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TOP > My page > Review List of 風信子
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4 people agree with this review 2018/09/06
ヘンヒェンといえば C.P.E.バッハ ハイドン ショスタコーヴィチ そして何よりもワーグナーの名演奏で忘れることのできない名指揮者だ そのヘンヒェンが先頃バイロイトで初めて指揮を取ったと聞いて笑った しかも誰かの代役でとは失礼な 世にものの見えない人の多いことに呆れるばかりだ そのヘンヒェンがブルックナーの第8番を振ったとあっては聴かずばなるまい 結論から言えば もう伝説になっているクナッパーツブッシュやシューリヒトに並ぶ名演が登場した スコアは1890年版を校訂したノヴァークVIII/2を使用 スコア通りに演奏している 何より素晴らしいのはテンポ設定だ 第一楽章と第二楽章は同じテンポをブルックナーは指定している 第一楽章は二分音符の二拍子 第二楽章は付点二分音符の一拍子のAllegro moderato TRIOは四分音符の二拍子でLangsamになる これをヘンヒェンは八分音符の四拍子のAllegroで振っている テンポはAndantinoになる 第三楽章は「厳粛にゆっくり、しかし遅くなく」Lentoということだ ここまでノヴァーク版をほぼ完璧に音化している ffを張らず 音響も濁らせず ブルックナーの美しさを伝えて止まない Finaleは様子が変わる 冒頭の二分音符=69の指定を無視 ブルックナーは「速くなく」と指示している 練習記号Dの二分音符=60に入って落ち着くが これ以降速度の伸び縮みが頻繁に行われる 確かにスコア上もこの終楽章は何度もテンポを変える指示が登場するのだが スコア通りではない この演奏はシューリヒト=ヴィーンpoの演奏に極めて近い 第3 第4楽章の演奏時間など酷似している シューリヒトもFinaleに入ってテンポを大きく揺らす この点だけを残念に思っていた ヘンヒェンも惜しい 逆にクナッパーツブッシュはイン・テンポが嵩じてどんどんテンポが落ちてしまうのだが こうした玉に瑕状態の三者だが 第8交響曲演奏の傑出した三点だと言い切れる 是非あなたも如何
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13 people agree with this review 2018/09/06
この記念盤ライヴ集は素晴らしい 1,2の曲以外は単体で入手できないから わたしのようにネゼ=セガンの存在に気づくのが遅かった人には見逃せない 6枚のDiscに10人の作曲家の代表曲 否この一曲と言える傑作が羅列されている その選曲の的確さに舌を巻く ショスタコーヴィチは4番 ベートーヴェンは8番とこれは中々に見える人のすることだ それは容易な選択ではない 何故ならこれらの楽曲で聴衆を納得させるのは至難の業だからだ ドビュッシーの”夜想曲”は印象主義作曲法による最初の大作 ハイドンの44番”悲しみ”は疾風怒濤期の代表曲と最後まで的を外さない ロッテルダムの人々のこの10年は愉しみの連続だったろう しかもその演奏が精緻な読みに基づいて繊細な彫塑を作り出してみせるだから心弾む ネゼ=セガンは引く手数多だろうから 仕事の手を広げているが ロッテルダムpoとの縁を繋いでいてほしいと願うのはわたしだけではないだろう あなたは如何
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1 people agree with this review 2018/09/05
初演者ロリオの演奏を聴いたことがなかったことに気付いた 実演 録音共に多数聴いているが まとまった印象を持ち得ぬまま今日に至っている それはこの”20の眼差し”に限ったことではないが メシアン音楽の特徴として認識している 音楽に起承転結がないのはメシアンに限らない 20世紀音楽にはしばしば見受けられるスタイルだ それは18〜19世紀の和声音楽構造を刷り込まれてしまったが故の”私”の戸惑いなのであって メシアンをはじめ20世紀から今日までのコンポーザーが責任を負う必要はない さてロリオで聴いた”20の眼差し”はどんな印象を残したかといえば まず平明である 音楽構造がよく見える 限られた主題が何度も使われて骨格が成形されている そして何よりもピアノの多様な表情が孰れも美しく表出されている と聴こえる わたしは宗教的命題を理解する地歩に立っていないが メシアンの見ているキリスト教世界は超越的理想郷なのだなと感じられる 何にしても美しい あなたも如何と言ってもいいだろう
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4 people agree with this review 2018/09/05
ドビュッシーが没して今年で100年 ハルモニアムンディが記念のDiscを次々に送り出している ドビュッシー・クァルテットの一枚は意表を突いた 前奏曲を編曲して演奏している 採り上げた前奏曲はたった8曲だが 締めて10曲中半分の5曲をゲストと演奏している ピアノのテラソン アコーディオンのペラニ ヴィブラフォンのトルティレルなど5人と演奏している曲が滅法洒落ている ジャズ風に留まらない異種音楽の風が吹き込んでコンテンポラリー感が溢れ出る 台風一過の夜風に吹かれて虫の音の中で聴いていると 止め処なく思い出が湧き出す 懐かしさが零れる小舟に凭れて揺蕩っているうちに 心が軽くなって また生きて明日を歩いていけると思えてくる 自然に あっという間に聴き終えてしまう もう一度聴こう あなたも如何
2 people agree with this review 2018/09/04
水際立った快演 バッハ好きもギター好きも気にいるだろう 二台のギターによる演奏は無理のない音運びを可能にしている チェンバロやピアノでの演奏では得られなかった軽快感 透明感 立体感が感じられて バッハの音の構成が透けて見えているようだ 第2番ハ短調と第3番ト短調は名演だ 斬れ味鋭くまた情趣深く これまで鍵盤楽器では感じられなかった音楽の魅力に気づかされて胸を突かれた 第3番などは初めからギター曲ではないかと錯覚するほどだ このカナダのギター・デュオによるバッハ演奏が広く展開していくことを期待したい あなたも如何
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0 people agree with this review 2018/09/04
一人ぼっちのバッハと長い時を向き合ったベゲルマンの孤独が佇んでいる 聴いてみようと思ったのは オノフリに師事したと知ったから わたしが信頼する否心酔するただ一人のヴァイオリニスト オノフリの洗礼を受けた弾き手には興味を唆られる 二週間近い日数をかけて録音されたという 一日2章或いは3章と読み思い解き考えてヴァイオリンの音を刻み込んで行ったのだろうと想像する なんと羨ましい時間だろう そしてなんと厳しい時間だろう 寝ても醒めても浮世の些事に誘惑され現を抜かす世人を余所に 孤独と孤独をぶつけ合う二人は 300年の時を超えて 今を生きている そこに生まれたものは小宇宙であり 人間が大宇宙にのみ込まれる塵芥から 光彩を放って一瞬の星として天空に輝くものとなった宇宙の記憶である ここには生まれてすぐ忘れ去られた小さな星の輝きの記録しかない だが 刻々無数に生まれる星の卵の軌跡を嗤うこと勿れ ベゲルマンは再び挑戦するだろう 師オノフリでさえ”無伴奏”をまだ半分残している
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1 people agree with this review 2018/09/03
人生の時を刻んできた者には胸に迫るものがある演奏だった 弱音部を丁寧に奏でる姿勢に共感を持った デュナーミクの変化を殊更に際立てず 音楽の推移を客観視しながら叙情に寄り添っていく知性と感性のバランスに美しさを見た 巧まずしてマーラーの原初的孤独感が滲み出た それは同時にわたしたち現代人の孤独でもある 未完の交響曲であれば マーラーの余命がこの交響曲の完成を許していたら こうした作品ではなかったかもしれない それでもやはり多くの人の手が仮初めの完成形を模索したことに大きな意義があると思う 永遠に決定稿に到らないだろうが こうして演奏し聴くとき そこにマーラーの面影を垣間見られる幸福を求める フランス系カナダのオーケストラは真摯にマーラーと対話している 活躍が伝えられるネゼ=セガンへの期待が膨らむ マーラーの真作でないからと敬遠しているあなたも如何
4 people agree with this review 2018/09/02
最も愉しみにしていた”ハンガリー舞曲集”はやはり素晴らしかった 演奏者も楽しんでいることが一聴で分かる 舞曲を超えた幻想性までも匂ってくるような快演だ ラーションと男声合唱が歌う”アルト・ラプソディー”もよく曲想をよく捉えた美しい演奏だ ブラームスの傑作だと再び認識させられた 交響曲第3番はわたしの好きな曲だ 特に中間楽章は美しいと思う ブラームスのシンフォニーには真の緩徐楽章はない だから交響曲の一般的様式に捉われた構成感を求めると芯を外すことになる ダウスゴーは分かっている この中間楽章も快速テンポを貫く またスケルツォもメヌエットもない ブラームス独特の歌と踊り(運動)があるばかりだ ブラームスはロマンチックな作曲家ではない システマチックに音構成を考えていた人だ 端的に言えばより20世紀的音楽観を持っていたと見る だからブラームスに耽溺したら沈没する ダウスゴーには見えているが この演奏を無味乾燥と聞く人はもう水底にいるのかもしれない あたなは如何
6 people agree with this review 2018/09/02
クァルテット・キアルスクーロの活動にばかり気を取られていて ソロのイブラギモアヴァを忘れていた 今更イザイだ 予想を超えて面白かった 後半が気に入って繰り返し聴いた 第4番はパルティータを模してはいてもいつ尽きるとも無い語らいが静かに続いた後急き立てるように捲したてる激情が迸る とはいっても前章までの語らいが回想されもする豊かさに聴き入る 第5番は日の出から日没へ天を渡っていく日輪の軌跡或いは円環を描いたようでこの晴れやかさ伸びやかさが最も気に入った 第6番はヴァイオリン奏法の精髄を凝縮した気高い輝きに満ちている どの曲よりも直截わたしに語りかけてくる 背筋が伸びるようだ ヴァイオリンの技巧の粋を傾注して書かれたソナタをイヴラギモヴァは事も無げに弾くの止まらず 6つの音楽の世界に入り込んで生きている 彼女が歩めば地は弾み草は語り花は微笑む 彼女が語りかければ枝は頷き鳥は歌い雲は優しい影を流す 音楽を生きる人だけがわたしに世界を見せ聞かせてくれる これほど幸福感をもたらした無伴奏ソナタをわたしは知らない もしまだなら あなたも如何
6 people agree with this review
0 people agree with this review 2018/09/02
30年以上も前の録音 音響スペクタルを期待すれば裏切られる リストは時に豪快に鳴らすが基本語り歌う人 だからコンロンも交響絵巻を描くつもりもない ダンテの神曲を音楽で表現しようという途轍もない発想が土台他の音楽家には出ない リストが後年宗教に宗教音楽へと傾倒していくことを思えば ダンテの神曲を音楽化したいと思ったのは頷ける シンフォニーが二楽章しかないのは未完成ではない 第三楽章には地獄煉獄に続く天国が予定されていた 或いはもう書きかけていたのかもしれない ワーグナーの反対意見を受け入れて省略したと伝えられている わたしは書いて欲しかった ただオーケストラや大合唱を雄大に鳴らすような能転気な”天国”も聞きたくはない コンロンの演奏は慎ましやかな印象を残す 慈愛すら感じる 賛否が分かれる演奏だが わたしには心地よい あなたも如何
3 people agree with this review 2018/08/31
”アッシジの聖フランチェスコ”は愛用の作品名辞典に見当たらない 7年前の2011年に発見され この演奏が2年前のものだからだ 失われていたスコアが120年ぶりに姿を現したことになる 現代でもまだこんなことがあるのかと驚く つくづくヨーロッパ音楽の奥深さを思い知る また この宗教音楽へと傾倒していったグノーやリストの心中もわたしたちの日常感覚では想像に難い ただ 声と器楽の合奏として味わうのでは何ものにも触れ得ないと恐れる そうだ この世で一番怖いものは 馬鹿だ 分からないことほど恐ろしいものはない でも 逃げ出さずに耳傾ければ この異教徒にも優しく語りかけてくる知性がある 知は情を醸成し その意を伝えまた解する助けとなる 言葉が通じず 感覚が異なり その目指す世界が異なっても ヒトは向き合う価値がある 耳傾ける価値がある 無限の闇の中を飛ぶ希望の光の星を認めた時の歓びを求めて 指揮者エキルベイに注目しよう あなたは如何
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3 people agree with this review 2018/08/30
世の終わり 時の終わりに捧げられた絶望と虚無の無言歌と言いそやされてきたメシアンの四重奏曲 だがそうだろうか これを聴いているうちに浮かんだ疑問だ 崇高な生の賛歌に聞こえる 慥かに自由を奪い人間としての尊厳を傷つける巨悪に囚われている境遇は悲劇だ 自らには立ち向かう力もない 絶望的な状況といえる それでも人は生きる限り 自己表現せずには生きていられない 表現行為は集中と解放というアンチノミーを生む それは悟りと同義だ ここに状況を凌駕した精神の宇宙が広がっている 無限に自由だ 幻想も希望も膨らまし放題 また縮小も自在だ 生死すら乗り越えた今存在する歓びに満ちている 素晴らしい音楽と演奏だ Disc鑑賞はコンサート鑑賞同様一度きり それがわたしの長い間の習慣だが 何度聴いただろう 毎日聴いている あなたも如何
2 people agree with this review 2018/08/29
光陰は矢のように飛び去るのか そうならばわたしたちの一生は一瞬ということか 労作も忍耐もそして挑戦をも宇宙の巨人が投げた礫一つの下に消し飛ぶ埃と化すのか この虚しい人間の時間を 広大な夢の遊び場にしたのがアイヴズだ 彼の音楽は本当に愉しい アヴンギャルドだから難しくてなんて思ったことがない 新しい未知の技法を先取り或いは創意してアイヴズが遊んでいる 生涯アマチュアだったから認められる必要売れる必要がなかった だから自由に書けたのではない 納得満足させるべきは己一人だった 妥協や制約がない創作は終わらない ”コンコード・ソナタ”は7年 ”四分音の3つの作品” は22年かかった リュビモフ23年前の録音だ 素晴らしい ”コンコード・ソナタ”はベートーヴェンへのオマージュでもある ”ホーソーン”ではわたしの大好きな”サーカス・バンド”まで登場してご機嫌だ リュビモフは1947年改訂版を演奏している あなたも如何
1 people agree with this review 2018/08/29
これはいい この種の武満歌集は数多あれど 石丸=つのだ=角田盤は格別な味わいがある えっ、もう終わったのかと思う 確かに全11曲ではDiscに余白を残す仕様となった 物足りないか いや これでいい この余韻こそ大切にしたい そんな気にさせる Discだ 何がいいのか 石丸の歌がいい 演技力があねのに抑えている このさらっとさがこの種の唄には不可欠だ それでもやはり石丸の演劇力の重しは隅々に利いている つのだのリュートがいい 唄以上に歌える伴奏は時に歌手を食ってしまうものだが つのだは弁えている 伴奏でなしに時間の同伴者としての振る舞いを もうこれは品性と愛情の反映でしかない 歌が嫌いだ ソロなんてなおさら御免被りたい これはいい 飽きない 口説くならない 音楽と並んでいられる 作曲者と対話できる これはいい あなたも如何
SACDがある意味が如実に分かるDiscだ 誤ってCDで聞いていてSACDに切り替えて分かった 全てをSACD以上のハイレゾにすべきだと改めて実感する程 その差は比べるまでもなかった 優れた演奏家の面目躍如となった 音色 表現が持つニュアンス 音場に至るまで 音楽を味わう上に欠かせない美が再現されてこそレコード鑑賞の歓びだ オーボエ協奏曲として世に通っている音楽をJ.S.バッハに聞かない 前半はカンタータからの編曲が二曲並ぶ 十分オーボエ協奏曲として鑑賞に耐える出来だ 復活祭オラトリオからのアダージョを挟んで 本来協奏曲と言える二曲が並ぶ 先ずはチェンバロ協奏曲第4番 これは原曲がヴィオラ・ダモーレ協奏曲だった それをオグリンチュクはオーボエ・ダモーレで吹いている 最後がイブラギモヴァの加わるOb&Vnの二重協奏曲だ これも一般には二台のCemb.のための協奏曲として知られる 大変優れた演奏を堪能した あなたも如何
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