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Review List of レインボー 

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     2017/07/02

    マイケル・J・コルバーン中佐指揮、アメリカ海兵隊軍楽隊の演奏によるCDです。
    クラシックの編曲と、アメリカの作曲家(またはアメリカで活躍した作曲家)による吹奏楽のために書かれたオリジナル曲を集めた内容となっています。
    コルバーン中佐は、アメリカ海兵隊軍楽隊副隊長を経て、2004〜2014年までの10年間、この軍楽隊の隊長を務めた人物です。
    在任中の録音はそう多くありませんが、ミッドウェスト・クリニックでのライヴ盤やアルテッシモ・レコードへの録音を残しています。
    この盤は2006年に録音された物で、当時自主制作盤が基本のアメリカ軍楽隊では、商業録音として制作されたこの盤は珍しい物でした。
    演奏に関しては何も言う事はありません、素晴らしい演奏です。
    個人的には『子供のためのマーチ 丘を越えて彼方へ』行進曲『王冠』がダイナミックで幅広い表情を持った名演奏だと思います。
    録音はナクソス品質なので問題ありません。

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     2017/07/01

    アレクサンダー・ラハバリ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるリムスキー=コルサコフ『シェヘラザード』です。
    この演奏はソロ・ヴァイオリンにヨゼフ・スークが参加している事でも知られます。
    ラハバリはナクソス活動初期に録音を吹き込んだ事で知られるイラン人指揮者ですが、組んだオケが悪いのか、あまりそれらの音源の評価は高くありません。
    しかしこのチェコ・フィルとのシェヘラザードの演奏は、スタンダードなバランスの良い演奏と、スークの女性的で詩的なヴァイオリンの演奏で、この曲の隠れた名演奏となっています。
    併せて収録されているのはアルド・チェッカートとチェコ・フィルによるR.シュトラウス『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』で、こちらも安心して聴ける水準の演奏でしょう。
    録音は共に1980年代後半で、十分聴けます。

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     2017/06/29

    チャイコフスキーの交響曲第5番と幻想序曲『ロメオとジュリエット』を収録したCDです。
    指揮はアルパード・ヨーで、オーケストラは交響曲が、フィルハーモニア管弦楽団演奏で1983年4月に録音された物、ロメオとジュリエットがロンドン交響楽団の演奏で1986年6月に録音された物です。
    ヨーはハンガリーの指揮者で1980年代に多数の録音を残しました。
    ここでの演奏は、正攻法の演奏ですが、盛り上げる場所はしっかり盛り上げる等、メリハリのついた演奏でなかなか聴けます。
    オケも有名団体なので技術力でも問題はなし。
    録音も音質も問題なく聴けます。

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     2017/06/28

    フレデリック・フェネルと、クリーヴランド管弦楽団の管楽メンバーからなる、クリーヴランド・シンフォニック・ウインズによるマーチを中心としたアルバムである。
    1978〜1979年にかけて録音された物で、この時代、フェネルはあまり録音を残さなかったので貴重と言える。
    収録曲はイーストマン、そして後の佼成時代にも録音しているフェネルの定番ナンバーが大半であるが、レオ・アルノー『3つのファンファーレ』の収録は珍しい。
    フェネルは吹奏楽界では神様と言われ、その演奏を批判されているのは見た事も聞いた事もないが、個人的にはその演奏はイマイチ好きではない。
    が、その中に良い演奏があるのも事実で、この盤もそうである。
    この演奏はバンドのカラーもあるのかフェネルにしては、攻めなちょっと刺激のある演奏。
    とはいえそれぞれのマーチの名演奏というのは程遠いし、やはりフェネルはフェネルなのだろう。
    1番良いのはこれ以外に録音はないと言うのもあるが、アルノーのファンファーレが、クリーヴランド管弦セクションの魅力たっぷりで良い。
    録音は古いが、テラークの優秀な録音のおかげでそこまで古さは感じない。

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     2017/06/27

    ゲオルグ・ショルティ指揮、シカゴ交響楽団の演奏で録音された、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』である。
    ショルティの演奏という事で期待して聴いたが、正直ちょっとイマイチであった。
    もちろん、第4楽章等にシカゴ交響楽団の金管の凄さも出ているし、ショルティらしさもあるのだけれど、この指揮者ならもう少し快活なメリハリのついた演奏を期待してしまう。
    年齢を重ねて巨匠になってしまったのか、若い頃の勢いはない。
    1983年1月録音、音質良好。

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     2017/06/26

    フランチェスコ・ラ・ヴェッキア指揮、ローマ交響楽団のコンビで制作されているナクソスの20世紀イタリア・クラシックシリーズ。
    この盤には、フランコ・フェラーラの管弦楽作品が収録されています。
    フェラーラはこんにち、指揮者として有名で、特に指導者として活躍、バレンボイムやフィッシャー等の師匠として知られています。
    ここに収録された作品は何れも世界初録音だそうであり、イタリアの作曲家らしい歌謡的なメロディもあれば、劇的なメロディもありとメーカーレビュー通りの映画音楽のようで意外と良いです。
    演奏も作品の魅力を伝えてくれる好演。
    集中力があり、燃焼的な演奏と言えるのではないでしょうか。
    勿論、音質も良好です。

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     2017/06/25

    アメリカ陸軍パーシング・オン軍楽隊演奏のCDである。
    この軍楽隊は、通常の吹奏楽での演奏の他、オリンピックにも出場したヘラルド・トランペット隊や、弦楽器に持ち替えた陸軍ストリングス、陸軍金管五重奏、陸軍ブルースや陸軍合唱団等々様々なグループがあるが、この盤はそれらを集めた内容となっている。
    トーマス・パールマティー大佐が隊長時代に発売された物だが、音源の原盤は、ゲイリー・ラム大佐やトーマス・ロタンディJr大佐時代の物で、新音源はなく、既出のCDからの編集盤である。
    演奏は行進曲からジャズまでノリよく聴かせるのはいかにもアメリカらしいし、演奏は悪くないが今までのCDを持っていれば買い直す必要はないだろう。
    またタイトルには小さくVOL1とあり、続編がある(または予定があった)ようである。

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     2017/06/23

    日本の数多あるアマチュア・オーケストラの中でトップの実力があると言われるのが新交響楽団です。
    この団体は創設時より芥川也寸志の指導を受け、また日本の作曲家の管弦楽曲を多数演奏、録音してきた事で知られます。
    この盤は1993〜1994年にかけて伊福部昭の作品を集中的に取り上げた演奏会からのライヴ音源です。
    指揮者は、石井真木、小泉和裕、小林研一郎、原田幸一郎の4名。
    またゲスト・ソリストで安倍圭子が出演しています。
    確かにアマチュア故か、ちょっと弦が薄かったりしますが、全体的に大きな技量面での不満はなく、アマチュアらしい熱気を帯びた演奏となっています。
    収録曲は他にプロの良い演奏がある物ばかりなので、この盤が一番とは言えませんが、悪い演奏ではないでしょう。
    録音、音質良好。

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     2017/06/22

    アメリカ国民楽派クラシックの父、ジョージ・チャドウィックの管弦楽曲集です。
    ケネス・シャマーホーン指揮、ナッシュヴィル交響楽団の演奏で収録された物。
    ここに収録された作品は交響詩や演奏会用の序曲であり、当時のヨーロッパよりの保守的な作風です。
    分かりやすくはあるものの、まぁ一度聴けば十分でしょう。
    演奏は作品を知るには問題ない水準の演奏です。
    録音、音質良好です。

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     2017/06/21

    佐渡裕とシエナ・ウインド・オーケストラによる吹奏楽のためのオリジナル作品を集めた内容である。
    収録曲はヨーロッパの作曲家を中心にした物。
    意外と録音の少ない曲もある所は貴重と言えるし、このコンビらしい威勢の良い熱い演奏も悪くない。
    ライヴ録音が多数を占める(拍手はカット)ので、スタジオでの録音より多少のキズはあれど、とにかく盛り上げは凄い演奏である。
    但し問題もある。
    というのも、一曲目、真島の『鳳凰が舞う』以外は既発売のCDから収録された物で、つまりはエイベックスお得意の過去の音源に新録音を1、2曲入れて新たに新しいアルバムを作ると言ったエイベックス商法である。
    当然、過去のアルバム全てを持っている人はダブる。
    正直それなら真島の1曲だけで千円ぐらいのシングルとして出してくれた方が良かった。
    その方が消費者も買いやすい。
    録音年はバラバラであるが、音質はどれも聴きやすい。

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     2017/06/20

    朝比奈隆指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏で録音されたショスタコーヴィチ『交響曲第5番』マーラー『交響曲第2番』である。
    共に1980年代に録音されたライヴ音源である。
    恐らく朝比奈は、巨匠風のどっしりとした音楽を作りたかったのだろうが、結果、テンポがはっきりとせず何だが重い演奏になっている。
    マーラーに関してはイマイチわからない所もあるが、恐らく同じような物だろう。
    ファン以外は基本的におすすめ出来ないアルバムである。
    音質は当時のライヴ録音として見れば標準的な物で良くもなければ悪くもない。

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     2017/06/20

    レーザーライトに録音された音源からワーグナーの歌劇からの管弦楽曲を集めた内容です。
    東欧のオケの演奏で、有名な曲と、意外な曲がピックアップされた選曲となっています。
    『タンホイザー序曲』と『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、ヴァシリー・カザンジェフ指揮、ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団が演奏しています。
    カザンジェフはブルガリアを代表する指揮者兼作曲家で、日本では指揮者として知られています。
    ソフィア交響楽団との音源が有名ですが、ここではソフィア・フィルを振って、透明感のある聴きやすい演奏に仕上げています。
    ソフィア・フィルが上手く、特に管楽器の音色がブルガリア・オケらしい響きをしています。
    残りの『さまよえるオランダ人』『ローエングリン』『トリスタンとイゾルデ』『タンホイザー』より大行進曲は、ジェルジ・レーヘル指揮、ブダペスト交響楽団によって演奏しています。
    レーヘルはハンガリーの指揮者で、ハンガリーを中心に活躍し、若くして亡くなったため知名度は低いですが、どの曲の演奏も完成度の高い演奏を聴かせてくれる指揮者です。
    この盤でもいぶし銀の渋い、見事な演奏で、さまよえるオランダ人等は個性的。
    録音年は不明ですが、音質はどれも良いです。

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     2017/06/19

    新星堂が企画、販売した栄光のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団というシリーズの一枚である。
    この盤はアコースティック録音時代の音源を中心に復刻された物で大変珍しい音源が揃う。
    前半にはアルトゥール・ニキシュ指揮によるベートーヴェン『交響曲第5番』が収録。
    この曲の3番目の演奏で、意外と端正であるが、アコースティック録音の限界もありやはり音質は良くなく、マニア向き。
    アルフレッド・ヘルツ指揮のワーグナーも同じ1913年録音。
    こちらの方がまだ幾分か音質は良い。
    残りはレオ・ブレッヒ指揮による物で電気録音時代による物だが、ノイズがパチパチの物もあれば年代を考えれば普通と言った所まで様々。
    企画としては面白いのですが、やはりマニアだ!という人以外におすすめし難いのが難点です。

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     2017/06/18

    大阪市教育振興公社が制作し、ブレーンが発売していたニュー・ウィンド・レパートリーの2003年盤。
    これは、名前の通り吹奏楽のための新しいレパートリーの普及を目的として、制作当時の新譜を中心に選曲されていた物である。
    今となっては演奏される機会がなくなってしまった物もあるが意外とプロの演奏は少ない曲もあったりして案外貴重である。
    この盤は秋山和慶指揮、大阪市音楽団による演奏。
    その安定した演奏は日本のプロ団体の中でも歴史ある団体だけあると思うが、何と言っても冒頭の大栗裕『大阪のわらべうたによる狂詩曲』の熱演ぶりには同じ大阪生まれの作曲家への共感がよく感じられ、他の演奏の凄さが萎んでしまうような名演奏である。
    録音はブレーンらしいが、まぁ聴く分にあたって大きな問題はないだろう。

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     2017/06/17

    ANFソフトという会社が出していたライヴ・クラシック100というシリーズの一枚。
    これは名前の通り、ライヴ音源を集めた内容で、カラヤンやアバド等の有名演奏家とオケや、無名演奏家による演奏や両方の組み合わせによる意外なコンビ等、雑多ながら、面白い音源が並んでいた。
    勿論、こういう音源にありがちな胡散臭さやエアチェックのような音質の悪さもあるが…
    このCDはフランスの交響曲を集めた内容である。
    一枚目はベルリオーズの作品を集めた内容で、『幻想交響曲』『ローマの謝肉祭』を収録。
    どちらも指揮はセルジュ・チェリビダッケ。
    幻想交響曲は1969年にトリノ放送交響楽団と録音された物で、現在は映像化されているようだ。
    描写的なこの作品だが殊更それを強調する事なく純音楽的な演奏。
    ただライヴと言う事もあってか結構燃えている。
    ローマの謝肉祭は1989年にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で、これは普通。
    2枚目はフランク『交響曲』とビゼー『交響曲ハ長調』が収録。
    フランクはリッカルド・ムーティ指揮、フィラデルフィア管弦楽団による演奏で1984年にパリでの録音。
    これも演奏は普通だろうか。
    ビゼーは1970年、トーマス・シッパーズが、ナポリ・アレッサンドロ・スカルラッティ放送管弦楽団を振って録音した物で、いかにもイタリア的な開放的で明るい音色とビゼーの若々しいメロディが良くあっている。
    第3楽章等では推進力もあり、このCDの中では一番良い演奏だと思うが同時に、曇った残響のないこのCDの中で最も音質が悪い所は残念である。
    基本的にはマニア向きな音源なので、無理してまで聴く必要はないだろう。

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