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Review List of レインボー 

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     2022/08/07

    このCDはマルセル・ラットが書いた喜歌劇『パリの悪魔』という作品の全曲盤。
    ラットはフランスで1930年代に活躍した作曲家だそうで、主に映画音楽の分野で活躍したそうだ。
    このパリの悪魔は、ラットの作品の中で唯一知られているオペラ作品のようであるが、今まで録音もないようで、どうやらこれが初の全曲録音のようである。
    初演は1927年との事だから、映画音楽を手がける少し前、時代的にはミュージカルに繋がるようなポピュラー風味の強い作品も出てきた頃の曲だが、その作風はオッフェンバックから始まり、ルコック、メサジェ、アーンらの系譜を継ぐフレンチ・オペレッタの後継者的な作品だ。
    ただ、作品は親しみやすいメロディが続くが印象に残るものはなく、忘れられたのも分からなくもない。
    演奏は、ディラン・コルレイ指揮、パリジャン・フリヴァラティ・オペラ・カンパニーで、この団体は知られざるフランス・オペレッタを上演する団体との事。
    演奏そのものは悪くなく、室内編成の軽快で小気味良い演奏が作品にあっていて良い。
    歌唱も問題なし。
    詳細なセリフが載った小冊子などが付いたデジパック仕様なのですが、ちょっと特殊な作りで、CDも2枚組デジパックによくある観音開きタイプではなく、めくってあける変わったタイプで上記の小冊子も挟んであるだけ(=固定されてるわけではないので、落ちやすい)というもう少し丁寧な作りならもっと良かった。
    録音は新しいだけあり良いです。

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     2022/08/06

    権利切れの音源を集めてボックスにして発売していた、VENIASレーベルからでたエーリヒ・クライバーの演奏を集めたボックスです。
    エーリヒ・クライバーと言えば一時期は息子のカルロス・クライバーの陰に隠れて、CDも多くありませんでしたが、近年は放送用音源等が発掘され再評価が進んでいます。
    このボックスの音源は戦後、デッカなどに入れた正規録音や、放送用に録音された音源や、ライヴ音源、戦前にポリドールやテレフンケン等に録音された商業音源を集めたもので、いずれも一度はCDになっている音源です。
    但し、入手難の音源もあり、今回の復刻は嬉しい所です。
    戦後の録音は同一レパートリーも多いのですが、推進力に溢れた演奏が多く、例えば北ドイツ放送交響楽団を振った運命などはなかなかのもの。
    またボロディンの2番等もレパートリーとしては珍しいが、キレの良い名演だ。
    戦前の録音は珍しいレパートリーも多く、面白い。
    モーツァルトのドイツ舞曲などは、モーツァルトに定評があっただけありすごいし、意外と良いのがヨハン・シュトラウスで、ウィーン情緒を感じさせるウィーン・フィルとの録音や、ベルリン国立歌劇場管弦楽団とベルリン・フィルのちょっと真面目ながらも生気に満ちた演奏で、ジプシー男爵等は名演である(J.シュトラウスは戦後録音も良い)
    他戦前のものでは、ラシュスコ舞曲や軽騎兵、モルダウ、ドンナ・ディアナ、そして新世界が良い。
    復刻は基本的に古ければ古いほど良くは無いが、戦前録音の中には年代を考えると悪く無いのもある。
    尚、一部のCDであるが、プレスに難があるのか読み取りが難しいディスクがあり、しょっちゅうCDデッキの訂正システムが発動して再生に不具合があるディスクがある。
    毎回でもなく、普通に再生可能な時もあるので、デッキとディスクの相性が悪いのだと思うが、購入を考えている人は注意した方が良いだろう。
    企画自体はとっても良く、そこだけが残念であった。

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     2022/08/05

    ギリシャの作曲家、ニコス・スカルコッタスの作品集である。
    カロミリス等と共にギリシャを代表する国民的な作曲家で、知名度の割に意外と録音は多い。
    このCDはスカルコッタスの紹介に力を入れてきたBISの最新のアルバムで、スカルコッタスの協奏的作品を中心にセレクトしたアルバムとの事。
    演奏はアテネ・フィルハーモニー管弦楽団、バイロン・フィデツィスの指揮で収録。
    スカルコッタスはベルリンで、ユオンやシェーンベルクと言った当時の現代音楽作曲家に学んだ事もあって、初期作品にはモダンで現代的な作品も多いが、後半になると国民学派的なギリシャ色濃厚な作品が増えてくる。
    このCDでも『ピアノ、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲』『小組曲』は前者のタイプ、『9つのギリシャ舞曲』『古風なギリシャ行進曲』『行進曲』は後者のタイプである。
    演奏のアテネ・フィルハーモニー管弦楽団は2016年にできた新しい団体である。
    ギャラが安いのか廉価盤レーベルや現代音楽専門のレーベルで見かけるが、腕はなかなかのもの。
    本CDではギリシャやスカルコッタスの復刻に力を注ぐフィデツィスのタクトの下、共感豊かで、分かりやすい演奏を聴かせてくれる。
    シンフォニッタや古風なギリシャ行進曲はこんにち出回っている音源の中でも名演と言えるのでは無いか。
    録音は最近なので、音は問題なし。
    ケースはプラではなく、紙で出来た環境に配慮したタイプ。
    ちょっと収納時に取り出しにくいが。

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     2022/08/03

    アゼルバイジャンの作曲家、カラ・カラーエフ。
    ナクソスはカラーエフの作品を既に2枚発売していますが、最新のアルバムがこの一枚で、『交響曲第1番』『ヴァイオリン協奏曲』を収録しています。
    若書きの交響曲は、カラーエフのシリアスな作品の中でも聴きやすいでしょうか。
    アミーロフの様な民族音楽をバリバリに受けた曲ではないですが、どことなく中東風のメロディに、師であるショスタコーヴィチの影響を受けた様な、ソ連型交響曲と言える曲。
    ヴァイオリン協奏曲は思ったほど刺激のある作品ではなかったですが、3楽章は良かったです。
    演奏は、ドミトリー・ヤブロンスキー指揮、キーウ・ヴィルトゥオージ交響楽団です。
    ウクライナのオケだけあり、音は洗練されており、かつ程よくパワーもあり、ソリストも悪くなく、演奏は充分すぎる出来。
    作品を知るなら全く問題ない水準です。
    録音も最新盤なので良好。

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     2022/08/02

    イギリスの作曲家、チャールズ・オブライエンの作品集。
    トッカータ・レーベルはオブライエンの紹介に積極的であり、今までピアノ作品集2枚と本盤を含む管弦楽作品集3枚をリリースしている。
    第3集にあたるこのCDは第1集に収録された序曲『エランゴワン』の別稿や、『ユモレスク組曲』『ワルツ組曲』と言った管弦楽組曲が収録されています。
    オブライエンはスコットランド国民学派とも言うべき作風ですが、その血筋が濃い作品の1つが、このエランゴワン序曲。
    1集のものに比べて少しコンパクトになっており聴きやすくなっています。
    ワルツ組曲とユモレスク組曲はそこまで民族色の強い作品ではないですが、メロディ自体はなかなか良い作品です。
    演奏はポール・マン指揮、リエパーヤ交響楽団。
    オケのリエパーヤ交響楽団はラトヴィアの都市リエパーヤに所在するオケ。
    意外に歴史も古く、アルヴィド・ヤンソンスが演奏家時代にここで弾いていた事もあるのだとか。
    近年ではトッカータ・レーベルやその他のレーベルに録音が増えて来ており、古典から現代まで幅広く手がけています。
    トッカータにはマンと組んでの録音がほとんどで、技術力、表現力ともに高い水準の演奏を聴かせてくれる。
    録音も近年のものという事もあり綺麗だ。

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     2022/07/31

    アメリカの復刻系レーベルALTOから出た一枚。
    ユーリ・アーロノヴィチ指揮、ロンドン交響楽団の演奏で録音されたロシア音楽の定番曲を集めたアルバムです。
    原盤はロンドン交響楽団の自主レーベルである、LSO Liveとなっていますが同レーベルから発売された事はない様で、元々LPとして出た後、1986年頃にCD化、日本でもファンハウスからロシア音楽名曲集及びチャイコフスキー・スペキュタクラーとして発売された物。
    いずれも廃盤になって久しく、久々の復刻となる。
    ロシア出身のアーロノヴィチであるが、この音源が録音された1981年は西側での活躍が主になったためか、割と洗練された演奏である。
    全体的に分厚いサウンドだったり、畳み掛ける様なダイナミックな音作りはロシアの演奏家らしいが、なんかイマイチな演奏が続く。
    特にテンポの速い曲(ルスランや馬あぶ等)は、標準的なテンポ設定なのに、随分と遅く感じる。
    一方で、ハチャトゥリアンのスパルタクスのアダージョの様なゆったりとした曲はしっとりと歌っていて悪くはない。
    一応デジタル録音ではあるので、音質は良好。
    値段は安いが、アーロノヴィチのファンというわけでも無ければ無理して買う必要はないだろう。

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     2022/07/30

    ヤロミール・ヴァインベルガーの歌劇『バグパイプ吹きのシュヴァンダ』の全曲盤です。
    ヴィンフリート・ツィリッヒ指揮、ヘッセン放送交響楽団&合唱団によって録音されたもの。
    この作品の全曲録音は1979年収録のワルベルク盤が初と聞いた事がありますが、このツィリッヒ盤はそれよりも古い1948年録音。
    放送用録音との事ですが、年代を考えるとなかなか良好な音。
    ただ、歌ナンバーになるとオケが小さく聴こえる。
    恐らく歌手にマイクをピックアップしたのだろうか。
    ワルベルク盤は恐らく商用録音として初であり、このツィリッヒ盤が最初の全曲音源と思われます。
    指揮者のツィリッヒはクライバーの助手を務めたあと、ドイツ各地のオペラ畑を歩いた人との事。
    一昔前の職人的気質な音楽で、オケナンバーではしっかりと語り、伴奏はしっかりと徹すると言った感じ。
    歌手はこんにち無名の人物もいますが、中にはルートヴィヒの様な大物も参加、どれもがなかなかの出来になっています。
    尚、自国語上演が当たり前の時代なので、これはドイツ語歌唱。
    またどこのサイトにも記載は無いですが、2枚の15〜19はボーナスとして同じシュヴァンダから抜粋で収録されています。
    いずれもデュエット以上の曲ばかりで、ニコラ・レッシーニョ指揮、ミラノ・イタリア放送交響楽団の演奏、レイラ・ジェンチェル、スキピオ・コロンボ、メルキオーレ・ルイゼ、アルド・ベントッチの歌唱で収録されています。
    これは1958年8月10日にミラノで録音されたもの。
    これも恐らく放送録音か何かで歌手にクローズアップした放送用らしい録りかたの録音だ。
    また途中でフィードアウトする曲がある事から、全曲録音がありそうな謎の音源。
    演奏自体はイマイチで、録音も微妙、あくまでボーナスと言ったところなのだろう。

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     2022/07/29

    ナクソスのフィルム・ミュージック・クラシックシリーズの一枚で、エーリヒ・コルンゴルトの映画音楽『シーホーク』と『愛憎の曲』を収録したもの。
    演奏はモスクワ交響楽団、指揮はウィリアム・ストロンバーグ、復元はジョン・モーガンのいつものコンビ。
    シーホークは今まで、メインテーマや劇中の幾つかのメロディを繋いだ音源はありましたが、完全版というのはこれが初めて。
    愛憎の曲はコルンゴルト最後の映画作品ですが、全曲はこれが初というものです。
    いずれの作品も映画公開用のトレーラー音楽まで再現されており、完全版名乗るには相応しい出来。
    モスクワ交響楽団は1990年代初めよりナクソス系列に録音し、1990年代後半からフィルム・ミュージック・クラシックシリーズに参加、一部はアドリアーノが振りましたが、そのほとんどはストロンバーグの指揮で収録され、このアルバムはストロンバーグ&モスクワ響のコンビによる最後のナクソス系列へのアルバムとなりました(また2019年にモソロフの作品集を録音するまでは、モスクワ交響楽団のナクソスへの最後の録音でした)
    それだけにか、演奏は力が入っており、シーホークのメインテーマの様な金管が活躍するスコアでは、ブラスが吠えていたり、モスクワ交響合唱団による力強い合唱が聴けたりします。
    少々弦が弱く、菅が上手いというのはこの楽団らしいですが。
    また著名なチェロ協奏曲は、チャイコフスキー国際コンクール入賞経験のあるロシアのチェリスト、アレクサンドル・ザコリンスキーが担当しています。
    2005年にモスフィルム・スタジオで録音され、音質は良好です。

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     2022/07/28

    ホセ・セレブリエール指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるハリウッドの映画音楽集。
    収録されているのは1940〜1950年代頃までに書かれた黄金時代の映画の作品です。
    この時代は映画自体もそうですが、作曲家も優秀な人物が揃っており、多数の傑作を生まれました。
    それらの代表的な曲を集めています。
    当時の作曲家はクラシック畑出身が多く、コルンゴルトやローザ等は本業でも有名ですし、ハーマンやアディンセル、スタイナーの様に映画音楽で有名ながら、演奏会用作品を書いた人物、ティオムキンの様にグラズノフ門下の作曲家等様々な系列の人物がおり、いずれも卓越したオーケストレーションが特徴です。
    ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は意外と再演奏盤と言われる映画音楽のアルバムを手掛けており、いずれも高い評価の演奏を残しています。
    本録音でもセレブリエールのタクトの下、水準の高い演奏を残しており、飛び抜けた名演は無いものの、どれもメロディを楽しんで聴ける演奏ではないでしょうか。
    2005年録音で、音質は良好です。

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     2022/07/27

    マルコポーロが発売していたブリティッシュ・ライト・ミュージックシリーズは、廃盤が増えていき、昨年度よりナクソスに移行されています。
    このCDはシリーズ第9弾で、ロバート・ファーノンの作品を集めたもの。
    エイドリアン・リーパー指揮、スロヴァキア放送交響楽団の演奏です。
    ファーノンの作品集というのは珍しく、交響曲の様な演奏会用の作品もある様であるが、収録されているのはいずれも小品で3分前後に纏められているので聴きやすい。
    国家行事やコルディッツ・マーチの様な行進曲系で有名だが、その他の作品もなかなか魅力のある作品が揃っている。
    スロヴァキア放送響の演奏はちょっと当たり外れがあるのだが、当たった時はなかなか良い。
    例えば、ジャンピング・ビーンやダービー・デイを聴くとそれがよくわかるのではないだろうか。
    録音は昔のナクソスと言った感じであり可もなく不可もなくといったところだ。

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     2022/07/25

    知られざる作曲家と作品を紹介しているイギリスのレーベル、toccataの最新アルバム。
    ミッシャ・サポリアンスキーの管弦楽作品集である。
    サポリアンスキーは名前からなんとなくわかる様に、ロシア生まれで、その後イギリスで活動していた人物である。
    主に映画音楽や、軽音楽と言った分野で活躍し、映画音楽の作品はシャンドスから作品集が出ているが、ここに収録された演奏会用の作品の収録は珍しい。
    キャンディード序曲のような様々な曲調が次々出てくる『わが夫と私』序曲や、オーケストラがジャズを奏でる『ブギー』収録曲中、最も長い『5楽章の交響曲』を収録している。
    サポリアンスキーは元々軽い音楽出身であるようにこの演奏会用作品でも、作風は明るく聴きやすいもの。
    旋律も比較的親しみやすい。
    交響曲などは、ほかの作曲家が書いたら(題材が題材だけに)、シリアスな音楽になると思うが、スポリアンスキーの作品はまるで映画の様な壮大な曲調と、多少のシリアスや他作の引用で占められた作品。
    これに限らずサポリアンスキーはオーケストレーションが上手く、色彩的なっているのは映画音楽を手がけただけあるだろう。
    演奏はポール・マン指揮、リエパーヤ交響楽団。
    toccataの看板コンビとして多数の録音を残しており、これはその最新作。
    リエパーヤ交響楽団は知名度は高いとは言えないですが、1881年結成でバルト3カ国のオケでも歴史のあるオケだそう。
    このアルバムではマンの的確な指示と音楽作りに加えて、リエパーヤ交響楽団のパワフルな演奏で、どれも素晴らしい演奏となっています。
    録音は2021年、音質良好。

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     2022/07/24

    かつてマルコポーロが発売していた、ブリティッシュ・ライト・ミュージックシリーズ、最近ナクソスに移行しているが、これもその一つ。
    フレデリック・カーゾンの作品を収録している。
    時折作品が収録されるカーゾンであるが、作品集となると今現在これだけであろう。
    カーゾンの作品は3〜5分前後の小品が大半で、またスペインをテーマにした曲が多いのが特徴である。
    強く印象に残るメロディはないが、ライト・ミュージックという事もあり、気軽には聴ける。
    演奏はエイドリアン・リーパー指揮、スロヴァキア放送交響楽団。
    このコンビはナクソス初期にイギリス音楽を大量にいれたコンビの演奏。
    ただ、1990年代に入りオケに多少余裕が出来たのか、1980年代の演奏に比べればなかなか良い演奏をしてる。
    それでも粗さはあるが、ほぼ唯一の作品集なのだし十分だろう。
    録音は問題なし。
    十分聴ける水準だ。
    このブリティッシュ・シリーズは非常に貴重なシリーズだったので、ナクソスには是非シリーズのCD全てをナクソスで移行、発売して欲しい。

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     2022/07/23

    ナクソスのフィルム・ミュージック・クラシックシリーズから、ヴィクター・ヤングの作品を集めたものである。
    ヤングはアメリカの作曲家で、主に映画音楽で活躍、初期に書いた『世界80日旅行』のテーマ曲は広く知られている。
    このCDは1940〜1950年代に書いた作品を収録している。
    演奏は、モスクワ交響楽団&モスクワ交響合唱団、指揮はウィリアム・ストロンバーグ、復元はジョン・モーガンが担当していていつものメンバーだが、ジョージ・パリッシュとレオ・シュケン、シドニー・カットナーらが編曲した楽譜も使われている。
    モスクワ交響楽団は1989年に設立された団体で、1990年代前半からナクソス系列に録音を開始、1990年代後半にはフィルム・ミュージック・クラシックシリーズに参加している。
    アドリアーノが振っている事もあるが、ストロンバーグが担当している事が殆どだ。
    当たり外れはちょっと大きいものの、当たればなかなかの物で当盤などもまさにそう。
    例えば冒頭の地球最大のショウ。
    マーチ形式で書かれているが、これをお祭り騒ぎに演奏する事で、いかにもこれから何か始まりそうな感じが存分に出ている。
    モスクワ響は割と洗練されたサウンドだと思うが、本CDでもそう。
    但し、なんでもかんでもインターナショナルになったかと言えばそうでもなく、金管、特にホルンあたりにロシアのオケを感じさせる所があり、ハリウッドの映画音楽なのにちょっとミスマッチな響き、しかしそれはそれで面白い。
    録音はモスフィルム・スタジオで、1997年に録音された物。
    残響が比較的多くついているが、映画音楽と考えると自然だろう。

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     2022/07/21

    ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団の演奏で収録されたバレエ音楽を集めたCDです。
    オーマンディは様々なジャンルの作品の録音を残していますが、バレエ曲も結構あり、中には何度か録音があるレパートリーもあります。
    このCDに収録されたのは1963〜1968年にかけて録音されたものです。
    1枚目は主にフランスの作曲家の作品、オッフェンバックの『パリの喜び』や、マイアベーア『スケートをする人々』等、この時代にはよく録音されたが今日はあまり録音のない作品の収録は貴重です。
    2枚目はフランスはもとより、ロシアやイタリアの作品を収録。
    こちらも冒頭の『風変わりな店』は近年録音が無いため貴重。
    また、ペトルーシュカは日本初CD化との事。
    演奏はオーマンディとフィラデルフィアのコンビらしい、弦楽の分厚い響きに、輝かしくも美しい金管と、どれも大変良い演奏です。
    特にパリの喜びの序曲での華やかなトランペットや、舟歌でのフィラデルフィアのストリングスの美しさ、ペトルーシュカの明晰さは聴きどころ。
    解説は少々物足りないですが、年代の割に録音も良く、おすすめです。

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     2022/07/20

    1930〜1950年代にかけてイギリスで流行したライト・ミュージック。
    マルコ・ポーロレーベルが1990年代初期にブリティシュ・ライト・ミュージックシリーズとして、リリースしていた一枚をナクソスに移行したものです。
    これはトレヴァー・ダンカンの作品集。
    ダンカンは1924年生まれで、この分野で活躍した作曲家では長命で2005年に亡くなりました。
    存命中に唯一と思われるこの管弦楽作品集は、ダンカン全盛期の1950年代に書かれた作品を収録しています。
    作曲家としての代表曲は『コルシカから来た娘』ですが、同曲をはじめ、タイトルにもなった『20世紀急行』や、『小組曲』等、なかなか質の高い作品が揃っており、いずれも繊細で詩的、ロマンティックな美しい作品が続きます。
    本CDでの演奏はアンドリュー・ペニー指揮、スロヴァキア放送交響楽団が担当しています。
    ペニーの演奏は作品の持つ魅力をストレートに引き出した好演奏で、スロヴァキア放送響も1990年代半ばになるとだいぶ技術も上がっており、何より気楽に楽しく聴けます。
    1993年4月に、本拠地スロヴァキア放送コンサート・ホールで録音されたもの。
    音質や録音は問題ありません。

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