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TOP > My page > Review List of レインボー
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0 people agree with this review 2021/08/09
ワルツ王、ヨハン2世は1870年代に入るとオペレッタの作曲を手がけるようになり、これは晩年まで続きました。 こんにちでは、こうもりや、ジプシー男爵、ヴェネチアの一夜を別にすれば上演される機会も少なく、録音も多くありません。 このCDに収録された『鬼ごっこ』は1878年作曲で、なんとこの盤が世界初録音との事。 ダリオ・サルヴィ指揮、ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録されたものです。 作品は名作に比べれば劣るものの、随所にシュトラウスらしいメロディが出てくる。 ただ、強く印象に残る曲はなくこの辺りは忘れられたのも無理はないかもしれない。 予算の関係かブルガリアのソフィア・フィルの演奏だが、確かな技術と分かりやすく聴きやすい音楽、加えて声楽陣も良く、世界初録音ながらなかなかの好演。 なお、セリフなし全曲なので、ハイライト感は強いが。 録音は最新のだけあり問題ありません。
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3 people agree with this review 2021/08/06
ルイ・フレモーが、バーミンガム市交響楽団とEMIに残した音源をワーナーが復刻したもの。 フレモーの音源は結構残されているが、CD化してもすぐ廃盤だったり、そもそもメーカー自体が倒産したりで入手が難しく、このEMI原盤の音源も永らく冷遇化されて、入手自体が難しいものであったが、今回こうしてまとめられたのは嬉しい所。 廉価盤故にオリジナルジャケットではなく、クラムシェル仕様だが、これは仕方ない事だろう。 各CDの感想は以下の通り CD1→ベルリオーズのレクイエム。 フレモーらしい端正さとマーラーの様な音の大洪水、合唱も良くレクイエムの名盤の一つ。 CD2→レクイエムの続きとベルリオーズの管弦楽曲集。 ここでも端正なフレモーの音楽、オケもよく鳴っていて聴きやすい。 CD3→マスネとビゼーの作品を集めたもの。 ビゼーのローマが聴きどころだが、マスネの作品も充実していていい。 CD4→ラロとサン=サーンスの作品を集めたもの。 トルトゥリエ親子と共演したもので、ここでも上品な音楽に仕上がっている。 CD5→ビゼーの交響曲に、サン=サーンスの交響曲第3番、リトルフのスケルツォを集めたもの。 いずれも生き生きとした名演である。 CD6→フォーレとサン=サーンスの作品を集めたもの。 フォーレのレクイエムは繊細で美しく、フォーレの独特なバランスの良さが表現された名演。 サン=サーンスは動物の謝肉祭を収録、エレガントな音楽は聴きやすい。 またソリストにオグドンなどの有名人が参加しているのも豪華だ。 CD7→前半はサン=サーンスの作品を集めたもので、なかなか珍しい曲が並ぶ。 後半は良く知られたフランス管弦楽曲集で、スペインが中々の演奏。 CD8→イベールの作品集。 冒頭のディヴェルティスマンは端正明晰で分かり易いし、他の作品もなかなか。 オネゲルのパシフィック231も見事で、この曲の名演の一つ。 CD9→プーランクの作品集。 このプーランクの演奏はどれも安定した質を誇っていて、なかなか良い演奏です。 ジムノペディもアンコール的に配置されており、ちょっとしたコンサートのような選曲。 CD10→ウォルトンの作品集。 このボックスの中でも数少ないイギリス物だが、これが中々良く、後半の機会音楽系の作品は良い仕上がりである。 CD11→ウォルトンの賢い乙女たちや、マッケイブの交響曲を収録。 演奏は悪くないが作品がイマイチ。 CD12→12曲目まではヒューズがメインのアルバム。 お馴染みの名曲を英語歌唱で。 オッフェンバックの序曲集は隠れた名演であり、フランス的明るさとイギリス的な渋さを持っている。 いずれも1970年代の録音で、年代を考えれば、そう悪い音質ではないと思う。 フレモーのボックスが次にまとまって発売されるかは分からないので、気になるなら在庫があるうちに早めの入手をおすすめ。
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0 people agree with this review 2021/08/05
レオ・ファルの喜歌劇『ドルの女王』の全曲盤です。 この作品はファルの代表曲として知られており、過去に録音・映像が発売されるなど、ファルの人気作となっています。 今回久方ぶりに発売されたこの音源は、ウルフ・シルマー指揮、ミュンヘン放送管弦楽団の演奏で録音されたものです。 歌手はオペレッタ録音、特にcpoが発売しているオペレッタの録音に参加している常連が多く、楽しく聴かせます。 シルマーのタクトは作品の持つ魅力を的確に引き出した好演であり、時に美しく、甘く歌うワルツなどなかなかのもの。 ブックレットはそこそこ詳しく載っています。 また録音は問題ありません。 この作品の新たな名盤と言えるでしょう。
1 people agree with this review 2021/08/04
カールマンの喜歌劇『皇后ジョゼフィーヌ』の全曲盤です。 カールマンの作品の中でも大変珍しい作品で、カプリッチョ・レーベルに抜粋録音がありますが、全曲の現役盤はこれが唯一だと思われます。 演奏は近年レハールを中心に知られざるオペレッタをCPOに録音している、フランツ・レハール管弦楽団とマリウス・ブルケハルトの指揮です。 歌手はこのレハール音楽祭の常連歌手が占めています。 それだけに知られざるこの作品を聴く分にあたり、十分な水準の演奏で作品を知るには問題ないレベルだと思います。 ただ、作品自体がカールマンの他の作品と比べると平凡というかイマイチであるのも事実だと思います。 資料的価値の高い一枚でしょう。 録音は問題ありません。
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0 people agree with this review 2021/08/03
ヨハン・シュトラウス2世が晩年に手がけたのが、バレエ音楽『灰かぶり姫』です。 ワルツ王、唯一のバレエ作品と知られていますが、完成させる事なく無くなったため、バイヤーが後を引き継いで完成しました。 このような経緯からか録音は大変少なく、ボニングによる世界初録音とハラースによる映像、そして本盤しかない希少な作品です。 音楽そのものを聴くだけだと退屈なところもありますが、未完とはいえシュトラウスらしいメロディが随所に聴こえます。 エルンスト・タイスは今まで、ドレスデン・オペレッタ劇場管弦楽団と録音がありましたが、ここではウィーン放送交響楽団を振っています。 本場のオケによるCDは初録音であり、ウィーンのオケならではのリズムの取り方など、演奏はウィーンらしさを感じさせる良い演奏です。 録音も新しいだけあり、良好です。
1 people agree with this review 2021/08/02
ジークムンド・ロンバーグの『学生王子』の全曲盤です。 ジョン・マウチェリ指揮、ケルン放送管弦楽団の演奏で録音されたものです。 この作品、ロンバーグの代表曲であり、8曲目のセレナードは学生王子のセレナードという題名で昔から知られるポピュラーなもの。 通常はミュージカルとして扱われ、録音もミュージカル路線の軽いタッチの演奏が多いがこの録音では、クラシックスタイルで演奏されている。 このスタイルの演奏によって、この作品がウィンナ・オペレッタの流れを汲む作品である事がよくわかるだろう。 メロディはロマンティックではあるがやはり、学生王子のセレナードを超えるメロディはない。 マウチェリはアメリカの指揮者で映画音楽やガーシュウィン、ミュージカルのCDをフィリップスに録音した事で知られる。 ここではミュージカル路線の甘々ではなく、クラシック路線で、ウィンナ・オペレッタの後継である事をしっかりと示した演奏。 ケルン放送管弦楽団もフレキシブルに対応しており良い。 歌手は多少言葉の発音に疑問があるが、十分聴ける。 録音も良好で、現時点でこの曲の1番おすすめ出来る演奏だろう。
0 people agree with this review 2021/08/01
CPOレーベルはフランツ・レハールのオペレッタの録音に積極的に録音しており、特に知られざる作品を紹介してきました。 このCDに収録された『ルクセンブルク伯爵』は珍しい作品ではないですが、近年録音が少なくなってきたのでそういう意味では珍しいでしょうか? ダニエル・インバル指揮、オスナブリュック交響楽団&オスナブリュック劇場合唱団の演奏です。 指揮者は日本でもお馴染みの、エリアフ・インバルの息子との事で、どうやらこの盤がファーストアルバムの模様。 ルクセンブルク伯爵には昔から録音が幾つもありますが、この演奏は良くも悪くも普通の出来です。 歌手も特筆する様な人物はおらず数多いこの曲の録音ではレハール・ファンか、演奏家のファンでも無ければおすすめしません。 また2012年のセッション録音というわりには基準音が小さく、弱音時などは聴きにくいのも難点です。
1 people agree with this review 2021/07/29
19世紀の知られざるバレエ音楽を大量に録音した事で知られるリチャード・ボニング。 ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団を振ったこのアルバムもそんな一枚で、ヨハン・シュトラウス2世唯一のバレエ音楽『シンデレラ』を収録したもの。 シュトラウスが完成させる事なくバイヤーが補筆した事や、そのためマーラーが演奏を拒否したなどのエピソードが知られる割には作品自体は知られておらずこの録音が世界初録音との事。 未完の作品だけあって、シュトラウスの作品として見るとなんだかイマイチですが、部分部分ではシュトラウスらしい旋律が聴こえます。 併せて収録されているのが、『騎士パズマン』からのバレエ音楽とチャルダーシュ、デゾミエール編曲の『美しき青きドナウ』で、前者はオペラの劇中曲、後者はシュトラウスの様々な曲を繋いで新たに編曲されたもの。 これも録音はそう多くないので貴重です。 ボニングとナショナル・フィルの演奏は、バレエ音楽の大家らしいメリハリがついたもの。 録音は年代を考慮すれば充分だろう。
1 people agree with this review 2021/07/27
キング・レコードが2003年に発売した、シンフォニック・フィル・スペクタキュラーシリーズ。 このCDは最初に発売されたうちの一枚で、感動とサスペンス編と題されたアルバム。 西部劇やらホラーやら、SFやら映画のジャンルはバラバラであるが、とりあえず感動する映画やサスペンス映画を集めたものらしい。 たとえ名前を知らなくても有名な曲ばかりなので楽しく聴けるだろう。 このシリーズ、スコアがオリジナルかまたは演奏会用に編纂された質の高いスコアを使っており、解説書には一曲一曲、スコアについて解説がついているのが良い。 演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。 指揮は沼尻竜典。 指揮者は当時、日本フィルの正指揮者になったばかりであり、CD帯にはその事が書いてある。 いずれも質の高い演奏なのだが、最後の『王座の間とエンドタイトル』が聴きどころであり、威風堂々とした行進曲や、盛り上げ方、追い込み方などが理想的な演奏である。 録音はクラシック音楽と同じように録られており、大変良い。
0 people agree with this review 2021/07/24
シャンドスが発売している、ウィリアム・オルウィンの映画音楽集も、本作で4枚目となるもの。 シャンドス・ムービーシリーズで1人の作曲家がこれ程取り上げられるのも珍しく、かなり力が入れられているのだろう。 今回の収録曲はオルウィンの映画音楽でもマイナーな作品が中心。 中東風のオリエンタルなメロディや、正統派のイギリスの作曲家らしいスケルツォや、歌手も入った人魚の歌などバラエティ豊か。 あまりド派手な曲はなく、地味で味わい深い曲が多いのはイギリスの作曲家らしいだろうか。 演奏は、ラモン・ガンバ指揮、BBCフィルハーモニック管弦楽団。 第2集より担当しているコンビの演奏で、今作も安定した演奏を聴かせる。 人魚の歌はシャーロット・トレスパスが歌っており、聴いたことのない人物だが、悪くはなかった。 録音は2016年で、音は良い。
0 people agree with this review 2021/07/23
ソヴィエトの作曲家、アレクサンドル・モソロフは、活動初期には現代音楽協会に所属し、この頃に代表作の『鉄工場』を書くのですが、その破壊的な作風が当局に睨まれ、逮捕されるも、師ミャスコフスキーとグリエールにより8年後に無事生還する事ができました。 この頃からは初期の作風とは違う、社会主義リアリズムに沿った作風となりました。 このCDの収録曲もそう言う路線の作品です。 1965年に書かれた『交響曲第5番』はモソロフ最後の交響曲にして、最後の大作らしく、冒頭から冷たい、いかにもソヴィエトと言ったメロディが出てきます。 3楽章からなりますが、曲調は雄大だったり、激しかったり、落ち着いたりと表情がさまざまに変わります。 モソロフ最後の大作に相応しい出来の作品。 1939年の『ハープ協奏曲』は師グリエールのハープ協奏曲を手本にしたような作品で、明るくメロディアスな作品であり、丁度苦しい時期に書かれたものですが、そのような雰囲気は全く感じさせない、傑作です。 演奏はアルトゥール・アルノルト指揮、モスクワ交響楽団。 1990年代から2000年代半ばにかけてナクソスとマルコポーロ系列に録音を残した、モスクワ交響楽団ですが、2005年頃のコルンゴルトの録音を最後に新録は途絶えており、今回久々の新規録音での登場となったものです。 その演奏はモソロフへの共感豊かで、それでいて分かりやすいもの。 流暢なサウンドですが管楽器にロシアらしい野太いサウンドが見られたりするほか、フレッシュマンのハープもよく名演と言える内容です。 尚、指揮者はオランダ出身で現在このオケの音楽監督との事。 録音場所は変わらずモスフィルム・スタジオで、音質も良好。
2 people agree with this review 2021/07/22
キングレコードが2003年から発売しているシンフォニック・フィルム・スペクタキュラーシリーズもついに10枚目となりました。 この10巻はノスタルジーセレクションという事で、比較的古い作品が収録されています。 今までの巻に収録がなかったの?と言いたくなるような有名な曲や、オーリックやコープランドらクラシック系の作曲家が書いたスコアが収録されています。 スコアの質は古い映画だからか、どれも一定のレベルを保ち、安定しています。 中にはあまり録音のないスコアもあるのは、このシリーズらしい所。 演奏は竹本泰蔵指揮、日本フィルハーモニー交響楽団。 シリーズ最初期から関わっているベテランコンビです。 このCDでも日本のオケらしい安定した演奏を聴かせますが、11人のカウボーイ、ライトスタッフ、サンダーバード、ローマの休日などは映画のサントラに匹敵する演奏と言えます。 監修は変わらず神尾保行が担当、曲の解説も短く分かりやすい解説となっている。 またこのCDからハイ・クオリティCD仕様になっているがその分値段が上がったのは残念なところ。 録音はDSDレコーディングで録られており、ホールを意識した残響が付いた聴くためのサウンドでなかなか良い。
2 people agree with this review
0 people agree with this review 2021/07/20
ヤッシャ・ホーレンシュタインと、ウィーン・プロムジカ管弦楽団が残したVOX録音から、ショスタコーヴィチの交響曲第5番と、ヤナーチェクのタラス・ブーリバを収録した内容である。 ショスタコの5番は、スタイリッシュな演奏と思わせて、非常に濃い表情を聴かせてくれるのがホーレンシュタインらしい。 ウィーンの演奏家を集めた、ウィーン・プロムジカ管弦楽団の演奏はお世辞にも上手いとは言えず、随所で粗さがあるのが残念。 タラス・ブーリバも同様の傾向だが、幾分かオケの技術はましでこちらの方が良い。 録音はVOXらしいサウンドで、まぁまぁ。
1 people agree with this review 2021/07/18
アルトゥール・ロジンスキーが、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を振ってウエストミンスターに録音したアルバムから、ドヴォルザークのスラヴ舞曲を収録した内容のCD。 ロジンスキーは元々、オーストリア生まれ、生地は現在のクロアチアのスプリト(スッペと同じ!!)で、そのためかスラヴ圏の作曲家の演奏には良い演奏が多い。 このスラヴ舞曲、ロジンスキーにしては大人しめに感じられるが、情緒豊かに歌いあげるその演奏はなかなかの演奏と言える。 出来て間もないロイヤル・フィルもなかなか上手い。 録音は古さが気になるが。
1 people agree with this review 2021/07/17
ルイ・フレモー指揮、バーミンガム市交響楽団が、EMIに残した録音の一つ。 ビゼーの交響曲第1番と交響曲ローマを収録したもの。 大体カルメンやアルルの女とカップリングされる事の多い、ビゼーの交響曲を両方集めたアルバムというのはなかなかないので、このアルバムは珍しいのではないか。 どちらもフレモーの端正で生き生きとした演奏が際立つ好演であり、特にローマはこの曲の名盤と言って良い切れ味のある演奏と言えるだろう。 録音も年代の割に良好だと思います。
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