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Showing 76 - 85 of 85 items
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1 people agree with this review 2014/02/15
地味と言えばこれほど地味な演奏はないだろう。見得を切ったりこれ見よがしなことは一切しないで、ただひたすらバッハに全てを捧げて誠実に弾いていく。ズスケの人柄そのものだ。ちょい聴きには生ぬるく聞こえたとしても無理はない。とにかくこの畢生の大作を演奏するという気負いさえもない。この人はそんなことはどうでもいいのだ。聞き手を全く意識せず、ただ作品とだけ対峙する、というのはプロの演奏家としては極めて異例だろう。誠実とか真摯とかに価値を見いださない人はこの演奏に何の価値も見いだせないだろう。キング盤は暖かいアナログ的な音作りでこれまた地味な音だが、実はハイファイである。
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0 people agree with this review 2014/02/15
ドヴォルザークの弦楽六重奏曲、弦楽五重奏曲 /ウィーン八重奏団 のCDレビューでこのレーベルのマスタリングを酷評してしまったが、あれはCD1はともかくCD2を聴くとそれほど酷いわけでもなかった。だが、このLPでさんざん聴いた演奏を聴いても、何か情報が欠落したマスタリングだという印象がぬぐえないのだ。演奏自体は、どこまでも柔らかく甘くウットリする程たおやかに歌い込まれた、もはや絶滅したウイーンスタイルを記録した名盤だと思うのだが、どうしても昔日の感動が得られないのが悲しい。
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8 people agree with this review 2014/02/15
これは初めて聴く演奏だが、まず、 mejiさんのレビューの通り音がいい!オケもヘルシンキ盤より編成が大きくスケール感がある。とはいえ、透明感や寂寥感はヘルシンキ盤がまさり、聴いた後に残る充実感もやはりヘルシンキ盤の方が上だ。でも、廉価版1枚分で買えるんですから、シベリウス好きなら買っておいて損はない立派な全集であることは間違いないです。
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10数年前の国内盤からの買い換え。音がすばらしく鮮明になっていて大満足。最近のリマスタリング技術はほんとに素晴らしい。が、広島のパヴァンヌさんのおっしゃる通り4番は高域がすっぽり抜け落ちたような帯域バランスになっている。これは録音時のマイク等の機材の関係か、セッティングミスによるものだと思われる。だとすれば、リマスタリング技術者はフラットにすれば良くなることが分かっていても、オリジナルマスターを尊重するあまり、いじる勇気がないであろう。絵画の修復でも退色した色を足したりはできないのと同じだ。帯域バランスをいじるのは音の根幹に関わるものだから良心的な技術者ほど躊躇すると思う。文化遺産に安易に修正を加えることは許されないという意識が働くからだ。これはこれで我慢するしかないのかな。私はイコライザーはおろか、アンプにはトーンコントロールも付いてないし・・・頭で補正するしかない・・・ 演奏はミュンシュらしいカラッとした男性的なブラームスです。こってり濃密なブラームスももちろん好きだが、たまにはこういうブラームスもありですよ。
2 people agree with this review 2013/10/26
私の持っているのは Mercury の Living Presence 盤だが、音が生々しくケルテス盤よりずっと音が良い。このオペラの異常な緊張感を見事に表現しきったすばらしい名演だと思う。一瞬の弛緩もないドラティの棒のもと歌手の二人も熱唱しており、一気に聞き終えてしまう。私見ではこれがベストだ。
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1 people agree with this review 2013/10/05
私の一番の愛聴盤はロスアンヘレスだが、その次はテカナワとアップショーだ。アップショーの歌唱は美しいが、曲想に対してやや知的に過ぎ、表情づけが過剰なのが気になる。テカナワは発声法が今一気に入らないが、美声で表情づけも濃すぎないところが良い。この Double Decca 盤は随分前のマスタリングだが、音は今でも十分良い。
6 people agree with this review 2013/07/10
手持ちが80年代の古い盤ばかりだったので買い直した。音が柔らかくふくよかになって格段に良くなっている。このCBSのセッションは出た時から音が悪く(最初期デジタルの硬い薄っぺらな音か、アナログは逆に抜けの悪いこもった音で)録音年からすると水準以下の音に変わりはないが、これでなんとか聴ける音になったと思う。クーベリックはライブとセッションの乖離が甚だしい。(おかげで海賊版をしこたま買わされてしまったが、音以外の演奏面でハズレをつかんだことはない。)セッションがつまらないとはいえ、これだけの巨匠だから、凡百の指揮者とはやはり格が違う。モーツァルトはゆったりめで恰幅が良い。少し予定調和に過ぎるかもしれないが、立派な演奏。シューマンは馥郁たるロマンが香り立ち、爽やかで若々しい。見通しが良く、もたれず晦渋さはない。名演の部類に入れても良いと思う。ブルックナーはセッションなので抑えめに進めていくが、やはり次第に熱気を帯びてきてライブの時の片鱗をちらりと覗かせる。こうして良くなった音で聴き直してみると、今まで思っていた以上に立派な演奏だと改めて気づかされる。癌にさえならなければ全集録音になっていたであろうに、返す返すも残念だ。というわけでセッション録音にもクーベリックの凄さはちゃんと入っていたのだった。
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6 people agree with this review 2013/07/04
Beethoven などと比べると Chopin は数段落ちると感じていた私の認識を変えてくれたのがマガロフだ。15年くらい前ノクターンを聴いたとき余りの美しさに絶句。マガロフの Chopin は神々しいまでの美しい音色で、純音楽的に楽譜通りに弾いていく。なのに哀しみが曲の隅々まで染み通っているのだ。純粋で透明な清らかな哀しみに満たされて、心が洗われていく至福の時。聴き手にに媚びたり、ひけらかしたりというあざといことは一切しない。こんなに格調高い Chopin はマガロフ以外には聴けない。エチュードやソナタなどのテクニックを要する曲でも破綻はない。若い頃はかなりのテクニシャンだったはずだ。そりゃポリーニのエチュードは凄いが、私はマガロフのテクに不満はない。よくぞこんな全集を遺してくれたものだ。神に感謝したいくらいだ。音楽評論でマガロフはほとんど取り上げられないが、私はマガロフの Chopin を評価しない評論家などは絶対に信用しない。Chopin が孤高の独立峰であることを証明する歴史的名盤と言える。ニュートンは初めて買うレーベルだったので音が心配だったが、音はかなり良い。
2 people agree with this review 2013/06/23
30年位前だったか、クルト・トーマスのことは何も知らずに聴いたこの140番が、最初の出会いだった。カンタータ自体それ程聴いていた訳でもなく、ただ、グリュンマーとギーベル目当てにたどり着いた盤だった。心に染み入る演奏だったので、カンタータも結構いいじゃないか、ということで他にも聴き漁りだしたが、感動するような演奏にはめったに当たらなかった。トーマスの盤は外れは1枚もなくどれも素晴らしかったが、世評には全く上がってなかったので怒りさえ覚えたものだ。 このCDはかなり前のものだが、音は鮮明でまずまず。が、いいかげんリマスターしてくれよな。だが、未だに廃盤になってないところをみると、世の中には目利きも多少はいる、捨てたものではない、ということか。しかし、トーマスほどの実力者が西側に亡命後さっぱり日の目を見なくなったのは残念としか言いようがない。
4 people agree with this review 2013/06/16
もう30数年前に初めてこの演奏を聴いたときの衝撃は忘れられない。さんざん「下手くそ、音が汚い」という悪評を聞いていたので、おそるおそる針を落とした3秒後には居住まいを正していた。真剣の切っ先のような気迫が音にみなぎって迫ってくるのだ。 そもそもヴァイオリンを聞くのは美しい音色に魂を癒されたいからだ。美しくないヴァイオリンなど「萎れて枯れた花」であって商品価値はないはずだ。が、たどたどしくよろよろと弾いていく汚い音からほとばしる異常な気迫が、「嘘や飾りのない剥き出しの真実」を突きつけてくるのだ。峻厳な精神の追求の果てにたどり着いた孤高の境地が、こんなボロボロの外観でしか提供されないとはとても涙なくしては聴けないではないか。こんなに崇高で気高い無伴奏は他には聴けない。唯一無二の他をもって代え難い名演だと思う。もちろんグリュミオーを始めとする名だたる美音家の無伴奏も愛聴しているが、この演奏が無伴奏の一つの最高峰であることに変わりはない。
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