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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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0 people agree with this review 2012/02/13
別盤でブラームス・ピアノ四重奏曲第1番を聴いていましたので参考までにメモを入れさせていただきます。「室内楽こそ音楽のエッセンスである」とその重要性を言及していた巨匠演奏家アイザック・スターンと仲間たちメンバーによるこの演奏は1986年に録音されたものでスターンが66歳、ヨー・ヨー・マが31歳(ついでにラレードが45歳、アックスが37歳)という大御所スターンと若き日のマの二人の奏者を中心にラレードとアックスが上手くサポートする形となって各演奏家が個性を主張して行く或いはスターンが全員を巻き込むというよりアンサンブルとして音楽を作り上げて行くといったスタイル・・・従ってよく歌いシンフォニックになっており、演奏タイムは@13’38A8’03B10’13C8’04と各楽章比較では最終楽章がやや速い印象(他の同曲演奏と比べると決してそんなに速くはないのですが・・・)を受けました。この曲は一頃シェーンベルクによる打楽器の目立つちょっと大げさなオーケストラ版CD(ラトル/BPO、若杉/KRSOなど)も出て若きブラームスの迸る情熱が聴き処となっておりますが本盤演奏は第1楽章からそんなにゴツくないスタートで完璧に縫う様に繊細なピアノが素晴らしいですね。少し全体ソフトになり過ぎの観がありもっと四人踏み込んで欲しい時もありましたが〆への準備段階での不安げな様子からラストピークを経ての余韻作りにはこのアプローチが適しているのでしょう、、第2楽章、第3楽章も当たりがソフトで焦点定まらない雰囲気もあるのですがマァこんなところで穏やかな〆が良いです。最終楽章は私などは仏映画「仕立て屋の恋」に導入されていた中間部を思い出すのですがスタートの活発なジプシー舞曲風の「きつさ」がこの全体ソフトな演奏の延長線上でのマイルドさに中和され中々良い仕上げになっています。そしてクロージングへの攻めテンポアップが見事! 同年録音の第2番そして1989年録音の第3番は未聴ですがこれらピアノ四重奏曲演奏は1992年グラミー賞を受賞しております。なお、本盤はリマスタされたものとなってのEurope 分の登場で従来USA分と比し価格がぐっとお得であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/02/12
本盤は現在販売されていませんが参考メモさせていただきます。ワインガルトナーがLSOを指揮したブラームス交響曲第1番本盤録音演奏(1939年、ワインガルトナー76歳)は音質(勿論モノラル)は別として一昔の演奏とは思えないほど比較的淡々とした進め方がなされています。私は復刻LPで聴いておりましてそのタイムは@11’48A9’08B4’20C14’45と短め(第1,4楽章はCDでは20秒近く更にショートになっている?)。特に第1楽章スタートの速さはこの曲のイメージからかけ離れ少し戸惑いましたが展開部では普通に近くなりしっかり弾き切っている弦が印象的、この第1楽章中間部疾風怒濤のピークとゆっくり〆も十分聴き応えあります。第2楽章はテンポは動かず整え早や目の第3楽章を経て終楽章でもあの有名なテーマも淡々と運ばれ正直糊代も欲しい感じではありました。終結部での盛り上げパッセージは幾分テンポを落として堂々とした勝利感でメリハリをつけてはいますが破綻とは無縁です。全体に音の大きさは音質から確たることは言えませんがロマン派音楽というより古典派音楽的でノッペリするのは端正な演奏を旨とする?ワインガルトナー故なのでしょうか。なお。ワインガルトナーは交響曲第2番、第4番を本盤第1番と同じLSOと第3番をLPOを振って録っており、本盤演奏は記録的価値としての位置づけもありOK評価します。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/02/11
別盤でブラームス・ピアノ四重奏曲第1番を聴いていましたので参考までにメモを入れさせていただきます。「室内楽こそ音楽のエッセンスである」とその重要性を言及していた巨匠演奏家アイザック・スターンと仲間たちメンバーによるこの演奏は1986年に録音されたものでスターンが66歳、ヨー・ヨー・マが31歳(ついでにラレードが45歳、アックスが37歳)という大御所スターンと若き日のマの二人の奏者を中心にラレードとアックスが上手くサポートする形となって各演奏家が個性を主張して行く或いはスターンが全員を巻き込むというよりアンサンブルとして音楽を作り上げて行くといったスタイル・・・従ってよく歌いシンフォニックになっており、演奏タイムは@13’38A8’03B10’13C8’04と各楽章比較では最終楽章がやや速い印象(他の同曲演奏と比べると決してそんなに速くはないのですが・・・)を受けました。この曲は一頃シェーンベルクによる打楽器の目立つちょっと大げさなオーケストラ版CD(ラトル/BPO、若杉/KRSOなど)も出て若きブラームスの迸る情熱が聴き処となっておりますが本盤演奏は第1楽章からそんなにゴツくないスタートで完璧に縫う様に繊細なピアノが素晴らしいですね。少し全体ソフトになり過ぎの観がありもっと四人踏み込んで欲しい時もありましたが〆への準備段階での不安げな様子からラストピークを経ての余韻作りにはこのアプローチが適しているのでしょう、、第2楽章、第3楽章も当たりがソフトで焦点定まらない雰囲気もあるのですがマァこんなところで穏やかな〆が良いです。最終楽章は私などは仏映画「仕立て屋の恋」に導入されていた中間部を思い出すのですがスタートの活発なジプシー舞曲風の「きつさ」がこの全体ソフトな演奏の延長線上でのマイルドさに中和され中々良い仕上げになっています。そしてクロージングへの攻めテンポアップが見事! なお、同年録音の第2番そして1989年録音の第3番は未聴ですがこれらピアノ四重奏曲演奏は1992年グラミー賞を受賞しております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/02/10
シャハムのHMVカタログを一覧しますと実に多彩にわたる曲目を次々収録しておりちょっと見境ない感じもしないではありません。さて、名曲ブラームス・ヴァイオリン協奏曲の本盤はシャハム29歳の2000年、アバド(当時67歳)/BPOのバックを得て収録した演奏であります(なお、同じ組み合わせメンバーでこの協奏曲を2002年ライブ収録したDVDもある様です)。本盤の演奏タイムは@20’57A8’34B7’29とやや全体としてデフォルメ基調にショートに仕上げた観がありますが、第1楽章のスタートオーケストラ前奏はアバドの自然体というか彼のいつものバランス感覚で進むうちにいよいよシャハムのVが入って繊細・流麗な演奏を展開します。そうこうしてバランス良いバックとさえ少しお構いなしの処もあって(・・・本当はこの辺がポイント・・・)知らない間にカデンツァに突入。正直もっとマッシブな部分も欲しいと思いました。緩徐章の中間楽章はシャハムの繊細・流麗なアプローチが活きて美しいです。最終楽章はこの楽章自体が少し忙しさがありその辺りが強調されてしまった結果となった様です・・・ただ前二楽章で影が薄かったバック・オーケストラの頑張りにも聞こえました。本盤のもう一曲2001年ジャン・ワン(C、録音当時33歳)を加えての収録V,C二重協奏曲(タイム@17’09A8’02B8’51)は未聴でありますが多分対照的なVとCが聴き処でありましょう・・・期待したいですね。当面OKランクとしておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/02/09
1980年代前半から収録活動をし始めたマイスキー、アルゲリッチ コンビによる様々な録音盤は概ねその闊達な演奏から評価が高く本盤ベートーヴェン、チェロ・ソナタ集も二人の打々発止の白熱ぶりが作品そのものを越えて「受け狙い」的なものへの反発が過ぎるものの分かり易い演奏芸術としては最高ランクに近く思いました。1992年録音というからマイスキー44歳、アルゲリッチ51歳と年齢的にも過不足なく自在に弾き切っています。タイム的には第3番@12’43A5’00B8’20、第4番@7’49A7’26、第5番@6’31A8’32B3’50と各曲なっており又余録の「マカベウスのユダ主題による変奏曲」は12変奏トータルタイムが11’24であります。第3番でメモしますと第1楽章スタートはC,P共ソフトなのですが中々「したたかさ」がすぐに見え隠れし何かやりそうです。つまり起伏ある表情がいよいよスリリングに展開され特にPの「きつさ」とCの「優しさ」との対照的な妙が各々各自の世界で闘争している感じなのですね。緩徐部での美しさも特筆ものです。この楽章通常の反復をこなして〆への過程は意味深的な味わいがあり〆効果を盛り上げ中々演出巧者二人ならではです。やや速いテンポで中間楽章を経て最終楽章もテンポの緩急を活かしてやや粗くはありますが曲を閉じます。長く聴かれる演奏となりましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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2 people agree with this review 2012/02/08
本盤は飛行機嫌いのムラヴィンスキーが陸路・航路の長旅で初来日した1973年ムラヴィンスキー70歳の時のライブ演奏の十八番・・・ショスタコーヴィチ交響曲第5番(演奏タイム@14’50A5’04B13’04C10’50)で他の彼による同曲録音同様のアプローチ・・・何しろ彼は1937年での初演指揮者でありショスタコーヴィチと共に社会主義体制下で生き抜いたムラヴィンスキーの絶壁に立たされたような緊張感を程度の差こそあれ感じさせ、初演者のしかも初来日演奏という聴く方の満足感も手伝って「難」のつけようが無いくらいです。臨場感溢れ冒頭出だしからの緊迫感を彼独特の客観冷徹に維持しつつ叩きつけるような響きに真底を垣間見る思いがします。第1楽章から重心を低く構えて展開されて行きシンバル一撃からスピード・アップしますがその迫力はムラヴィンスキーの造型力の確かさと相まって見事であります。些細なオーケストラに乱れ?もリアルさに貢献。第2楽章のVソロも決して感傷的ではありません。続く第3楽章・・・この素晴らしい楽章も感傷に走らず淡々と透徹した運びが返って緊張感を増幅します。さて、いよいよ最終楽章・・・私たちの世代では昔のTVドラマ「部長刑事」の冒頭テーマ音楽で馴染んだ曲です・・・はスタートは荒れ狂う如く速く後段クライマックスフィナーレでは遅いスタイル版(メトロノーム記号の違い解釈によるそうで例えばバーンスタインは始めも終わりも速いテンポ運びです)での演奏は特に底力を発揮した管楽器がリアルに聴け勝利感を徹底します・・・とにかく曖昧さ・虚飾を一切排した凄い演奏の一言!。他の方が書き込まれていますように「最高」ランクに躊躇いたしません。それにしても30才を少し超えた年齢でよくもこのような曲を書けたショスタコービッチにも脱帽です。この演奏盤の直前レニングラードでのライブ盤が同じALTUSから出ている様ですが未聴であります。これらの盤以外にも同指揮者による本曲演奏(オーケストラは勿論LGPSO)が多く初演の翌1938年にはスタジオ録音もしているらしいですが大半はライブ収録で私の資料での演奏タイム(盤によっては最終楽章後の拍手が入っているかもしれません)をメモしましょう。1954年モノラル(珍しいスタジオ録音)→@15’12A5’22B13’44C10’47、1982年→@14’19A5’00B12’12C10’12、1984年→@15’00A5’10B13’09C10’59等々であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/02/07
現在廃盤なのですが注目しておくべき演奏盤なので私の感じたことをメモする次第です。本盤演奏を含めEMIからリリースされた一群の演奏盤はチェリビダッケの遺族が数々の海賊盤に対抗して一応正規の盤をEMIプロデュースに任せたものですね。そして各盤共通した添付ノートには「自分たちが生きているこの世界のことを、そしてこの世界が今、何を必要としているのか考えていただきたい。CDの箱を開けて、盤をプレーヤーに乗せるまでのほんの一瞬でも・・・」云々の彼らの気持が載っている事にその真意を知りました。チェリビダッケは何故か「禅」に凝っていて自分の音楽創りにも影響があるようなことがこのCD説明書に載っていたように記憶しており演奏会場で創造された素晴らしい音の息吹きを感じ取ることのできる貴重な録音記録とも思えました。さて、本盤チェリビダッケ指揮MPOによる1988年(チェリビダッケ76歳の時の)シューマン交響曲第3番と1986年同第4番のライブ録音で聴く前から覚悟していた通り?の出来具いた通り?の出来具合・・・ただ、チェリビダッケ自身は「テンポについて部分的に取り出して論じてはいけない」と述べている点を押えつつ聴きました。先ず第3番「ライン」の実タイムは@10’55A7’27B7’26C8’15D6’32とスロー演奏の極みとも言うべき遅さ(特に第3楽章、第4楽章)で「ライン」と付いていながら標題音楽ではないのに何故かスケールの雄大さに引き入れられます。ただ五楽章になっておりシューマンの古典から決別しロマンへの移行を目指した音楽だからかもしれません。第1楽章ゆったり、円やかにスタートします。特に管楽器のサポートがしっかりして曲進行する内に各セクションの音色動きが明確になりシューマンのオーケストレーションの「まずさ」?を補う様であり音のブレンド具合の丁寧さが色彩的な感覚を提示します。私の聴き間違いかも知れませんがチェリビダッケの声が聞えライブらしい雰囲気・・・。まさに河が流れる様な第2楽章でも全ての楽器の音がはっきりしておりMPOメンバーの演奏の喜びが伝わってくる様です、〆はゆったりと終わります。シューマン持前の内向的な第3楽章もおだやかな管楽器セクションが聴きもので続く第4楽章でのコラール風のスタートでも同じであります。次第に荘厳さが増し河の岸辺に佇立する古城か聖堂を思わせフーガ的な美しさが凄みすら感じさせますね。最終楽章も下手にすれば音が雑音的に濁るところを丁寧にクリアーして晴れやか・軽やかにこの曲を締めます。次に第4番はタイムが@10’52A5’02B6’27C8’36でタイム的には反復がない為そう長くは無く全体やっぱりチェリビダッケ節というかロマン的雰囲気が強い演奏ですが通常第1楽章から第4楽章まで続けて演奏されるのに本盤演奏では第1楽章と第2楽章間にスペースが入っているのが特徴かもしれません。従って第2楽章のスタートはちょっと様子が変わっており又続くなめ回す如くに聴けますがMPOもしっかり付いて行ってます・・・この辺りがこの演奏での勝負処だったのでは・・・。最終楽章の序奏の精妙な美しさと展開部での精神的高揚感に達した後の〆も実に印象的ですね。シューマンの屈託性に合った両曲演奏では最高ランクと思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
4 people agree with this review 2012/02/06
ベートーヴェンのピアノ協奏曲の内、比較的攻めて行く第3番、第5番が果たして女性ピアニストにイメージとして適しているのかは正直な処確信を持ってはおりません。本盤は2004年仲道郁代さん(録音当時41歳、以下敬称略、仲道と言うと若い頃のアイドル的容姿をすぐ思い浮かべます)が同世代で今や飛ぶ取り落とす勢いの指揮者P.ヤルヴィ(同42歳)とオーケストラDKPBのサポートによりそうした二つの曲を録音したものでDVDも出ている様です。周知の通り仲道はほぼ同時期ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集に取り組んでおり最終巻の「第 30番・第31番・第32番」が2007年度レコード・アカデミー賞を受賞するなど、日本を代表するベートーヴェン解釈者としての名もあげつつあり、片やヤルヴィもこのオーケストラで先鋭的で斬新なベートーヴェン交響曲全集を収録する等同じ様な活動時期でのものです。。そういう状況を前提に聴き始めますと本演奏は女性である事の利点というか豪快なアプローチでなくきめ細かな感じにバック・オーケストラも独走せず両曲共タイム的には無理もない点で好感を持ちました。第5番「皇帝」(タイム@19’39A7’52B10’27)第1楽章スタートはやや語る様な序奏から入るオーケストラ全奏はメリハリが利きアクセントをあちこち付けて行き前述のベートーヴェン交響曲指揮風がフトかすめましたがそれ程極端ではありません。さて、いよいよピアノの登場、弾き過ぎず、このバック・オーケストラと調和して一緒に音楽を作って行きます。多分軽めの響きのオーケストラと彼女の落ち着いた展開がマッチしたのでしょう。全体として呼応してよく鳴る仕上げになりました。コラール風な第2楽章では過度に情緒的にならず弦の響きが少しオリジナル楽器的で繊細なピアノとこれも合って美しい管楽器が花を添えます。最終楽章は力強くピアノが入りアクセントを付けながらのオーケストラと生き生きした表情で展開して行きます。この楽章、曲自体少し冗漫さがあるのですが〆でのアクセントでヤルヴィらしい処を見せました。第3番(タイム@16’34A9’05B9’04)第1楽章もおとなしめに入り次第に爽快感を出してピアノが入る前の緩急のつけ方が面白いですね。ピアノカデンツァはゆっくり目でニュアンスの豊かさが彼女の弾くピアノ・ソナタの様であります。中間楽章は「皇帝」中間楽章同様過度な感傷には走りません。最終楽章はピアノの技術の素晴らしさとバックの面白い動き・・・ちょっとしたフレーズの強調とかこの辺りはヤルヴィの語弊を恐れず言いますと「ハッタリ」的な指揮が聴き処で結構楽しめました。決して男勝りはせず女性特有の神経の行き届いた音質も含め素晴らしい演奏盤ですね。このコンビの残る第4番他(2006年録音)もより彼女に向いている様で是非聴きたいものであります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2012/02/05
ボールトのこの盤は確か5回目の録音・・・例によって判っている各タイムをメモ致します→1945年BBCSO@火6’58A金7’52B水3’40C木7’50D土8’09E天王5’41F海王6’23、1953年LPBOタイム未確認、 1959年WSOO@火7’14A金8’36B水4’01C木8’26D土8’21E天王6’26F海王6’15、1966年NPHO@火7’11A金8’45B水4’00C木7’57D土9’05E天王6’20F海王7’02、本盤1978年LPO@火7’57A金7’22B水3’43C木7’54D土8’17E天王6’22F海王6’21・・・だと記憶してますが私の聴いていたのは1978年演奏録音分のLPからの買替です。他の同指揮者異演盤を聴き分ける力は私にはありませんがあのカラヤン/VPOのDECCA盤が世にこの曲を知らしめた功績を担っており、初演(1918〜1919年)者ボールトはホルストと深い親交があり、生前、ホルストの指揮する自作を実際に聴いたそうですが、収録回数を重ねることによって曲の「真価」を定位置に据えたという功があろうかと思います。日本のシンガーソングライター平原綾香の「ジュピター」(2003年)でも木星の親しみやすいメロディが紹介されヒットしました。さて、本盤は1978年LPOを振ってのボールト何と89歳の時の収録で全体にテンポはゆったり目、(先入観かもしれませんが)英国紳士の揺るがせにされない品格、初演者の誇りをふっとした調子に無意識に汲み取ってしまいます。LPOはVPOのようには達者ではないけれどよく指揮者の「意」について行っているし最後の海王星での消え入って行くジョフリー・ミッチェルCOによる合唱も今回の仕様改善でより効果が期待されますね。「初演者」の強みの演奏に尽きるでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/02/04
延原武春氏(以下敬称略)はまだ彼が学生時代の1963年関西地区はもとより日本でのバロック演奏団体がまだまだ珍しかった頃テレマン・アンサンブルを編成し近辺の施設でコンサート活動を開始しました。その後合唱団も組織化され、私も多分その辺りから近くの夙川教会、大阪倶楽部その他ホール、喫茶店サロンなどで彼らのグループの演奏に触れ出しました。特にバッハのカンタータや受難曲には演奏レベルはさておき大いに私の心身に刺激的であった様でコンサートでの延原の受持ち楽器オーボエを前鳴らししながらの(決して上から目線ではない)軽妙な解説とお話しは難しいバッハ音楽を身近に聴き手に感じさせ以降の私のクラシック嗜好の方向付けも「やってもらった」わけです。彼らのLPは当時そんなに販売されおらず文字通りこの団体に相応しくテレマンの受難曲くらいから出た記憶を持っております。その彼らがご他聞にもれずノン・ビブラート奏法を試したりレパートリーの拡大をやって行くわけで1983年から100人の第九コンサートを毎年公演している事は周知の通りであります。当初この小編成による第九は物珍しさも手伝って興味を引き付けましたが私に関する限りはオールド・ファンの為か他の同傾向の演奏同様もう一つ波に乗る事には積極的ではなく本盤演奏(2008年・・・延原64歳頃の録音、タイム@13’22A13’22B11’29C22’59)も最高ランクとまでは行きませんでした。本番演奏はピリオド楽器を使っての延原指揮のベートーヴェン交響曲全集収録の最後を飾るものでブライトコプフ版というのに拠って第1楽章から薄い古楽器弦によるノン・ビブラート奏法での開始に妙に第九独特のこれまでの雰囲気から外れた印象を持ち更にチャレンジングであるその速い運びは「落ち着き」を失って全体ついて行くのに奏者、聴き手共懸命にならざるを得ません。ティンパニーが活躍する第2楽章はペースとしては普通ですがインパクトがアッサリ気味です。又通常より速いペースに戻った第3楽章を経ていよいよ最終楽章・・・声楽陣はテレマン協会所属の何れも関西地盤で活動している顔馴染のメンバーで中村朋子(S)、渡邊由美子(A)、畑儀文(T)、篠部伸宏(B)で速く進めるからか合唱も含めて大袈裟になっていないのは良かったと思います。なお、延原には本盤と同じ声楽陣、合唱団、オーケストラでモダン楽器、ベーレンライター版による演奏盤(2005年ライブ録音、トータルタイム60’00?)も残っており好事家には聴き比べが楽しいでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2012/02/03
クレンペラーはこの世代のフル・オーケストラ指揮者にしては比較的多くバッハの作品をとりあげておりその点では少し後進のカラヤンに似ております。本盤ブランデンブルグ協奏曲全曲集は1960年PHOを指揮したクレンペラー75歳頃の録音で全曲集としては1946年プロ・ムジカOを振った演奏盤以来のものであります。昨今の古楽器等による小編成のオーケストラによる演奏からするとやはりクレンペラーらしさというか重厚な感じはしますが予想した程ではなく若干テンポが遅いのは彼だから当然の事として軽めのリズム感など結構スッキリした演奏で録音が割りと良いので各ソロ楽器の表情が当意即妙的な面は薄いものの小編成オーケストラの様に(多分メンバー数は絞ってはいるでしょう)しっかり聴きとれます。各曲の演奏タイムは第1番(@4’33A4’36B5’23C8’55)、第2番(@5’49A4’58B3’07)、第3番(@6’51A0’14B5’57)、第4番(@8’09A3’27B4’50)、第5番(@11’22A5’50B5’34)、第6番(@7’03A5’11B6’04)と夫々なっており前述の1946年盤の各トータルタイム(第1番20’46、第2番11’38、第3番9’48、第4番15’53、第5番20’33、第6番17’02)と比べてやはり本盤演奏は長めにはなって年を重ねただけに揺らぎなさも増幅している様ですね。本盤演奏中、私の好みとしては偶数番曲が管楽器を中心として素晴らしいと思いました。第5番のチェンバロのソリストをはじめその主な奏者名のメモが欲しい気がしました。本盤演奏では仕様向上盤も出ておりそちらでは音質が期待されますね。なお、クレンペラーにはライブで第1番1962年PPO、1968年VPO、第5番1950年ブタペスト放送Oとの録音盤がありHMVカタログには載っております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2012/02/02
私がバッハのカンタータをリヒター、トーマス等であれこれ聴いていた若い頃に、やはりカンタータ作品に詳しい同好者先輩のレコード・ライブラリーにはF.ヴェルナー指揮によるLP盤がかなりあり当時ですらちょっと地味なシリーズ盤であったから何か新世界を発見した思いになったものです。勿論、その先輩のお宅に通って有名曲を聴かせていただいたわけですが、例えばリヒターの峻烈な演奏とは異なり、ヴェルナーのバッハは温かで穏当な解釈を特徴とし「優しさと慈愛に満ちた」演奏の印象を持ったものでした。その後私は演奏者名に日本人名があるのに気づきその飯山恵巳子(S)の参加しているBWV51&BWV92収録のLPを求めて聴き込みました。特に前者は結婚カンタータとしても有名なカンタータで他の演奏盤との聴き比べも楽しんだものです。本盤はヴェルナーが1959〜1974年頃に演奏録音した膨大な量のバッハのカンタータ及び受難曲、オラトリオ集を三つのアルバムにまとめて出された一つで勿論殆ど聴いてはおらず前述の先輩宅での聴きかじりや手元LP等の聴き比べからの類推感想で大雑把なものであります。さて、本盤BWV51については1961年ヴェルナー63歳、飯山27歳頃で又トランペットのM.アンドレ28歳の時の演奏で(オーケストラはハイルブロンCO)演奏タイムは5曲トータル18’45となっております。演奏自体はほヾ同時期のリヒター、ミュンヒンガー等幾分派手なマーケティングの後塵を拝す形で地味な感じがしますが真摯な演奏への取組みは、そう特別な演奏会ではなくごく普通の演奏会を思わせるものがあります。録音(一応ステレオ)のせいか正直やヽふくらみ・豊かさに欠けるきらいがありますが素晴らしいです。このBWV51演奏はヴェルナーにとっては二度目で一回目は1957年I.ライヒェルト(S)、W.クライスレ(トランペット)、オーケストラはバーデン・バーデン南西RSO、タイムトータル21’17のモノラル録音(本盤シリーズには含まれておりません)があった事をメモしておきましょう。この様に本盤収録曲の中でも新旧録音分が幾つかある様で大抵旧演奏はモノラルであります。周知の如く他の多くの曲での合唱はヴェルナー自ら創設したハインリッヒ・シュッツ合唱団が受け持ちオーケストラは先のハイルブロンCOの他にプフォルツハイムCOが担当している場合もありますが何れも基本的には暖かく包み込む様なフィーリングが聴き処だと推量されます。マァ余程のマニアでもなければ手を出しにくいシリーズではありますがバッハ声楽作品演奏史上忘れてはならない資料でもあります。なお、私はヴェルナー指揮のバッハ声楽作品で「ヨハネ受難曲」も大変気に入ってLPで未だに聴いております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/02/01
レーデルが手兵のMPACOを振って1962年(レーデル44歳)から1970年頃の間に録音されたバッハのオルガン曲やカンタータ・アリア曲等の編曲集で彼には本盤演奏以外にもこの類いの演奏盤があり全体としては彼のフルート奏者としての演奏同様地味な感じで、まぁ、バッハBGMには向いている盤と言えますが、バッハを腰を入れて聴くとなると各曲が殆どレーデル等の編曲によるものでやはり原曲の「良さ」が減耗してしまっているものも正直ないとは言えません。演奏には決して「はしゃがない」というか甘さが無い点で時として大変冗長に思われる曲もあり、だったら聞き流す冒頭のコメントにかえって来る訳です。先に述べた別盤(ただし曲目はかなり異なる)レーデルのバッハ管弦楽曲集も印象としては同じでした。確かにバッハトランスクリプションはストコフスキー等でも100%サクセスの盤は少ないようで仕方ないのでしょう。演奏タイムを順不動ですがメモしておきましょう。BWV33・・・6’50、BWV115・・・4’02、BWV582・・・13’16、BWV565・・・9’14、BWV36・・・3’01、BWV727・・・2’00、BWV80・・・4’19、BWV904・・・8’26、BWV1068・・・5’23、BWV147・・・4’05(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2012/02/01
HMVレビューにあります様にジュリーニがロサンゼルス・フィル音楽監督時代1978年(ジュリーニ64歳頃)から1981年にかけてDGにセッション録音した6枚組物で全体じっくりとしてやや明るめな演奏・・・(と価格の点でも)ジュリーニ・ファンには魅力的ですね。私が聴いた曲でかつてレビューしたものを転載させていただきましょう。CD4ブラームス交響曲第2番→1980年に録音したブラームス交響曲第2番は彼の体質に比較的合った曲?だけに名演となっております。先ず演奏タイムから紹介しますと@22’31A10’41B5’42C9’45となっております。第1楽章ゆっくりと、まろやかに出ます。憂愁をたたえたメロディから充分踏まえた上で次のステップへ。途中橋渡しの処ではいろんな音が錯綜して面白いです。LAPOの美しい弦も特徴で時にはゆったり持って回った様な表現はジュリーニ節そのもの・・・。最後はやはり穏やかに終わります。この楽章は反復を入れてますので前述の様にタイム的には長くなつています。第2楽章田園風景か憂愁な田畑風景を見渡す雰囲気でそのなだらかさがなんとも言えぬジュリーニの世界!続く舞曲じみた楽章は美しい小品であります。最終楽章はメリハリつける処はきっちりつけてしかし慌てず大きな息使いで進みます。時にはダレる寸前なのですが中々どうして落ちません。そして最終コーナーは次第に気分高揚させて割りとスピードアップでクライマックスへ・・・。彼のブラームス交響曲第2番の他の録音演奏には1962年PHOを振った物(タイム@16’10A10’17B5’36C9’47)及び1991年VPOを振った物(同@18’00A12’20B6’02C11’05)があります。次にCD5チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」→ジュリーニは悲愴交響曲を本盤演奏遡ること21年前の1959年(ジュリーニ45歳の頃)にPHOを振って録音しております、その時のタイムを参考までにメモしておきますと@20’27A7’16B8’45C10’41となっており第1楽章の連綿さと第2楽章の簡素さがタイム上は特徴で結構個性的だったのかもしれません。ところが1980年録った本演奏は@18’41A8’08B9’25C10’11とやや中庸・無難に納めた様です。第1楽章前半の詠嘆は執拗ではなく偶に弦を引っ張る処にレガートを咬ましています。後半詰めでは比較的長めに奏しティンパニーも適度に効かせます。しかし何処かドラマチックな掘り下げがサラッとし過ぎLAPOが米国オーケストラである事の証しかもしれません。第2楽章は先の続きでメリハリがこの楽章に結構付きまとい勝ちな甘臭さを微塵も感じさせません。録音の明晰さが粗も見え隠れさせ面白いですね。第3楽章瞬間野趣的な音を出してしまいますが全奏マーチに入る前の管楽器、ティンパニーが轟く一方少し弦が弱いのは迫力的に・・・?。第4楽章も一応抉りもありますが悲愴そのものとは少し異なりドライさ、スッキリさがありジュリーニの過度な歌いもセーブされております。結局全体タイム同様中庸で一ひねりが欲しかったですね。他の曲についてはデータだけメモさせていただきますね。CD1→1978年ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」@20’33A17’23B6’33C13’03、1981年シューマン「マンフレッド」13’38、CD2→1980年ベートーヴェン交響曲第5番「運命」@7’25A11’24B5’33C12’11、1979年ベートーヴェン交響曲第6番「田園」@10’36A13’26B5’33C3’59D10’44 、CD3→1981年ブラームス交響曲第1番@19’01A10’33B5’09C18’36、CD5→1981年シューマン交響曲第3番「ライン」@10’42A6’27B5’30C5’29D5750 、CD6→ 1979年ドビュッシー「海」@9’26A7’19B8’47、ラヴェル「マ・メール・ロワ」18’13、「スペイン狂詩曲」16’10 。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2012/01/31
2008年にレビューを入れさせてもらった者ですが昨年夏スークが長い闘病後亡くなって少し感慨を持ちましたのでデータ的なものを追加して彼の功績の一環を記録しておきますのでよろしくお願いします。本盤は1976年、スーク・トリオによって演奏されたチャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出」という事で当時スーク(VN)47歳、パネンカ(P)54歳、フッフロ(VC)45歳と正に油の乗った時期の録音でタイムは@18’05A27’30と前回1964年同じメンバーでの収録盤@17’35A26’25よりほんの少し長くなった程度で演奏コンセプトは前のレビューでも述べた様に同じと思われ昨今の所謂スタープレイヤー共演の様な派手はでしいパーフォーマンスとは無縁のボヘミア楽派の落ち着きが曲の作曲家の友人ピアニスト ニコライ・ルービンシュタインの死を悼む気持ちに共感を増してくれます。なお、本盤は更に高品質化され音質の向上が大いに期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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