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TOP > My page > Review List of フォアグラ
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5 people agree with this review 2012/08/23
リチートラは本当に惜しいことをした。フリットリ、ウルマーナ、ヌッチと揃ったこの録音はリチートラの代表盤ではあるが、残念なことにムーティの意味のない急スピード運転によって沸騰点に達することなく終わってしまう。3点cを出させないとかそういう問題ではなく、単なるムーティのヴェルディ理解の不足と思える。
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0 people agree with this review 2012/08/23
初めて聴くオペラだが、ジョルダン、ルイージにメッツマッハーと近年3種も全曲盤があるということはそこそこ知られているのかもしれない。フンパーディンクの音楽は大そう美しく、オーケストレーションも多彩であり、ドイツ後期ロマン派のサウンドにどっぷり浸れる。足りないものがあるとすれば、クライマックスに向けての悲劇的な盛り上がりだろうか。どこまでもメルヘン調で終わってしまうため、やや肩透かし。演奏は最上。フォークトは見栄えもするためワーグナーで売れっ子だが、彼の柔らかく軽い声質はヘルデンではなくこの王の子こそ適役であろう。暗めの声のバンゼもいいし、ゲルハーレル、シュナウトの脇、メッツマッハーが引き出す繊細な響きも万全。
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3 people agree with this review 2012/08/23
「オランダ人」の荒削り、強直なイメージとは正反対の精妙、透明な演奏である。オーケストラは常に柔らかくふくよかな響きを保ち純度が高い。独唱、合唱もヤノフスキの方針に完全に合致しており、「水夫の合唱」も、豪快さ、荒々しさの全くない整然としたものになっている。こうしたアプローチを聞いたことがないので演奏の評価は難しく、正直私の好みのワーグナーとは違うが、ワーグナーの中ではやや劣る印象の「オランダ人」に新鮮な光を当てたものとして一聴の価値がある。
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2 people agree with this review 2012/07/28
ミア・パーションは北欧らしい透明で清潔な声、表現の持ち主。どことなくルチア・ポップを思い出させる瞬間がある。エロティックではないので、ヴォルフやリヒャルト・シュトラウスはきついように思うが、ここでのシューベルトは誠実な歌唱で聞かせる。「グレートヒェン」でクライマックスを作る構成もよい。後半の北欧ものは、まさに水を得た魚。
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2 people agree with this review 2012/07/26
フィナーレのカットがいただけないなあ。これさえなければ星5つでもよかった。この演奏の魅力はなんといってもウィーン・フィル。セッション録音なのにキズが目立つのは不思議だが、それでもこのオケならではの音色、歌はこぼれんばかり。録音も極めて優秀であり、鮮明な上に立体感もある。クレツキ結構いいと思いますよ。
7 people agree with this review 2012/07/06
言わずと知れた「ファウスト」の名盤だが、1953年録音のモノ盤は出ているのに、このステレオ盤は手に入らなかった。久しぶりに聞いたが、やはりこれが一番だ。プラッソン盤もいいのだが、クリュイタンスは一段とスケールと色彩が勝っておりギャラントだ。歌手も最高。ヴァランタンもハンプソンよりブランクのほうがいい。クリュイタンスのパテ録音はビゼーもラヴェルもルーセルも音質が最低で残念至極。フランス盤は音がいいのかと思い、昔パリでクリュイタンスのLPをまとめ買いし、ヒーヒー言いながら持って帰り聞いてみたら国内盤と大差なかったという苦い思い出がある。幸い「ファウスト」は粗いながらも鮮明な音でこのCDも満足できる出来だ。
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9 people agree with this review 2012/06/24
イギリスにはシベリウスの晦渋さを巧みな語り口で紡いでみせる指揮者列伝というべきものがあるが、コリン・デイヴィスはそれとは正反対のタイプである。無骨で徹底的に辛口、ファンタジーを膨らませようとしない。この頃のボストンはミュンシュ時代からのストレートで原色的開放的な音色を維持しており、そのためこのコンビのシベリウスは極めて異色のものになった。だから7番あたりは全くあわない。一方で1番の荒々しさ、4番の孤独は直接聴く者に突き刺さってくる。2番も極北の労働歌みたいだ。「ポヒョラの娘」もサウンドだけで聴き手を圧倒する稀な演奏だ。ロンドン響との2つの再録音はオケがシベリウスに慣れているのとデイヴィスが温和になったためこれほど異質感はないが、その分特色は減ってしまった。セカンドチョイスに是非お薦めしたい。
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1 people agree with this review 2012/05/30
アンセルメといえば「スイスの時計職人のようば精巧さ」という某評論家のキャッチフレーズで完全にミスリードされた苦い思い出がある。粗いアンサンブル、揃わないアインザッツ、ああ昔はこのレヴェルで精巧といわれたのか、もう過去のものだな、と判断してしまった。本来のアンセルメの良さは、精巧とは反対の即興的で飄々とした音楽づくりにあり、玄人受けするものだと思う。このバルトークも精緻とは程遠い演奏だが、弾力のあるリズムと他ではあまり聞かない解釈で独特の魅力がある。特に「舞踏組曲」と「ルーマニア民俗舞曲」が名演。ただし、カッチェンの3番はケルテスとの再録音のほうが断然よい。
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2 people agree with this review 2012/04/29
icaはテンシュテット、ミュンシュを目玉に、ケンペ、ボールト、カッチェンと私の好みの音楽家をリリースしてくれるので本当にありがたい。スタインバーグの映像も嬉しい。スタインバーグの来日演奏は椅子に座っての指揮でずいぶん老いぼれていたと記憶する。この映像では立っての精悍な指揮姿を見ることができる。印象を一言でいえば、プロ中のプロとなろうか。オケへの指示は的確、明快であり、ハイドンの55番のようなレア曲でも暗譜。タメを作らず前進する音楽づくりは相変わらずだが、決してルーティンには陥らない。ボストンが粗いのが意外だが、7番の両端楽章でのホルンの爆発など聞きどころも多く、この指揮者に興味がある人は買って損はない。
3 people agree with this review 2012/04/17
2曲ともロイヤル・アルバート・ホールでのプロムス公演だが、「英雄の生涯」の映像がブライアン・ラージ担当ではるかに見応えがある。真正面からケンペの指揮姿を捉えているのが貴重だ。ケンペは実に細かくオケにキューを出す人で、その意味では職人的と言えようが、その指揮姿がなんとも言いようがなく感興に充ちており、見惚れずにはいられない。ソロ・ヴァイオリンは名手エリック・グリューエンバーグだが、万全でないのは惜しい。グリューエンバーグも拙ったという顔をしている。しかし「戦場の英雄」では圧倒的な進軍を聞かせ、大団円まで一気に持っていく。「新世界」は映像が月並みなのが残念だが、演奏は猛烈に熱い。ケンペ・ファン必見。
3 people agree with this review 2012/04/08
「ミサ・ソレムニス」のCDは大半持っているが、このスタインバーグ盤はトップクラスの名演だと思う。スタインバーグらしい率直な運びで、タメを作らず、前へ前へ推進するが、不思議と力ずくな印象は与えない。早めのテンポだが、音楽を煽らないのでアンサンブルが崩れることはなく、至難な合唱も見事に歌いきっている。そしてじわじわと湧き上がる感動。やばい、どうやらスタインバーグは私の最も好きなタイプの音楽家のようだ。さらなる音源発掘を望む。
4 people agree with this review 2012/03/10
マルタンの「地に平和」が曲、演奏とも感動的だ。特にヘフゲンの歌唱には心を打たれる。競合盤も少ないのでお薦め。オネゲルではスイス・ロマンドの非力ぶりが顕著なのは残念。オネゲルの交響曲は優れた曲が多いのに名演は本当に少ない。その中ではアンセルメは上位ではある。
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2 people agree with this review 2012/02/01
2曲とも傑出した演奏である。6番第1楽章の透徹した響きの美しさ、終楽章のハチャメチャぶり。そして12番第1楽章の息苦しくなるほどの緊張の連続、第3楽章のたたみ込みの激しさ。これほどの演奏はムラヴィンスキー以来といっていい。オーケストラも素晴らしく、このコンビは今まさに旬だ。録音も優秀。
3 people agree with this review 2012/01/31
コンプリート・キャピトル・レコーディングズが非常によかったので、DG時代のものも聴きたくなり購入。いやあ、素晴らしい。キャピトルに比べ音がいい分、スタインバーグの非凡なオーケストラ・コントロールがより明確になった。2曲とも大編成の曲だが、響きが濁らない。それでいてティンパニの打ち込みは誰よりも強烈。さらに、音楽は常に推進力を持っている。ボストンとしても小沢とは比較にならない充実ぶりだ。これほどの実力者を過小評価してきた日本の音楽評論て何なのだろう。まあ、遅ればせながらスタインバーグ再発見が出来てよかった。
1 people agree with this review 2012/01/25
オイロディスク原盤の「交響的練習曲」と「色とりどりの小品」を収録。音質良好。シューマンのこの2曲ではリヒテル以上の演奏を知らない。少々フォルテが乱暴ながらも構築感、スケール、メリハリ、ロマンティックな歌いくちいずれも圧倒的だ。リヒテルのソフトは演奏、音質とも玉石混淆。本当に優れたものは末永く大事に扱ってほしい。
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