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Review List of 風信子 

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     2018/04/09

    デニス・ブレインを始め多くの名プレーヤーで”モツホル”を聴いてきたが バウマンがバルブのない狩のホルンでこれを吹いた時から世界は一変した 現代ホルンによる演奏を聴く気持ちが日に日に失せていった 以後様々なナチュラルホルンで演奏する奏者に出会ってきた 孰れも現代のホルンでの演奏を凌駕して モーツァルトの閃きと工夫の跡を見せて愉しませてくれた 自然倍音以外の音はベルに差し込んだ右掌で音程をとるから パウマンでも音程の不安定さは隠しようがなかった おまけに音色・音力の違いも現代楽器に慣れている耳には奇異に感じられたものだ だが それだからこそ音楽が生きている その楽器特性を生かしてモーツァルトは書いた事が見えてくると俄然面白くなった 解放音とストップ音の継ぎ目が見えない演奏まで現れた 瞬間瞠目したがそれではつまらない事にも気づいてしまった ならばピリオド楽器を演奏する意味がない モンゴメリーが仲間のオーケストラと記録した演奏はモーツァルト音楽のほぼ理想に達している ホルン好きを越えて多くの朋に聞かせたい あなたも如何 

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     2018/04/08

    20世紀の音楽として世界に広くファンを得ていくのはビートルズとピアソラかもしれない 所謂ジャンルの壁を透過して演奏されるからだ この一枚もオリジナルではない ヴァイオリンとピアノのための編曲で 一部ベースやパーカッションなどが沿うほどに加わりはするがDuoと言っていい 有名曲を含む13曲が並ぶけれど 先ず耳が行くのは真ん中の20分余り ”プエノスアイレスの四季”だ ほぼヴァイオリン一挺が歌い継ぐ音楽は凄みすら感じられる ”鮫””天使のミロンガ””アディオス・ノニーノ”も熱演なのだが”四季”を繰り返し聴きたくなる 季節の描写を越えた一つの情念の軌跡を見るようだ コーティクとタオのコンビによるピアソラはわたしの胸の奥を刺激してやまない エピローグと言っていいだろう終いに置かれたレチタティーボ”ロコへのバラード”がいい そこから一気呵成に”レヴィラード””フラカナーパ”と駆け下っていく 孤独の夜に長く会わない朋を想い聴こうか あなたも如何 

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     2018/04/07

    出会いは思い図る事ができない 出会う運命だったと言えるまでには互いが思い合う長い時間が要る 音楽との出会いも同じ 瞬間あるいはいっ時ときめいても再び耳傾ける事がなければ真に出会ったとは言えない 面影は残ってもわたしが「音楽」の中に入ってはいないし「音楽」もわたしの中に入ってきていない 暮らしてみて一緒に生きてみてこそ 出会うべくして出会ったと言える ほとんどの音楽が一過性のすれ違った思い出の中に記憶されて終わる 世迷い言から始めてしまった ハースのハープ・ソロ集を愉しんだ 耳元で弾いているように鮮明な録音だ ほとんどがハースの編曲した名曲を弾いている よく見知った貌の表情が微笑むもの 見知らぬ貌が現れてまごつかせられるもの よそよそしい貌に戸惑っていると懐かしい表情がすっと浮き上がってくるもの 様々だがわたしとその「音楽」との出会いと付き合いの深度が見えてドキッとした 二曲のオリジナル曲は文句なく愉しめた 北へ向かう「こまち」の中で聴き 山形へ向かう仙山線の黄昏ていく車窓を見ながら記す 朋と語らいながら聴きたい あなたも如何

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     2018/04/06

    6年前 ブリュッセル Christmas・シーズンのライヴ演奏 美しい演奏を演奏風景を見ながら聴ける歓びは大きい わたしも昨年末から味わおうと用意したものを清明の今頃聴いている プロテスタントはこれを年末から正月にかけ6日に分けて演奏し神に捧げるものを 一夜で一気に通奏してしまう クリスマスに実演に接した機会でも全曲を一気に聴いた記憶がない 四部以降は新年用であることからと三部で演奏会は閉じられる事がほとんどだ さてBlu-ray DIskは全66曲を切れ目なしに収録している 実際のコンサート会場では各部の間に奏者の入れ替わりもあり休憩も入っただろうが 音楽の面白さに惹かれて二時間半一気に聴いてしまった コレギウム・ヴォカーレの演奏と合唱が優れているのは言うまでもない カウンターテナーのギヨンの歌には引き込まれた 何よりバッハの音楽が飽きさせない 様々な楽器のアンサンブルが聴けるのも愉しい 二部のオーボエ・ダ・カッチャや四部の狩猟ホルンを見て聴けるのも嬉しい キリスト者でないわたしは音楽の美しさの向こうに信ずるにたる人たちがいることを実感するばかりだ この美しい演奏を朋にも知らせよう あなたにも    

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     2018/04/05

    オペラ嫌いであれば ドビュッシー唯一の完成オペラとて縁遠きもの いやいやそれ以前にドビュッシーの音楽そのものが掴み所がなく苦手なのだ だからこの一巻もずっと片隅に積んであった そもそも何でお前の元にあるのだと突っ込まれそうだが 実は何度か聴き始めたものの 私には道程が長くて迷子になったり 道端で居眠りしてしまったりと大団円へ辿り着かなかった 性懲りも無くまた迷宮の庭に入ってしまった ラヴェルは二つのオペラも含めて道に迷うことはないのに ドビュッシーは鬼門なのだ 言葉が分からないことが一番の引っ掛かりなのだろうと邦訳付きの映像作品も観てみた 何とか最後までたどり着いたがストンと落ちない いつ始まって何が終わったのか釈然としない これはドラマではなく音楽のこと 待てよとふと思う そうかドビュッシーの音楽は筋書きのある演劇でも造形や絵画の美術でも置き換えることのできない 音楽から出て音楽へ還っていく象徴物なのだ 来し方でも行く末でもない 今この瞬間の美 質量も容積もない測れない美 それが音楽なのだと語っている わたしは象徴詩としてこれを聴いた 

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     2018/04/05

    ショスタコーヴィチ ブルックナー ラヴェルに続いて マーラーで登場したヒメノは逸才だ 選んだ作曲家を見渡せばヒメノが指向する方向が見える 意外だったのはショスタコーヴィチとブルックナーが交響曲第1番を披露していたから マーラーなら「巨人」だろうと踏んでいた しかしこれはヒメノがマーラーをどう理解しているのかを示す証拠となった 慥かに「天上の生活の歓喜を歌う」第4交響曲は一つの終結点であり出発点でもある 分岐点と言ってもいい それはマーラーの音楽にとってだけではない 浪漫時代と現代(20世紀)との分去れであった 案の定ヒメノは類い稀な演奏を展開している 室内楽的ソノリティは維持しながら精神の豊潤な放出を成し遂げている 小交響曲のイメージは欠けらもない キリスト教者を装ったユダヤ人が生き抜かんとする その情念を仮面の下に塗りこめた凄さが胸に迫る 胸掻き毟られる音楽がここにあるのだが 爽やかな表情を脱ぐことはない 核心をついた演奏を朋よ聴け あなたも如何    

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     2018/04/05

    うっうーんっ素晴らしい ハイドンが聞いたら さぞ悦ぶだろう 面白いそしてなんて素敵な音楽なんだ! ロンドンでこそ活きた演奏になったと言える アンソロジー ハイライト集 抜粋集 パッチワーク 継ぎ接ぎ ごった煮 巫山戯っこ えーい何とでも言えってんだ おもしれぇじゃねーか 正に旅だね 出会う景色・物事は繋がっているようでそれは別々に違いない でも旅人にはそれは物語になる ハイドンの各曲の触りをつなげて見たところで前後に関連はない 旅するオーケストラが物語を想像して悦に入る 後は聴くわたしたちが一緒に旅を愉しめるかを問われている プログラムのエンディングはそれが試されている ロンドンっ子はまんまと掌に飛び乗って一緒に遊んでいる 粋だね わたしたちにもこんな音楽シーンが描けるかしら いやープロムスの国には敵わない 羨ましいなんて言ってないで なろうよ音楽の世界で遊べる街に 朋よ集え あなたも如何   

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     2018/04/04

    聴きたいと思いながら時を重ねてしまった 聴けば期待を裏切らない充実感と清新さに心揺すぶられる 何より大好きな「ロメオとジュリエット」に耳奪われる チャイコフスキーの楽想の豊かさに時を忘れて聞き入る 悲劇を忘れる豊潤な音の饗宴に酔う 生命の賛歌に聴こえるのだ 音楽そのものの力が活きている演奏と言えようか それは第6交響曲にも言える 「悲愴」感より力強さや粘り強い抵抗感を感じる 皆が涙する「悲愴」ではない 客観視した態度で対話することで やはり音楽そのもののが持つ根源的なエネルギーを無際限に引き出している 勿論作曲時から初演に至るまでチャイコフスキーが人生の終焉を予期したはずもなく 初演の9日後亡くなったことから 第6交響曲に幻想的逸話が被せられることになった 流行していたコレラによる急死であった事実を忘れてはいけない 殊更に悲劇性を纏わないようニュートラルに対しても「悲愴」からはそこはかと人生の哀感が漂う 生きることは愉しくまた哀しい 交響曲は宇宙であり哲理である根本を思い出させてくれる 朋よ如何に聴くか あなたは如何

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  • 0 people agree with this review
     2018/04/04

    もう20年近く前の録音だ ユロフスキも若かった しかしそのディスクがカタログに残っている事実はその価値を物語っている 若き日盛んにショスタコーヴィチ作品を取り上げていたユロフスキの音楽観を識る最大の手がかりだろう ユロフスキとはそれほどに知りたい興味の尽きない指揮者だと言うことだ その音楽の根底はこの室内楽性にある 肥大した音響に包んで脅したり煙に巻いたりする愚を犯していない あくまでアンサンブルの妙を表現の第一義と考えている演奏だ また交響曲以外の管弦楽曲へ大きく肩入れていた特徴も見逃せない 先ずは具現性あってこそショスタコーヴィチ音楽の真骨頂だと見ているのだ 大いに共感する この外連味はショスタコーヴィチ最良の特質なのだ 決して大げさでもなければ誤魔化しでもない 真面目にバカ言っているのだ 嗤わば笑え そこから見えてくる真実は解る人には分かる 捨て身の音楽だと若きユロフスキは感知している 朋よ君なら分かろう あなたは如何 

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     2018/04/03

    少年時の愛唱曲「セレナード」から始まる 嬉しかった 7曲をバルビラックのテノールで 4曲をレームクールのメゾ・ソプラノが 3曲をアクセンチュスの合唱と歌い分ける 歌曲14曲凡てオーケストラ伴奏付きとは豪華だ 途中「ロザムンデ」第3間奏曲が挟まるが 同劇のロマンス「満月は輝き」以外オリジナル曲はない 編曲者も贅沢で ベルリオーズ リスト ブラームス R.シュトラウス ヴェーベルン レーガー ブリテンと大作曲家が並ぶ それぞれに興味深いオーケストレーションを聞くことができる 第6曲「夜と夢」を表題としたように こころの深きに潜む思いの丈を吐露するがごとき一巻となっている 管弦楽によって色彩を帯びた歌は表情を濃くしたように感じられる シューベルト愛はこれを拒むかもしれない だが聴衆を増やすことに益あることは確実で これは歓ばしいこと あなたもひとつ如何  

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     2018/04/03

    三十代に入ったモーツァルトは人気を失いつつあったと言う 時代の趣味から隔絶しつつあったと窺える オペラ・ブッファでありながら殺人と破滅を縦軸にした”ドン・ジョヴァンニ”は哄笑えない 横軸であるアバンチュールはシニックで人間の根源的な欲望と自然な感情をあからさまにしている だから現代でもモーツァルトは上演され続けている プロジェクション・マッピングの全面活用もあり説明的すぎると批判もあるようだが わたしのようにオペラが苦手な者には邦訳字幕もあり大助かり 少々分かりすぎたのか 男と女の本質が見え過ぎて胸苦しいほどだ 男は馬鹿 女は嘘つき 嫌だ嫌だ 人間は嫌だ 観客がこんな思いをしたら人気もなくなろうというものだ 歌演奏共に満足のいくものだ 歌手俳優たちを含め美しいビジュアルは舞台並び映像に不可欠だ どんな名歌手でも少女と呼べる役に老年に近い女性を起用するような舞台は見たくない 感情移入できるわけがない これは朋にも奨めたい美しい作品だ あなたも如何  

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     2018/04/02

    この音色を何に喩えよう やはり銀の音色だろうか 色彩感も光沢感も独特の紗織物を通して見るような音色 決して無彩色や艶消しではない色や光を豊富に持っているのに紗幕越しに感じられる味わいといった風情なのだ ハノーファーの放送オーケストラの魅力に抗し切れない 弦と木管とそしてティンパニーの音色の重なりの美しさは比べるもののない個性だ SACDのステレオを7.1chに変換して聴いたことを書き添えておかなければならない 音質の鮮度が格段に高まる マンゼのメンデルスゾーンは第4第5両交響曲でもその適性と放たれた光彩の豊かさを示しているが メンデルスゾーンから新たな命を蘇らせ その音楽の不滅の価値を証明してみせた その功を褒めそやすより一人でも多くの人に聴いて欲しいと言う願いが膨らむばかりだ 朋よ耳傾けて あなたも如何

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     2018/04/02

    ”夜の歌”はセレナードだったのだと改めて気づかされる それは夕べの音楽 一日を締めくくる時間に感じるものは人それぞれ 充足したひと日の甘やかな余韻に浸る者 疲れと眠りへの誘いに抗う者 新たな夢と希望に胸掻き毟られる者 孰れにもセレナーデはある 恋人に歌い掛ける音楽は眠りの前にこそ相応しい 今日を閉じる時間だから放たれた想いは全て夢となる 次に目覚めた時希望を携えて起き上がれると言うものだ マーラー第7交響曲の謎であり問題点はフィナーレだった いかなる指揮者もそして聴衆も面食らうのである 夢幻の誘惑に満たされて行き着けば お祭り騒ぎの行列の中に飛び込んでしまう 甘い幻想もたちどころに霧消する マーラーは何を考えているのだろうと誰もが訝しむ ヤンソンスは見事に答えた フィナーレはカオスであると 現実の人の世界をマーラーは音楽にした これを行進曲に演奏してしまう指揮者は人生をそう生きているのだ だがマーラーが住む世界はどこへも向かわずどこにも行き着かない だからヤンソンスは第四楽章までをこれほど蕩けるような美しさで奏でたのだ これは夢だから 人生が夢見る夕べのままならどんなに幸福だろう 朋も含めこれを解する人の少ないこと あなたは如何

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     2018/04/01

    朋にこう言ったばかりだ! 「ハンガリー舞曲第5番」の最高の演奏(演技?)は映画「独裁者」の中の床屋=即ちチャップリンだと 訂正しよう! ダウスゴーだ ディスクの余白を埋めるように入っているハンガリー舞曲三曲だけでも朋に吹聴して廻りたい こうだよ こうでなくちゃ 確実にもう一回ブラームスが訴えられる本質を突いた演奏やってる つい蓮っ葉な物言いになる程好いんだ ”ハイドン・ヴァリエーション”も肌触りが違う ひそひそ話と言うか こっそり内訳話をしていると言うか 幽けき想いを漏らしている趣が全曲に漂っている 時として雷鳴がなり静寂が破られ 心のうちを駆り立てる靴音が走り抜けるが 心の有り様は揺るがない ハイドンの名も 変奏曲の形式もどこかへ霧散して ブラームスの心の平原が色を変えていく様が見えるようだ そして初めに”第2交響曲”の衝撃があったからこそ これらが平静に受け止められたことを告げよう 端的に言えば最速の”第2”だ 僅かにシャイー&ゲヴァントハウスO.がこれに匹敵する 速いからといって何物も削がれてはいない より一層音楽の命が燃え上がったと言っておこう これは聴かなければ始まらない 朋よ聴こう あなたも如何
      

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     2018/04/01

    どんな楽器が好き?! と訊かれたら 即座に答えるだろう トロンボーンとサクソフォーンと どちらも自分が吹いてみたいとか 肉親のように離れがたい親しみがあるとかではない 親しい朋あるいは隣の可愛い娘といったイメージだろうか いつも素敵でいて欲しい存在といったところか サクソフォーンの音色には楽器の特性を超えて個性を感じる 人格それも愛すべき人柄を連想してしまう ケクランもサクソフォーン愛を持った人だと分かる しかも自己が望む姿だけを描いて揺るぎがない 楽器の持つ機能をフルに発揮させてやろうと言う気が全くない 超絶とは言わないまでも奏者が技巧を聞かせる場を設けない 作品のほとんどが緩徐曲でサクソフォーンに歌わせて それを飽きることなく聴き続けている程なのだ この偏愛を容認する者はわたし同様同病である サクソフォーン可愛くてしょうがない病 蝶よ花よと愛でて恥じないが 朋には奨められない さて あなたは如何  

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