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TOP > My page > Review List of 一人のクラシックオールドファン
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1 people agree with this review 2011/11/08
LPで交響曲第3番とフィンガル洞窟セットで親しんでいました。クレンペラー75歳の時1960年にPHOを振っての演奏録音で交響曲第3番の演奏タイムは@15’21A5’13B9’34C11’53そして「フィンガルの洞窟」は10’23であります。交響曲については以前から名盤ということでしたが個人的な曲&演奏の好みから「最高」とまではランク出来ませんでした。確かに深遠壮大な面はありますが聴き続けると「しんどく」なるほど「押しの強さ」を感じるわけです。特に最終楽章の音色の混濁・・・これこそクレンペラーのクレンペラーたる処なのでしょうが(メンデルスゾーンは果たしてそこまでこの曲で意図したのか?とも思ってしまうのです)・・・の重さに曲自体の方向と違和感を覚えてしまいました。クレンペラー自身1951年にWSOとこの曲を録っていますがその時のタイム@15’55A4’12B8’07C9’54と比較しても本盤演奏のゆったりさと言うか沈深さが分かり存在感充分であります。一方フィンガル洞窟はピッタリの体質と感じます。本盤は仕様向上されており期待されますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/11/07
HMVレビューにもあります様にウィーンの例年恒例シェーンブルン宮殿での野外コンサートで今年2011年はゲルギエフ(58歳)を指揮者に迎えての主プログラムはムソルグスキー「展覧会の絵」でありました。この共演の同曲は2000年のライブ録音盤(トータルタイム31’17)がありますが今回も勿論ライブて演奏タイムは通しで34’02と少し長めになり、かつ、これは致し方ないのだけれどこの曲にも拘わらずVPOの隠せぬ優美色が一般に受け止められているゲルギエフのワイルド色を上回った感じ・・・勿論両色の絶妙なブレンド具合も楽しめる場面も多々あるのですが・・・である事と演奏として野外故に散漫・平板になった様に聴きました。出だし「ブロムナード」テーマは早めに管楽器を前面に押出しスタートします。続く「こびと」は生々しい不気味さをゴツゴツ感で塗せます。「ビドロ」での重い荷車は低音弦引き摺りと効果的な打楽器がゲルギエフらしさを垣間見せます。ゆっくりめな「カタコンブ」での壮大なコラールから「キエフ大門」での「間」を保ちながらのクライマックスは少々上品?ではありますがやはり圧倒的です。「展覧会の絵」以外にはこのコンサートの今回テーマはヴィルトゥオーソの肖像ということでリストの交響詩「前奏曲」(タイム15’25)やウィーンのクールなテクニシャンヴァイオリニストであるB.シュミット(43歳)を据えてのパガニーニ/クライスラーのV協奏曲(同17’39)などが演奏された他繊細で美しいシベリウス「鶴のいる風景」(同4’26)が東日本大震災の犠牲者に追悼の意を込めて演奏されました。そして最後は勿論聴衆の拍手歓声にアンコールもありました。当日はバレエ団舞踏もあり本CD盤と同時発売のDVDの方に同じ鮮やかな楽しいジャケットデザインながら注目が行きそうですね。優秀ながら音だけでは少し隔靴掻痒な感じもしないではありません(ニューイヤーコンサート同様・・・)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/11/06
やや寄せ集め的な本盤でありますがいろいろなショパン曲がアルゲリッチ演奏を中心に楽しめ中核の一つであるアルゲリッチの弾くショパン・ピアノ協奏曲第1番について参考メモさせていただきます。ショパンのピアノ協奏曲1番についてHMVサイトから思いつく代表的アルゲリッチ盤は次の五種類であります。1965年ライブ(ロヴィツキー指揮WPO、ライブ、タイム@16’29A9’23B9’22)、1968年(アバド指揮LSO、タイム@19’00A9’58B9’01)、1992年(ノヴァーク指揮SV、タイム@19’14A9’53B9’28)、1998年(デュトワ指揮MSO、タイム@19’11A9’24B9’25)、2010年(アルミンク指揮NJPSO,ライブ、タイム@20’13A10’06B9’39)となりその他もあるかもしれません。その中での本盤アバド指揮分を私は聴いていますがアバドを活かしたよく歌う盤と言えましょう。ライブ盤のような丁々発止的な味わいや熟成味はないものの正式セッション録音の気構えがピアノ、指揮共に感じられる収録でしょう、たヾオーケストラがLSOで音色での適合性に他の盤比で議論が分れるかもしれません。彼女ももう今年70歳、しかしその活躍は衰えるどころか・・・別府アルゲリッチ音楽祭などを通じて彼女は日本への配慮も怠り無く例えばこのショパン・ピアノ協奏曲第1番演奏でも直近の日本での2010年アルミンク/NJPSOとの共演盤のその制作の一部を丁寧なコメントを付して東日本大震災チャリティに回すなどなかなか出来ない事を実行するバイタリティは素晴らしいものがあります。肝心の本盤の1968年録音分への感想が少し小さくなったのと本盤収録他曲は未聴でありますが彼女の「オハコ」ショパンのアルゲリッチ27歳、アバド35歳共に若かりし頃の演奏ということで素晴らしいランクにさせていただきます。なお、ピアノ協奏曲第2番の方はアシュケナージがこれも28歳若き頃ジンマン/LSOのバック得て1965年演奏録音(タイム@13’38A9’08B8’21)したものであります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/05
本盤中核の一つであるアルゲリッチの弾くショパン・ピアノ協奏曲第1番について参考メモさせていただきます。ショパンのピアノ協奏曲1番についてHMVサイトから思いつく代表的アルゲリッチ盤は次の五種類であります。1965年ライブ(ロヴィツキー指揮WPO、ライブ、タイム@16’29A9’23B9’22)、1968年(アバド指揮LSO、タイム@19’00A9’58B9’01)、1992年(ノヴァーク指揮SV、タイム@19’14A9’53B9’28)、1998年(デュトワ指揮MSO、タイム@19’11A9’24B9’25)、2010年(アルミンク指揮NJPSO,ライブ、タイム@20’13A10’06B9’39)となりその他もあるかもしれません。その中での本盤アバド指揮分を私は聴いていますがアバドを活かしたよく歌う盤と言えましょう。ライブ盤のような丁々発止的な味わいや熟成味はないものの正式セッション録音の気構えがピアノ、指揮共に感じられる収録でしょう、たヾオーケストラがLSOで音色での適合性に他の盤比で議論が分れるかもしれません。彼女ももう今年70歳、しかしその活躍は衰えるどころか・・・別府アルゲリッチ音楽祭などを通じて彼女は日本への配慮も怠り無く例えばこのショパン・ピアノ協奏曲第1番演奏でも直近の日本での2010年アルミンク/NJPSOとの共演盤のその制作の一部を丁寧なコメントを付して東日本大震災チャリティに回すなどなかなか出来ない事を実行するバイタリティは素晴らしいものがあります。肝心の本盤の1968年録音分への感想が少し小さくなったのと本盤収録他曲は未聴でありますが彼女の「オハコ」ショパンのアルゲリッチ27歳、アバド35歳共に若かりし頃の演奏ということで素晴らしいランクにさせていただきます。なお、ピアノ協奏曲第2番の方はポゴレリチ(録音当時25歳)がアバド/CSOのバックで1983年演奏録音(タイム@13’56A10’03B7’42)であり異端児ポゴレリチの演奏具合は一応聴き物ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/04
TVなど懐かしの演歌番組でを少し唐突な話しですがで例えば美空ひばりや島倉千代子他の特に女性歌手の演歌を彼女らオリジナル歌手に代わってあまり名も知らない中堅女性歌手が出て歌う場合がありますが決してオリジナル歌手に負けない・・・いや時としてその歌をもっと訴える如く上手く聴かせるケースに出くわしその実力歌手によりその歌の「良さ」を再認識したりします。この辺りの感触を私はビレットというピアニストに探ったのは彼女の弾くショパンでありました。このかの派手な演奏活動をしているアルゲリッチと同年輩のピアニストはその名の割りに多くのCDをリリースしており演奏活動としてもリスト編曲のベートーヴェン交響曲ピアノ版全集を6枚のアルバムとして発表したり、ブラームス没後100周年を記念して、5回の連続リサイタルにおいてピアノ曲の全曲演奏を成し遂げたり中々芯のある活動をしており録音でも特にブラームスピアノ作品全集を目論んでいるようで結構作品数も多くブラームス作曲活動の初期〜中期〜後期に跨るバラエティ多彩な処をどう弾き分けて行くのか興味はあります。ブラームス作品と言うとどうしても男性奏者を前提に置いてしまい私はカッチェンやこのビレットの師ケンプの演奏を主に愛聴しておりますが本盤ワルツ集(連弾用作品を独奏用に編曲したもの)16曲・・・短いながらも様々な性格に彩られた作品群をビレットは訥々ながら重厚なブラームスの雰囲気を掬い上げつつ一気に聴かせてくれます(16曲通しでタイム21’41)。最も有名な第15番のワルツ(タイム1’34)の美しさは格別で、寄せては返す波に思いを馳せるかのような穏やかな曲想を提示します。ブラームスのまだ若い時の作品をビレットは51歳の1992年に演奏録音したものですが作品そのものをきっちり伝えてくれている演奏と思われ冒頭の話しを引用した次第であります。同じくピアノ用ハンガリー舞曲10曲も29’52というタイムで一気に駆け抜けて行きます。有名な第5番(タイム2’24)もやや早めながら説得力充分!ナクソスから所謂中堅実力者によるこうした玄人好みの盤が出て「安かろう、悪かろう」でないその姿勢は流石と思っております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/03
近代音楽を得意としているラトルは本盤シェーンベルク関連の作品を以前にも録音しております。決してまだまだポピュラーとは思われない作品への彼の姿勢たるや大したものでこの辺りがBPOメンバーを引っ張っていく力ともなっているのでは・・・。収録曲の内ブラームス/シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲第1番をFMで聴きましたのでその感想、関係情報をメモする次第です。BPOを振っての2009年ラトル54歳の時のライブ録音て゜演奏タイムは@14’04A8’37B10’35C9’05と前回録音分・・・1984年バーミンガムSOを振った演奏のトータルタイム42’22と殆ど同じでブレはありませんが四半世紀の経過とオーケストラの違いは歴然らしいです。周知の様にこの曲はあの大指揮者クレンペラーがシェーンベルクに編曲をすすめたものでまだ数としては多くない録音盤ででも初演者クレンペラー自身指揮LAPOの1938年?録音分が以前は販売されていました。それだけまだ演奏開発途上のこの曲だからこそラトルは慣例や常道に縛られずノビノビとその冴えた腕で聴かせ上手を発揮しております。若き頃のブラームスのやや屈託感ある音楽の魅力とシェーンベルクのオーケストレーションとの融合はブラームスの交響曲が一つ増えた様な充実した世界を繰り広げております。第1楽章、何か始まるぞといった雰囲気で次々様々な楽器が参加して行きピアノのパートを弦中心に代わって動き初めは若干勝手違いというかピアノの打楽器的「キレ」要素が無い処に曲として戸惑いを覚えたのも事実ですがこの楽章が沈うつの内に締まり楽章が進むにつれ管弦楽の醍醐味発揮が分かりかけると一応室内楽で覚え知っている展開の変化球が楽しみになって来ます。ピアノ版とオーケストラ版のハンガリー舞曲的な対比的な処も味わえます。第3楽章中ほどのマーチに続いて後段の高揚もオーケストレーションの妙味が発揮されております。最終楽章の中ほどややセンチメンタルなテーマな処は私などはこの哀愁ある楽章をBGMに使っていた仏映画 ミシェル・ブラン, サンドリーヌ・ ボネール出演「仕立て屋の恋」を思い出し本盤演奏の弦での運びは更に情感的になった次第です。この編曲ではブラームスの曲では余り聴けない第2楽章におけるチェレスタ?、第3楽章でのシンバルや最終楽章のシロフォン?も効果的に扱われています。全体的にはシェーンベルク色よりブラームス色が濃くBPOの卓越した技量のほどと響きの重厚さを聴き知れます。私は残念ながら同年録音のシェーンベルク「映画の一場面への伴奏音楽」(タイム9’14)及び室内交響曲第1番(同@4’57A6’44B7’10C3’07)は聴いておりませんが後者はラトルに矢張り先行盤があるらしいですね。私の聴いていない曲については既に投稿された諸兄のレビューを参考にされたら充分かと思いますが★一つ保留させていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/11/02
ラフマニノフの交響曲第2番と言えばすぐアンドレ・プレヴィンがあげられますがこのヤンソンス盤はロシア指揮者ながらオーケストラがPHOだからか比較的ソフトな当たり方で見通しの良さが特徴になっております。1986年ヤンソンス43歳の時の演奏でタイムは@18’30A9’30B13’03C13’48で特に急いだという程の演奏ではなく際立った特徴はありません。少しシベリウスを思わせる第1楽章と〆のティンパニーの一撃そして第2楽章では草原を跳ばす緩急さでロマンチックな大河ドラマテーマ曲風イメージメロディが続きます。白眉とも言える美しい第3楽章はヤンソンスのアプローチに打ってつけでもあるのかプレヴィン盤(二種のLSO、RPO・・)同様イギリスオーケストラのPHOの風通し・融通性ある対応がその高潮と共に効果をあげます。ヤンソンスはオーケストラの内面から深い響きでもって音楽に深い陰影をあてている様なのです。お祭り気分?の最終楽章での弦しゃくり上げの中に時折先行楽章断片を見せながらやはりメロディ攻めでやがて美しい最終楽章は閉じますがこの曲のソフトさとハードさが交互に流れ普段余りロシア臭さを思わせないヤンソンスさがたっぷり! この音楽は誰が指揮しても良いというわけではなく「向いて」いる演奏者におまかせしたい処でしょう。なお、ヤンソンスは後年1993年に地元SPPO(タイム@17’44A9’31B13’51C13’36)を振って再録している様でありより一層ヤンソンスのロマンチックな演奏がされているのですが本盤のオーケストラPHOの柔軟性は私にはより魅力的にはなっております。私も最高ランク演奏とさせていただきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
2 people agree with this review 2011/11/01
ショスタコーヴィツチとチャイコフスキーのピアノ三重奏のセット盤は往々にして今までも有り前者が音楽学者でショスタコーヴィチの理解者だったイワン・ソレルチンスキーの死を悼んで書かれたものであり、後者はチャイコフスキーがピアニスト ニコライ・ルービンシュタインの死を機会に作曲した悲劇的色あいの強いこの作曲家の数少ない室内楽曲という切り口で似通っているからなのでしょう。本盤は1998年アルゲリッチ(P当時57歳)、クレーメル(V同51歳)、マイスキー(C同50歳)と、各々もうすっかり自己スタイルが固まった頃の夫々極めて個性の強い演奏家がこれら作曲家の崇高的とも言える気持に何処まで迫っているかが聴き処で力技も含めての室内楽の緊張感は充分伝わって来ます。特に馴染み深いチャイコフスキーの方の「ある偉大な芸術家の想い出のために」に関してメモしますと演奏実タイムはトータル46’14としっかり進めている印象。ただやはり曲からだけでなく演奏自体がピアノ主導で更にその激しさに触発された弦の二人といった感じでスタートした第1楽章は「溜め」を充分作り情緒的思い入れもライブならではといった処。〆の余韻を残しつつの感じももう「大人」の演奏ですね。第2楽章以下の変奏曲部分での段々とテンションを盛り上げて行く活発な遣り取りは息詰まる場面もあり一方で互いの切り込みの中にしっかりしたピアノのリードの圧巻さを結局確認した次第です。最後最初のテーマにかえって曲は終わるのですがその後聴衆の拍手が続きます。なお、本盤演奏者は夫々別途特にチャイコフスキーの方について他の演奏者協演で(例えばマイスキー(C)はレーピン(V)、ラン・ラン(P)と2009年に)録音している事はいうまでもありません。最後のアンコール・タンゴはアルゲリッチのアルゼンチン出身に合わせた?のでしょう・・・会場の雰囲気がよく伝わっております。ショスタコーヴィッチの方(タイム@7’57A2’57B5’52C11’35)も緊迫感溢れる演奏でありました。いずれもスケール感のあるパワーフルな演奏と思います。やや見世物的ではありますが難しい事は別にして日本でのライブでもあり是非聴いておくべきオールスターによる演奏でしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)
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3 people agree with this review 2011/10/31
以前CD盤で書き込みましたレビューを繰り返す事となりますが、とにかく高品質LP盤ででも残されるべき永遠の名演奏というのに相応しい演奏であります。1959年フリッチャイ45歳の時のBRSOを振った録音で何と暗い慟哭なのでしょう。タイトルにこれ程則した演奏はやはり「最高」ランクと申せましょう。フリッチャイの演奏は病気前後でかなり異なるとよく言われるのですがこの「悲愴」交響曲も1953年BPOを振ったもの(演奏タイム@16’40A7’33B7’35C8’52)とタイムとしては本盤演奏が@21’30A9’20B8’55C11’03と全体にテンポは急がずたっぷり入念に思い入れを摺りこんでおりこの約10分差ででは全部を聴いた後かなり落ち込みそう。録音もクリヤーで強靭な張りがあり内声部も充実しております。第2楽章はいっときのレスト、次に続く第3,4楽章の準備をしているようです。私の聴いているCDジャケットのフリッチャイ像も体調すぐれないことも推測されこの録り直しも検討したほど全て渾身使い果たしたこの演奏の意義を物語っているようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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0 people agree with this review 2011/10/30
ルックスからどうも肝っ玉母さんのイメージが付きまとっている天満敦子さん(以下敬称略)が一見対照的な風貌の岡田博美さん(以下敬称略)を伴奏に再度迎えてフランス物を2010年録音した本盤です。天満と言うと「望郷のバラード」シリーズで畢生の名演がヒットになったのですがそのロマンチックな情熱的な表現が必ずしもフランス物とフィットしたかどうか私には判断つきかねる処もあります。更に巷で伝えられた自由・奔放・豪放なヴァイオリニストと精緻・正確なピアニストとの共演の成否についてもであります。ただデビュー三十年を越え年齢も55歳となった彼女がほぼ同年輩の岡田(52歳頃)と決してハチャメチャな演奏をするわけがなく特にフランクのソナタ(演奏タイム@7’10A8’25B7’26C6’33)が自在にテンポを動かしはしますがじっくりと構えた演奏でこの曲の神秘的な面への奏者の「呼吸」が伝わってきます。録音の良さがプラスにもなっているのでしょう。フォーレのソナタ(同@9’19A10’02B4’07C5’41)では第1,2楽章が他の演奏では私は余りお目に(・・・イヤ!お耳に)かからない位の時間をかけた展開に注目しました。フォーレの小品・・・「夢のあとに」(3’33)、「シチリアーナ」(3’38)、「パヴァーヌ」(7’24)は夫々分り易い演奏である面奏者の生々しさもはっきりし私には逆にスッキリしたみたいです。いずれにしてもそんなに派手にマスコミなどで持ち上げられるタイプではない本物「プロ」のヴァイオリンとピアノの掛合いハーモニーがフランス印象派のロマンの世界を展開してくれました。素晴らしいランクにさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/29
1988年以降あのムラヴィンスキーの後を引き継いでSPPO(旧LGPO)を振っているテミルカーノフは必ずしも巨人ムラヴィンスキーの衣鉢をそのまま継いだ様ではなく神格化されていたオーケストラの民主化というかより「ロシア色」エンタテイメントへの方向性を明確にはして行った様です。従ってレパートリーの方はロシア物が何と言っても聴きものとなっておりラフマニノフの「交響的舞曲」も私の手元資料ではこのSPPOとは三度の録音・・・1992年スタジオ(タイム@11’18A9’59B14’06)、2004年ライブ(タイム@10’44A9’00B13’52)そして本盤演奏2008年ライブ(テミルカーノフ当時丁度70歳、タイム@11’22A9’21B14’04)であります。この曲はオーケストラとしてはオーマンディ/PPOが初演したらしく楽章として「真昼」「黄昏」「夜中」の三楽章から成るラフマニノフ・ラストのオーケストラ作品で自作の交響曲第1番を回顧的に引用したりラフマニノフによくあるグレゴリオ聖歌「怒りの日」テーマメロディが引用されたり中々色彩感豊かな作品ですが私にはもうひとつフィットする曲では正直ありません。しかしテミルカーノフは自信があるのでしょう・・・切れ味のある緻密なアプローチでこの老舗名門オーケストラの機能を試験する如く鳴らします。曲は当然舞曲風にスタートし様々な管楽器の交錯を経てラフマニノフメロディも常軌コースです。半音階的なフレーズもありちょっとした「とりとめなさ」が好悪の分かれ目にもなりそうです。ライブ録音なので雑な雰囲気も録られており最終楽章後の拍手も続きました。もう一曲組曲「白鳥の湖」は十曲を39’24のタイムで演奏しております。中々楽しい演奏ですがテミルカーノフ自身そんなに表面感情を出さないのかライブではあってもそんなに乱れずコントロールよろしくかえって彼のカリスマ性が窺える演奏であります。全体冒頭申し上げた様に曲の好みはあるのですが素晴らしいランクには違いありません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/10/28
SKDとのR.シュトラウス管弦楽作品演奏盤と申しますと以前ルイージ/SKDによる「アルプス交響曲」盤で書き込んだ様に1970年代のケンペ指揮による演奏がすぐ頭に浮んで来ます。独特な手触り感による渋い弦楽器や古雅とも言える管楽器の音色を有するSKDはR.シャトラウスの音楽世界に懐深いハーモニーを響かせ他の楽団には味わえないものがあり、2007年このSKD担当になったイタリア出身のルイージもこれからの楽壇を背負う一人としてR.シュトラウスの管弦楽曲一連を録音し始めておりますが本盤はそうした頃にずっと先行した2003年(ルイージ44歳頃)収録の「ドン・キホーテ」(タイム40’54)を聴いてみました。HMVメモにも載っていたこの曲演奏でソロ・チェロを受け持つ若い頃SKDの首席チェリストを務めたフォーグラー(2003年当時は39歳)のソリストとしての活躍を前面に出した盤からスターしている様です(なお、ヴィオラはS.ヘルベルク)。ややソフトタッチにスタートするこの演奏ではやはりその肌触りがしなやかで「英雄の生涯」と対となるこの作品で十変奏を通し控えめな両ソロはSKDにすっかり溶け込んだ感じが私にはしました。この感触はルイージのバランス・コントロールのなせる業なのかもしれません。2008年の録音「ドンファン」(同18’24)は先述の一連録音の一貫でマァ無難な演奏と申せましょう。最終楽章に「フニクラ・フニクラ」旋律が出て来る「イタリア」(2008年録音、タイム@9’46A12’09B12’55C9’31)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/28
現在一般CDとしては販売されておらず(是非復活すべきとは思っております・・・恐らく販売政策上2001年発売のUCCD7012や2008年発売されていたUCCD9615との両建て回避の為)BOOK折込されたCDのシュミット・イッセルシュテット/VPOによるベートーヴェン「運命」「田園」交響曲に対してBOOK分野ではありますが忘れられない内に以前(2008/10)一般CDに書き込んだレビューを主に繰り返させていただきます・・・シュミット・イッセルシュテットと言えば伴奏指揮者としての腕前は認められながらもシンフォニー指揮者の位置付けはどうしても地味であったことは否めません。VPOとバックハウスとのベートーベンピアノ協奏曲のバックを詰めていた彼が交響曲全曲をリリースした時「やった!」という感がしたものです。LP時代その中で私は先ず「田園」(指揮者67歳の頃の1967年録音、タイム@9’38A12’27B5’42C3’57D10’17)をチョイスしたわけですがそのVPOの音色と指揮者のバランス感が素晴らしい端正な「コク」を醸し出して演奏タイムとしてそう「だらだら感」はないのだけれどゆったり気分を自覚した次第です(特に終楽章は忘れ難いです)。「運命」(1968年録音、タイム@8’07A10’28B6’00C8’58)も素晴らしいですがやや若干のボッテリ感・ゆったり感もちらつく演奏をどう聴くかでしょうね。第1楽章から聴かれる節目の念押しは結構説得力がありVPOサウンドと相俟ってこの指揮者の引き締まった造形感覚が味わえ私は先述「田園」と共に最高ランクにしたいですね。何れにせよBOOK折込にされる程汎用性の高い(現代の演奏からは少しグラマラスなものの)名演奏で冒頭申し上げた様に一般CDでも復活し長く残るべき演奏かと思います。なお、この「ウィーンフィル魅惑の名曲」BOOKシリーズの各CD演奏は比較的レベル高い飽きの来ないものを揃えている様ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
1 people agree with this review 2011/10/27
今年88歳のスクロヴァチェスキが三度目のブラームス交響曲第1番を手兵DRPSKを振って2011年録音したのが本盤演奏(タイム@18’12A10’11B5’15C18’14)で情感溢れながら決して弛緩しない演奏運びは彼のブルックナーを思い起こさせました。彼の指揮はスケール感はないもののその情報の多さに伴う彫りの深さが作曲にも一時専念していた為もあってか実に効果的に堅固に活きる場合が多い様に思われます。さて、本盤演奏は第1楽章ゆっくりした出だしから悠揚迫まらぬ雰囲気です。中間部盛り上がって行く処は確かめる様に踏みしめています。HMVレビューにもあります様に解像度が大変高く聴こえる内声部を敷き詰めながらピークへ登り下降は比較的スムース。反復もなされてタイムは過去の演奏分・・・1987年ハレO分@13’50A9’50B5’01C18’14、2009年読売日響分@17’01A9’13B5’03C18’06より長めになっております。途中楽章もテンポは微妙に変化しますが、ごく自然であり恣意的な箇所を聴くことはありません。ただ最終楽章では最後充分引き伸ばして〆は割りとソフトランディングな落としの印象を受けました。我々の世代はブラームス交響曲第1番と言えばフルトヴェングラー、ベーム、シューリヒト、ミュンシュ、ケンペ、ヴァントなどを聴き慣れているのですが本盤演奏の方向感も満更異なるものではないし年配賞オマケと録音の良さも楽しめ最高ランクとしましょう・・・前二回分は交響曲全集にまとまって行きましたが今回はどうなのでしょうか。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
0 people agree with this review 2011/10/26
ブラームスの若き頃のピアノ二作品「ソナタ第3番」「ヘンデル主題変奏曲」をやや厚ぼったいイメージで仕上げた本盤は1995年ウゴルスキー53歳の時の演奏であります。ソナタ第3番はシューマンから「変装された交響曲」とも評された作品で少しマトマリ的には満点とは行かないですがウゴルスキーは作曲者の若き情熱を力強いテーマと柔らかいテーマを対比させこれでもかと思われる程の持ち前?の強打で第1楽章から進んで行きます。ロマンチックに響きも甘く大きく先のテーマが終始します・・・どうもこの響きは聴く者の心の内奥に向かっての残響の効果もあげようとしています。第2楽章は穏やかに模索する様でしっとりさも垣間見せます。途中情熱的な処もあり終わりはゆったり詠嘆調で〆ます。第3楽章から再び激しさを回復しスタートしますが紆余曲折しあの甘い響きで思索して行きます。執拗な運命動機を経て光明領域に舞曲調は誘って行きます。最終第5楽章にかけてはコラール風な雰囲気を散らばせつつ高揚し明転し堂々のフィナーレであります。演奏タイムは@13’00A15’18B5’59C4’13D8’43と45分を超える大作を力強く冒頭触れたやや厚手に仕上げています。もう一曲「ヘンデル主題変奏曲」もピアノソナタと同じ1995年の録音で演奏タイム29’41は変奏曲作曲の名人作品をウゴルスキー独特の「押しの強さ」とでも言うのでしょうかタフに25曲の変奏であっと言う間に過ぎます。ロシア的な濃い?演奏です。上記二曲録音の翌1996年録音の本盤収録の他の曲・・・ピアノ・ソナタ第1番(タイム@11’42A6’10B5’37C7’26)、同第2番(同@6’58A7’38B4’56C11’42)そして珍しいバッハの左手シャコンヌ(同17’27)は未聴であり現在販売されておりませんので当面OKランクにしておきましょう。ところで私の探し方が拙いのかもしれませんがウゴルスキーがHMV鍵盤楽器奏者検索一覧名にリストアップされていないのは何故でしょうか?要チェックですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)
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