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Review List of レインボー 

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     2022/03/29

    このCDはソ連の作曲家、ヴァレリー・ガヴリーリンの作品集です。
    ガヴリーリンは10歳で孤児院に入りそこで音楽の才能を見出された作曲家。
    バレエやオペラ、映画音楽などの分野で活躍しましたが、一般的には声楽曲の作曲家として知られている様です。
    作風はメロディの美しさが際立った穏健な作風であり、前衛とは無関係であったためか、本盤の様にソ連時代にも録音が残されています。
    収録曲のうち、声楽交響詩『戦地からの手紙』『劇場ディヴェルティメント』は、スタニスラフ・ゴルコヴェンコ指揮、レニングラード放送交響楽団の演奏で収録。
    戦地からの手紙ではレニングラード放送児童合唱団も参加。
    一曲目の戦地からの手紙は30分近くかかる大曲、一方で劇場ディヴェルティメントは、3分ぐらいの曲が集められた作品。
    永らくこのオケの指揮者を務めたゴルコヴェンコの指揮で、安定した演奏が聴ける。
    交響的連作声楽曲『大地』は、フョードル・コズロフ指揮、レニングラード放送器楽アンサンブルの演奏である。
    声楽はレニングラード・グリンカ合唱学校少年合唱団。
    この大地と作品は、クラシックの要素に、ポピュラー音楽のエッセンスを加えた様な曲調。
    演奏陣は無名であるが、なかなか健闘していて良い。
    いずれも1980年代の録音であるが、音質は良好だ。

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     2022/03/27

    ドイツの激安BOXを発売している事でお馴染みのメンブラン。
    たいていは有名アーティストの音源ですが、たまにマニアックな演奏家を取り上げる事もあり、このCDなどもそうでしょう。
    アルゼンチン生まれのヴァイオリニスト、リカルド・オドノポソフが録音した音源を集めたものです。
    オドノポソフは戦前ウィーン・フィルのコンマスを務めたり、ダヴィッド・オイストラフがイザイ・コンクールで一位になった時に二位になったりと経歴は著名なヴァイオリニストに匹敵しますが、メジャーなレーベルに録音を残さなかったため、今まで知られていませんでした。
    CD時代になってカナダのドレミレーベルやスイスのドロンレーベルがコンサート・ホール・ソサエティ原盤の音源を復活させましたが近年では入手が難しくなったので本BOXの登場は嬉しいところです。
    CDの内容を簡単にかきますと→
    CD1→メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番を中心に収録した盤。
    ジャンフランコ・リヴォーリ指揮、ジュネーヴ放送交響楽団が伴奏を担当。
    パガニーニがなかなか良く、ウィーンならではの明るいヴァイオリンの響きに難曲をものともしないテクニックが素晴らしい。
    パヴロフスキーがピアノ伴奏を務めた小品は、どちらも楽しい。
    CD2→協奏曲で、まずブルッフのヴァイオリン協奏曲。
    ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団がバックを担当。
    これはオドノポソフのコンチェルトの録音でも良い出来の一つで、歌心溢れたヴァイオリンが聴きどころ。
    またゲールのサポートも素晴らしい。
    ラ・カンパネラは1枚目にも収録されているが、この巻の演奏は管弦楽団伴奏で、演奏はパウル・フッペルツ指揮、ユトレヒト交響楽団。
    こちらも歌心とテクニックを楽しむ演奏と言えるだろう。
    プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番はボーナス扱いであるが、ちゃんと全曲収録。
    こちらはハインリヒ・ホルライザー指揮、チューリッヒ放送交響楽団による演奏。
    上二つの演奏程惹かれるものはなかったが悪くはないと思う。
    CD3→ブラームスのヴァイオリン協奏曲とクライスラーの小品集。
    ブラームスはカール・バンベルガー指揮、フランクフルト歌劇場管弦楽団の演奏によるもの。
    ここでもオドノポソフの歌は素晴らしく、第2楽章はかなりのもの。
    伴奏指揮者のバンベルガーは指揮者の領分の著者で知られるが、指揮者として振った音源がCDになるのは珍しく、オケパートとサポートのパートのメリハリが良く、フランクフルトのオケから渋い音色を出している。
    クライスラーはジャン・アントニエッティが伴奏を務めたもので、ウィーンで活躍しただけありなかなか粋な演奏である。
    CD4→ヴァイオリン・ソナタを中心としたもので、マイナーな作品が収録しているが聴きどころはHMVの曲目に載っていないが、ラロのスペイン交響曲。
    ヴァルター・ゲール指揮、ユトレヒト交響楽団の演奏である。
    オドノポソフの豊かなソロと、ゲールとユトレヒト響の濃厚な演奏は有名録音にも匹敵します。
    CD5→18世紀イタリアの巨匠達と題された一枚で、イタリア・バロック音楽を集めたアルバムです。
    マウリッツ・ファン・デン・ベルフ指揮、オランダ室内管弦楽団が伴奏を務めています。
    結構マニアックな選曲と言えるでしょう。
    演奏はまずまずでしょうか。
    CD6→タルティーニの悪魔のトリルとベートーヴェンの三重協奏曲を収録。
    このうち、フェリックス・ワインガルトナー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録された三重協奏曲はオドノポソフがウィーン・フィルのコンマス時代の貴重な音源で、オケのサウンドもウィーンらしい柔らかな響きが聴けますが、1937年とかなり古く仕方ないとはいえ曇った復刻で、あまり音は良くありません。
    CD7→この巻はヴァイオリンと管弦楽の作品を集めた内容です。
    伴奏は1枚目にも登場した、ジャンフランコ・リヴォーリ指揮、ジュネーヴ放送交響楽団です。
    一流の演奏家はこういう小品の演奏に実力が出ると言いますが、ここでもオドノポソフのヴァイオリンは豊かに歌っており、ショーソンの詩曲などは名演と言って良いでしょう。
    イザイとスメタナはボーナス扱いで、CDにはオドノポソフしか名前はありませんが、ピアノ伴奏付きです(ただしピアニストの名前はありません)
    CD8→チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とクライスラーの小品を収録。
    このCDの聴きどころはチャイコフスキーで、ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏なのですが、このBOX中にあるこのコンビの組み合わせで1番良い演奏と言えるのではないでしょうか?
    オドノポソフの濃厚な歌い回しはチャイコフスキーによくマッチしている他、ゲールとオランダ・フィルの伴奏が非常に良い仕事をしている。
    オランダ・フィルから豊かな音色を引き出しており、カデンツァの後のフルートの音色など中々魅力ある演奏で、隠れた名演と言えるだろう。
    CD9→ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを収録したものです。
    この中ではベートーヴェンが、好演で、オットー・ヘルツのピアノと息の合った演奏を聴かせます。
    CD10→またまた書いてないですが、ヴァルター・ゲール指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団との共演によるバッハのヴァイオリン協奏曲第2番と同じくバッハのシャコンヌも収録されています。
    このゲールとのバッハも素晴らしいのですが、後半に収録された小品が素晴らしい。
    サラサーテのピアニストと息の合った歌いに歌った演奏は必聴。

    CDの復刻は残念ながら良いとは言えない。
    元のレーベルの録音自体優れないものが多いからだ。
    またドヴォルザークとグラズノフの協奏曲という重要な音源が抜けたのも惜しい。
    しかし、全編を通じてオドノポソフの豊かな歌心とテクニックは聴いておいて損はないし、ゲールなどの隠れた実力派指揮者の演奏も聴ける良いBOXだと思う。

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     2022/03/26

    グラズノフの作品集です。
    収録曲&演奏者は以下の通り
    1→ヴァイオリン協奏曲作品82
    ルッジェロ・リッチ(ヴァイオリン)ラインハルト・ペータース指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
    2→演奏会用ワルツ第1番
    ジークフリート・ケーラー指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
    3→瞑想曲作品32
    ルッジェロ・リッチ(ヴァイオリン)ラインハルト・ペータース指揮、フィルハーモニア・フンガリカ
    4→劇付随音楽『ユダヤの王』
    ジークフリート・ケーラー指揮、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団

    以上が収録曲です。
    発売元のZYXはドイツのレーベルでクラシック以外のジャンルも出しているレーベルです。
    このレーベルのクラシックCDは版権が切れた有名音源やピルツ系と言われる音源が多数出ているのですが、その中には他のどこのレーベルもCD化してないマニアックな演奏者の音源がCD化される事がありこれもその一つです。
    このCDも現在他のレーベルではCDになってない珍しいもの。
    ソリストを別にすればいずれもドイツの演奏家による演奏であり、リッチはまだ有名ですが、ペータース、ケーラーとマイナーなマエストロの演奏は味があります。
    一流の演奏ではありませんがドイツ・ローカルな響きのする演奏で悪くありません。
    録音年は1975〜1978年にかけて、ADDです。
    音質は年代を考えると妥当な音質でしょう。
    廉価盤レーベルのCDなので、デザインは簡素、ライナーも最小限ですが、安いので仕方ありません。

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     2022/03/25

    2003年よりキングレコードから発売されたシンフニック・フィルム・スペクタキュラーシリーズ。
    このCDは2017年に録音された2枚の一つで、SFファンタジー映画の作品を演奏したもの。
    オーケストラはシリーズお馴染みの日本フィルハーモニー交響楽団、指揮者はシリーズ初期から常連の竹本泰蔵と新しく、田中祐子が参加している。
    と言っても竹本はスタートレック関連の4曲(トラック5〜8)のみの登場であり、ほとんどが田中のタクトによるもの。
    SFファンタジーという事もあってか、派手目な曲が中心だ。
    演奏に使われたスコアはオリジナルまたはコンサート用に作曲家自身による編曲と出来の良い原曲重視のスタイルなので、再演奏盤にあるサントラと違うというのは少ないと思います。
    演奏は指揮者の個性を出すというより、楽曲のもつ魅力を丁寧に引き出した好演奏と言えます。
    録音も非常に優秀で、迫力があるサウンドに仕上がっています。

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     2022/03/24

    レオポルド・ストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団のコンビが録音した音源の中から珍しい録音を集めたのがこのCDです。
    この楽団の縁の深いアメリカの作曲家、ハール・マクドナルドの作品が4作品も入っていたり、日本の作品では近衛秀麿編曲の越天楽の作品が収録されていたりするのがポイントです。
    ストコフスキーは時にかなり手を入れた個性の強い演奏で知られていますが、一方であまり知られてない作品は楽譜に忠実な解釈も多く、本CDも演奏の傾向としてはそんな感じのものが多いです。
    ちょっと面白みに欠ける気もしますが、この時代ならではの作品もあるので、これはこれで良いでしょう。
    とは言え最後にアンコール的に配置されたスーザは勢いがあってなかなか良い。
    CDの中で1番良いと言えるかも知れません。
    録音は1928〜1940年で、録音年代を考えると十分な音質と言えるでしょう。

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     2022/03/23

    1984年よりイギリス空軍の音楽祭として開催されていた、フェスティヴァル・ミュージック。
    最初の演奏会から2003年まで、イギリスのレーベル、ポリフォニックが録音を手掛けていましたが、これは1番最初の1984年のコンサートを収録したもの。
    演奏はイギリス空軍中央軍楽隊、イギリス空軍連隊軍楽隊、イギリス空軍士官学校軍楽隊、イギリス空軍西部軍楽隊のメンバーから編成されたイギリス空軍合同軍楽隊で、指揮は当時の軍楽隊総指揮者、エリック・バンクス中佐です。
    最初のコンサートと言う事もあってか選曲は、ロイヤル・エアフォースお得意の作品でしめられています。
    200名による大編成とライナーでは書かれているものの、マイクとバンドが遠かったのか、『英国国歌』『RAF分列行進曲』あたりはかなり音が遠く、大編成バンドならではの迫力に欠ける録音なのは残念。
    演奏の方は手慣れた演奏で中々良く、最後の威風堂々では独唱も入って盛り上がっています。

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     2022/03/21

    ドミトリー・カバレフスキーの管弦楽作品集。
    2つの序曲と2つの交響曲という組み合わせです。
    演奏は近年ナクソスに録音を残している新鋭の指揮者、ダレル・アンのタクトに、スウェーデンのマルメ交響楽団を振ったものです。
    あまり期待せず聴いてみたのですが、これはなかなか良いです。
    分かりやすさが特徴のカバレフスキーの作品を丁寧に共感豊かに演奏しています。
    オケも中々燃えていますが、これは後述する様にライヴという事も関係しているのかも知れません。
    メインである交響曲は意外と録音がある様で、簡単に手に入る音源は少なく、また『コラ・ブルニョン』はともかく『悲愴序曲』も隠れた名曲ながら、CDは少ないので、普及価格帯で聴けるこのCDは大変貴重な一枚と言えるでしょう。
    ライヴ録音との事ですが、近年のライヴ録音らしくそれを感じさせるようなものはなく、セッション録音の様。
    音質は問題ありません。

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     2022/03/20

    このCDはCPOが出したヤロミール・ヴァインベルガーの管弦楽曲を集めたアルバムです。
    まず最初に収録されているのは代表曲『バグパイプ吹きのシュヴァンダ』からのオーケストラ曲。
    有名なポルカとフーガに加えて、10分越えの序曲や間奏曲、舞曲を収録しています。
    次に収録されているのは『6つのボヘミアの歌と踊り』という曲です。
    この曲はヴァインベルガーのオーケストラ曲では比較的有名な方でチェコ・フィルの演奏で(抜粋ではありますが)国内盤が出ていた事もあります。
    レーガー仕込みの充実した管弦楽法に、チェコの民族色の強いメロディが出てくる佳作。
    『最愛の声』は大変珍しい作品で、現在録音もこれしかない様ですが、こちらも後期ロマン派を思わせる重厚な作品でなかなか良い。
    これらを演奏するのは、カール=ハインツ・シュテフェンス指揮、ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団です。
    指揮のシュテフェンスは現在このオケの音楽監督で、各社にチラホラと録音を残しています。
    このヴァインベルガーも、ドイツオケらしい重々しいサウンドですが、演奏はなかなかの出来で、全曲安定して作品の魅力を丁寧に引き出しています。
    録音は2009年、発売は2019年と何故か開きはあるものの、音質は問題ありません。
    ヴァインベルガーの代表的な作品を集めた選曲であり、演奏、録音とも良いので、この作曲家の入門盤としてもおすすめです。

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     2022/03/19

    ロベルト・シュトルツの喜歌劇『春のパレード』を収録したCD。
    指揮者は作曲者でもある、ロベルト・シュトルツ。
    と来ればオケはベルリン交響楽団かウィーン交響楽団だが、本盤では珍しく、ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団を振っている。
    またウィーン防衛大隊軍楽隊も参加している。
    この作品は元々映画として作曲されたのち、舞台になったものらしい。
    舞台初演時のオケが、フォルクスオーパーで、この録音は初演者の演奏というわけらしい。
    作品中に出てくる行進曲が最も有名で、他にも時折アリア等が取り上げられる以外は知られてないものの、シュトルツらしいロマンティックなメロディが次々と出てくる良い作品だ。
    本音源は抜粋で録音の感じから全曲はないようであるが、メリハリのある演奏や歌唱ともになかなか楽しく、今現在唯一のと言って音源だが、名盤といえるだろう。
    録音も年代を考えれば問題はない。
    尚、歌詞等はライナーには載っていない。

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     2022/03/18

    ヨハン2世を中心としたウィンナ・ワルツのCDだ。
    演奏はアルト=ヴィーナー・シュトラウス・アンサンブル。
    同団体はアルトゥール・クーリングがシュトゥットガルト国立管弦楽団の団員とともに1972年に創設した団体であり、今年創設50年を迎えた団体だ。
    CDはそのほとんどがウィンナ・ミュージックで、数も多くはなくドイツ・ローカルで活躍している模様。
    これはTACETレーベルから出たもので、同レーベル活動初期のアルバム。
    選曲としては有名曲とそうでない曲を組み合わせた選曲となっています。
    芸術家のカドリーユとか、電話のポルカとか録音があって意外と無さそうな曲が入っているのが売りです。
    演奏は小アンサンブルらしい小気味良い演奏で、キレが良くドイツのオケらしい重厚なサウンドが特徴です。
    録音は1989年で32年前のものですが、特に問題ないです。

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     2022/03/17

    カール・キングの作品集です。
    ルイス・シッセル指揮、ヴァージニア・グランド・ミリタリー・バンドの演奏で録音、収録されています。
    サーカス・マーチで有名なキングですが、何枚かアルバムが出ており、これもそんな一枚。
    基本的に行進曲を集めたアルバムなのですが、普段演奏されない行進曲が多数ある他、行進曲以外の作品も収録されており、序曲『インドの女王』や、ワルツ『古きポルトガル』『銀色の噴水』セレナーデ『6月の夜』等、珍しい作品が収録されているのが特徴です。
    演奏団体はワシントンD.C.の現役または退役軍楽隊員を中心メンバーに結成された団体だそうであり、正規の軍楽隊ではないようであるが、これといった名演はない代わりに、どれも安定した演奏である。
    録音年等は不明だが、特に問題なく聴けるだろう。

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     2022/03/16

    イアン・サザーランド指揮、イアン・サザーランド・コンサート管弦楽団を振った録音です。
    サザーランドはスコットランド出身で、主にライト・クラシックという分野で活躍しています。
    このCDはそのサザーランドが最も得意とするジャンルの作品を集めたアルバムで、殆どが知られていない作品ですが、ライト・クラシックという事もあり、曲は大変耳馴染みの良いメロディをしており、初めて聴いても楽しめる親しみやすい作品が続きます。
    オーケストラは名称からみて録音用の団体ではと思うのですが、技量は中々高く、例えば冒頭のコーツの序曲『浮かれ人』の推進力とダイナミックな演奏は見事です。
    録音年はそれなりに古い様ですが、気になるほどではありません。
    但し、現在この盤はメーカーオフィシャルのR盤での発売となっています。

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     2022/03/14

    ヤロミール・ヴァインベルガーの名をこんにちまで有名にしているのが、1927年に初演された歌劇『バグパイプ吹きのシュヴァンダ』です。
    この歌劇の中のポルカとフーガは、大指揮者も録音を残すなど大変に有名でありますが、肝心の歌劇本体はあまり知られていません。
    録音もそう多くなく、これは貴重な一枚です。
    N響に度々客演した、ハインツ・ワルベルクの指揮、ミュンヘン放送管弦楽団の演奏で録音された本音源はその数少ない録音のなかでも、プライや、ポップらの有名歌手による確かな歌唱や躍動感と色彩豊かな演奏と高いレベルにあり、ワルベルクらしい職人的でツボを心得たこの演奏、この作品の名演と言えると思います。
    ちなみに世界初録音だとの事ですが、これより古い放送用録音が存在するので商用録音としては世界初という意味なのでしょう。
    録音も年代を考えればかなり良いです。

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     2022/03/13

    クラヴィア・レコードが発売していたアメリカ空軍の軍楽隊シリーズから、スーザの作品を集めたアルバムである。
    演奏はローウェル・グラハム大佐指揮、アメリカ空軍ヘリテージ・オブ・アメリカ軍楽隊である。
    同軍楽隊はラングレー空軍基地に所在しており、地方軍楽隊の中では知られている方だ。
    グラハム大佐は1984年から1995年までこの軍楽隊の隊長を務めており、1995年にワシントンD.C.のアメリカ空軍軍楽隊隊長に栄転している。
    空軍軍楽隊の録音は割と知られているが、ヘリテージ・オブ・アメリカ軍楽隊時代の録音も幾つか出回っており、これは在任末期の1995年1月に録音された同隊との最後の録音。
    基本的にはスーザの行進曲といっていい内容であるが、それに加えてスーザが書いた吹奏楽用組曲や序曲、ワルツ等が収録されている他、行進曲自体も割合珍しい曲が多く、選曲面でも充実している。
    演奏はアメリカのバンドらしく軽快で爽快感のあるもの。
    軍楽隊も技術力は申し分ない。
    録音は各楽器の分離がよく、それぞれの楽器の動きがよくわかる録音で、音質も良い。

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     2022/03/12

    このCDはデリック・キンバリー中佐指揮、イギリス近衛歩兵グレナディア・ガーズ軍楽隊による、グレナディア・ガーズの式典&儀礼曲集です。
    指揮者のキンバリー中佐は、ピーター・パークス少佐の後任として1979〜1987年まで音楽監督を務めました。
    歴代のグレナディア・ガーズの楽長でも行進曲の録音に力を入れた楽長で、各社に音源を残している様です。
    これはそんな行進曲の一枚で、在任末期の1987年に録音されたもの。
    行進曲といってもグレナディア・ガーズ関連なのでかなり珍しい作品が多く、キンバリーの自作または自編曲、名楽長として知られたバッシュフォードの行進曲や、オランダの行進曲、及び信号ラッパ等が収録。
    最後はキンバリー中佐編曲のムジーク・マルツァーレという、愛国的なメロディをナレーターを伴った15分程の大曲です。
    演奏はかつてのガーズ・サウンドと近年の吹奏楽サウンドを足した割った様な1980年代らしい演奏ですが、行進曲での確かな演奏は、この軍楽隊ならではのものです。
    録音はバンドリーダー特有の硬めの音で、特に残響がほぼ無かったこの時代ならではの音は賛否分かれるかも知れません。

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