TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン

Review List of 一人のクラシックオールドファン 

Showing 856 - 870 of 2357 items

%%header%%

%%message%%

  • 1 people agree with this review
     2011/08/27

    ムターは代表的なヴァイオリン協奏曲をカラヤンの伴奏で録音をしており大概はオーケストラがBPOなのですがメンデルスゾーンという超横綱級ヴァイオリン協奏曲のバックを担当しているカラヤンの唯一?現役盤ということがポイントでもあると思います。さて、1980年録音のメンデルスゾーンの方は演奏タイムが@13’55A9’28B7’05とVと合わせる如くというかカラヤン本来のレガート資質からかじっくりと運んでいます。第1楽章、Vは目一杯に働き17歳の瑞々しさより年相応以上のものを感じました。つまり艶っぽくカデンツァも中々雄弁でとにかく難しい事は一切抜きで聴かせ処をきっちりと・・・。バックオーケストラBPOも実にしなやかな弾力性を維持します。第2楽章の旋律も彼女の繊細な面も活きこのメロディの美しさを充分に引き出します。カラヤンの伴奏も丁寧にフォローしサービス満点。ある意味この曲に対して満を待する形となった72歳のカラヤンに「なれ」が無いのも流石です。最終楽章もVはオーケストラに身を委ねて最後は華麗に堂々と〆めます。この曲の分り易い名曲たることとメンデルスゾーンはやはり若い女性ヴァイオリニスト・・・ムターはこの時17歳!・・・が似合うことを再認識させてくれました。ムターには後年2008年ライブでマズア/LGOバックでの再録(タイム@12’24A7’16B6’13)があることを付け加えておきます。次にチャイコフスキーについてはVPOバックで1988年にライブ収録(本盤、ムター25歳の頃、演奏タイム@19’18A7’18B10’10)しているし2003年にもやはりオーケストラはVPOで前年2002年に結婚した(但し2006年離婚)夫プレヴィン指揮により熱々?の演奏録音(タイム@18’26A6’58B9’43)を残しています。さて、肝腎の本盤は全体としてカラヤン(当時80歳)主導の下ややゆっくりした運びで演奏されます。第1楽章VPOの柔らかな当たりで前奏後入るヴァイオリンは勿体ぶってレガート気味を効かせ節回しよろしく濃厚な色合いを帯びながら変化して行きます。バックオーケストラは余裕綽々、途中の全奏も極めてゆっくり貫禄(弛緩?)を見せます。長いカデンツァも充実ぶりを若い彼女は見せ付ける如くで確かに表情付けによりもたつきは感じられず〆もある官能ネットリ感すらあります。第2楽章はVもオーケストラも比較的セーブ気味に所謂ロシア色は薄くしかしメロディは甘くつけます。途中大波・小波を噛ませてはいますが相変わらずテンポはゆっくり、続く最終楽章への不安な橋渡し後いきなりアレグロ調から特にVと管楽器しの遣り取りは工夫され・・・多分カラヤン色・・・Vの技も節回し中心にバッチリでロシア民族舞曲風な楽章なのですが決して土臭くありません。華々しさも結構あります。カラヤンの許容の下で好き勝手にやっている印象にも受け、いずれにしても人生、物事共に永遠ではなくこのコンビの録音盤も本盤演奏が最終コーナーになりました。このカラヤン・チルドレン「師弟」(?)関係の演奏盤はメンチャイに限らず何でもよいのでクラシックファンとしては知っておいて損はないでしょうし大指揮者カラヤンの(甘いのを充分承知で)そういう微笑ましく記録されるべき側面かと思います。最高ランクにしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2011/08/26

    先日小澤征爾がSKF松本で1時間ばかりバルトークの「青髭公の城」を振って復帰ぶりを見せたらしくホッとしているのですが本盤はずぅーと以前の1981年まだ彼が46歳の頃BSOを指揮してビバルディ「四季」を演奏したもので先ずBSOの「四季」が珍しいのとヴァイオリンのシルベルスタイン(当時49歳頃)が元々BSOのCMだった為なのかもう実に自在なその即興性が聴き処でバックの小澤の個性を直に感ずるにはちょっと隔たりがあったなと思いました。しかし小澤自身このBSOをあのクーセヴッキーを上回る長期にわたって振り続けて行くわけでその辺りは阿吽の呼吸なのでしょう・・・我々素人が口出しする次元ではなくそこが小澤の小澤たる所以かと今聴き直して新たに思った次第です。演奏タイムは春10’03,夏10’20,秋10’32,冬8’24と若干テンポとしては速いかなといった程度です。演奏は例えば「春」の出だし弾み良くオーケストラは分厚め、そこへ独奏ヴァイオリンが浮び上がってソフトながらメロディ重視に入ります。そしてそのラインが通常の演奏では聴けない「音」として送り出されそのアドリブぶりというかもう好き勝手に進めており元CMよろしく暴れております。「夏」は少し大人しい感じがし「秋」「冬」は冒頭「春」からするとやや平板かなと素人ながら感じました。それはさておきヴァイオリン協奏曲なのですからそのアプローチぶりにはいろいろありましょう。小澤にしても先輩の暴れぶりを静観しているとも思われるのですが各季節での楽章〆等に独特のファッーとした雰囲気を醸し出します。もう30年前の録音なのですが音質は問題ないと思いますし仕様向上盤もある様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/25

    メニューインが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には結構録音盤が数多く残されていてバックがフルトヴェングラー指揮のものは1947年オーケストラLFO(タイム@23’57A10’53B10’16)、同じく1947年オーケストラBPO(タイム@23’44A10’26B9’56)そして本盤演奏1953年オーケストラPHO(タイム@23’43A9’36B10’16)の三種を私は確認しております。さて、1953年というとフルトヴェングラー67歳、メニューイン37歳の頃、年の開きとしては後年クレンペラーのバックで演奏した時と同じなのですがメニューインが一回り若いせいか第1楽章からやや饒舌的な感じで仕掛けカデンツァにおいても中々な達者ぶりであります。若さにおける意欲と解釈しております。第2楽章は更にロマン性を強調して情緒たっぷりであります・・・ちょっと「場違い」寸前?まで煮詰めております。最終楽章はさすがメニューインの方も決して流れずに手綱を引き締めておりカデンツァも一応メリハリをつけます。ベートーヴェンのこの曲における構築性よりロマン性を聴き応え・見栄えあるものに仕立てた演奏かと思います。我々LP世代ではフルトヴェングラー指揮でのこのベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲(メニューイン)とピアノ協奏曲「皇帝」(フィッシャー)がレコード・ライブラリーの定番にもなっていた事が懐かしく素晴らしいランクの演奏には間違いありませんね。同年?録音のロマンス第1番(タイム7’37)、第2番(同9’33)の方はフルトヴェングラーペースがたっぷり味わえるものでこの両曲にしては起伏豊富に大げさな感じもしないわけではありませんがその芸風を単純に楽しんだら良いかと思いました。本演奏には仕様向上盤もあり更に音質が期待されるようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/24

    先日小澤征爾がSKF松本で1時間ばかりバルトークの「青髭公の城」を振って復帰ぶりを見せたらしくホッとしているのですが本盤はずぅーと以前の1981年まだ彼が46歳の頃BSOを指揮してビバルディ「四季」を演奏したもので先ずBSOの「四季」が珍しいのとヴァイオリンのシルベルスタイン(当時49歳頃)が元々BSOのCMだった為なのかもう実に自在なその即興性が聴き処でバックの小澤の個性を直に感ずるにはちょっと隔たりがあったなと思いました。しかし小澤自身このBSOをあのクーセヴッキーを上回る長期にわたって振り続けて行くわけでその辺りは阿吽の呼吸なのでしょう・・・我々素人が口出しする次元ではなくそこが小澤の小澤たる所以かと今聴き直して新たに思った次第です。演奏タイムは春10’03,夏10’20,秋10’32,冬8’24と若干テンポとしては速いかなといった程度です。演奏は例えば「春」の出だし弾み良くオーケストラは分厚め、そこへ独奏ヴァイオリンが浮び上がってソフトながらメロディ重視に入ります。そしてそのラインが通常の演奏では聴けない「音」として送り出されそのアドリブぶりというかもう好き勝手に進めており元CMよろしく暴れております。「夏」は少し大人しい感じがし「秋」「冬」は冒頭「春」からするとやや平板かなと素人ながら感じました。それはさておきヴァイオリン協奏曲なのですからそのアプローチぶりにはいろいろありましょう。小澤にしても先輩の暴れぶりを静観しているとも思われるのですが各季節での楽章〆等に独特のファッーとした雰囲気を醸し出します。もう30年前の録音なのですが音質は問題ないと思いますし仕様向上盤もある様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2011/08/23

    オイストラフの弾くブラームスV協奏曲の代表盤(バックはクレンペラー/FRO)として私達の世代ではエンジェルLP盤でのベートーヴェンV協奏曲(バックはクリュイタンス/FRO)と並べて聴いたものです。本盤演奏は1960年の録音でタイムは@22’35A9’48B8’26と特に特徴はなく同じオイストラフが弾くこの協奏曲の他演奏・・・例えば1953年録音コンビチュニー/DSKOの@22’00A9’27B7’55や1969年録音セル/CLO盤@22’33A9’36B8’32等と大差はタイム上はありません。さて、演奏ですがロシア、ドイツ、フランスの各演奏者がちゃんと協演を成就した印象でクレンペラーが上手く要所においてFROからドイツ風の重厚な音色を引き出しているのがそのスケール感と共に味わえオイストラフも実に堂々と大らかなもので時に挟まれる美しさはもう最高ランクですね。第1楽章多少押出しの強いスタートからアタックも強くそしてしゃくり上げる様にゆったり序奏が進みます。もうこの辺りで雰囲気は決まります。そして入るVは隅々まで行き渡るタッチで横綱相撲の様な余力と美しさも然りであります。カデンツァでの微妙な処も聴きもので陰影のつけ方も素敵です。この演奏時オイストラフ52歳、クレンペラー75歳とどちらかと言えば今の感覚では高齢者に属するメンバーなので溌剌感はありませんがそれに代わるものが聴き取れます。第2楽章はゆっくりしたペースで落ち着いたムード、潤沢感さえ放たれます。ピーク時のヴァイオリンの艶やかさとバックの幾分渋めの浮沈具合が上手くブレンドされます。最終楽章は単調にならない様にややつっかけながら展開するのは流石この両者ならではの演奏です。次にブラームスのダブル協奏曲は1956年収録オイストラフ(当時48歳)、フルニエ(同50歳)という巨匠を迎えた名盤でベーシックな位置を占めています。演奏タイムは@16’03A8’08B8’25でペースとして普通でしょう、オイストラフのやや骨太な感じとフルニエの優雅な感じのブレンド具合をどう聴くかでしょうね。本盤ブラームスはこの曲で性格的に語られる人生の悲哀感というより堅牢な演奏なのですが余り巨匠?過ぎて手に余る感じ・・バックのガリエラ(同46歳)も含めほぼ彼ら三人同世代で感覚相通じる面とフト本音のたわみが感じられるのも面白いですね。本盤収録後以降夫々再録はビジネスの常。残念ながらジュリーニ/PHOのバックを得てアラウの弾く名演のピアノ協奏曲二曲(第1番→1960年録音、トータルタイム51’57。第2番→1962年録音、トータルタイム50’32)は未聴であります。CD3枚でこの演奏でこの価格は要注目なのですが未聴分がありますので慎重に★一つ保留させて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/22

    アーノンクール/VCMのバッハ世俗カンタータ二曲ですがまだ彼が大量生産に入る前?か(1988年録音、アーノンクール59歳の頃) 比較的私は受け入れ出来ました。どちらの曲もマァ性格的には穏やかな方なのですが古楽器演奏と共にアーノンクールらしいアタックの鋭さが垣間見られ面白く聴けました。歌唱陣も夫々健闘しておりBWV208狩りカンタータ(タイム33’25)でのアルノルト・シェーンベルグ合唱隊も中々良いですが安定感で少し私のフィーリングと合わない処も・・・、私は元々リリング指揮のものでの喜びに溢れた合唱がポイントで気に入っておりますが・・・。このアーノンクール盤では特にBWV212農民カンタータ(同30’22)のソプラノアリア・・・A.M.ブラシ(イタリア系アメリカ 当時32歳)が演奏全体のセカセカした雰囲気を和らげこのカンタータの趣旨に合致した曲運びになっているのが素晴らしいです。アーノンクールは他のバロックスタートの指揮者同様レパートリーを拡げ過ぎて粗製乱造の印象時期もあったようですが大分焦点が定まってきたのでしょうか、どこの世界も生き抜くのは厳しくなってきていますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2011/08/21

    本盤はバロック声楽ではその清澄な歌唱ぶりに定評あるカークビーの歌ったバッハ・カンタータ他からの抜粋集でマァ彼女の声にどっぷり浸かるには格好盤とは思います。ただあくまで私の好みなのですがこの種の盤は次々と清澄な声・・・(確かに他のレビューの方が書かれている様に「音」と捉えられるかもしれませんね)・・・が続くとどうしても一本調子に聴こえ勝ちになる処をどう読み取るかでしょう。本盤収録曲中例えば私の聴いた1985年録音の「狩りカンタータ」ハイペリオン盤はグッドマン(当時34歳)/パーリー・オブ・インストゥルメンツによる古楽器による伴奏とカークビー(同じく36歳)のソプラノの見事さで同曲代表盤(トータルタイム43’33・・・曲が長いのは曲の首尾にBWV1046シンフォニアが挿入されているためでした)からのソプラノ・アリアが本盤には入っております。流石彼らの演奏は清澄な響きでかつある家庭的な暖かさに満ちたものになっておりました。その他個々の曲を詳細に聴いたわけではありませんし前述の好みからOKランクに当面しておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2011/08/20

    オイストラフの弾くブラームスV協奏曲の代表盤(バックはクレンペラー/FRO)として私達の世代ではエンジェルLP盤でのベートーヴェンV協奏曲(バックはクリュイタンス/FRO)と並べて聴いたものです。本盤演奏は1960年の録音でタイムは@22’35A9’48B8’26と特に特徴はなく同じオイストラフが弾くこの協奏曲の他演奏・・・例えば1953年録音コンビチュニー/DSKOの@22’00A9’27B7’55や1969年録音セル/CLO盤@22’33A9’36B8’32等と大差はタイム上はありません。さて、演奏ですが既に皆さんのレビューで言い尽くされており屋上屋を重ねる感じがしますが・・・ロシア、ドイツ、フランスの各演奏者がちゃんと協演を成就した印象でクレンペラーが上手く要所においてFROからドイツ風の重厚な音色を引き出しているのがそのスケール感と共に味わえオイストラフも実に堂々と大らかなもので時に挟まれる美しさはもう最高ランクですね。第1楽章多少押出しの強いスタートからアタックも強くそしてしゃくり上げる様にゆったり序奏が進みます。もうこの辺りで雰囲気は決まります。そして入るVは隅々まで行き渡るタッチで横綱相撲の様な余力と美しさも然りであります。カデンツァでの微妙な処も聴きもので陰影のつけ方も素敵です。この演奏時オイストラフ52歳、クレンペラー75歳とどちらかと言えば今の感覚では高齢者に属するメンバーなので溌剌感はありませんがそれに代わるものが聴き取れます。第2楽章はゆっくりしたペースで落ち着いたムード、潤沢感さえ放たれます。ピーク時のヴァイオリンの艶やかさとバックの幾分渋めの浮沈具合が上手くブレンドされます。最終楽章は単調にならない様にややつっかけながら展開するのは流石この両者ならではの演奏です。なお、オイストラフ盤としては前掲分以外にHMVカタログでは1951年コンドラシン/MRSO、1961年(ライブ)ペドロッティ/CPO、1965年(ライブ)コンドラシン/MPO等が載っております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/19

    ドヴォルザークの作品はどうしてもボヘミア色が濃いという前提で聴く為か深く心に普遍的に残るものではなく平ったく申せば表面上のその民族色を楽しんだら良いといった具合でとどまっている場合が私には多いのです。本盤はそのドヴォルザークの協奏曲と室内楽曲をサラ・チャンを軸にして収録した企画としてはチャレンジングなものです。本盤の先ず協奏曲の方なのですが第1楽章の印象深い出だしからサラ・チャンは情緒たっぷりと初めの独奏で勝負をつけた格好となっています。決してハッタリ的ではなく寧ろ丁寧なアプローチでこの録音時の2001年ではかつて神童と言われた彼女も21歳(それでも若い!)、女流の華やかさは適度に保ちつつ単に前述の表面的な作りに終始しているわけではなく何か惹き付けるものがあるのはバックのデイヴィス/LSOのふくよかさがプラスに働いたのではないでしょうか。第1楽章から続けて入る第2楽章ではたっぷり墨を含んだ筆で難しい事抜きに表現幅豊かに安定的に進みます。舞曲風な最終楽章はいろいろテーマが立て込んでやや冗長的な楽章ではありますが中間地点ではよーく歌わせます。演奏タイムとしては@12’08A11’12B10’25と普通のペースでしょう。もう一曲はピアノ五重奏曲(タイム@14’00A12’24B3’56C7’48)ではグリーグの熱心な擁護者ノルウェーのアンスネス(2002年録音当時で32歳)を迎えてサラ・チャンは弦楽器の一担当での共演です。分り易いそれこそボヘミア調豊かに決して室内楽だからと言って底深いものではありません。ピアノはややクールな感じながらちゃんと落ち着いたフレージングを醸し出します。この曲の聴き処の第2楽章は例のドゥムカ・メロディが変奏的にも支配し〆は余韻をもって終わります。最終楽章は作品自体に私はやや安易さを感じてしまっています。しかしながら全体的には入念な演奏展開は室内楽の愉悦感を味わせてくれます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2011/08/18

    珍しくHMVシステムメンテナンスに時間がかかっている様で本レビューが8/15付けで載るかどうかは不明ですがこの「復活」交響曲は周知の様にマーラーがクロプシュトックという人の書いた「生きるために死ぬ」という内容を持つ「復活」という詩に感銘を受け,これを最終楽章のテキストとして使ったため,この標題がついております。「復活」というワードにおいて今年の8/15という日はお盆の日、終戦記念日に留まらずあの大震災を経ただけに特別の想いに連なるのであります。さて、HMVの指揮者別のCDカタログ画面を見ていると小澤征爾の指揮盤には作品は限られてはいるもののマーラー作品が現時点では数では上位の位置を占めており何がこの状況に至らしめているのかなぁと自問しております。師事したバーンスタインの影響も考えられますが実にさっぱりした肌合いのアプローチが得てして強調されるユダヤ的アプローチとは別路線的のそれも聴き飽きしないある種「普遍的」なフィーリングがひょっとしたら先の自問への自答になりそうです。さて、本盤演奏はその小澤の得意曲マーラー「復活」交響曲で2000年小澤65歳の時あのソリスト集団SKOを振ったものでライブらしい雰囲気がよく伝わった録音盤で特に奇を衒った運びはせず正面から取り組んだものとなっております。まぁ海外のマーラー指揮者による演奏からすれば表現の平坦さというか深み或いは底力に今一歩の面は有るかもしれませんがそれは前述の「普遍的」フィーリングに話は還って来ると思いました。演奏タイムは@20’47A10’05B10’21C4’59D33’58で最終楽章はその後聴衆拍手がライブらしく入っています。小澤には1986年録音BSOを振っての演奏盤もありその演奏タイム@21’06A10’12B10’17C4’53D33’28と大差はありませんが全体ややテンポが速い様に感じました。独唱陣の菅(S、当時41歳)、シュトゥッツマン(A、同35歳)及び合唱団(関屋晋率いるアマチュア合唱団晋友会合唱団で1980年やはり小澤征爾の指揮のマーラー交響曲でデビューしたリーダーの名前をイニシャルに冠した合唱団です)は共に健闘していますが強力な弦楽器群を有する集団オーケストラの影に若干隠れたイメージも・・・。第1楽章ライブならではの熱気が感ぜられるスタートではありますがユダヤ的執拗感はなくメリハリをつけながら進めます。中間部のあのドタンバタンでのオーケストラ整理の上手さは流石だと思いました。穏やかな第2楽章は小澤らしくロマン性を強調されます。又後半初めのピチカートの美しさは印象的。「子供の不思議な角笛」テーマがメインの敢えて言えばこの曲の「要」ともなる第4楽章は天国への憧憬を描く落ち着いたアルトが登場。最終楽章では初めの方の各管楽器が美しくそこからの盛り上げは素晴らしいですね、途中私には少し単調〜弛緩に瞬間的に陥ったと思われた部分もありましたが合唱も加わりやがて最高潮の〆に繋げて行きます。日本のメンバー主体でこれだけの演奏を成し遂げられる水準の高さは聴き物かと思います。満足感に満たされた聴衆拍手も効果的?個人的な事ですがこの私のレビューがHMVでの私のレビュー一覧リストで瞬間的にも丁度1500件目に当たるのも私にはある感慨をもたらしてくれます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/14

    かつてリリング指揮のバッハ・カンタータ全集が出ていましたが本盤はその内の所謂世俗カンタータ2曲のセットものです。ただ本盤も現在販売されておらずリリングの演奏雰囲気だけお伝えしたくメモしました。私はこの1965年録音リリング指揮/SBCによるBWV208狩りのカンタータ(タイム38’40)をLP時代から気に入っております。リリングのバッハ・カンタータ・シリーズにはお馴染のH.ドナートとE.シュバイザーの二人のソプラノ(録音当時両名共25歳)他による独唱もよいですが合唱が合唱の喜びを感じさせる当たりのソフトな中々素敵なカンタータです。リリング32歳の時の録音でいい意味で「若さ」「新鮮さ」が出ています。それに大体リリングのバッハ・カンタータは長調分にはその伸びやかさと共に適した感じであります。世に評判のE.カークビ他/R.グッドマンによるハイペリオン盤も名盤なのですが合唱の喜びが味わえないのが頼りないのでリリングのを取り出す場合が多いようです。BWV211(タイム25’58)「コーヒーカンタータ」も捨てがたいですがBWV208録音からかなり時代が下がった1996年収録?なのかリリングが変身したのかリリング得意な合唱部分が無いのか今一曲とは言えこれも頼りないです。トータルで素晴らしいランクにしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/13

    珍しいペライヤのブラームス演奏で1986年ペライヤ39歳の頃の録音で協演はアマデウスSQ(ASQ)メンバーであります。アマデウスSQも設立来ほぼ彼と同年数経っていたのですがこの録音後メンバーの一人が亡くなってしまいこの名門SQもその活動を閉じてしまったそうです。さて、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番は比較的若い時期の作品であり本演奏もそれを窺えるものとなってはおりますが第1楽章などブラームス特有の屈託には少し世界が異なる様なイメージでそれはペライヤの澄みきり型のピアノ音色にも因っているのではないでしょうか。何もそれがこの演奏の足を引っ張っているわけではなくASQのメロウな音色と中ほどのきついタッチが上手くブレンドされてはおります。第2楽章においてはピアノは少し引き下がってバランスをとりASQと同質音が聴けます。鷹揚なややリラックスムードからリズミカルな箇所から発展して行く第3楽章は後段元気を保ちつつこの演奏の基本イメージの透明感が〆に結びつきます。最終楽章は私などは仏映画「仕立て屋の恋」のテーマ曲を思い出すのですが比較的ジプシー的舞曲調できつい攻め方でテンポも少し速めに感じました。そしてピアノの力強さが更にペースリードし〆へは緊迫感溢れた猛スピードで進めます。演奏タイムとしては@14’08A8’19B9’31C8’15と前半はゆるめ、後半がきつめといった処でしょうか。私の聴いた盤はこの曲だけで約40分だけの収録は物足りないとは思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/12

    以前本演奏別盤に書き込んだメモを主に繰り返しておきます。カラヤン亡き後のムターにどのような変化があったのか私はフォローしてはいませんがこの小品集は比較的気に入っています。1992年彼女が29歳・・・30歳手前の時期でどの曲も彼女の技巧を裏付けて表情を大いに付けた縁取り深い演奏になっております。大半がジプシー色の濃い曲目なのでそれなりに表情はつけ易いのではありますが難しいことは抜きに美しい演奏を楽しむには同種演奏盤を一歩リードしている盤と思います。そう、各曲に説得力もあり芸術とかなんとかではなく商品として一定のレベルを保ち続けるでしょう、レヴァイン(当時49歳とまだ後年アクシデントがち前で好調な頃)指揮も際立った個性はないものの要領を得た指揮です。主な曲タイムをチェックしておきましょう・・・「悪魔のトリル」16’32、「カルメン幻想曲」12’36、「ツィガーヌ」10’01、「ツィゴイネルワイゼン」8’41・・・等々です。タイム的にもどの曲にもコッテリ・じっくり攻め上げている印象を受けております。正しく彼女のエンタテイナーの面目躍如たる素晴らしいディスクであり、改善仕様で音色も期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/11

    別盤でチャイコフスキーとラロを聴いていますので参考までに書き込みました。チャイコフスキーの方はスタインバーク/BSKOがバックを務めた演奏で1928年録音(フーベルマン46歳、タイム@16’06A6’07B5’58・・・一部割愛されて短め)と発売当時は世界最初のこの曲の録音演奏だったそうです。ベートーヴェンでセーブされた要素はチャイコフスキーとなれば甘く時代がかったアゴーギグ、ポルタメントの多用となり昨今の標準化?された演奏から想像もつかない様です・・・簡単に申せば今の感覚からは多分にこの曲をディフォルメした大袈裟な演奏でベートーヴェン協奏曲より向いているのでは・・・。まだ録音演奏での演奏スタイルのメッシュが粗くてもまかり通る時代だった事でもありLP普及と共にそのメッシュが細かくなって行ったのでしょう。現IPOの前身オーケストラを創設したユダヤ系演奏家フーベルマンの演奏はこういった具合で同系エルマンへと継投される合い通じる演奏かなとも思います。なお、フーベルマンのチャイコフスキーのV協奏曲は後年1946年オーマンディ/POバックのライブ録音(タイム@15’41A5’52B6’02・・・やはりカット版?)も残されているようです。ラロのスペイン交響曲は1934年あの厳格を後年極めたセルがまだ推定37歳頃、この強烈個性溢れる異端名匠フーベルマンのバックとしてVPOを振っての録音盤です。私の聴いたのは第3楽章がカットされた抜粋版でタイムは@7’10A3’40B-C5’55D7’38でありました。演奏自体はやはり大時代的な分厚い甘さが現代では味わえないものなのでしょう。大げさなヴィブラート&ポルタメントはこれみ見よがしの技術の豊満さを強調しマァ一度聴いたら後は・・・。何れもジプシー的というかラプソディックな味わいは録音年の割りに良好な音質と共に保証出来るのではと思いました。本盤の他の曲は聴いておりませんのでOKランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/08/10

    以前本盤にはレビューを入れており現在廃盤なのですが今回は印象的な「英雄」交響曲メインにコメントを入れました。1957年、当時最年少記録でバイロイト音楽祭に出演し話題を呼んだサヴァリッシュは1960年代半ばからNHKSOを振って日本でも馴染み深かかった指揮者でレコードでは私などはVSOをふったブラームス交響曲くらいから聴き始めたものです。彼の演奏は決して奇を衒うものではなく崩れる事は先ず無くそのルックスからも次第にある貫禄も放っていました。本盤収録曲はそうしたいい時期の1993年彼が70歳の時RCOを指揮して収録したベートーヴェン交響曲第1番(タイム@9’08A8’48B3’33C6’01)、第2番(同@12’58A11’31B3’34C6’27)、第3番(同@15’50A16’30B5’34C11’55)、第8番・・・ライブ(同@9’39A3’54B4’32C7’39)で何れもサヴァリッシュらしい堅実な貫禄ある演奏です。さて、「英雄」交響曲についてはサヴァリッシュ指揮分として昔は1970年BRSOを振ったものが記憶に残っているのですが・・・・、本盤は多分マイルドさが増したと思われます・・・第1楽章出だしは決して重々しくなくやや残響大きめな感じで節と節間のつなぎがソフト、要は固くなくがさつかない運びです。後段への攻め方は流石上手く一部管楽器の改変を加えて充分引っ張って終わります。本盤収録の他の交響曲は反復演奏がなされている反復がこの「英雄」交響曲では実施されていないのが特徴と申せましょう。第2楽章の葬送楽章はやや探る様な雰囲気でのスタートで執拗な感じはしません。フーガ箇所も美しく後段〆めへは時としてシャクリを噛ましながらティンパニーもソフトにゆっくりと終わります。ややテンポ的にはゆっくり目ですが気にはなりません。第3楽章半ばの管楽器の伸びやかさというか鄙びた感じは印象的。最終楽章も決して大げさな構えではなく軽妙感すらありますが最終コーナーへは密度濃く運んで行きます。多分当時トレンディになりつつあったピリオド楽器演奏の影響とRCOの艶っぽいサウンドがバランス良く以上の様な印象へのプラス要因になったと思われます。素晴らしい盤ですね。サヴァリッシュはすでに引退しておりあのTVでの指揮姿が懐かしく思われる昨今ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

    0 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 856 - 870 of 2357 items