティトフが1992年に作ったオケだそうだが、現在もあるのか不明だ。
    演奏は正直あまり良いとは言えず、オケの音色の魅力が全くないのは残念。
    プロコフィエフの交響曲第1番からラルゲットは、マルティノフ指揮、サンクトペテルブルク国立交響楽団によるもの。
    こちらは常設の団体だけあってしっかりとした演奏だ。
    ヴェルディの椿姫より第3幕への前奏曲とプッチーニのマノン・レスコーから間奏曲は、マニーノ指揮、サンクトペテルブルク・ショスタコーヴィチ・フィルハーモニー・アカデミック交響楽団による演奏。
    ドマイナー指揮者と、なんだかよく分からないオケの演奏だが、取り立て言う事はない普通の演奏。
    尚、技量的な面からオケについては現在テミルカーノフが率いる、サンクトペテルブルク・フィルではなく、もう一つのサンクトペテルブルク交響楽団の方ではないかと思う。
    モーツァルトのピアノ協奏曲第19番は再びティトフの指揮、サンクトペテルブルク・音楽スタジオ管弦楽団という団体によるもの。
    オケは臨時編成のものだと思われるがやはりあまり魅力のない演奏。
    ただなぜかこれだけ全曲収録だ。
    見ての通り、マイナー系ロシア人演奏家の演奏ばかりでその手の演奏が好きな方には良いがそうでない人にはおすすめしない。

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     2023/05/05

    オランダの楽譜出版社、モレナールが発売している自社の楽譜の参考演奏集、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの90弾である。
    演奏はポルトガル空軍軍楽隊、指揮はアルトゥール・ルーキーナ少尉、ルイ・シルヴァ大尉。
    今作は中上級グレードの作品が収録されています。
    収録された作曲家はあまり馴染みのない作曲家が多いのですが、そこはモレナール、好き嫌いはあれど一定の質の高さは保っています。
    収録曲のうち、最後の『三文オペラ』以外は新曲で、日本からは金山徹の作品が2つ収録されています。
    演奏のポルトガル空軍軍楽隊は近年モレナールに登場し、その優れた演奏を披露しています。
    本CDでも大編成による充実したサウンドに加え、作品の魅力を存分に引き出した演奏となっています。
    どの演奏もパワーが感じられます。
    また世界的に見ても空軍軍楽隊というのは軍楽隊の中で後発組が多く、その分ポップス系の作品などをレパートリーに持っている事が多いです。
    そのためこういう曲も得意としている所が多く、このCDでも金山徹の『光の中へ』などが該当し、落ち着いた大人のノリで聴かせてくれます。
    録音はアファナウディオが担当しています。
    ここはポルトガルの吹奏楽系レーベルで、柔らかで豊かな録音が特徴です。

    最後に収録曲です。

    1.巨人の肩に乗って (エドワルド・M・ブリトー)
    2.不思議の国のアリス (ケリー・ベネット)
    3.高揚感 (ヘルト・スハレイハース)
    4.ラ・モンターニュ・デ・ウトン (ギヨーム・デトレーズ)
    5. ウェボス・ハバネロ (エドワルド・M・ブリトー)
    6.センチュリオン (ケリー・ベネット)
    7.光の中へ (金山徹)
    8.クール・シックス (マーク・ヘンドリクス)
    9.バーズ・ロード (ニック・ミルズ)
    10.ファルコンの初飛行 (エドワルド・M・ブリトー)
    11.黒い丘 (ギヨーム・デトレーズ)
    12.マンタ・スクランブル、石垣の海は碧く(金山徹)
    13.三文オペラ (クルト・ヴァイル arr.ヴィル・ファン・デル・ベーク)

    演奏 ポルトガル空軍軍楽隊
    指揮者 ルイ・シルヴァ大尉 2、5~7、10、12
     アルトゥール・ルーキーナ少尉 1、3、4、8、9、11、13

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     2023/05/04

    日本にいては中々聴くのが珍しい、ノルウェーの作曲家によるオペラの序曲集です。
    大体19世紀半ばから20世紀頭にかけて書かれた作品を収録しています。
    聴いて全体的に思ったのはノルウェーらしい作品はほぼなく、同時代のヨーロッパの作曲家の影響が強い作品が多い事。
    例えば冒頭のトラーネ作曲『山の物語』は、ロッシーニ風であるし、その他の作品もロマン派風だったり、ワーグナーぽい所があったりと、この時代のオペラが好きな人には良いかもしれません。
    インガル・ベルグビ指揮、ノルウェー国立歌劇場管弦楽団による演奏で収録されています。
    普段からオペラを演奏している団体だけあって、期待通り上手い演奏なのですが、自国の知られざる作品を紹介しようという意気込みも感じられる好演奏だと思います。
    録音はこのレーベルらしい柔かく、鮮明な録音。
    デジパック仕様で、解説書には楽曲解説の他、演奏メンバー表も載っています。

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     2023/05/03

    アメリカの作曲家、ピーター・ボイヤーのオーケストラ作品集です。
    ボイヤーの作風は一言で言うなら明快な作風。
    ジョン・ウィリアムズやアーロン・コープランドあたりの影響を強く受けたと思われる作風で金管の華やかさや、豪快にオーケストラを鳴らす管弦楽法等特にウィリアムズの映画音楽や機会音楽を思わせる作品です。
    現代音楽と聴くと身構える人もいますが、確かに現代的感覚もありますが、美しいメロディもあり伝統的なアメリカ・クラシックの要素を強く弾いており、大変聴きやすい音楽です。
    演奏はピーター・ボイヤー指揮、ロンドン交響楽団。
    即ち自作自演です。
    作曲家のタクトという事もあり演奏内容は充分すぎるほど充実しています。
    またオケがロンドン交響楽団という事もありまるで映画のサントラの様な派手な演奏になっています。
    ボイヤー作品集は既に2枚発売されていますが、これは入門用にも良いです。
    録音は2022年で音質は良好。

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     2023/05/02

    オランダのモレナールが出している自社の楽譜の参考演奏集、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの1枚。
    今回はトニー・ショール隊長指揮、バーデン=ヴュルテンベルク州警察音楽隊の演奏で録音された物である。
    選曲は参考演奏集と言うこともあり、新曲からクラシック、映画音楽と様々なジャンルから集められているが、そこはモレナール、タイトルのペガサスを含む殆どが安定した質の作品である。
    新作はヨーロッパ的な長大な作品が多く、クラシックからの編曲もマイナーな作品なので、コンクール中心の日本の吹奏楽界ではウケは悪そうだが。
    バーデン=ヴュルテンベルク州警察音楽隊はトニー・ショールが隊長をしていた2005年から2014年の時代に、デ・ハスケ、ベリアト、ワールド・ウィンド・ミュージック、ハファブラ、コッホ、オブラッソ等、楽譜出版社系のレーベルに録音を残している。
    モレナールにも幾つか録音を残していてこれはその1枚だ。
    編成的には30数名の中規模の団体ながら、日本のバンドとそれ程変わらない編成なのだが、高い技術と表現力、それでいてドイツ的な重厚さを持っており、参考演奏集とは思えない充実したサウンドと演奏を聴かせてくれる。
    前者の技術と表現力はタイトルのペガサスや、アクリーション、パイレーツ・オブ・カリビアン等で、後者は優雅なインドの国々やボレロ・デ・コンサートを聴くとわかるはず。
    録音年や録音場所の詳細は不明だが、音質は大変良く、録音も明確に録られて迫力があり吹奏楽系の録音では優秀と言えるだろう。
    収録曲は以下の通り。

    1.ペガサス (アレックス・ポエルマン)
    2.パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールド・エンド (ハンス・ジマー arrエリック・ローゼンドン)
    3.アクリーション (エリック・スウィッガーズ)
    4.ネイチャー・ボーイ (エデン・アーベ arrヘンク・ウメルス)
    5.ワイルドホース (ヘルト・スハレイハース)
    6.クリムゾン・タイド (ハンス・ジマー arrエリック・ローゼンドン)
    7.ヤクティ・サックス (R.M.メンデルスゾーン arrヘンク・ウメルス)
    8.スワニー河の対岸 (トラディッショナル arrヤン・ファン・ギーレン)
    9.今宵の貴方は (ジェロム・カーン arrヘンク・ウメルス)
    10.ハッスル (ヴァン・マッコイ arrロブ・ファン・ライメルズダール)
    11.交響曲第5番運命 (ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン arrロブ・ファン・ライメルズダール)
    12.歌劇『優雅なインドの国々』序曲 (ジャン=フィリップ・ラモー arrウィリー・ハウバスト)
    13.ボレロ・デ・コンサート (ルイ・ルフェビュールー=ヴェリー arrフェイク・ファン・タイネン)

    演奏 バーデン=ヴュルテンベルク州警察音楽隊
    指揮 トニー・ショール隊長

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