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Review List of eroicka 

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     2013/01/06

    70年代後半のもので、音源はほとんどLPと一緒に録ったものだろう。今では白髪となり額も後退しきったポリーニも、このときは、額は広くなってはいたが、まだ天才青年の面影を残した風貌だ。しかも演奏に比してエネルギッシュな演奏姿が見られるのが面白い。演奏はどれもCDでおなじみのもので、今でも代表的名盤といってよいものばかりだ。モーツアルトの純粋でクールな愉悦、ベートーヴェンの知的な響きと解釈、そしてブラームスの若々しい光芒…ベームとアバドという新旧の名指揮者を起用して、香り高かったウィーンフィルの芳醇な響きがクリスタルなポリーニの演奏と交錯しあう。調べてみたが、意外にポリーニのDVDは多くない。来日公演やザルツブルク、ルツエルン出演の放送映像は目にするし、録画してみたりはするが、市販のもので入手しやすいのはこれぐらいだろう。

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     2013/01/06

    ソナタに比べれば、ともすれば散漫で退屈になりかねない曲で、実演で聴いてもピアニストの演奏があまりにつまらないと、眠さに抗しきれなくなる、個人的にはいわゆる苦手な曲だが、このバックハウスの無駄のない快速な演奏ならば、満足できる。たとえるならば、鮮度の良いマグロやカツオのようにお造りや寿司にして食うべきものを、加熱したフランス料理やイタリア料理にして濃厚な味付けをして客に出すような愚行をするのでは駄目なのだ。昨今流行のテクニックや音色、甘い表現…この曲に関しては、そういう間延びした演奏は似合わないと思う。バックハウスやゼルキン的アプローチ以外ならフォルテピアノで弾いた古楽的な演奏しかありえないとさえ思う。このバックハウスの録音は、Deccaの最初のソナタ全集に含まれたモノラル録音で、例によってモノクロームなくすんだ音だが、その音がまた、バックハウスの虚飾のない無骨な演奏を強調するようで好ましい。この曲のみならずバックハウスのモノラルのベートーヴェンソナタ全集とピアノ曲集をDECCAはいつまで廃盤にし続けるつもりだろうか。

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     2013/01/04

    乱暴な言い方だが、現代のティボーといった趣。ティボーファンにもアンチにも袋叩きされそうだが、この言い方が私的にはしっくりくる。ティボーに通じる遊び心と粋から生まれる精神を、アクロバティックな表現にして、ティボーが欠いていた確かなテクニックが支えていく。プラッソンも阿吽の呼吸で支える。デュメイを聴くならEMI時代の若かった頃のものが技が冴え自由闊達で楽しい。

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     2013/01/04

    往年のウィーンフィルを駆った野心あふれる若いケルテスが遺した1枚。後年、ロンドン交響楽団と再録音していて、そちらの方が洗練度は高いが、サウンドの魅力もふくめて、勢いというか面白さではこっちだろう。特にウィーンフィルの響きと60年代のDeccaサウンドがこの名盤の価値を高めている。不慮の事故さえなければ、現代の巨匠の一角に名を連ねていることであろう。勿論、もっとスケールを追求した派手な演奏やチェコの演奏家によるお国もの、指揮者の個性やお国柄が出たユニークなものなど、名盤がひしめく中、この曲の演奏を語るにははずせない1枚だろう。管楽セレナードは、ロンドンの端正なWindがすがすがしい、この曲の代表的な名盤として定評の高いものだが、ウィーンの音を聴いてしまうと、なぜウィーンフィルのアンサンブルが使えなかったのか口惜しく恨めしく思われる。

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     2013/01/04

    往年のウィーンフィルを駆った野心あふれる若いケルテスが遺した1枚。後年、ロンドン交響楽団と再録音していて、そちらの方が洗練度は高いが、サウンドの魅力もふくめて、勢いというか面白さではこっちだろう。特にウィーンフィルの響きと60年代のDeccaサウンドがこの名盤の価値を高めている。不慮の事故さえなければ、現代の巨匠の一角に名を連ねていることであろう。勿論、もっとスケールを追求した派手な演奏やチェコの演奏家によるお国もの、指揮者の個性やお国柄が出たユニークなものなど、名盤がひしめく中、この曲の演奏を語るにははずせない1枚だろう。

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     2013/01/01

    フルヴェンのルツェルンの第9は、死の数ヶ月前の演奏で、熱演の中にも何気に枯れた達観したような感じが漂う演奏だが、録音のよさではピカイチだ。バイロイトでも同じ54年に第九を指揮しており、録音が残っているが、素晴らしい演奏で鑑賞に堪えないものではないが、エアチェックか何からしく音質は改善の手が入ってもいまいちだ。前もかいたような気がするが、M&Aレーベルとしてはこのluzernの演奏の復刻は優れものだ。音が生々しく、ウィーンやベルリンのような個性は薄いにしても、ブレイン(シヴィル?)らイギリスの名手がそろったオケのサウンドが楽しめる。久しぶりに年越しの友として聴いて感銘を受けた次第。

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     2012/12/31

    5点謹呈しましたが、有り体に申し上げれば4点半。1987年のライヴ。クルト・ザンデルリングのノっているときの演奏の凄まじさの典型例というべき熱気が素晴らしい。フィルハーモニア管弦楽団とのセッション録音同様にテンポはやや遅めにどっしり構えてはいるが、ライブらしい高揚感からテンポの微妙な動きや激しいティンパニーや金管の炸裂ぶりが旧東独オケらしからぬ異彩を放つ。EMIのセッション録音も完成度が高く悪くはないのだが、やはりこちらが難があっても魅力的だ。難をいえば、テープの保存状態の悪さで、回転ムラが目立つ箇所が散見される。この旧東独のベルリン響(統一後の現代はベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と名前を変えたようだが)は、個々の奏者の腕は平均的に低くはないのだが、このオケはサウンドが明るすぎるため、第九という特別な曲での巨匠の意図を伝える道具になりきっていないのがもどかしい。ライヴらしいミスも多少あるのも気になり、同様の記念ライヴものとして有名なブロムシュテットとシュターツカペレドレスデンの85年ライヴに比べると感銘度はともかく完成度はやや落ちるのが惜しい。これから3年も経たぬ間に東ドイツは崩壊し、「喜び」を「自由」と歌い替えた有名なベルリンの壁の欠片とともに売られたバーンスタインの第九のライヴが残されたが、かつての東西冷戦の記憶を思いながら、これら3枚のCDを聴くのもまた一興だろう。

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     2012/12/20

    朝比奈翁のブラームスの交響曲全集は、大フィルと2回(79、80年、95年)、新日と2回(90、91年、00、01年)の計4度も録音されており、これが最後のものだ。90年以降の演奏はテンポがかなり遅く、重厚な響きと構成を重視した演奏になっているのは周知のとおりだ。ロマンのうねりは、90年代の2種類(大フィルのものは実際に実演を聴いた)が優っているが、澄み切った寒い青空の下にある葉のすべて落ちた巨木のように、飾り気のない枯淡・達観の演奏もまた印象深い。第4番の演奏があった01年3月から7ヵ月後、翁は名古屋で倒れ12月末に逝去された。間近に迫りつつあった死に思いをはせると、残ったエネルギーで最後の光芒を放ったのかもしれないという感慨を持つ。個人的な好みでは90年か95年盤だが、いずれも現在、CDは廃盤でDVDしかない状態なので、廉価なことも含めて、日本人が誇れる朝比奈翁のブラームスとして長く聴かれていくべきだと思う。願わくば、他の3種類もそれぞれの味わいがあるので、カタログに復活していただきたいと切に願う。

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     2012/12/19

    シューマンは昔出ていた大フィル盤同様、朝比奈翁らしくかなり遅いテンポで、あたかもブラームスやブルックナーのような悠久の大河を思わせる演奏になっている。ライン川というより長江といった趣。普通の演奏に比べて、くるくる変わる曲の表情の描き分けや躍動感は重視されていないが、こうした個性的な演奏がもっと多くあっても良い。モーツアルトも巨匠時代の重々しく、懐かしいスタイルの演奏だが、シューマンの方が朝比奈流が出ていて魅力的ではある。欲をいえば、(大フィルよりは上だが)オケの技量がもう一歩優れていたらと惜しまれる。ホルンのサウンドや全体の合奏力の精密さの問題が、編成が小さいだけに目立ってしまうのだが、ファンはそういう点も含めて巨匠の至芸を愛していくしかあるまい。

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     2012/12/12

    すべて数年前に国内盤で出たときに買って聴いた希少音源だが、音質に定評のあるチェコの本家がきっちり発売してくれると、やはり嬉しい。あまり興味のないリスナーにはただ端正なだけのようなイメージが強い戦後のチェコの指揮者たちだが、それぞれよく聴きこむと強い灰汁はなくとも、それぞれ持ち味やスタンスの違いが楽しめて面白い。熱く大胆なシェイナの「わが祖国」の熱演はターリヒやクーベリック、アンチェル、ノイマンに決してひけをとるものではなく、是が非でも再発売してもらいたい。一部のマニアが高値で中古CDやLPを聴いて楽しむというにはあまりにもったいない名演である。

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     2012/12/12

    前も書いたような気がするが、LP末期のファンには1000円や1200円盤LPとしておなじみだった名盤。美麗な録音とスケールの大きなベームとのステレオ録音に比べると、総合的に見て負けてしまうのは確かだが、渋みを増したバックハウスの技巧と気力ではこちらのほうに一歩利があるように思う。時には大胆な表現を辞さないシューリヒトだが、ここでは禁欲的にケレン味なくソロに寄り添った手堅いスタイルを貫いている。オケの歯切れの良い響きや終楽章の流れの良さはシューリヒトならではだ。ステレオでないのが惜しまれる。このブラームスの協奏曲第2番はいわば十八番で、これらDeccaによる2録音のほかにも、バックハウスは1939年にベームとドレスデンシュターツカペレとの覇気溢れるセッション録音があり、1953年?にクレメンス・クラウス指揮ウィーンフィルとの素晴らしいライブ録音の音源があり、シューリヒトとも1958年?にスイス・ルガーノで、スイスイタリア語放送管弦楽団と録音を残している。

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     2012/12/10

    XRCDの良い音も良いが、やはり廉価が一番。やや生真面目だが、優れた技巧と美しい音色と端正な歌いまわしが素晴らしい。

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     2012/12/05

    29番だけはステレオ録音を残さなかったはずで、Deccaのステレオ全集には29番のみ、このモノラル録音が収められている。モノラルLP時代の旧全集に収められたもので、清潔で力強い打鍵の響きと、構成感を重視したゴツゴツと無愛想な演奏ぶりが、いかにもバックハウスらしい。彼の他のソナタのステレオ録音を聴けば、この技巧を要する長大な曲だけは、彼の心技体が充実していた50年代前半までしかおそらく満足すべきものは遺せなかったはずだろう。ステレオ録音の欠落はそうした事情かも知れないが、そうであれば卓見である。ケンプよりは欧米では人気が薄れたのか、さえない音質のせいなのか、モノラル全集が長い間お蔵入りになっているが、1000円限定盤シリーズで分売という形でもかまわないから、何らかの形で、市場に再び出してもらいたいと思う。

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     2012/12/04

    グールドのゴルトベルク変奏曲は、バッハ演奏史のみならず、20世紀のクラシックのピアノ演奏・録音史を語るには不可欠とさえいえる音源だ。ライヴを含め数種類ある音源の中でLP用にセッション録音された2種類は特に有名で、いま聴いても新しさがある。遅いテンポの中に不思議な緊張感と繊細な響きを漂わせた晩年の80年の録音が有名だが、26年前のこの颯爽としたテンポの軽やかな演奏と聴き比べれば、グールドという鬼才(奇才)がどう年輪を刻んだかが垣間見れて面白い。55年録音は若々しいしなやかな感性で一気に軽やかに駆けていくが、80年の演奏はテンポは遅く構えは大きく鷹揚になった。しかし、両者に通じるものは変わらない。両者に通低するのは無駄な光沢や装飾のない清澄な響きと曲の構造美をデザインや数理の世界を操り楽しむように純粋に表現する姿勢だ。独断と偏見からいえば、通常のスター的名手なら、年齢を重ねて得る老成や精神的な深み、年輪、大家らしい風格や押し出し、野心、事大主義…といった通常の巨匠的な「成長」を獲得するのだが、彼はそれを拒み、その特異なキャラクターゆえか、青年の無垢な精神のまま、大家への老成というありきたりな熟成を否定し、「個」の殻に篭り、個性を純化させていったように思う。キャリア半ばから、演奏会を捨てスタジオに篭もったのもその表れだったのではないか。勿論、リヒターやヴァルヒャのような信仰的な精神性はないし、レオンハルトら古楽器奏者の学究性や大胆な実験精神とも違うので、ある意味正統的ではないだろうが、現代のピアノで現代的感性でバッハに新しい息吹を与えたことは間違いない。グールドは2つ目の録音も加えることでバッハ演奏史に金字塔を遺し、その後まもなく急逝するのだが、バッハの新たな魅力を現代に受け入れさせるため、まるで神から遣わされてきた存在のような気さえする。

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     2012/12/01

    LP時代に新譜で出たとき、ジャケットのグールドの不思議なポーズが妙に印象的だった。彼はこの後、しばらくしてブラームスなどの録音を残して急逝した。グールドのゴルトベルク変奏曲のセッション録音は2種類あり、そのほかにもライヴが数種類あるが、グールドのゴルトベルク変奏曲、とりわけ2つのセッション録音は、20世紀のクラシックのピアノ演奏、否、全ジャンルの演奏・録音史を語るには不可欠とさえいえる音源だ。人口に膾炙した名盤でもあり、評者諸氏により言い尽くされているので演奏自体の細かいことには詳しくふれないが、いま聴いても新しさがあり、26年間のグールドという鬼才(奇才)がどう年輪を刻んだかが垣間見れて面白い。独断と偏見からいえば、通常の凡人が歳を重ねて得る老成や精神的な深み、年輪、大家らしい風格や押し出し、野心、事大主義…といった通常の巨匠的な「成長」を拒み、その特異なキャラクターゆえか、ステージで喝采を浴びる大家への老成というありきたりな熟成の道を否定し、青年の無垢な精神のまま、スタジオにこもり、録音や放送、映像というメディアでの発信を通じ、個性を純化させ進化を追求していったように思う。55年録音は若々しいしなやかな感性で一気に軽やかに駆けていくが、後年の演奏はテンポは遅く、細部にこだわりつつも、構えは大きく鷹揚になった。しかし、両者に通じるものは変わらない。両者に通低するのは無駄な光沢や装飾のない清澄な響きと曲の構造美をデザインや数理の世界を操り楽しむように淡々と、しかし、愉悦の心で表現する姿勢だ。勿論、リヒターやヴァルヒャのような信仰的な精神性はないし、レオンハルトら古楽器奏者の学究性や大胆な実験精神とも違うので、ある意味正統的ではないだろうが、現代のピアノで現代的感性でバッハに新しい息吹を与えたことは間違いない。グールドは2つ目の録音も加えることでバッハ演奏史に金字塔を遺し、その後まもなく急逝するのだが、バッハの新たな魅力を現代に受け入れさせるため、あたかも神から遣わされてきた存在のような気さえする。

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