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Review List of レインボー 

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     2023/02/28

    ウラディーミル・アシュケナージ指揮、シドニー交響楽団による、エルガー作品集で、『威風堂々』と『弦楽セレナード』を収録している。
    今まで何枚か、アシュケナージが指揮したアルバムを買ったのだが、そのどれもが魅力に欠ける演奏だったので、ピアニストとしてはともかく指揮者としてはイマイチといった評価をしていたのだが、本CDに収録された威風堂々はなかなか良い演奏。
    解釈はスタンダードなものだけど、メリハリのある正統派の好演奏で、楽しく聴ける。
    また未完となった第6番も収録、第1番から第6番までを一枚に収録した盤は今のところこれしかないため、そういう意味でも貴重だ。
    一方、弦楽セレナードはアシュケナージのよくない面が出た演奏であり、面白くもなんともない演奏だ。
    威風堂々と弦楽セレナードというカラーの全く違う曲を選曲するなら、むしろ帝国行進曲や戴冠式行進曲など、威風堂々路線の行進曲を集めたアルバムにした方がより良いアルバムになった気がする。
    色々な意味で惜しいアルバムと言えるでしょう。
    SACD層では聴いてないが(再生機がないため)CD層でも充分の音質。

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     2023/02/27

    このCDはオランダの楽譜出版社、デ・ハスケの参考演奏集で、デ・ハスケと関連の出版社が出した楽譜を取り上げたアルバムです。
    1枚目は新曲のオリジナル曲中心。
    8分前後から18分ぐらいまでの長めの曲中心ですが聴き所は行進曲『メドウェイ川襲撃』です。
    別題にヴァン・ヘント行進曲とあるこの曲、作曲者はフィリップ・スパークです。
    スパークの行進曲は演奏会用の作品が殆どで一般的なマーチ・スタイルとは違うものが殆どですが、この作品はオランダ王立海軍軍楽隊の演奏で初演された事もあってか、珍しくスタンダード・スタイルの重厚な出来になっています。
    2枚目は主にライトな軽めの作品が主になっています。
    こちらは一度聴けば十分と言った所でしょうか。
    演奏者は複数いてます。 
    最も多いのはアントワープ・ウィンズ(指揮:ユリ・ブリアント)で、2枚目の大半を占めています。
    演奏曲が軽めな作品もあってか、演奏は悪くありません。
    2枚目には他にミッドウェスト・ウィンズ(指揮:ダン・ゴーランド、マイケル・スウィーニー)もありますがこちらは完全にポピュラー系ばかり、恐らく録音用の団体で、演奏は普通と言った所。
    日本からは名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ(指揮:ヤン・ヴァンデルロースト)が登場しています。
    自作とハデルマンの作品を演奏しており、良くも悪くも模範的な演奏です。
    他にはデ・ハスケで何度も登場しているオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊(指揮:テイメン・ボトマ少佐)による安定した演奏や、ドイツ連邦軍軍楽隊(指揮:クリストフ・シャイブリング中佐)による硬めのサウンドを活かした好演奏が収録されています。
    編集盤なので微妙に録音に差はあるものの、大きな問題はなく聴けると思います。

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     2023/02/26

    権利が切れた音源を復刻し、演奏家別にBOX化して発売している事でお馴染み、veniasレーベルより発売されたCD。
    今回はヤッシャ・ホーレンシュタインの音源を集めた内容です。
    1928年にブルックナーを振ったSP録音から1964年のフランス国立放送管弦楽団を振った録音までを集めた内容で、そのほとんどが過去に一度は発売された音源のようですが、ここまで纏まったアルバムはなかなかありません。
    大多数は戦後VOXに入れたウィーン交響楽団と変名のウィーン・プロ・ムジカ交響楽団名義のものが多いですが、バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団、コロンヌ管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン国立歌劇場管弦楽団、ナポリ・サン・カルロ歌劇場管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団など様々なオケを振っているのも特徴です。
    ホーレンシュタインは濃厚でスケールのスケールの大きな演奏を残しましたが、このアルバムでも有名、無名、実力問わずどのオケからもスケールの大きな演奏で、外れは少ない。
    また同曲異演も多く、聴き比べも出来るのも大きなポイント。
    復刻はSP時代のはそれなりだが、大多数をしめる1950年代の物は年代を考えれば悪くなく、ステレオ録音、特にリーダーダイジェスト原盤のものはなかなか良い。
    廉価盤なので解説などはないが充分な内容だろう。

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     2023/02/25

    リチャード・ヒコックス指揮、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団によるエルガー作品集です。
    『交響曲第3番』『過ぎ去りしあまた誠の王女達』『威風堂々第6番』の3作品。
    いずれもアンソニー・ペインの手が入っている。
    本CDの目玉は威風堂々第6番で世界初録音。
    但し、本盤は2007年7月録音で、それに先立つ事同年3月に、尾高&札幌響による録音がある事から厳密には世界で2番目。
    リリースが本盤の方が早かったようで、このような表記になったようだ。
    ヒコックスは2008年に若くして亡くなってしまったが、これは最晩年の録音。
    演奏はさすがベテランの域に達しているだけあり、充実している。
    威風堂々第6番ももちろん良いのだけど、交響曲第3番が作品の持つ魅力を見事に引き出して聴かせてくれる。
    最近では録音が増えてきた同曲の中でもおすすめ出来る演奏だ。
    CD層でしか聴いてないですが、音も大変優秀で聴きやすいです。

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     2023/02/24

    ハファバラ・ミュージックが毎年出している参考演奏集のCDから、難易度の高い曲を集めたマスターピースシリーズの一枚である。
    例年、編曲物とオリジナル新曲をバランスよく配置した選曲であるが、このCDでは冒頭の『皇帝の花嫁』を除き、新作中心の作品集となっている。
    いずれもグレードにして5から6という作品が集められており、曲の聴き応えは抜群。
    個人的にはモルックポーアの『パルミア遺跡』が民族色の強い作品で、なかなか良かった。
    演奏はイヴ・セヘルス楽長指揮、ベルギー王立近衛兵軍楽隊。
    1832年創隊の同軍楽隊はフランス式編成による壮麗な響きと卓越した技術力でヨーロッパの軍楽隊でも一二を争う実力派の団体として知られるが、本CDでも難曲を難なく吹きこなし、鑑賞用にも耐えうる高い水準の演奏を聴かせてくれます。
    録音はスタジオ・ギャラクシーという所が担当している様で、特に不満なく聴けます。

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     2023/02/22

    フィリップ・スパークが自作を出版するために立ち上げたアングロ・ミュージックは楽譜だけではなく、参考演奏CDも制作しています。
    このCDは2003年に制作されたもので、同年の新譜集となっています。
    演奏はテイメン・ボトマ指揮、ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊。
    スパークが現代吹奏楽編成に合わせて編曲したベートーヴェンの行進曲『ヨークシャー連隊』で始まる本CDはアレンジが3曲、自作5曲全17トラック収録されています。
    タイトル曲は『ある都市の肖像』ですが、注目すべきは組曲『ハイランド讃歌』でしょう。
    スコットランドの風景を音で描いたこの作品、意外とCD音源が少ないため貴重な一枚。
    同じく『シンフォニエッタ第3番』も録音はそれほど多くないはず。
    演奏団体のヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊は1819年まで起源が遡れる歴史ある軍楽隊です。
    永らくオランダを代表する軍楽隊として知られていましたが、2005年1月にデン・ハーグのオランダ王立陸軍軍楽隊と合併し、新たにオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊として再編されました。
    再編後はメンバーが変わった事もあってか、各々の軍楽隊のカラーは薄くなり往年のサウンドを知っていると寂しいですが、本CDでは合併まで2年前という末期の時期ながら、伝統を感じさせるサウンドで、曲によっては大味な演奏もあるもの、楽器の鳴りの良さや、引き出しの広い充実した安定感のある演奏はさすがというべきでしょう。
    正確な録音日時は書いてないのですが、発売が2003年なので同年録音でしょう。
    録音エンジニアなどは当時のデ・ハスケと共通であり、録音の傾向もデ・ハスケのフェスティバル・シリーズと似ています。
    もちろん、音質は問題なし。

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     2023/02/21

    レオポルド・ストコフスキーが同時代のアメリカの作曲家の作品を演奏したライヴ録音を集めたもの。
    3作品収録されているがいずれも何かしら初演時のものと貴重である。
    まず最初の1曲はナサニエル・シルクレット作曲のトロンボーン協奏曲。
    1945年2月15日に、ニューヨーク市交響楽団を振ったこの演奏は世界初演時のもの。
    作曲者シルクレットはニューヨーク交響楽団やメトロポリタン歌劇場、スーザ吹奏楽団などでクラリネットを吹き、また指揮者としても活躍した。
    作曲家としてはトロンボーン協奏曲が有名で他にも録音がある。
    ここでソロを取ったトミー・ドーシーはスウィング・ジャズ黄金期に活躍したジャズ・トロンボーン奏者。
    作品はクラシックというよりもジャズのテイストを取り入れた曲なのだが、第3楽章は特にそうだ。
    この3楽章はまさにジャズ・プレイヤーにしか出来ない演奏である。
    また第2楽章の美しいトロンボーンの音色は、センチメンタル・ジェントルマンと言われたドーシーならでは。
    ストコフスキーとニューヨーク市交響楽団の演奏はソロを引き立てているためかあまり目立たないがある意味これが正解なのだろう。
    また曲の冒頭と中間部に解説付きで、観客が曲が始まる前から異様に盛り上がっており、最後の曲に至ってはフライング拍手まで収録、当時の熱気がよく伝わってくる。
    2曲目はモートン・グールド作曲のラテン・アメリカン・シンフォネットで、トリノ・イタリア放送交響楽団を振ったイタリア初演時の録音だ。
    グールドのクラシック作品の中では比較的有名で音源はまだあるこの曲、この演奏はイタリア初演ということもあってか、真摯に振っているのは分かるが、ワルチャのような打楽器が活躍する曲はもう少し暴れても良かったと思う。
    悪くはないが後一歩と言ったところだろうか。
    3曲目はポール・クレストンのサクソフォン協奏曲を、ハリウッド・ボウル交響楽団を振り、ジェームズ・アバトが吹いたもので、西海岸初演の録音との事。
    初演の翌年の演奏で、これも1曲目同様、ソロのアバトが聴き物。
    音量がしっかりとして、表現力が凄く、名前はまだ知られている割にあまり録音のないこの曲の代表的音源と言えるでしょう。
    ストコフスキーと、ハリウッド・ボウル交響楽団も中々の伴奏で良い。
    いずれもかなり古い録音だが、年代を考えれば状態は良い水準で復刻されており、ヒストリカル録音に慣れていれば問題ないだろう。

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     2023/02/20

    オランダの楽譜出版社、モレナールの自社楽譜の参考演奏集である、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズの40巻です。
    2008年の新譜集でいずれも新曲オリジナルを集めた物。
    タイトル曲を含む殆どの曲が10分越えという吹奏楽曲では大曲になる作品を集めています。
    作品は少し渋めですが、どれもなかなか良いと思います。
    演奏はハシント・モンテゾ中佐指揮、ポルトガル共和国国家警備隊音楽隊である。
    このポルトガル共和国国家警備隊音楽隊は、いわゆる憲兵隊の音楽隊で1838年まで起源を遡る歴史のあるバンドです。
    ポルトガルの吹奏楽らしく大編成が売りで、例えば冒頭の祝典間奏曲での華やかで充実した演奏は観賞用としても充分いけます。
    中低音域が充実しているため、サウンドは常に厚みがあり、オーケストラのような豊かな音色を出しています。
    指揮者のモンテゾ中佐は2001年にこのバンドの指揮者となり、2008年まで、在任しています。
    このCDは2008年発売ですので、もしかしたらモンテゾ中佐の最後の録音かも知れません。
    録音を担当しているのはアファナウディオで、ポルトガルの吹奏楽系レーベルです。
    吹奏楽中心のレーベルだけあり、バランスの良い録音かつ、迫力があり良いです。
    尚、細かい収録年や録音場所の記載はありません。
    最後に収録曲です。

    1.祝典間奏曲 (トン・ファン・フレーヴェンブレーク)
    2.カシオペア (カルロス・マルケス)
    3.永久に (フェレール・フェルラン)
    4.ピノキオ (アレックス・ポエルマン)
    5.アンナハル・アルワーン (アレックス・ポエルマン)

    演奏 ポルトガル共和国国家警備隊音楽隊
    指揮者 ハシント・モンテゾ中佐

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     2023/02/19

    このCDは尾高忠明指揮、札幌交響楽団によるエルガーの作品集。
    『交響曲第3番』と『威風堂々第6番』を収録している。
    いずれもアンソニー・ペインが補筆したエルガーの未完成作品である。
    本CDの最大の聴きどころは、威風堂々第6番が収録されている事である。
    この作品はこのCD録音がされる1年前に初演されており、もちろん日本で録音されるのはこのCDが初めてである。
    交響曲第3番は幾つか音源はあるが、日本のオケによる演奏は初のはず。
    札幌交響楽団は名前通り札幌に所在し、北海道唯一のプロ・オーケストラ。
    日本の地方オケの中では知名度が高く、演奏のレベルもなかなかのものであるが、このエルガーも、作品や作曲者への共感がよく感じられて名演と言えるでしょう。
    良くも悪くも日本のオケらしさがないため、オケの名前が分からないと日本のオケとは気づかないかもしれません。
    発売元はイギリスのレーベルのため、日本語解説はありません。
    2007年3月30〜31日に、札幌コンサート・ホールKitaraで収録された物で、音質良好です。

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     2023/02/18

    ジェラード・シュワルツ指揮、シアトル交響楽団による演奏で収録された、モートン・グールドのオーケストラ作品集です。
    軽い作品からシリアスな作品まで、クラシックからポピュラーまで書いたグールドの、クラシック作品を収録しています。
    最初に登場するのは『合奏協奏曲』でバレエ音楽からの作品の模様。
    CDの中でもシリアスな作品で、題名通りバロック期の合奏協奏曲を現代に甦らせたような作風です。
    その一方で戦争をテーマにした映像作品にも音楽をつけており、そのうちの何作かが収録されています。
    『ホロコースト』組曲の哀愁漂う旋律は悲しみを音で表現した優れた作品でしょう。
    またシンフォネット第2番から有名な『パヴァーヌ』が収録された他、祝祭音楽から『インストラーダ』など、あまり聴かない作品も収録されています。
    シュワルツとシアトル交響楽団の演奏はいかにもアメリカの楽団らしいストレートな響きに、端正に整ったアンサンブルととびきりの名演はない物の、水準はどれも高いです。
    録音は1994~1995年にかけてで、発売年と開きがありますが、これは元々この音源がアメリカのレーベル、デロスから出ていたものをナクソスが再発売したもの。
    そのためか、録音はナクソスの同時期の録音とはまた違った感じのサウンドです。

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     2023/02/17

    ベルギーの楽譜出版社、ハファブラは自社の楽譜の参考演奏CDを出しており、高難易度のマスターピースシリーズと、様々なグレードを集めたハファブラ・ミュージックシリーズがあり、このCDは後者の28枚目。
    演奏はトニー・ショル楽長指揮、バーデン=ヴュルテンベルク州立警察音楽隊。
    ショル楽長が2005年に楽長に就任してからこのバンドは主に各社のレーベルから参考演奏集を毎年出していた。
    ハファブラにも何枚か録音があるが、このCDがハファブラ初登場のようだ。
    大きな編成でなく中規模編成なのだが、ドイツらしい硬質なサウンドを効かせて、技術も問題なく、野外コンサートを聴いているような演奏である。
    選曲はこの手のアルバムらしくごちゃ混ぜであり、永年ハファブラの看板作曲家だったブージョワ『ミュザート序曲』ヘック『アルタイル』の様な新作オリジナル、エディンバラ公『ガラテア・ワルツ』の様なシュトラウスに影響受けた作品の新たなアレンジ、『ピーナッツ売り』の様なポピュラー系、フリック『シュトゼンフェスト』の様な行進曲まで収録している。
    録音はユーロサウンドという所が担当しているが、一応綺麗には録れてはいるが、やや平板に感じる部分もある。

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     2023/02/16

    エルガーの作品を集めたもの。
    まず最初に登場するのは、『エニグマ変奏曲』で、ズービン・メータ指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニックによるもの。
    メータとエルガーという組み合わせはあまりイメージがないのだが、本演奏はなかなかに素晴らしく、このコンビによる元気な演奏かと思えば意外や意外、高貴で堂々とした演奏、かつホールトーンをしっかりと捉えたデッカの録音となかなかの好演奏。
    本CD収録曲中で最も良い演奏だと思う。
    『威風堂々』はサー・アーサー・ブリス指揮、ロンドン交響楽団による演奏。
    ブリスはイギリスの作曲家であるが、ロンドン交響楽団の総裁をしていた時期があり、この威風堂々もその頃に録音されている。
    演奏は淡々とした演奏でアンサンブルも割と雑。
    第3番は悪くはないが全体的に可もなく不可もなく、取り立てていうほどではない演奏。
    あくまでブリスが振ったエルガーという点に価値がある音源で、威風堂々の全曲CDとしてはあまりおすすめできない。
    サー・ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズによる『弦楽のセレナード』は良くも悪くもマリナーらしいノーブルな演奏。
    この曲の名演ではないが、安心して聴ける。
    本CDは2015年にタワレコが自社企画で発売したもの。
    輸入盤でユニバーサルが同内容のCDを出しているが、このCDは解説が新たに書き下ろしてある(但し、作曲家についてと、曲目解説、演奏者解説ぐらいしかついておらず、調べればすぐ分かることばかりではあるが)
    エニグマが好きという人は買っても良いが、他はエルガー・ファン以外はおすすめしにくい一枚です。

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     2023/02/15

    ギリシャ出身の指揮者、ディミトリ・ミトロプーロス。
    20世紀前半に活躍した有名指揮者の1人ですが、意外とまとまったボックスはありません。
    現在はソニーからRCAとコロムビア録音も出ていますが、それまでこのCDはメンブランの10CDとともに数少ないミトロプーロスの音源が纏まって廉価で手に入れるCDでした。
    メンブラン盤がミネアポリス交響楽団時代の音源が中心だったのに対して、このCDではそれより後のニューヨーク・フィルハーモニック時代の録音が中心となっています。
    著名レーベルへの有名音源の他、客演先でのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やケルン放送交響楽団等の録音も収録されています。
    これらの音源は一度はCDになっていますが、それらを集めるとなかなかの金額になりますので、解説もないとはいえ、これだけでも価値があります。
    ミトロプーロスの音楽は表現力が豊かでスケールが大きく、特に民族色の強い国民学派の作曲家の作品の演奏に良い演奏が多い様に思います。
    またバッハのブランデンブルク協奏曲ではミトロプーロス自らがピアノを弾いた弾き振りした音源も収録、ピアニストミトロプーロスの姿もわかる一枚となっています。
    選曲はバッハやブラームス、チャイコフスキーにマーラーやR.シュトラウスを始め有名な作曲家の作品が中心ですが、ヴォーン=ウィリアムズの交響曲第4番の様なミトロプーロスのレパートリーのイメージはない曲やスカルコッタスの4つのギリシャ舞曲の様に出身国の作曲家まで取り上げており多彩な選曲となっています。
    復刻についてはセッション録音は時期を考えると上々若くは問題ない、ライヴ録音は年代を考慮すれば大きな問題はないと言ったところで、ヒストリカル録音に慣れていれば大丈夫でしょう。

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     2023/02/14

    オランダの楽譜出版社、デ・ハスケの自社の楽譜の参考演奏集である。
    今作ではヤン・デ・ハーンやヤーコブ・デ・ハーン、オットー・シュワルツ、フィリップ・スパークと言った、デ・ハスケお抱えの作曲家による作品を集めた内容です。
    一曲目の八木澤教司作曲、ファンファーレ『はやぶさ』以外は全員ヨーロッパ出身という事もあってか、作品はヨーロッパの伝統的なサウンドのする作品が多く、交響詩『ロレーヌ』の様に地味ながらも良い作品が多い様に思います。
    演奏はオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊、指揮者はハンス・レーンデルスが振っています。
    この軍楽隊はオランダ王立陸軍軍楽隊とヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊が2005年に統合され出来たバンドです。
    両方の軍楽隊ともオランダの代表的な軍楽隊でしたが統合直後はそれぞれのカラーが強かったのか、サウンドは微妙な所もありましたが、近年はサウンドも新しいカラーが出てきており、これはこの演奏を聴けばわかると思われます。
    指揮のレーンデルスは客演ですが、すでに何枚かアルバムを制作しているだけあり、軍楽隊との息は合っています。
    名演ではないですが、伝統あるバンドらしい安定感のある演奏と言えそうです。
    録音年や録音場所は不明ですが、録音自体は良好です。

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     2023/02/13

    デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団、同女声合唱団の演奏で録音された、ホルストの組曲『惑星』です。
    既にナクソスにはリーパー盤という音源がありますが、こちらはマシューズの冥王星も収録したバージョンです。
    ロイド=ジョーンズの惑星は、曲に語らせるようなスタンダード・スタイルの演奏ですが、ダイナミックで良く歌い、なかなかの好演奏。
    メイン(?)の冥王星はマシューズという別の作曲家が書いただけあって、作風はあまり似てないが単独で聴くとなかなか良い作品だ。
    併せて収録されているのは同じホルストの『神秘のトランペッター』と言う曲だ。
    これはソプラノとオーケストラのための作品で、過去に録音はあるものの、秘曲と言って良い珍しい作品。
    本CDはクレア・ラターがソロを担当していて、演奏も惑星に続き良く、作品を知るには問題ない。
    録音も綺麗で、迫力があり廉価盤としては充分だったが、最近値上がりしてしまい他の盤と価格差があまり無くなり、お得感が薄れたのが残念な所。

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