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0 people agree with this review 2023/08/08
このジャケットのLPを知人宅の安価なポータブルプレイヤーで聴いた時、没頭の弦の美しさに感動したのは今から50年近く前である。その後オリジナルのALP1060を3枚も所持することになった。この52年のセッション録音が、もし54年の晩年の録音としたら、人はどういう評価を与えるだろう。多分、<このゆったり落ち付いたテンポ、そこに聴かれるこの巨匠の深い精神美は晩年に到達した境地の表れであろう。>と多くの評論家、愛好家がこういう風に言うに違いないと容易に想像できる。如何せん、難しい演奏の評価なんてそんなものだと言えば、不遜のそしりを免れないか。だたこの東芝のCDがワーナーミュージックへ変わってから、音質、音色等どのように変わったのか、興味あるところである。現在、この録音のCDは各社のリマスターCDを含め10枚ぐらいはわが棚に並んでいる。<余談ながら、300万円のアンプが3万円のアンプに負けるのだから。>
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0 people agree with this review 2023/08/07
モーツァルトの25,29の演奏は名演なのに、この2曲はブリテンとしてはやや突っ込み不足でイマイチの感を免れない。彼の録音でBBCから発売された35番や39,41番などは聴かれざる名演であるし、ハイドンの95番、メンデルスゾーンのフィンガルの洞窟なども私の愛聴CDである。特に41番の第2楽章など深い美しさを表している。チェコのアンチェルのオケの響きも品があるがブリテンの品の良さはもう少し柔らかい。かなり脱線しましたが、38番も未完成も、こういう品ある演奏のCDは持っていても後悔はしないと思う。
アーヨの旧録に比べこの新録音盤はテンポも早めで活気がある。旧録は落ち着いた運びの響きで、アーヨのテンポ感が反映しているのだろう。私の好みは旧盤だが新録のやや華やいだ今風の演奏を好む人がいてもいいだろう。
変な癖がなく常識的でありながら品の良い響きの演奏である。ふっくらとオケを鳴らし優雅なニュアンスにも欠けておらず、聴いていて美しい音楽だと思わせるところがブリテンの知性と教養が出ている。彼の録音したバッハのブランデンブルク協奏曲にも同じことが言え、とにかく紳士風の品のある演奏である。モーツァルトに比べ未完成は演奏の熟度としてはやや劣るかも。録音はDECCAだけに大変聴きやすい音で今もって優秀と言えよう。
1 people agree with this review 2023/08/06
エピタグラフのCDは他にも持っているが残念ながら私の好みの音ではない。音質は立体感に欠け音色もあまりなく、平面的で漂白された音という感じがする。多少音質が劣ってももう少し当初のモノラルとしての素直な音が欲しい。そういう音で聴けばもっと演奏が映えたであろうと思われる。数字をいらっていかにも作った音という音である、装置、ケーブル等の違いもあるので、相性の良い装置で聴けばずっと楽しめる演奏になる可能性もある。
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0 people agree with this review 2023/08/05
DECCAに録音したベートーヴェンの協奏曲は名演の名に恥じない出来であった。特に5番など実に堂々として内容もあり聴くたびに何といい曲と演奏だろうと思う。このCDが廃盤だとしたら中古を探す価値あるCDである。本CDは未聴ゆえレヴュウできないが、購入後の楽しみの1枚である。期待を込めて星4でいかがだろう。新感覚のアンスネスも聴き逃せないベートーベンの協奏曲である。
ガーディナーがウィーンフィルと録音したメンデルスゾーンやシューベルトに失望し、ライヴのモーツァルト39,41番にももう一歩という感があったが、このセッション録音の3曲の演奏はテンポ、響きに余裕があり演奏が大きくニュアンス豊かで聴きごたえがある。こんな調子ならセッション録音の40,41番も聴いてみたいという気にさせるほどである。モーツァルトに限らないが、演奏の好みは本当に十人十色だといまさらながらに思う。星4半ぐらいでいいかも。
0 people agree with this review 2023/08/04
六重奏曲も五重奏曲も曲としては2番のほうに魅かれる。演奏は五重奏曲の2番が大変優れており、後のアルバンベルクとの演奏よりはるかに良い。ヴァイオリンの柔軟だが力強い響きが生む求心力は並々ならぬ表現力を感じさせる。4曲共に彼らのモーツァルト五重奏のDG録音と共に名演と言えよう。星5でも良いのだけれど。
0 people agree with this review 2023/08/03
メキシコのCDを初めて購入し聴いた。音は歯切れよく明快で、演奏も明快で聴いていて気持ち良い響きに感心した。ほとんど聴かれることのないCDだろうと思うが、この度HMVさんで中古で手に入れたが、手放した人はどんな人だろう、CDに詳しいかギター音楽に興味ある方かと思う。アランフェス協奏曲等のギター音楽は気兼ねなく聴けるので今まで10枚ぐらいは聴いたと思う。このバティス盤は音も演奏もとても気に入っている。
英オリジナルLPSXL2000番台で良く聴いたが、CDは未聴。好きでないセルでヘンデルを聴くのは嫌だが、オーディオのテスト盤として多くの人がLPを買っていたが、どうしてもある種の冷たさというか客観性が勝ちすぎてセルは好きになれないのだが、このヘンデルは演奏の大きさ、華やかさでは1,2を争うだろう。ミュンヒンガーの室内合奏盤で聴いているが、セル盤の大きさ、華やかさには敵わない。古楽器ではヴェンツインガーのひなびた味濃い演奏が気に入っている。このセルのCD、購入すべきか迷っている。
0 people agree with this review 2023/08/02
ピリオド楽器といっても響きは明るく現代的で新鮮に聴こえるのは、かっての古楽器のひなびた音とは一線を画する。ただ現代楽器でもそうだが、響きに含蓄がありいかに曲の核心に迫っているかで、その点では、モーツァルト音楽の美しさ、深さ等を表現しているようには聴こえず、聴いていてあまり心を打たないのは、この指揮者のシューマンを聴いた時にも感じた。響きの新鮮さだけで勝負しているといった感じで演奏の中身は案外薄いと言わざるを得ない。ジュピターなどはブリュヘンのほうがずっと成功している。ガーディナーはもういい、というのが本音である。
1 people agree with this review 2023/08/01
ここに聴くのは紛れもなくヨーロッパの響きである。セルやバーンスタインのアメリカのオケの響きとは無縁のヨーロッパの伝統的な響きの(英雄)である。ランスドルフも当初はトスカニ〜二の影響を受けていたそうだが徐々に脱し、生まれ育って音楽教育を受けたオーストリアの音楽に戻って良かったと思う。ここに聴くベートーヴェンなど今日の指揮者ではなかなか聴かれない基礎がっちりした聴きごたえのある中身の濃い演奏で、もっと聴かれるべきで評論家が取り上げないのが不思議なぐらいである。こういう演奏を商業ベースとは無縁の優れた演奏と評したい。これはランスドルフのすべてのベートーヴェン演奏に当てはまる。
0 people agree with this review 2023/07/31
1959年、60年の、マゼール29か30歳の録音である。1960年前後といえばステレオLPの名盤が続々発売され、DECCAのSXL,HMVのASD,英COUMBIAのSAX,ドイツのDG等等でそれらが現在CDになっても音、内容ともに名盤として通用している。このCDもその一つで音はアナログ的で大変聴きやすく、へたなデジタル録音よりずっと良い音で鳴る。数少ないマゼールがベルリンフィルと録音した1枚だが、中身が濃い演奏とは言えないのは今も同じだろうか。もうフルトヴェングラーのベルリンフィルの音でなくカラヤンの音のような感じがする。記念的な意味で購入したがマゼールは昔も今もあまり変わっていない気がする。田園よりイタリアのほうが合っているようだ。
これで私のCC35シリーズのベートーヴェン交響曲はすべて揃った。CC30のほうが音が豊かで好ましいという人が多いが入手不可である。1番の演奏は11月24−28日のセッション録音であるが、私は52年11月30日のライヴ演奏がニュアンスに富み演奏の流れも小気味良く好きである。54年のベルリンフィルとの演奏もとても良いと思う。それらに比べれば、この2曲のセッション録音はフルトヴェングラーとしてはやや優等生的演奏であるかも。1番より4番の演奏のほうに魅かれる。その第2楽章などフルトヴェングラーならではの深みのある美しい響きである。
0 people agree with this review 2023/07/25
白黒のモノラル録音だが音も映像も良い。シューマンの4番はボストンSOとのステレオ演奏のCDもあり、唖然とするほど素晴らしい演奏が聴ける。伝統的なヨーロッパの響きで音楽の流れも良く迫力十分で、サヴァリッシュ、セルやカラヤンの3種の4番も敵ではない。グレートの映像演奏も同様であり、これほどの指揮者が我が国での評価がいま一つとは。CDでのベートーヴェン交響曲全集も素晴らしく、別演奏の第九などもっと注目されてよい。2年ほど前に初めてこの指揮者を聴きだして以来惚れ込んだ指揮者で、演奏の良さの的中率90%以上である。こんな素晴らしいシューマン、シューベルトは今では聴けないと思うほどである。ボストンとのステレオの4番もぜひ聴いていただきたい。
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