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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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0 people agree with this review 2011/01/18
ドヴォルザークのチェロ協奏曲、戦前の代表的演奏としていろいろ同音源異盤が過去から出ており現在HMVカタログに載っている物について本コメントを書き込みいたします。演奏(1937年録音)はセル/CPOのやや性急・直截とは感じる処はあるもののしっかりきびきびしたサポートにより技術的にも精神的にも充実したカザルス当時61歳の健康的な骨太の演奏が聴けます。演奏タイムは@13’30A10’30B10’35とどちらかと言えばコンパクト。楷書的なアプローチでもあり後年1960年シュナイダー指揮プエルトリコ・カザルス祝祭O収録盤(@14’35A11’10B12’05)とは勿論様子が異なる様です(私は1960年盤は聴いておりません)。多分技術は追いつかないカザルス自身の加齢から来る熱っぽさ、バックの違い、スタジオ・ライブの違い?そして録音の違いが影響しているのでしょう。しかし本盤第2楽章など曲想もさることながらセルも単に直截的に終わらない伴奏で結構感銘度が高得点だとは思います(セル伴奏と言えば1962年BPOを振ったフルニエ盤・・・@14’51A11’30B12’28も有名ですね)。私の盤は駅物廉価盤なのにCPOの美音質はしっかりとらえられていますので本盤を含めHMVカタログ各同演奏盤は鑑賞には差し支えないと思いますが夫々HMVその他のレビューを参考に選択を楽しまれたら良いでしょう。ここではこの曲の存在感ある代表演奏であるというポイントだけ押えておきますね。同年録音のやはりセル/CPOの「新世界」(タイム@8’29A11’25B7’46C10’28)交響曲は未聴ですので本盤当面OKランクとさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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1 people agree with this review 2011/01/17
先ず、1934年あの厳格を後年極めたセルがまだ推定37歳頃、ポーランドの名匠フーベルマンの弾くベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲のバックとしてVPOを振っての録音盤です。勿論音も悪くSP盤乃至LP盤経由の転写なのでしょう、初めはそのテンポというか緩急のアップタ゜ウンに少し戸惑いました。これは決してヴァイオリンに合わせるタイミングではないのに(セルにはそんな事はないとは思いますが)長めの前奏から何か急ぎ足で前倒し気味に運んで端折り気味さえ思えます・・・セルの方はやがてのこの独奏者と合わせる?のが本演奏当面の課題だったのでしょうか、その第1楽章、ヴァイオリンの入りはそんなに鮮やかには私には聴けませんでした。しかし段々とその方向感は照準が合って結構弾力がありかつ緊張感溢れるものとなってきました・・・私は特にその辺を第2楽章に聴いた思いです。なお、第1楽章の長いカデンツァはヨアヒムのもの(若干散漫に私は感じましたが)であります。演奏タイムは@21’10A9’09B8’28でありあのハイフェッツ/トスカニーニ盤をしのばせるスピード演奏であります。私の持っている本演奏のCDは本盤そのものではなく偶々手に入れた何故かセルの少年時代の写真(大人になってからと同じように度の強い眼鏡をかけた如何にも神童っぽい感じ!)が表カバーに印刷された安物ですが本演奏の面白さには引き込まれたものです。なお、演奏自体はフーベルン節が比較的セーブされてはいると思います。本盤はその安物よりもっと上質なお馴染の製作者CDなのでもっとその面白さ・・・特に艶やかなヴァイオリンの音を伝えてくれると思います。もう一曲、チャイコフスキーの方はスタインバークがバックを務めた演奏で1928年録音(フーベルマン46歳、タイム@16’06A6’07B5’58・・・一部割愛されて短め)と発売当時は世界最初のこの曲の録音演奏だったそうです。ベートーヴェンでセーブされた要素はチャイコフスキーとなれば甘く時代がかったアゴーギグ、ポルタメントの多用となり昨今の標準化?された演奏から想像もつかない様です・・・簡単に申せば今の感覚からは多分にこの曲をディフォルメした大袈裟な演奏でベートーヴェン協奏曲より向いているのでは・・・。まだ録音演奏での演奏スタイルのメッシュが粗くてもまかり通る時代だった事でもありLP普及と共にそのメッシュが細かくなって行ったのでしょう。現IPOの前身オーケストラを創設したユダヤ系演奏家フーベルマンの演奏はこういった具合で同系エルマンへと継投される合い通じる演奏かなとも思います。今、16年前の大地震の時刻です。このようにレビューを書き込んでいる現在から想像出来ない自分自身も含めた惨憺たる被害を思い出しています・・・時代の流れですね・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/01/16
2009年OP音楽監督に就任したP.ヤルヴィが同オーケストラを振っての彼にしては珍しいビゼーの作品演奏ライブ録音です。この時ヤルヴィは47歳頃それまでの様々な経歴を経ていよいよレパートリーの益々の拡大も図っての選曲でもありましょう。勿論例えば交響曲の方は1936年ミュンシュが初演の際演奏したオーケストラがこの楽団だったらしく正直オーケストラ主導の色合いも濃いものとは思いますが・・・。交響曲の演奏タイムは@9’44A9’26B5’34C8’49と基本的に反復演奏されている割にはマァマァの時間でまとめており、作品自体ビゼーの若い時のものでもあって活気ある溌剌した演奏になっており独特の乾いた感じがある意味面白いですね。早めの第1楽章では弾力性と共に最初の動機などその弾む力強さが筋肉質なしなやかさを表します。第2楽章、短調ベースで前奏に続き弦ピチカートに乗ってオーボエが美しい旋律を奏で中間部ではテンポの上下が変化をつけます。第3楽章は昔よくTVニュースのBGMに使われた曲(私の聴いた記憶の年代から推察すると日本のオーケストラ演奏ではなく1950年代に録られたストコフスキーかビーチャム指揮のレコードが出典なのでは・・・?、昔はこの様に自然?とクラシック音楽が耳に流れていたのです・・・今のTV番組では「皇室アルバム」でクラシックBGMが流されている様に)なのですがこの演奏での弦の遣り取りがピット演奏にも聴こえたりして中々色彩が豊か。最終楽章は軽妙ながら若干動機的には変化が少なくそれを適度な山場をつけ「行け行け」ムードで活き活き健康的に結着をつけてくれます。どうしても作品自体の性格から突っ込んだ演奏盤が少ないだけに本盤演奏は楽しめました。もう一つ管弦曲「ローマ」は私は初めて聴くのですが交響曲第2番とも呼ばれる場合もありビゼーがイタリア留学した時ローマ、ヴェネチア、フィレンツェ、ナポリの四都市を四楽章に見立てて草案作りがなされたらしいです。比較的長年にわたって作曲・改訂された曲なのですが今一ピシッとした完成度が乏しいですね。さて、本盤演奏タイムは@11’51A5’10B7’00C7’09で結構一人前の作品。前述の様にやや全体散漫な感じの作品ではありますが第1楽章穏やかなホルン重奏から開始され歌謡風な雰囲気からやがて加わった弦が語る様に進んで行きます。テンポアップを噛ましながら後半フルートとハープが何かローマの風景印象の様で最後は初めのホルンテーマに還ります。中間メロディ弦を挟んで前後弦が踊る第2楽章、そしてゆったりした第3楽章はオペラ間奏曲の様で途中ヴァイオリン・ソロが管楽器バックに綺麗に入っています。最終楽章はピチカートに乗って色んな管が囀り後段は式典めいたテーマが主体を占め錯綜しながら〆はティンパニーも伴い堂々と・・・(謝肉祭という題で単独扱いされる時もあったとの事)。他の演奏を知りませんので相対的評価は出来ないのですがヤルヴィのオーケストラ・コントロールの巧みさがうかがえ管弦小曲「子供の遊び」(5曲トータル11’02)も佳演と思います。今後のこのコンビ演奏の発展方向が楽しみであります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/01/15
「未完成交響曲」くらいになるとフルトヴェングラー指揮のものは多くの種類の演奏盤があり私は本演奏1950年スタジオ録音のVPO演奏のもの(@11’31A12’07)と1952年BPOのもの(ライブ録音でタイムは@11’55A12’10)を聴いております。VPOでは他に1943年(1楽章のみ)、1950年、1954年演奏各ライブ録音があり一方BPOには1944年(1楽章のみ)、1948年、1953年、1954年の各ライブ録音があります。同じ曲でも指揮する毎にその演奏が異なるフルトヴェングラーならではと言った処でしょう。勿論同じ音源でも異盤数々・・・マニアの方にはたまらないでしょう。本盤VPO1950年録音演奏(フルトヴェングラー64歳)「未完成」については第1楽章出だしはやや早いテンポで急かせる感じ。管楽器が大きくクローズアップされた様で面白いですね。展開部へ次第に高揚して行く過程は音源の古さなどを忘れさせてくれ流石フルトヴェングラーならではの説得感充分で・・・最後の三度の厳しい踏み込みトゥィッティはゆっくり重心低く奈落を覗く様な貫禄を示します。第2楽章でも大きくピークする処はさすがフルトヴェングラーならではの震わせ方が素晴らしいです。最後のエンドは息長く余韻を放ちこの不安と安らぎの混濁した名曲を閉じて行きます。個人的には先述の1952年BPO演奏ライブ分の方が臨場感と勢いがあるようで好きですがこのVPOも名演かと思います。これらの様な「未完成」交響曲を聴かせる指揮者はもう出ないのでしょうか。ロザムンデの方は1950〜1951年VPOを指揮した寄せ集めもの(タイムは序曲10’29、間奏曲第3番4’47、バレエ第2番4’51)でVPOの良さが愉悦感を増した様でフルトヴェングラーも余り過度な恣意性を示しておらずそれが又的を得ているようです。。私自身はVPO演奏ではミュンヒンガー指揮のLPを愛聴していた時代がありました。フルトヴェングラー指揮のものにはBPOで1929年や1930年に録音されている古いものがある様ですがBPO演奏では序曲だけではあっても1953年(タイム10’48)演奏が身近とは思います。VPOで円やかに進めた「マンフレッド序曲」(1951年録音、タイム12’17)、「前奏曲」(1954年録音、タイム15’30)等も印象的です。本盤仕様も改善されて音質が更に期待されましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/01/14
昨年末SPレコード会でこの19世紀ロマン派の流れを汲む実に個性的なロシアユダヤ系ピアニスト・・・パハマンの弾くショパンを聴きました。噂ではその片鱗を聞いていたのですが何しろそのショパン存命中からピアノを弾いていたというのですから兎に角珍し物好きで「電蓄」の前で座って司会の方が巻き上げハンドルを20回位回してアーム針(針は一盤一盤交換するのです)を盤に置く所作の後 レコード針音雑音の中から聴こえて来る演奏は自由に思いつくまま人間感情を吐露して行く印象を持ちました。CDではSP、ピアノ・ロールなどからのいろいろな復刻盤があり私自身本盤そのものは未聴で必ずしも今ここで触れる曲目が本盤に入ってはいないのですが音源は同一でしょうから演奏傾向でコメントさせていただきご参考になれば幸いです。1912年録音(パハマン64歳の頃)とされているソナタ第2番第2楽章「葬送行進曲」(タイム5’14)は勿論機械吹き込みでもある事もそうですがその不気味さというかトレモロの凄みが不気味そのもの、しかしトリオでの安らぎ感も素晴らしく全体ギクシャク感が病的青白さも伴い先述の人間感情おもむくままと言った感じ。野村あらえびす と言う一昔前の評論家は著「名曲決定版」で「それは啜り無く美しさだ。柩を包む花束の揺れるのを、涙一杯溜めた眼で見つめながら尊い讃美歌を聴いている美しさだ。あんな深い悲しみ、あんな悲嘆に彩られた美しさというものがほかにあるだろうか。」と書いていることでも有名ですね。1926年収録の「子犬のワルツ」(3’06?)では冒頭何か演説らしいものをぶっています。下手な英語で「俺だったらこうやるんだぜ・・・」と言っているらしいのですが??パフォーマンスの一部だった演奏中のおしゃべりは聴衆にサロン形式で接するのが当たり前だった時代の演奏形態の名残?とすれば貴重な記録ですね。このワルツでは最後の〆、レガート風にアドリブ対応して自由度満杯。ノクターンOP32-1(1927年録音?・・・この時期には電気吹き込みになっていたらしいです・・・4’04)では中盤以降しょっちゅう何か呟いています・・・これもグールドどころではなく珍しいです。エチュード10-5「黒鍵」(1927年2’08)ではやはり冒頭何か(左手はこうするんだ・・・)喋って弾き直しもしています。途中例の喋りも入れその即興性が楽しめます。パハマンは気に入った箇所を何度も弾くという癖もあったらしいです。ノクターンOP27-2(4’25)やワルツOP70-1(1’45)では既にパハマンは70歳代の時の収録なのですが指の運びの自由度が儚さ・多感さに絶妙に帰結して時代物とは分かっていても癖になりそうであります。ノクターンOP72-1(4’04)も今の感覚では大層なのですがデリケートな思い入れが音質に拘わらず臨場感を増します。その他の曲も聴いたのですが省略させていただき、何れにしてもクラシックCD収集・・・それも演奏家切り口からすればどの盤でも良いので揃えておきたいピアニストの一人には間違いありませんね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)。
3 people agree with this review 2011/01/13
フルネが振るショーソン交響曲は未確認ですが古くは1953年録音のコンセールバドルO演奏のもの、本盤より新しい1998年録音のトルコのビルケントSO演奏のものもあるらしいですが代表的なものは本盤1988年RPONを振ったもの(フルネ75歳、タイム@12’51A8’47B13’46)と晩年2004年東京都SO演奏盤(タイム@14’03A8’56B15’21)がありショーソンと言えばフルネと言われる程には盤種が多くなく又オーケストラもどれも超一流?ではない処がスター性の低いフルネらしく思っています。さて、ショーソンも他のフランス作曲家同様交響曲に関しては寡作でこの作品も我々ドイツ系交響曲に馴染んでいる者には耳新しいセンスをもたらせています。私個人では第3楽章前半不安を煽る曲想はがよく昔TVニュースのバックに流れていたのを記憶しており比較的身近な存在ではありました。本盤でフルネは第1楽章をゆったり目に叙情的にしかし本当にさりげなく進めやがて全奏がマッシッブに噴出・・・明るい感じに転じ独特の境地をフルネは示しそしてコーダにも決して雑な処はなく説得性充分。心なし(私の聴く能力無さのせいかもしれません)オーケストラがそのさりげなさに力不足(実は力みかも?)・センス差の処はありましょうが・・・。続く第2楽章は静かに微妙な息遣いを示し強奏ではフランクを思わせるエネルギーが・・・。第3楽章先述の不安を煽る様な曲想を緊迫感でスタートし時折「新世界交響曲」を思わせる断片も散らつかせつつ色濃く堂々の詰めから消える様な〆に到る曲自体をフルネは基本的には緩みの無い薄口な感じで我々に提供してくれます・・・聴き易い演奏で特に管楽器が素晴らしく流れます。フォーレ「ペレアスとメリザンド」(本盤タイム6’00+2’43+3’46+4’04)も後年2004年フルネは東京都SO(タイム6’10+2’58+3’53+4’39)に再録しているのみではなくもっと以前に・・・例えばコンセール・ラムルーO(1952年)等がある様で本盤は年齢的にもフルネの円熟期故熟知しつくした演奏を清潔に流しその余韻の肌触りが楽しめます。最晩年フランス音楽大使の如く日本での仕事と関係が深かった為贔屓目に見てしまってはいるとは言え透明性の高い素敵な演奏盤ですね・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/01/12
カラヤンのR.シュトラウス作品の聞かせ上手は今更述べる必要はありません、私はDGへのBPOとの「英雄の生涯」、DECCAへのVPOとの「ツァラトゥストラ・・・」のどちらも1959年録音のLPでその演奏の素晴らしさを知った世代であります。「ツァラトゥストラ・・・」に関しては本盤演奏は後年2回(1973年、1983年のDGへの再録が代表的なもの)の内の1973年分でBPOとシュヴルベのヴァイオリンがカラヤンのやや全体レガート気味に進めるに加えてその合奏力というかその凄さ・精緻さが聴き物となっております。1973年録音演奏盤に接したのもやはり(DG)LPで例の序奏録音にウーンと唸ったのを覚えております。1959年収録のDECCA盤はオーケストラVPO、ボスコフスキー・ヴァイオリンの美しさとカラヤンの欲がぶつかり合う演奏タイム32’45でありこの1973年演奏盤は演奏時間も延びて34’54とカラヤン絶好調時のそれこそ「語り」になっております。印象的なLPジャケット表紙写真もアポロ12号からのもの?でCDもそれを継投しているのが多い様です。1959年演奏、1973年演奏・・・どちらも好きな演奏であります。なお、1983年BPO(ヴァイオリンはプランディス担当)との再録盤(タイムは更に長くなり35’57と他のHMVレビューにはあります)は聴いておりませんが聴き比べしたいですね。次に先述通り1959年カラヤンはR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」をBPOとDG(45’31)に録音しており依然としてこの曲を代表する盤となっています。メンゲルベルクに捧げられた前者をカラヤンは1974年にEMIにやはりBPO(ヴァイオリンもシュヴァルベと変わらず44’52)、1985年には又DGにBPO(同シュピーラー46’47)と録っておりタイム的に若干長くなりより精緻・豪華に傾いて行ったようです・・。私はこれも1960年代初めに購入した1959年録音盤LPで楽しんでおりカラヤンにこの種の音楽・・・特にR.シュトラウスを振らせればその演奏運び・音色の配色申し分なく比較的本曲に取り組んで未だ若い50歳過ぎの充実さに頼もしさも加わった感じに捉えていました。なお、本盤他の曲は未聴ですので素晴らしいランク止まりにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
0 people agree with this review 2011/01/11
1970年代後半のベートーヴェン交響曲をVPOを振っての1980年レコードアカデミー賞受賞ライブ録音全集の一環で今はどうもバラでは販売していない様です。全集となれば少し当たり外れが大きいので躊躇する場合が私の場合多いのですが・・・晩年のやや過度なしつこさはない演奏の様です。さて、第2番の方からですが1977年収録でタイムは@13’20A12’24B3’33C6’17です。なお、バーンスタインは若き46歳1964年NYPOとの録音盤(トータルタイムしか手元資料ではありません33’47)がかつてありました。本盤演奏は全体曲自体の性格から来る為そんなに特徴的なことはメモ出来ないのですが第1楽章比較的ゆったりとし展開部までに一度お決まりの見得切りをし最後は段落をつけます、タイム的にはこの楽章は平均より長め。もともとダラダラ調の第2楽章でも詰めでは思い入れをよろしくし第3楽章での強めのアタックスタートを映えさせます。最終楽章はマァオーソドックスではないかと思いました。第5番「運命」はバーンスタインの表現が乗る曲なのか録音歴から申しますと1961年(1964?)NYPO(やはりトータルタイム30’17)、1976年BRSOライブ(@8’05A10’25B5’17C11’18)そして本盤演奏1977年VPOライブ(@8’39A10’20B5’22C11’28)くらいが主なものです。本盤は第2番同様少しゆっくりしたもので第1楽章どっしりと落ち着いた運びで急かさない処がいいです。第2楽章ではVPOの弦が深い味わいを奏します。第3楽章での弦が妙にリアルで最終楽章は反復演奏がバーンスタインの割りに派手さよりどっしり感というか粘つくエネルギッシュさも垣間見せながら堅実さを示しそれを優先して聴いてしまいます。管楽器、ティンパニーを効果的にこの楽章をテンポ緩急自在に推し進めて行きます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/01/10
ジュリーニは悲愴交響曲を本盤演奏遡ること21年前の1959年(ジュリーニ45歳の頃)にPHOを振って録音しております、その時のタイムを参考までにメモしておきますと@20’27A7’16B8’45C10’41となっており第1楽章の連綿さと第2楽章の簡素さがタイム上は特徴で結構個性的だったのかもしれません。ところが1980年録った本演奏は@18’41A8’08B9’25C10’11とやや中庸・無難に納めた様です。第1楽章前半の詠嘆は執拗ではなく偶に弦を引っ張る処にレガートを咬ましています。後半詰めでは比較的長めに奏しティンパニーも適度に効かせます。しかし何処かドラマチックな掘り下げがサラッとし過ぎLAPOが米国オーケストラである事の証しかもしれません。第2楽章は先の続きでメリハリがこの楽章に結構付きまとい勝ちな甘臭さを微塵も感じさせません。録音の明晰さが粗も見え隠れさせ面白いですね。第3楽章瞬間野趣的な音を出してしまいますが全奏マーチに入る前の管楽器、ティンパニーが轟く一方少し弦が弱いのは迫力的に・・・?。第4楽章も一応抉りもありますが悲愴そのものとは少し異なりドライさ、スッキリさがありジュリーニの過度な歌いもセーブされております。結局全体タイム同様中庸で一ひねりが欲しかったですね。プロコフィエフの方は未聴で本盤は廃盤でもありOKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
ジュリーニは悲愴交響曲を本盤演奏遡ること21年前の1959年(ジュリーニ45歳の頃)にPHOを振って録音しております、その時のタイムを参考までにメモしておきますと@20’27A7’16B8’45C10’41となっており第1楽章の連綿さと第2楽章の簡素さがタイム上は特徴で結構個性的だったのかもしれません。ところが1980年録った本演奏は@18’41A8’08B9’25C10’11とやや中庸・無難に納めた様です。第1楽章前半の詠嘆は執拗ではなく偶に弦を引っ張る処にレガートを咬ましています。後半詰めでは比較的長めに奏しティンパニーも適度に効かせます。しかし何処かドラマチックな掘り下げがサラッとし過ぎLAPOが米国オーケストラである事の証しかもしれません。第2楽章は先の続きでメリハリがこの楽章に結構付きまとい勝ちな甘臭さを微塵も感じさせません。録音の明晰さが粗も見え隠れさせ面白いですね。第3楽章瞬間野趣的な音を出してしまいますが全奏マーチに入る前の管楽器、ティンパニーが轟く一方少し弦が弱いのは迫力的に・・・?。第4楽章も一応抉りもありますが悲愴そのものとは少し異なりドライさ、スッキリさがありジュリーニの過度な歌いもセーブされております。結局全体タイム同様中庸で一ひねりが欲しかったですね。本盤は限定品でもありOKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/01/09
「ツァラトゥストラはかく語りき」について・・・1968年公開のキューブリック監督映画「2001年宇宙の旅」オープニングとエンディングに印象的に使われたソースと思われる演奏です(ベーム演奏とも言われその辺りは未確認です)。私も映画の筋書きは今一分かりませんでしたが鮮やかなこの音楽にはショッキングでした。さて、1959年収録のDECCA盤の演奏はオーケストラVPO、ボスコフスキー・ヴァイオリンの美しさとカラヤンの欲がぶつかり合うカラヤン51歳の覇気溢れる演奏であり後年演奏分(1973年、1983年の2回BPOとDGにカラヤンは収録しています)はカラヤン節のそれこそ「語り」になってきておりその合奏力というかその凄さ・精緻さが増して行った様ですが1959年収録の本盤はオーケストラVPOの美しさがその演奏時間32’45に堪能出来ます。個人的には1973年の方のBPO盤(タイムは34’54と若干程長くなっています)にシュヴァルベの艶やかなヴァイオリンも含めてその重厚圧力感が何とも言えず魅力を感じています。しかしながら私自身本VPO演奏分LPから当時録音の素晴らしさに驚きこの曲に馴染んで行った記念的な事とカラヤン時代の先駆けを宣する勢いも貴重かと聴いております。仕様改善効果も期待されますが、他の曲は未聴ですので素晴らしいランクに止めておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/01/08
カラヤンのR.シュトラウス作品の聞かせ上手は今更述べる必要はありません。「ツァラトゥストラ・・・」に関してはVPOとの1959年DECCA録音LPでその演奏の素晴らしさを知ったのですが、本盤演奏は後年2回(1973年、1983年のDGへの再録が代表的なもの)の内の1973年分でBPOとシュヴルベのヴァイオリンがカラヤンのやや全体レガート気味に進めるに加えてその合奏力というかその凄さ・精緻さが聴き物となっております。1973年録音演奏盤に接したのもやはりし(DG)LPで例の序奏録音にウーンと唸ったのを覚えております。1959年収録のDECCA盤はオーケストラVPO、ボスコフスキー・ヴァイオリンの美しさとカラヤンの欲がぶつかり合う演奏タイム32’45でありこの1973年演奏盤は演奏時間も延びて34’54とカラヤン絶好調時のそれこそ「語り」になっております。1959年演奏、1973年演奏・・・どちらも好きな演奏であります。なお、1983年BPO(ヴァイオリンはプランディス担当)との再録盤(タイムは更に長くなり35’57とHMVレビューにはあります)は聴いておりませんが聴き比べしたいですね。R.シュトラウス作品に積極的な収録を行なっていたカラヤンには珍しい最初の「アルプス交響曲」は本盤1980年(カラヤン72歳の頃)BPOを振っての精緻に手練手管を弄した出来上がり・・・演奏タイム51’00・・・になっております。この曲と言えばご御他聞にもれず私もケンペ指揮のもので注目した者ですがカラヤンの丁寧な本演奏はオーケストラ能力を最大限に発揮させつつ進んで行きますが私には何か以前聴いたカラヤンの同作曲家作品演奏の運びを想起させその上手さを認めつつ新鮮さは感じられませんでした。この22曲からなる作品を自然風景描写というより同じニーチェ発端である「ツァラ・・・」(1973年BPO)の様なアプローチに感じさせる処にひょつとしたらその要因があるのでは?・・・。「夜」〜「日の出」スタートのBPOのややくすみ勝ちな重厚な響きは今一そのまま展開部では単純な迫力感に結びつかないのにはカラヤン演奏のある意図を読み取らなければとも思いました。カウベルの鳴らし方も「嵐」のウィンドマシーンも野趣性が無いかわり流石「頂上にて」は豪快剛直に山を愛したカラヤンらしく鳴りきっています。「日没」〜「夜」に到る過程ではエピソード場面をからませながらの弱音もポルタメント気味で絶妙です。確かに聞かせ上手ないつもの変わらぬカラヤン演奏なのですがもう少し若かった頃の収録ならば素直に受け入れ出来たかもしれないという天邪鬼さで本演奏を現段階で百パーセント乗り切る能力は私にはまだなのかもしれません。なお、カラヤンの「アルプス交響曲」にはこの収録後1981年ライブ盤やその他も出ましたのでこれらでその辺りひょっとしたら分かって来るのかもしれませんね。他の収録曲は未聴ですので素晴らしいランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/01/07
R.シュトラウス作品に積極的な収録を行なっていたカラヤンには珍しい最初の「アルプス交響曲」は1980年(カラヤン72歳の頃)BPOを振っての精緻に手練手管を弄した出来上がり・・・演奏タイム51’00・・・になっております。この曲と言えばご御他聞にもれず私もケンペ指揮のもので注目した者ですがカラヤンの丁寧な本演奏はオーケストラ能力を最大限に発揮させつつ進んで行きますが私には何か以前聴いたカラヤンの同作曲家作品演奏の運びを想起させその上手さを認めつつ新鮮さは感じられませんでした。この22曲からなる作品を自然風景描写というより同じニーチェ発端である「ツァラ・・・」(1973年BPO)の様なアプローチに感じさせる処にひょつとしたらその要因があるのでは?・・・。「夜」〜「日の出」スタートのBPOのややくすみ勝ちな重厚な響きは今一そのまま展開部では単純な迫力感に結びつかないのにはカラヤン演奏のある意図を読み取らなければとも思いました。カウベルの鳴らし方も「嵐」のウィンドマシーンも野趣性が無いかわり流石「頂上にて」は豪快剛直に山を愛したカラヤンらしく鳴りきっています。「日没」〜「夜」に到る過程ではエピソード場面をからませながらの弱音もポルタメント気味で絶妙です。確かに聞かせ上手ないつもの変わらぬカラヤン演奏なのですがもう少し若かった頃の収録ならば素直に受け入れ出来たかもしれないという天邪鬼さで本演奏を現段階で百パーセント乗り切る能力は私にはまだなのかもしれません。なお、カラヤンの「アルプス交響曲」にはこの収録後1981年ライブ盤やその他も出ましたのでこれらでその辺りひょっとしたら分かって来るのかもしれませんね。素晴らしいランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/01/06
フルトヴェングラーのCDには圧倒的にベートーヴェンが多くHMVカタログ一覧でもそれを物語っています。そのベートーヴェンの第九「合唱」も幾種類もの演奏(本盤HMVレビュー参照)がありその復刻板起し盤も各々数多くフルトヴェングラー・ファンにとって研究、選択、評価し甲斐ある状況であります。これらの内、多くの人がそうであるように私も1951年バイロイト・ライブ録音ソース演奏をEMI・LPから聴き始めた者ですがCDになって数々の同音源異盤が出て更にオルフェオから異奏版が新たに発売(別の同日?バイロイト演奏分)されマニアには堪らないでしょう。オルフェオ版はサンプリングしか聴いてはいないので相変わらず前者のLP,CD(フルトヴェングラー65歳の頃でタイムは@17’35A11’42B19’20C24’39です)で間に合わせその当初の興奮した感動を大切にしている次第で50年近くこの演奏の私を含めた世のファンに感動を植えつけた功績は馬鹿には出来ません。本盤ファーストエントリーの演奏なのですが兎も角演奏としての最高ランクは私の中では色あせません・・・多分今となってはもっと優れた他の指揮者による演奏はあるでしょうがいずれにしても「合唱」交響曲に関して本盤を含めこのフルトヴェングラーのバイロイト演奏はクラシック演奏記録として長く残るでしょう。セカンドエントリーである1942年収録のBPO演奏分については私は当初アメリカエベレストLP盤(レコード表記タイム@16’33A9’38B19’25C23’24)で聴いていました。録音もソース次第なのか芳しくなくても戦時下の緊迫したものが窺われ、全体に即興的なところが活きタイム的には短めで第2楽章の気迫や終楽章のクライマックス・・オケ、合唱の集中度とスピードは乱れつつ怒涛と流れて行く有様はモノラルだけにもの凄く、一つのライブ演奏芸術としては素晴らしいものです、こうなったら録音の良否(CDもいろいろ本盤含め復刻盤が出ています・・・)より演奏そのものを素人ながら書き込みたくなった次第です。1942年BPO録音盤でも3月演奏と4月演奏のものがあり3月の本演奏別盤タイム目安をメモしますと1942/3分は@17’11A11’22B20’03C24’32で、かたや1942/4分は@17’06A11’29B18’59C24’09で若干差があるもののそれよりも先述のレコード表記タイムと楽章・トラック間の多少の経過タイム或いは編集上の問題(再生スピード、欠落等)はあるとしても特に第2楽章が異なるのは面白いですね。ここでは1942年のフルトヴェングラー/BPOの「合唱」と割り切って演奏に対する感想を述べさせていただきました。三番目の1954年PHO指揮したものも以前から有名な演奏(タイム@17’46A11’51B19’18C25’08)なのですが残念なことに私は未聴であります。本盤の仕様技術的な事と共に他のレビューの方にお任せするとしまして何れにしましても本盤はフルトヴェングラー指揮の三種類の代表的な「合唱」(欲を言えばVPOを振った演奏も入れて欲しかった感じもしますが・・・)が聴けるのでマニアとしては無視出来ない平均最高ランク演奏盤としておきましょう。メンゲルベルク、トスカニーニなど他演奏との比較分析も興味ありますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2011/01/05
フルトヴェングラーの「合唱」は有名な1951年バイロイト版の他に何種類かの演奏がCD化されており種々彼の演奏のバラエティを楽しめますが私は以前そのバイロイト版と本盤演奏である1942年BPO版をLPで聴き比べたりしておりました。BPO版はアメリカエベレスト盤(レコード表記タイム@16’33A9’38B19’25C23’24)で録音もソース次第なのか芳しくなくても戦時下の緊迫したものが窺われ、全体に即興的なところが活きタイム的には短めで第2楽章の気迫や終楽章のクライマックス・・オケ、合唱の集中度とスピードは乱れつつ怒涛と流れて行く有様はモノラルだけにもの凄く、一つのライブ演奏芸術としては素晴らしいものです、こうなったら録音の良否(CDもいろいろ本盤含め復刻盤が出ています・・・)より演奏そのものを素人ながら書き込みたくなった次第です。とは言うものの本盤はエルプによる再生復刻で私も手元のLPでCD化されていない物を何枚か専門業者にエルプ再生復刻をしてもらいましたが確かにレーザーなので針音がなくLPの深みあるサウンドが楽しめていることを参考までに付記しておきますね。さて、1942年BPO録音盤でも3月演奏と4月演奏のものがあり3月の本演奏別盤タイム目安をメモしますと1942/3分は@17’11A11’22B20’03C24’32で、かたや1942/4分は@17’06A11’29B18’59C24’09で若干差があるもののそれよりも先述のレコード表記タイムと楽章・トラック間の多少の経過タイム或いは編集上の問題(再生スピード、欠落等)はあるとしても特に第2楽章が異なるのは面白いですね。ここでは1942年のフルトヴェングラー/BPOの「合唱」と割り切って演奏に対する感想を述べさせていただきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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