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Review List of レインボー 

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     2025/04/25

    チャイコフスキーのピアノ作品を集めたもので、あまり演奏されない珍しい作品を集めたアルバムです。
    初期の作品から後期の作品まで自作から他作のアレンジまで収録しています。
    初期作品の主題と変奏やアレグロ等はまだチャイコフスキーらしさはあまりないですが、中々の力作です。
    一方中後期に書かれた行進曲はチャイコフスキーらしさが出ています。
    また、編曲作品ではコサック・ダンスが良いと思います。
    演奏はランス・コバーン。
    初めて聴くピアニストの演奏でしたが、確かな演奏で、3つの行進曲、特に戴冠式行進曲が1番良い演奏だと思います。
    録音は近年に行われただけあり音質は良好です。
    チャイコフスキーのこれらの楽曲は大体全集に入れられているのが殆どなので、単品で聴ける音源としては中々良いのではないかと思います。

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     2025/04/22

    映画音楽を中心にリリースしているシルヴァ・スクリーンから出たアルバム。
    本CDは災害をテーマにした映画の音楽を集めたアルバム。
    いずれもサントラではなく、プラハ市フィルハーモニー管弦楽団と、ポール・ベイトマンとニック・レインの指揮で収録された再演奏盤である。
    作品はJ.ウィリアムズや、ホーナーやティオムキン等、ハリウッドで活躍した大物によるスコアが殆どで、オーケストラを存分に鳴らした、オケの魅力を存分に出したスコアが多い。
    演奏のプラハ市フィルハーモニー管弦楽団は、映画音楽の録音を中心に活躍するオーケストラで、チェコのオーケストラ団員やスタジオ・ミュージシャンらによって結成されているらしい。
    その腕前は高く、シルヴァ・スクリーンでは看板アーティストとなっているが、本CDでもその実力の高さを存分に発揮しており、オリジナル・サウンドトラックと変わらない高水準の演奏を聴かせてくれる。
    ベイトマンとレインは映画音楽を中心に活躍する指揮者で、プラハ市フィルとも何度も共演、録音を残している。
    録音は迫力があり、大変鮮明だ。

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     2025/04/21

    ブラジルの作曲家、アウベルト・ネポムセーノの管弦楽作品です。
    ナクソスが近年制作しているブラジル音楽シリーズの一枚として制作されたものでシリーズ第一弾と出されたもの。
    ネポムセーノはヨーロッパに学び、自国の音楽を取り入れた国民楽派とも言える作風をしています。
    これらの特徴がよく出たのは『ブラジル組曲』であり、民族色の豊かなメロディと色彩豊かなオーケストレーションが聴きどころの作品。
    また冒頭に収録された『いたずら小僧』から前奏曲は、CDの中でも最も充実したオーケストレーションをしており、オペラの前奏曲らしく様々なメロディが出てくる10分程の作品。
    一方、交響曲はヨーロッパ的なメロディが殆どでありブラームスの影響を強く感じさせる知られざるロマン派の佳作交響曲。
    少なくとも収録を聴く限りメロディメーカーとしての才能は充分に感じられ、ロマン派国民楽派が好きな方にはおすすめです。
    演奏は、ファビオ・メケッティ指揮、ミナス・ジェライス・フィルハーモニー管弦楽団。
    オケは2008年に創設された歴史が新しいオケですが、世界中から団員が集められたそうで、オケのレベルほ中々に高いです。
    本CDでも非常に情熱を感じる演奏で、名演と言って良いのではないでしょうか。
    録音は2018年であり、低音までしっかり録られた優秀な録音です。

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     2025/04/18

    ナクソスが近年積極的に録音しているブラジル音楽シリーズの一枚です。
    このCDではブラジル・クラシック界のシンフォニスト、クラウジオ・サントロの作品を集めたもの。
    サントロは同シリーズで何枚かリリースされており、1番力の入った作曲家です。
    本CDでは2曲の交響曲、3つの管弦楽作品を収録しています。
    最初は現代的なモダンな作品から徐々に民族楽派のエッセンスを取り入れて最終的にはそれらを併せ持った作風になったのがサントロらしいのですが、本CDはそれらの過渡期の作品で、どれも聴きやすい作品だが古典的なスタイルとモダンさが同居した第6交響曲、一方で民族色が強く合唱も入ったわかりやすい第4交響曲と同じ交響曲でもカラーが違う。
    個人的には第4交響曲が良いと思ったが。
    演奏はニール・トムソン指揮、ゴイアス・フィルハーモニー管弦楽団です。
    オケのゴイアス・フィルは1980年に創設された団体だそうで、2014年にトムソンが首席指揮者に就任してから高く評価されるようになったそうです。
    まだまだ日本での知名度は高くないですが、技術力は結構高く、加えて作品への情熱を感じられるので中々良い演奏だと思います。
    録音は2018年から2023年にかけて録音されていますが、音質は問題ありません。

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     2025/04/15

    ポニーキャニオンが発売したクラシックのアルバムで、ホーム・コンサート名曲集というタイトル通り、聴きやすいクラシック作品を集めた二枚組アルバムです。
    一枚目はセミ・クラシックと言われる小品を中心にした選曲です。
    演奏は全て日本人演奏家によるものですが、その大半はシャンブル・サンフォニエットと称する団体です。
    同団体の詳細については不明ですが、おそらくは録音用の変名だと思います。
    指揮者陣には秋山和慶や石丸寛、手塚幸紀など、当時の日本を代表する人物が振っていて、どれも小品だからと手を抜かないしっかりとした出来となっています。
    オケの人数はそれほど多くないように聴こえ、またカットや一部編曲されている曲もありますが、この手のアルバムなら言うことはないでしょう。
    この他にも、新日本フィルハーモニー交響楽団や東京ゾリステン等の演奏者がおり日本の演奏家らしい堅実な演奏です。
    二枚目は大作曲家の手によるナンバーを中心に集めたものです。
    こちらも演奏者は複数いますが1番多く演奏しているのは、石川皓也指揮、ノエル・チェンバー・オーケストラ。
    オケは録音用に編成されたと思われ、一部は短くアレンジされていますが聴きやすい演奏となっています。
    この他にはチェコ・フィルハーモニー室内合奏団によるモーツァルトのディヴェルティメントは活気があって良いですし、ワルシャワ室内合奏団によるヴィヴァルディの指揮は独奏をヴァイオリンからフルートに移したバージョンで中々面白いと思います。
    収録曲と演奏者は以下の通りです。

    CD1
    1.エリーゼのために(ベートーヴェン)
    2.美しき青きドナウ(シュトラウス)
    3.金と銀(レハール)
    4.ユーモレスク(ドヴォルザーク)
    5.乙女の祈り(パダジェフスカ)
    6.朝(グリーグ)
    7.口笛吹きと犬(プライヤー)
    8.トルコ行進曲(ベートーヴェン)
    9.おもちゃのシンフォニー第1楽章(L.モーツァルト)
    10.鉛の兵隊の行進(ピエルネ)
    11.キューピーの観兵式(リベリ)
    12.アマリリス(ルイ13世)
    13.おもちゃの兵隊(イェッセル)
    14.かっこうワルツ(ヨナーソン)
    15.トロイメライ(シューマン)
    16.メヌエット(ベートーヴェン)
    17.セレナード(ハイドン)
    18.アヴェ・マリア(シューベルト)
    19.学生王子のセレナーデ(ロンバーク)
    20.メヌエット(ボッケリーニ)
    21.スケーターズ・ワルツ(ワルトトイフェル)
    22.シンコペーデット・クロック(アンダーソン)
    CD2
    1.四季より春、第一楽章(ヴィヴァルディ)
    2.アイネ・クライネ・ナハトム・ジークから第1楽章(モーツァルト)
    3.子犬のワルツ(ショパン)
    4.白鳥(サン=サーンス)
    5.アルビノーニのアダージョ(アルビノーニ)
    6.タイスの瞑想曲(マスネ)
    7.アンダンテ・カンタービレ(チャイコフスキー)
    8.楽興の時第3番(シューベルト)
    9.歌の翼に(メンデルスゾーン)
    10.四季より冬、第2楽章(ヴィヴァルディ)
    11.モルダウ(スメタナ)
    12.愛の喜び(クライスラー)
    13.ロマンス(ベートーヴェン)
    14.バニス・アンジェリクス(フランク)
    15.ディヴェルティメント第1楽章(モーツァルト)
    16.マドンナの宝石より間奏曲(ヴォルフ=フェラーリ)
    17.ワルツ(ブラームス)
    18.G線上のアリア(バッハ)
    19.結婚行進曲(メンデルスゾーン)

    演奏者
    CD1
    児島一江(ピアノ) 1
    手塚幸紀指揮、シャンブル・サンフォニエット 2、18
    山岡重信指揮、シャンブル・サンフォニエット 3、10、14、19
    秋山和慶指揮、シャンブル・サンフォニエット 4、8、15、16、20
    外山滋(ヴァイオリン)4
    蓼沼恵美子(ピアノ)5
    手塚幸紀指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団 6
    石丸寛指揮、シャンブル・サンフォニエット 7、11、12、13、21、22
    山岡重信指揮、東京ゾリステン 9
    外山滋/弦楽四重奏団 17
    CD2
    グシェゴシュ・チモシェコ(フルート)マレック・セヴェン指揮、ワルシャワ室内合奏団 1、10
    チェコ・フィルハーモニー室内合奏団 2、15
    タチアナ・シェバノク(ピアノ)3
    アリソン・エルドリッジ(チェロ)ヨシエ・アキモト(ピアノ)4
    石川皓也指揮、ノエル・チェンバー・オーケストラ 5、6、7、9、11、13、14、17、18
    舘野泉(ピアノ)8
    加藤知子(ヴァイオリン)萩野千里(ピアノ)12
    大友直人指揮、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 16、19

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     2025/04/09

    このCDはキングレコードが1991年に発売したもので、ホーム名曲クラシックと題し、聴きやすいクラシック曲目を集めたアルバム。
    2枚組で一枚目はいわゆるセミクラシックを、二枚目は大作曲家の小品を集めたものである。
    演奏はその大半を日本の演奏家が担当している。
    1番多く演奏しているのは東京レディース・オーケストラで、指揮者はロメリー・プント、木屋みどり
    、伊藤幹翁。
    キングにライトなクラシック曲を残している以外に録音は見かけないが、演奏は至って正統派の演奏。
    時折編曲されている曲もあるが、アレンジもほぼオリジナル。
    その他では指揮者の福田一雄が振った音源が多く登場する。
    オケは、ロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラと、フィルハーモニー管弦楽団の2団体を振っておりいずれも録音のために集められたの団体てまはないかと思う。
    この中ではフィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録されたペルシャの市場にては中々良い演奏だと思う。
    録音用の団体ではキングが編成したレオン・ポップスの録音もあり、草競馬と森の鍛冶屋の録音があるが、このうち草競馬はバンジョーも取り入れた編曲でこれはこれで聴けるだろう。
    有名所だと、クシコス・ポストはデヴィッド・アサートン指揮、ロンドン交響楽団の演奏も収録されているが、これは悪くはないが今ひとつ。
    この他にも演奏家はいるがいずれも水準はクリアしているだろう。
    録音年は不明だが、音はそこまで悪くないと思う。

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     2025/04/06

    このCDはチャイコフスキーのソロ・ピアノ曲を集めたアルバムです。
    ピアニストは旧ソ連出身のオクサナ・ヤブロンスカヤ。
    1990年代半ば頃にナクソスに幾つかの録音を残したヤブロンスカヤですが、出身国の偉大な作曲家、チャイコフスキーの知られざる作品を収録したもので、ナクソスには同様のCDを2枚録音しており、このCDは2枚目にあたるもの。
    いずれの作品も知られてないものの、チャイコフスキーらしい豊かな旋律に恵まれた作品です。
    ヤブロンスカヤの演奏はチャイコフスキーの旋律美を生かした好演奏で、これは特に最後に収録されたスラヴ行進曲で分かるのではないでしょうか。
    チャイコフスキー自身がピアノに書き換えた楽譜らしく、管弦楽の見本とも言えるぐらい巧みなオーケストレーションされたこの作品をピアノ一台で、時に歌い時に表情をつけ、ピアノ版にしかできない演奏を繰り広げている。
    収録は1995年1月9日から11日にかけて、カルフォルニア州サンタ・ローザ、フィッシャー・ホールで録音されたもので、当時のナクソスの標準的な録音、音質だ。

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     2025/04/03

    ユーディ・メニューイン指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるエルガーの作品集。
    2つの交響曲をメインに、行進曲をピックアップした選曲となっています。
    メニューインはエルガー自身の指揮でヴァイオリン協奏曲を録音しているし、自身の指揮で幾つか録音しているのでエルガーを愛した指揮者といえます。
    このCDは1988年から1990年にかけて収録された物です。
    交響曲は速めのテンポ設定ですが、自然に音楽が流れていきスコアを隅々まで読み込んで手の入った演奏です。
    数多い第1番と第2番の録音の中でも中々の演奏だと思う。
    行進曲は有名な威風堂々に、帝国行進曲や戴冠式行進曲等を収録した物。
    行進曲ということで普通に演奏してもそれなりに仕上がりますが、その中では威風堂々がかなり大胆というか緩急が付いていて、この作品ならここまで無茶苦茶にやっても結構楽しめて良いです。
    いずれの曲もロイヤル・フィルのなめらかなサウンドが聴きどころと言えます。
    録音はデジタル時代なので、綺麗です。

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     2025/04/01

    このCDはBBCプロムスの最終コンサート、ラスト・ナイト・オブ・プロムスの定番曲を収録したアルバムです。
    演奏はリチャード・クック指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏で、1996年CTSスタジオで収録されたものです。
    指揮のコックはイギリス出身の人物で、オーケストラを振る他に、合唱指揮者としても活躍しているようです。
    このRPOの自主録音にはこれとカルビナ・ブラーナを吹き込んでいます。
    このCDの演奏はイギリスのオーケストラが得意とする作品ばかりであるために、演奏も手慣れていて中々良い演奏です。
    威風堂々の第1番ではちゃんと合唱も入っています。
    録音はスタジオでのセッションなので、音質は良いです。

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     2025/03/31

    このCDはイギリスの作曲家による行進曲を集めたアルバム。
    全作品がイギリス王室の行事等に書かれた、または演奏される機会音楽を集めたアルバムです。
    演奏団体は全てロンドン交響楽団が、指揮者はサー・アーサー・ブリスと、サー・マルコム・サージェント。
    最初のエルガー『威風堂々』とブリスの『ようこそ女王陛下』は、ブリスの指揮で収録されたもの。
    ブリスがロンドン交響楽団の総裁をしていた時代の音源である。
    威風堂々は指揮者としてのブリスの代表的な音源で、すでに国内盤も何回かリリースされている音源である。
    テンポは全体的に速め、どの曲も淡々とした解釈で進んで行く演奏で機会行進曲なのでもうちょい羽目を外して、盛大に演奏しても良いのにと思うが、これはこれでメリハリがあって、それなりに元気で良い。
    有名な1番より3番が1番良い演奏だと思う。
    ようこそ女王陛下はブリスの自作自演で、こちらは中々オケを鳴らしていてこの作品の名演の一つ。
    エルガー『帝国行進曲』ウォルトン『宝玉と王杖』バックス『戴冠式行進曲』はサージェントの指揮で、収録。
    さすがこちらは指揮が専門なので、オケのまとまり具合はブリスより上手く、どの曲も見事な演奏に仕上がっている。
    ウォルトンとバックスの作品は作曲されて間もない頃の音源だが、今聴いても十分通用するし、帝国行進曲も隙のない構成で名演と言えるだろう。
    ブリスの音源はステレオ、サージェントはモノラルで、それぞれ1958年と1953年の録音だが、流石はデッカというべきか、多少の古さは感じるが問題なく聴ける。
    CDは最初期の真ん中部分まで鏡面の初期タイプです。

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     2025/03/30

    日本コロムビア原盤のクラシックの名曲小品を集めたアルバム。
    これ単体で発売されたものではなく何かのセット物の一枚らしく、解説はない。
    演奏はオケは全て東京都交響楽団、指揮者は石丸寛、小林研一郎、モーシェ・アツモン。
    いずれもオリジナルのアルバムは別にあり、本CDは編集盤である。
    CD冒頭の1曲目から4曲目までは石丸寛の指揮で、『舞踏への勧誘』『マドンナの宝石間奏曲』『スケーターズ・ワルツ』『威風堂々』を収録している。
    良くも悪くも日本のオケらしい生真面目な演奏だが、威風堂々は中々良いと思う。
    5曲目から7曲目は小林研一郎指揮で『詩人と農夫』『軽騎兵』『天国と地獄』を収録している。
    収録曲中、最も有名指揮者だが、演奏は何だが散漫として、全体的に今ひとつだ。
    アツモンは『中央アジアの草原にて』『フィンランディア』を収録。
    これが中々良い演奏でフィンランディアなど、熱さを感じさせる。
    録音年の記載はないが、1980年代前半の収録と思われ、音は普通に綺麗です。
    選曲に興味があれば、買いだと思います。

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     2025/03/29

    ユニバーサル系列の音源を廉価盤として発売するエロクァンス。
    廉価盤ながら非常に興味を引くマニアックな音源や、CDとしては初復刻というものが多く、このエドゥアルド・ヴァン・ベイヌム指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるエルガーの作品集もその一つと言えます。
    ベイヌムは若くして亡くなった事や音源の大半がモノラル期のため、現在では同時代に活躍した指揮者の中ではマイナーな指揮者といったイメージがありますが、その暖かみのある正統派の音楽は今聴いても中々聴かせてくれます。
    このエルガーもまさにそんな感じです。
    一方で子供と魔法の杖は推進力があって隠れた名演と言えるでしょう。
    録音は1949年から1950年で、ロンドン・キングズウェイ・ホールにて収録されたもので、エンジニアはケネス・ウィルキンソンが担当しており、古さは感じますが、年代の割に音は良い方だと思います。

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     2025/03/25

    ナクソスは1990年代半ば、グラズノフのオーケストラの楽曲をかなりの数CD化しており、手軽にグラズノフの管弦楽作品を集められる様になりましたが、それより前に系列のマルコポーロがグラズノフの貴重なオーケストラ作品をCD化していました。
    このCDはその第1枚目にあたるアルバムで、ケネス・シャーマーホーン指揮、香港フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録されたものです。
    シャーマーホーンはアメリカの指揮者で、ナクソスの活動初期からスロヴァキアやアメリカのオケと幾つか録音を残していますが、1984年に香港フィルの首席指揮者に就任してからは主にマルコポーロにマイナーな楽曲の録音を入れ、中には中国の作曲家の作品など珍しい作品も録音しています。
    本CD収録曲は『3つのギリシャ主題による序曲第1番』『フィンランドのスケッチ』『勝利の行進曲』『春』『叙情的な詩』の4作品。
    勝利の行進曲ではリパブリック賛歌が登場し、祝典的に盛り上がる他、フィンランドのスケッチなどはグラズノフの美しい旋律を堪能できる作品となっています。
    香港フィルは現在ではだいぶ機能的な実力の高い演奏を聴かせるオケになりましたが、このCDの頃はまだ田舎のオケといった感じが強く、良くも悪くも洗練されていないローカルな響きが持ち味です。
    パワー不足も感じますが、これはこれで悪くないと思います。
    1984年10月16日から17日にかけて、チュン・ワン・タウン・ホールにて収録されたもので、ちょっと音が遠いかなと感じます。

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     2025/03/23

    イギリスの作曲家、ウィリアム・ウォルトンが書いた映画音楽集です。
    このCDには第2次世界大戦と愛をテーマにした映画音楽を収録。
    『スピットファイア』より前奏曲とフーガ、『戦時のスケッチブック』組曲『逃げてはダメ』組曲『3人姉妹』『空軍大戦略』を収録しています。
    演奏はネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団による演奏で収録。
    個人的にこのコンビはバロックや古典派の演奏のイメージが強く、どういう演奏をするか疑問でしたが非常に良いです。
    例えば冒頭のスピットファイアの前奏曲、通常よりも遅めのテンポながらアカデミー室内管の弦楽セクションを美しさを武器に、クライマックスにかけて盛り上がる名演。
    他の曲も非常に素晴らしい出来であり、中々良いアルバムだ。
    1990年録音で、音質は問題なし。

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     2025/03/22

    マニアックなCDを多数発売しているマルコ・ポーロレーベルですが、その中に、ヨーゼフ・シュトラウスの管弦楽作品全集というシリーズものがありました。
    このCDはそのシリーズの18枚目にあたるCDです。
    この巻では、ワルツ『水彩画』ポルカ・マズルカ『とんぼ』のように幾つかヨーゼフの知られた作品に加えて、非常にマイナーな作品を組み合わせた選曲をしています。
    いずれもヨーゼフらしい詩的な作品は、知られざる作品でも一定の質の高さを持っており、完成度は高いと思います。
    演奏はカール・アルベルト・ガイアー指揮、スロヴァキア国立フィルハーモニー管弦楽団です。
    指揮者のガイアーは調べても殆ど情報がなく、本CDとヨーゼフ管弦楽作品全集22枚目のアルバムを振っている事ぐらいしか出てこない、謎の指揮者です。
    演奏も他の巻と同じく、癖の少ない曲に語らせる様な演奏ですが、とんぼや水彩画の様な有名作品はじっくり聴かせていたり、聴きどころがあります。
    録音はスロヴァキアのコシツェ芸術家の家にて、1995年11月3日から6日にかけて行われたもので、当時のナクソスのスロヴァキア録音らしい音質をしています。

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