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Review List of 盤鬼hmv15 

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  • 1 people agree with this review
     2011/08/05

    このCDも入手してかなり経過したままであったが、再生装置のTune upに伴い久々に傾聴した次第。結論から述べると、定番に値する高評価も頷ける程の大変立派な出来栄えである。’69〜’74年にかけSalle Wagramにて収録されたセッションではあるが、データを伏せ目隠しで聴かせれば近年の録音と誰しも思うに違いない。眼前にワァ〜と広がるのではなく、SP後方に展開するオケの極めて自然なパースペクティヴはあたかも後部席からステージを俯瞰しているようでもありコンサートプレゼンス重視の録音である。特定の楽器が突出したり歌声のみが浮いたりすることもなく渾然一体に響き、とりわけ木管群の渋く鄙びた音色はまさに陶酔ものである。世評ではダヴラッツ盤に人気が集まっているようだが、歌手とオケの力量に目を遣れば明らかに格の違いを感ぜずにはいられない。加えて録音品質の圧倒的な優位を鑑みれば全曲版が収録されなかったことは返す返すも残念でならない。

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     2011/08/01

    高評価につられ入手したがやや期待外れの結果であった。スマートな棒捌きで職人肌を感じさせるスラトキンは好きだしオケビルダーとしての手腕は高く評価できるのだが、小生にはあと一歩食い足りない不満が残った。演奏・録音とも高水準なのは認めるものの、彼の洗練された解釈がやや裏目に出てしまったという感じ。本当に蒸留水のように見通しがよくオケの士気も高く感ぜられるが、全体を俯瞰すればサラッと流したような印象が拭えない。演歌のコブシみたいにコッテリやられるのも辟易だがこのあたりのバランスが難しい。結局は各人の好むシフトポイントで評価が決まってしまうようなものなのだろう。という訳で小生にはもう少しコクが欲しかった、味を引立てるスパイスとしての毒がほんの僅か加えられておればグッと魅力が増したに違いないと思う。録音もライヴの制約上困難を強いられたとは思うが、もっと深い響きが録れなかったのか…、と考え出すとキリがない。響きによっては演奏の印象すらガラッと変えてしまう恐ろしさは諸兄ならば既に御存じのはず。このCDの場合、思うに会場の固有の響きであり如何ともしようがなかったのかもしれない、小生はそう善意に解釈している

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     2011/08/01

    アナログ時代に前半部分を収録したLPを所持し愛聴していたが、HMVサイトにてCDの存在を知り懐かしさもあって思わずクリック!した次第。当時の再生システムが貧弱であったため現今と比較するのは酷とは云うものの、揺るぎ無く安定した再生音に接し隔世の感を強くした。ところで、このCDはある意味再生チェックには恰好の素材かもしれない。というのも相手は金管主体の音源なのでチョイと油断すればヒリついたりカサついたり挙句の果てには金切声も上げかねない。かといって高域ばかりに目を奪われ中・低域を疎かにすれば分厚く芯のあるトーンの再現すら覚束ないというシッペ返しに見舞われる。後半にはパイプオルガンも登場するからには尚更のこと、このCDの再生はかなりの難儀である、語弊を恐れずに言えばオケをそれらしく(原音再現ではなくイメージ再現)再生するほうがもっと楽かもしれない。夢のコラボを企画・実現してくれた先達に敬意を表すためにも、艶やかで精緻なアンサンブルの再現に意を尽くしたいものだ。

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     2011/08/01

    小生もこのレヴュー欄を参考にやっと念願の盤に辿り着くことができた、寄稿された諸兄には感謝の念を禁じ得ない。さて当盤を手にしてからかなり経過したが、未だに聴き飽きるどころか他盤を聴くごとに増々魅惑の泥沼にハマっていくような状況下にあり、「こうあって欲しい」という念願を100%具現化してくれたかけがえのないCDである。それぞれ感性の違いや個々の思い入れも有ろうが、演奏精度・録音バランス(F&Dレンジ)・明確な定位・空気感の掌握など何れをとってもほぼ非の打ちどころのない作品に仕上がっている。諸兄の仰せの通りまさに【奇跡】に近いが、好演を生かすも殺すもバランスエンジニアの感性と収録技術如何によるものだという認識を新たにするものである。そして当盤の音たるや決して鮮鋭とは言い難いのだが、このホール独特のほの暗く深みのある渋い響きは感涙ものである。小生の愛聴盤にハイティンク/RCOのチャイコ交#5があるがやはり同様な雰囲気が漂う。こちらは70年代のアナログ録音ではあるが24bitマスタリングで遜色ない。よい響きのホールが優秀なオケを育むとはよくぞ言ったものだ。やはり驚異のアンサンブルを誇るオケが有ってこその成果であると思わざるを得ない。しかしながら当ホールも地盤沈下による補強工事の結果微妙な響きの変化が生じたとの話を聞いている。コンサートプレゼンスを重視する小生としてはやはり美しい響きのホールでのセッションを望むものである。

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     2011/07/31

    結論から述べると「期待外れ」だった。【海】は演奏・録音ともに水準並み、小生には然したる感興を与えてくれなかった。どちらかと云えばラヴェルのほうがまだマシという程度。加えて抜粋版なので食い足りない不満が残る。ただ同コンビ(Mr.S/ミネソタ管)による春祭に似たような色彩感と節回しが感ぜられたことはまことに興味深い。演奏は精緻で透明度が高く、さすがにMr.Sが鍛えただけのことはある、ミネソタ管は第一級のオケである。録音は奥行感と清澄感は申し分ないのだが、我が再生環境の限界に起因するのかはともかく、SPの外側までのワイドな広がりは感じられなかった。引用としては適切ではないかもしれぬが、RRレーベルのミネソタ管を聴けばスッキリとした見通しのなかにもホールの広がりを感じさせる得も言えぬ空気感を嗅ぎ取ることができる。嗜好の範疇ではあるが小生はコンサートプレゼンスを好む傾向なので、各パートが端から端までズラッと並ぶ所謂カブリつき席を想起させる位置でのワイド感にはどうしても【?】となってしまう。そうした観点から4つ☆とならざるを得ない。因みに最近よく聴くのがローラン・プティジラール/ボルドーアクィテーヌ管(Naxos)の演奏。勿論全曲版で分厚く空気感タップリ、2006年の最新録音。興味のある方は是非!

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     2011/07/16

    演奏・録音ともに良く聴きごたえのある一枚。シンフォニック・ウィンド・オケと称するからには当然弦楽器は除かれているのだが、響きの分厚さ・スケール感の大きなダイナミックな表現からみて大編成のオケなのであろう。一曲目を終えたあとの拍手を聴いてライヴ収録と判明したが、セッション録音に引けを取らぬどころかコンサート会場の後部席で聴いているかのような極めて自然なプレゼンスである。因みに小生は眼前でカブリついたような収録は好まないので大変楽しめたが、おそらくワンポイント或いは最小限のマイクロフォンの使用に止めたであろうと推察される。ポジションも事前に念入りに行われたに違いない。と云うのも、これ程豊かなホールトーンを含みながらも各パートの細やかな動きが埋没することなく伝わってくるからである、そしてその音たるや柔らかく・芯があり・分厚く・しかも力強い。立派な演奏(ソロ・バックともに)とセンスの良いエンジニアが組めばこんなに素晴らしいCDができる、そのお手本のような事例である。ブラスのCDには意外にも食指をそそられるものが少なく、高音キンキン・スカスカ軽く薄っぺら・カサカサ粗くてドライな響きだったりと、今まで不幸にも良いCDに巡り合えずにいた。それだけに当盤を聴いた時には長年の溜飲を下げる思いであった。

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     2011/07/15

    小生所有(CD80634)のCDはこの装丁デザインとは微妙に違うが、交3の内容は同じものであることを御断りしておく。さて気分転換にマルティノンやプラッソンが本場フランスのオケを振ったCDも時折聴くが、当盤は演奏・録音とトータルで小生とはピッタリ波長が合うのか今のところ定番の座を守り続けている。実は指揮のオーマンディー氏にはあまり関心は無いのだが、思いの外あっさり且つ淡々とやってくれたのには驚いた。ゴージャス・オケを「これぞアメリカン・サウンドだ!」と云わんばかりに力任せにフルドライブすると思いきや、何とも肩すかしであり嬉しい誤算であった。この交3はデモ要素が強いためか、やたら細部を強調したりドン・シャリ的なあざとさを志向するものが多く、逆に聴いていて疲れることもしばしばである。勿論この作品は華麗さが売りなのは解るが、やはり何事も程々、華麗な中にも節度ある抑制、このバランスの取れたCDは意外と少ない。録音は全体を見据えたピラミッドバランスと豊かなホールトーンが秀逸。テラークの収録については透明度は高いものの硬質な響きを感ずるものも一部有って、テラーク万々歳と一概には言えないが、当盤ではオルガン・打楽器・低域金管など音程の刻みも克明に聴こえる程引き締まっており良い方向に作用しているようである。オルガンの低域弱音がエーテルの如くたゆたう中、各楽器群が滑らかに溶け合う様は極めて美しい。こうした感興を味わうには再生装置の能力を存分に引き出しておく事、とくに電源環境に意を払っておく事が肝要と思われる。

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     2011/06/23

    まず最初に断りを。小生の所持盤は24bitリマスターによる国内盤で、組合せ曲も異なり、装丁もオリジナルデザインを踏襲したものである。従って、ここでは【四季】についてのみのコメントに止めたい。それでは演奏から。今のところ、斬新な解釈を引提げた競合盤ひしめく中にあって明らかに分が悪いのは事実であり、かく云う小生もビオンディやカルミニョーラ等に代表される攻撃型?過激盤に魅入られている輩のひとりである。が、このセッションは我が国での【四季】人気を加速させた演奏であり、所謂ブームに火を付けた立役者であると評するに異論は無いと思われる。非常に安定した破綻の無い演奏で、感興に即した緩急の妙や終始一貫した優雅な響きは原点・指標・基準と呼ぶに相応しく、或る意味完璧とも云える演奏であった。しかし当時と今日とでは状況が全く違う、裏を返せば定型的な枠組み内に止まっているような耳あたりの良いだけの安全運転では更なる刺激や変革を求める造反組の台頭には到底対抗できない。聴き手の審美眼は磨かれ価値観も変容しつつある現在、第一線の座を維持し続けるのは至難の業であり勢い評価も辛口とならざるを得ない。ただし、今日多様な表現の恩恵に浴する我々ではあるが、その先駆者たるイ・ムジチに対する敬意は些かも揺らぐものではないと思う。次に録音について。59年の収録とはいえロケ地のふくよかな響きが実に心地良い。LP時代には過剰とも思えた膨らみ気味の低域もここではスッキリと改善(24bit盤)されておりすこぶる見通しが良い。音像の大きさや定位も極めて自然で、オリジナル音源の収録にあたっては誠実な仕事ぶりを窺わせる。よって、今となっては多少古びた感は否めないものの、斯様な表現に共感する方々の気持ちも解らぬではない。

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     2011/06/12

    70年代中期のLSOとのセッション(EMI)に比べて精彩を欠く・覇気が失せたなどと揶揄され評価の芳しくない当盤ではある。かく云う小生にとってもアシュケナージ盤(DECCA)こそが現時点での最愛聴盤なのだが、時折このプレヴィン盤を無性に聴きたくなるからには何某かの美点が内包されているからに他ならないと認識している。確かに2度目のEMI盤と聴き比べると大変ゆったりとしたテンポ設定のように思えるが、タイムは第2楽章では殆んど同じ・第4で30秒・第1でほぼ60秒位・第3が最も遅くて90秒程度の遅れでしかない。全体で僅か3分余りの差の割には如何にも鈍重な感は否めず、小生も当初はその点が気懸りで今一歩踏み込めなかった。しかしながら、そもそも当盤とEMI盤とを同じスタンスで比較すること自体に無理が有るのではないか、と思うのだ。要はEMI盤の延長線上にあるところの補完的位置付けではなく新たな解釈の提示と見た方がいいのではないかと…。いわゆる「似て非なるもの」ということだ。彼とVPOやRPOとのセッションは何かと相性が良いように思えるが、一例としてRPOと1991年にAbbeyRoadStudioで収録された幻想交響曲が一聴に値する秀逸盤である(EMI:廃盤?、手持ちはEMIライセンスによるCarlton盤)。ところで話を録音へと移そう。録音品位そのものはEMI盤よりもDECCA・TELARC盤の方が格段に上位に位置すると思う。小生のセットで聴く限りプレゼンスの表出にも長けており後者の優位は明らか、よって楽音の微妙な綾・表情が克明に聴き取れるのである。DECCA盤は響き抜群のホールに名匠K・Wilkinson氏が携わり圧倒的に素晴らしい出来栄え、たゆたう音響空間に仄かに浮かぶ木管群の響きはこの上なく美しい。一方TELARC盤はJ・Renner氏にテクニカルアシストとしてT・Faukner氏がサポート、こちらは一層各パートの表情が細やかに捉えられており、いずれを好とするか、もはや感性の違いによる好き嫌いの領域としか言いようがない。

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     2011/06/03

    本CDを聴くと「まさしく近年の録音だなぁ」と実感させる透明で広大な音場である。Dレンジも大きく、出だしの音量設定如何では慌てて絞るハメになる程。次に演奏であるが、ローカル・オケながら技術的には充分過ぎる程の実力。加えて合唱はふくよかな響きが心地良く、夢幻の境地との評はまさに正鵠。ところが、ところが…である。これだけ素晴らしい出来栄えであるにもかかわらず、よくよく聴き込むにつれ更なる欲求が湧き上がって来るのは何故なのか。このレベルともなれば嗜好の範疇で贅沢な願い事なのだが「もっと華が有れば…」と思うのだ。蒸留水の様にクールで透徹した無垢な響きはそれはそれで大変美しく夢幻的ではあるが、ウットリ酔いしれる様な麻薬的な美しさも追い求めたくなる。顰蹙を買いそうな比喩ではあるが、淑女の裏に潜む背徳の情を垣間見てみたいというような…。味気ないパンティホースよりガーター&ストッキングの組み合わせの方がより色香を感ずるのに似て…。少なくともそう思う小生はチョイ悪オヤジなのか(笑)。

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     2011/06/02

    演奏に関しては個々の好みはあれど、流麗・丁寧であるとした評に対し異論を挟む気は毛頭無い、星の数もほぼ妥当なところ。録音も美しく捉えられており、出だしのハープの旋律に期待は高まるばかりであった。しかしながら、諸兄の高い評価を信じて購入した結果は小生にとって失望に帰することになろうとは思いだにしなかった。理由はふたつ。第一に、諸兄仰せのクール・脱民族色・流麗という賛辞を小生が曲解してしまったことである。従って小生の嗜好のベクトルとは大いに異なった演奏であった。よって、この件はさして問題とは云えないと思う。第二に、実はこの事こそがどうしても受け入れ難い最大要因なのだが、楽屋裏で叩いているかのような存在感の無いティンパニの収録にある。この作品においてはティンパニ&シンバルは大変重要な役割を担っていると小生は認識している。譬えればワサビを欠いた鮨は小生にとっては耐えがたいのと同じ、良きスパイスは食材の大いなる引き立て役なのだ。好みの問題と言ってしまえばそれまでなのだが、このドロ〜ンとした締まりの無い音はモニタリングしておればその場で判るはず。まさか奏者のバチ捌きが悪いだけ、と責任転嫁しているわけでもあるまい。録音に関しては、良い仕事をしているという意見には決して組し得ない。皮肉を込めていえば、アンバランス・エンジニアの仕事としか言いようがない。さらに、この録音にOKサインを出した関係者の感性にも首をかしげざるを得ない。諸兄からすれば異端なレヴューかもしれないが、こうした少数派のコメントにも目を通して頂けると幸甚である。

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     2011/05/30

    以前から購入し御蔵入りしていたCD。彼の演奏には何かと緻密だの分析的だのとの評がつきまとうが、一音一音を確かめるが如く淡々と歩を進めていくその演奏スタイルによるところが大きいのであろう。閑話休題。ところで、本CDというかデンオン録音に対する嗜好がこれ程にまで分かれるとは…、全くもって意外であった。何もクラシック音楽に限られたことではないが、一方でコンサートプレゼンスの雰囲気を求める方々も居れば、他方で耳あたりの良い心地良い音を好む方々も多い。音楽を聴くにまでストレスを感ずるのはまっぴら御免だ、というその気持ちも解らぬではないが、音源だけは基準といえるレベルは保持すべきであると考える。その意味で本CDの収録は至極真っ当なものと断言できる。かく言う小生もチョット聴きで御蔵入りしていたのは冒頭の通り。足掛け5〜6年を費やし、生演奏の記憶を基準としてじっくりと部屋・機器のチューニングに意を注いだ結果何とか9割がた能力を引き出せる様になったと確信を得られた時、疑問の有ったCD群を改めて再生してみたところ以前とは思いもよらぬ良い結果が出て愕然としたものだ。一部の諸兄の仰せの通り、恣意的な強調の無い極めて自然な音場感を確認できた。それなりの機器だからと謙遜なさる方々も時間をかけて根気よく追い込んでみることを御勧めする。安価な装置であっても性能は思いの外優れているのだと実感されるに違いない。ラヴェル作品はこうであらねばならぬ、とした先入観を断ち切って虚心に耳を傾ければ色々な発見ができること受け合い。

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     2011/04/25

    かれこれ5〜6年前に購入して以来、数回聴いた程度で放っておいたCDである。というのも、当時は平凡でごくありふれた演奏にしか聴こえなかったから。クレジットに拠ると録音は1993年にT・フォークナー氏が担当しており、彼のセンスと実績から見てどうにも合点のいかぬ仕上がりが何とも不可解であった。7年程前、現在の部屋に新たに再生装置を導入、ひたすらSPのセッティングと部屋のチューニングに意を注いできた。その後の停滞・紆余曲折を経てようやく90%程度の能力を引き出せる様になったと確信を得た頃、ふと当盤が脳裏を過った次第。あの凡庸なCDがどの様な変貌を見せるか、あるいは変わり映えせず埋没するのか、まことに興味津々、結果は先述の方々とほぼ同様の素晴らしいものであった。これが同じCDとは全く思えない、まさに別物、左右の展開は相応に感じられたが前後方向の広大さには大変驚いた。よって上記の疑問は完全に消え失せた、やはり彼は信頼に足るエンジニアであったのだ。加えて、今後へ向けた更なる改善の目途がついたのも喜ばしい限りである。今回の体験から言えば、当然のことながらレヴューに関してもより慎重な記述にならざるを得なくなる。自戒の念を込めて記入したこのレヴューが諸兄の参考になれば幸甚の極みであります。
    (因みに文中の試行錯誤には一切お金をかけておりません、再生機器の能力が存分に発揮されなければ宝の持ち腐れです、御自身の聴覚を信じて労を惜しまず根気よく追い込むのが何よりです)

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     2011/03/31

    1巻・2巻ともに素晴らしいBOX。クラシック音楽に没入する愉悦感を久々に味わうことができた。スター指揮者だの有名オケだのそんなもの一切お構い無し、妙な偏見や先入観に囚われること無く自己の感性の趣くままに素直に身を委ねられる。こんなエキサイティングな昂揚感は青年期以来かもしれない。長年の耳垢を洗い流してクラシック音楽の原点に引き戻してくれたかのよう。これ程充実したセットを驚異的低価格で入手できるなんて今時の入門者の方々は幸せです。しかしながら小生は敢えてベテラン層にこそ虚心に傾聴して頂きたい、人それぞれ謙虚に自己遍歴を見つめ直す一つの契機となるのでは?それにしても英国のオケは総じて柔軟性に富み洗練された中庸の美を醸し出してくれる。何も足さない・何も引かない、言うは易く大変高度な作業です。もしも続編がリリースされるならば躊躇うことなく購入するに違いない。

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     2011/03/31

    彼の演奏に接する度に常々感じるのが一種独特の節回し。しかしながら、どのような作品であっても自家薬籠中のものに転化し完全に消化しきっている故か、コケオドシやアザトサを感ずることは皆無に近い。これこそが数多くのファンを魅了し続ける大きな理由の一つに挙げられると思う。今回のフランス作品には久々に言葉を失う程の衝撃を受けた。諸兄も言及しておられるが、ハレ管本来の実力には恐れ入った次第。せっかくの好演・優秀録音を生かすも殺すもマスタリング如何であるという事実に改めて気付かされたのは収穫。チャイコの#4交は清澄感あるも、時折フラつく定位に人工的な加工臭を感じた、それが何に起因するのかは皆目判らないが敢えて欠点といえばその程度、非常に充実したBOXと推すに異論は無い。

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