TOP > My page > Review List of 林檎太郎

Review List of 林檎太郎 

Showing 1 - 15 of 72 items

%%header%%

%%message%%

  • 0 people agree with this review
     2025/11/09

    アルバンベルク弦楽四重奏団の全録音を一つの箱に収めた、という意義は大きい。したがって、このディスクへの評価は、基本的にアルバンベルク四重奏団という希有な弦楽四重奏団の活動全般への評価、録音されたものへの、ということになる。この四重奏団が、ウィーンの音楽的伝統の元で教育を受けてきた奏者が、20世紀後半において、シャープでダイナミックな、それ以前の弦楽四重奏の演奏から一歩踏み出そうとした、明確なコンセプトのもとで活動を続けてきたということが、全体を通して、非常に明確に聞き取れる。一方で、ピヒラーのヴァイオリンが大変雄弁で、四重奏団をリードしており、その点では前世紀からの第一ヴァイオリン主導型の四重奏団を引き継ぐものでもあり、現代性と伝統の良いところ取りをしているところが、一般的な人気を勝ち取った要因だったのだなあと思わされた。しかし、意外にも、ベルクの名前を冠していながら、新ウィーン楽派の楽曲は少なく、シェーンベルクの弦楽四重奏曲は一曲も入れてない。これはどうしたことか?ベルクだけじゃなあ・・・・というのが私の正直な感想。演奏は、全てに渡って、ピヒラーのつややかで雄弁、時にはやや饒舌な第一ヴァイオリンが、演奏全体の個性を形作っている。ピヒラー節が受け付けられない向きには、このセットは向かないだろうと思う。数枚、単発CDを聞いてみて、それでこの箱を購入するか決めたら良いのではないか。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/10/07

    星は単発リリース後にボックス再発売という、最近流行りの凶悪なやり口をしないことへの期待票。とりあえず、4と5は、サブスクでなくディスクを購入しよう。ネルソンス、ノセダのようなことはするんじゃないぞ。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/10/04

    チェコ・フィルのドヴォルザーク。ラトルもオケへのリスペクトに溢れている。イギリス人指揮者というより、ベルリン、ミュンヘンを歴任した独墺系指揮者によるドヴォルザークという印象を強く与える。舞曲というよりシンフォニックで、良い音楽を聴いたという充実感を与えてくれる。サブスクで聴いたが、ディスクを購入することにした。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 21 people agree with this review
     2025/09/22

    交響曲全集のリリースにおいて、単発リリースが終わらないうちにボックス全集が発売されるという、ユーザーの気持ちを逆なでするような販売方法が、頻繁に行われるようになったことは、ユーザー不在の腹立たしい出来事だ。このボックスに関しても、またかと、いう怒りを通り越して、もはやあきれ果てている状況だ。単発リリースを購入させて、さらにボックスを購入させようという、極めて底意地の悪いやり方は、繰り返されることによって、次第に顧客を失い、企業自体を自滅させる愚考であると、厳しく指摘しておきたい。

    21 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/09/02

    ホロヴィッツをディスクで聞こうと思ったら、このボックスを購入するしかない。単発のディスクを1枚1枚集めていったのでは、手に入る物はわずかだからだ。このボックスについては、初出のリリース時、購入を躊躇った。当時の輸入盤で、この規格のボックス物(マイルス・デイヴィス)の品質で、粗悪なものをつかまされ懲りたことがあったからだ。ケースの作りがひどく、接着剤がディスクに付着していて、取り除くのに大変苦労した。ほぼ同時期であったため、ホロヴィッツやハイフェッツのボックスは購入を見送った。幸い、再発されることになり、さすがに現在は、あのようなことはないだろうと考え、購入に至った。繰り返しになるが、今後、ディスクでホロヴィッツを聞こうと思ったら、とりあえず、まずこれを購入するしかない。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/08/30

    このボックスが再発売される可能性はあるのだろうか。私は、迷いながらも入手した一人だが、今思うと、数多く発売されたCDボックスの中でも、同じくホロヴィッツのカーネギーライブのボックスセットと並んで、これほど歴史的に大きな意義のあるものが他にリリースされているだろうか、いやない、と断言したい気持ちでいっぱいである。ここには、CBSとRCAの音源が、ソニークラシカル一社の所有になっていること、かつてソニークラシカルの社長の地位に(あり、現在はメットの支配人で)あるピーターゲルプが、晩年のホロヴィッツのマネージャーとして、マネジメントの全権を握って、ホロヴィッツの信頼を得ていたこと、など様々な要因が、絡み合った結果であろうことを思うと、なおさら感慨深い。ホロヴィッツの音源は、オリジナルジャケットコレクションにまとめられており、現在再発されて入手可能だが、そこに収められているライブ音源は、他のレビューの通り、編集済みのものであった。修正と編集は、ホロヴィッツが望んだものか、それともプロデューサーの差配であったか、私は知らないけれど、ホロヴィッツその人が、この未編集ライブの音の中にいることは、言うまでもない。クリアな音質の中に、空気感まで感じられる。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/20

    アンタル・ドラティ指揮ロンドン交響楽団によるマーキュリー・レーベルの録音は、1950年代末〜1960年代とは思えない驚異的な音質であると掛け値なく言える。映画用35mm磁気フィルムを用いた「リビング・プレゼンス」録音方式は、通常の磁気テープ録音を遥かに超え、広大なダイナミックレンジと鮮明な音像を実現している。この録音方式は他社に広まらず、マーキュリーの孤高の技術遺産として現在に至っても輝きを失っていない。アメリカから機材を持ち込みロンドンで録音した熱意と技術の結晶であり、その中で壮年期のドラティは類まれな集中力と強烈な緊張感を持つ演奏スタイルを発揮している。私はドラティのこの時期の演奏に、晩年のアトランタ録音よりも強烈な個性と音楽への深い踏み込み、異常なまでのテンションの高さを感じ、深く感銘を受けた。バルトークなどの作品に鮮烈な生命力を吹き込み、その演奏は後の再録音と比較しても劣らず、録音は経年による劣化が極めて少なく、音楽史における重要な文化財として確固たる地位を保っている状態である。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/20

    マリス・ヤンソンスのオスロ時代の録音は、彼の人生と音楽性の変遷を象徴する重要な位置を占める。レニングラード時代には、ソ連体制下の緊張と苦悩が音楽の鋭さと深みを生み出し、指揮台での彼は笑みを見せず、音楽の本質をえぐり取ろうとする強烈な情熱を発揮していた。しかし、西側への移籍後は、民主的で温かな人間関係の中で音楽を紡ぐようになり、晩年は持病も影響して音楽の緊張感がやや後退。オーケストラとの調和や幸福感が増す一方で、音楽的な踏み込みや切迫感は薄れ、結果として「予定調和的」な響きが強まった印象を与えた。こうした変化のなかで、オスロ時代の録音は、レニングラードの鋭利さと西側の円熟との中間地点として、最も緊張感と情熱が高次に融合した貴重な音楽遺産である。ヤンソンスの人生における苦悩と幸福、芸術的な激闘と安らぎが交錯する瞬間を記録し、彼の真価を知るうえで欠かせない核心的な証言といえる。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/18

    高くなったなあ。私が購入したときと比較すると3倍である。現ワーナーの録音の中では、ビゼーのアルルの女組曲他が、CD最初期にリリース直後に購入した思い出のディスクであり、しかも演奏録音ともに素晴らしい。小澤は、フランス国立管弦楽団と大変相性が良く、レパートリーもフランス系の音楽が、しなやかな音楽性と親和性が高かった。なのに小沢氏が、独墺志向だったのは、個人的には戦略ミスだったと勝手に思っている。このボックスは、相性の良いと思われる楽曲の割合が高く、小澤ファンならずも、音楽的に満足できるセットであると思う。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2025/07/16

    音質は一新しており、過去にリリースされたものを顔色なからしめるレベルになっており、韓国盤エディションと比較しても誰もがブラインドで違いを聴き当てるであろうというほど違っている。そして、いよいよ冷たく固い響きのセルクリーブランドというイメージは、完全に払拭されようとしている。28枚目のこうもり序曲など、テンポの揺らし方はカルロス・クライバーなんてもんじゃございません。そこには、熱いハートで、歌心に満ちたシュトラウスが。ハンガリー、チェコ等の中欧の名曲は、清潔なアンサンブルで、しかも熱い音楽に溢れており、セルが入れている曲は、まずセルから聴こうと思うほど。間違いなし。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 5 people agree with this review
     2025/07/16

    再販もされたあの大きな箱と同じマスターによるベートーヴェンだそうだ。それ以前にセルのベートーヴェンは廉価ボックスが発売されていて、私は、「大きな箱」もそれ以前の廉価ベートーヴェン全集も所持している。さらにその前の全集も所持していた。さらにさらに韓国盤エディションも所有しているという念の入れようだが、そこから言えることは、大きな箱で、セルの録音の音質は一新したということだ。何度も買わせるメーカーには恨めしい思いだが、セルのベートーヴェンを十全な音質で聴きたいという向きには、この新しい全集の購入をお薦めする。

    5 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/13

    曲全体を通して、弦楽器がノンビブラートで弾いていると思われるところが多く、それが軽いショックを与えてくれる。また聞き慣れぬフレージングにぎょっとさせられるなど、聴きすぎたと思われるこの古典の名曲がまた新たな意匠を伴って現れた。さすが欧米メジャーから引っ張りだこの俊英だけのことはある。他のレパートリーも聴きたいと思わせる魅力と実力に唸らされること必定。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2025/07/13

    演奏については、他のレビューでご指摘の通り、誠実でしかもほっと安心して聴くことができるのびやかな演奏。そのほかに特筆すべきこととして、今は、ハイドンに私淑したアマチュア作曲家にして修道士のホフシュテッターの作とされる、作品3が、すべて収録されているということだ。つまりあの「ハイドンのセレナーデ」を第二楽章にもつ、3−5も全曲聴くことができるわけで、このあたりが、さすがナクソスレーベルと思わせる。さらに、ホフシュテッターの6曲が、なんともチャーミング。ハイドンはもちろんだが、それよりもむしろモーツァルトから、多くを学んでいるのではないかと思わせる佳品。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/09

    ステレオの2セットのみ入手した。演奏の内容については、何も言う必要のない、輝かしいフィラデルフィアサウンド(オーマンディはその愛称が気に入らず、オーマンディサウンドだと言っていたようだが・・・)の連続で、現在このようなゴージャス極まりないオーケストラサウンドを聴くことができるのだろうか?と思われるほど、一つの理想のあり方が顕現したものだと言って差し支えないと思う。オーマンディの音楽も、晩年には運動性がやや緩慢で、恰幅の良さが前景化してくるが、少なくともこのボックスのほとんどが録音された時分は、驚くほど踏み込みの強い表現や俊敏な音の運動も聴かれる。ストコフスキーと初演指揮者を争ったラフマニノフの第3交響曲など、ディテールまでも雄弁に具現化した表現は、今に至るまで他の追随を許さないと言って良いほどで、大変感銘を受けた。オーマンディ時代のフィラデルフィアサウンドは、リッチなアメリカを象徴するとともに、オーマンディの指揮者としての手腕、そして豊かなオーケストラの響きの典型として、伝説化してゆくことは間違いない。
    なお、2セットのケースのオーマンディの写真、両者をよく見ると・・・・・。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2025/07/08

    次のシェフにフルシャが指名されたが、ビシュコフはチェコ指揮者空白期を埋める指揮者として、その役目を十二分に発揮し、成果は完成途上のマーラーやこの録音などに刻印された。この曲の場合、チェコ指揮者には共通した演奏の伝統のようなものがあって、恐らくそれは、フルシャによってまた踏襲されていくのだろう。この曲には、ウィンナワルツなどと同様に、他国指揮者の解釈を排除する狭量なお国なまりのようなものが存在する。ビシュコフは、オケの持つ、この曲の伝統に真っ向から対峙するわけでもなく、一部でそれを生かしつつ、自分の音楽も刻印することに成功している。録音も含めて、大変美しい演奏だ。ただ、クラシック音楽にローカリズムを求めることは、今後ますます希薄になっていくだろうが、この曲の場合、普遍性というよりもローカリズムこそが本質であると、どうしても思えてならない。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 1 - 15 of 72 items