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Review List of フォアグラ 

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  • 3 people agree with this review
     2013/09/21

    小学生のころ、ガンバのロッシーニはよく聴いた。今聴いても、活力みなぎる演奏は充分魅力的だ。殆ど忘れられた指揮者になってしまったのが不思議である。もう1枚の名序曲集の出来栄えもいい。「エグモント」からパワー全開だ。なお、HMVの曲目紹介では、ロッシーニの「コリントの包囲」序曲が抜けている。

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     2013/08/18

    第1楽章のボレロでは、オケの色彩、表情がどこかおしゃれである。成程当初はナチスもファッショナブルであり、それが憧れにも繋がったことを思い起させる。それが繰り返される毎に巧妙にテンポアップされ、だんだん息詰まる展開になっていき、事態を止められなくなった時にはとんでもないことになってくる様子が鬼気迫る演奏で表出される。第3楽章の木管もカラフルであり、通常のモノトーンの印象とはだいぶ違う。その分を、弦が心を抉る。ペトレンコの表現は奇抜ではないが、充分個性を発揮しており、現在進行中のショスタコーヴィチ・シリーズの中でも傑出したものである。オケも好演。終楽章のグランカッサが腹に響く。

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     2013/07/22

    オケは両翼配置、響きの重心は低く渋く、往年のドイツの団体かと思わせる。テンポもゆっくりだが、第1楽章の弦の刻みは克明。まさに堂々たるブルックナーだが、第2楽章終盤で驚くほど美しく、そしてあまりに人間的な瞬間が現れる。これはマーラーでしょうと言いたいが、デイヴィスにとってはこういう曲だったのだろう。こういうブルックナー、けして嫌いではない。録音が悪いというレビューがあるが、私はむしろLSOライヴとしては上出来だと思う。

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     2013/07/01

    コマンド録音を出してほしいとここに書いていたが、メモリーズから出るとは。ただし復刻には問題ありだ。音質は4番→3番→2番→1番の順で良く、4番は良好だが、1番はレンジが狭く低音は出ず、フォルテはうるさく、鑑賞の限界だ。コマンドは35ミリマグネティックフィルム録音のはずだが、どうして曲ごとにこんなにばらつくのか。演奏は優秀。ライナー、セル、ベイヌムと共通する即物主義、硬派のブラームスであり、4番は、このスタインバーグが他の3人を凌ぐ。オーケストラも素晴らしい出来であり、いわゆるビッグ5比べと全く遜色がない。だからこそ復刻の不備が残念だ。コマンドの版権はユニヴァーサルが持っていると思われるので、DG録音と合わせてセット化してくれることを強く要望したい。

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  • 6 people agree with this review
     2013/06/30

    モノラル録音だが、音質は問題なし。デュ・プレの弓が弦を噛む音を生々しく捉えておりスタジオ録音よりいいぐらい。演奏はまさにデュ・プレ。無骨で体当たり的、音楽がどこに進むのかと思わせる危険性を孕んでおり、実に魅力的。ゲルバーのブラームスも聴きごたえがある。アルブレヒトの指揮が熱情に溢れ、ロマンティックそのもの。展開部でのゲルバーの打鍵の強烈さには圧倒されるが、この人は22才にして高度な音楽設計ができており、そこがデュ・プレとの違いだ。

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  • 3 people agree with this review
     2013/06/13

    演奏はどれも素晴らしい。音質もいい。ブラームスもディスキーよりよくなっている。それでこの価格は凄い。ドイツ音楽好きは買って絶対損しない。個人的には、ブラームスの1番、「ハフナー」「ジュピター」「グレート」が大好きだ。この時期のLPOは木管が優秀で、それがブラームスで効果絶大である。

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  • 2 people agree with this review
     2013/06/06

    これはアルトゥス盤についての感想。エルプでの復刻ということだから、当然ソースはLPということになる。ならば、どの盤を使ったのか、メロディア盤か、ヴォックス盤か、はたまたウラニア盤かを記すべきではないだろうか。肝心の音は、ウラニアのエロイカとしてはごく普通の出来で、特別優れたものではないだけに、データの不足もあって大いに不満である。音がよくなったといううたい文句で、こんなに種類がでているのはどう考えても不自然だと思うが。

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  • 2 people agree with this review
     2013/05/29

    テイチクの廉価盤LPを聴いてきた者としては、これは驚異の復刻だ。粗く安物くさい音だったのが、きめの細かい優秀録音に変貌。当時のEMIでもこれだけの音質のものはない。演奏も最高。ダイナミックで熱情的だが、一方ではニールセンの頑固で強引、晦渋な北欧気質をよく理解した上で綿密に曲想を追いじっくりと壮大なクライマックスを築いている。ブラームスはウィーン・フィルとの綿々とした情感はなく、端正でバルビローリとしてはやや情熱が足りないが悪くはない。それにしてもこれだけの高音質での復刻が可能ならば、ドヴォルザーク、チャイコフスキーも是非バルビローリ・ソサエティから出してほしい。

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  • 8 people agree with this review
     2013/05/23

    5番は、コンヴィチュニー、ヨッフム、ケンペ、ギーレン、ケーゲル、ヴァント等名盤目白押しだが、このマゼール盤も一歩も引けを取らない堂々たる快演である。これほど壮麗なオーケストラ演奏はちょっと聴けない。マゼールも絶好調であり、小細工が一切ないところに当時の彼の自信を感じずにはいられない。ウィーンを追われてからは、けれん味、小細工が全てのような指揮者になってしまったマゼールの本当の実力を思い出させるものである。デッカ、ウィーン・フィル、ゾフィエンザールというレコード芸術のひとつの頂点の記録としても貴重なもの。

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     2013/05/12

    ユロフスキ/LPOのマーラーはなかなか好調である。今回の1番も、先輩のゲルギエフ/LSOと比べ、音楽性、オケの状態、録音全ての点で上だ。「花の章」付きもプラス要素。曲も美しいし、第2楽章に入れるのは賛成。プロポーションとして問題だと思われる方は飛ばせばいいし。演奏については村井氏のレビューが全て。ただ、あまりに美しくまとまりすぎて、若さの暴発みたいなところも聴きたかったとも思うが、「花の章」付きではベストであることも考慮して満点としたい。

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     2013/04/25

    大好きな2番から聴きはじめたが、音の古さにびっくり。本当に62年の録音なんだろうか。だがしかし、主部に入ると音楽の爆発的な疾走にすっかり圧倒されてしまった。モントゥーのいさぎよい、生命力あふれる演奏は本当に素晴らしい。どの曲もテンポが速いが、オケは自発性に溢れ、力でねじ伏せたところは皆無であり、ユーモアさえ漂う。9番のみフランス国立放送管のほうが優れていると思うが、他の曲は音質を考慮しても聴く価値大だと思う。板起しと思われる1番、4番も久しぶりに聴いたが実にいい演奏であり、復刻も悪くない。

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  • 5 people agree with this review
     2013/04/20

    メト正規録音とはどういう意味かよくわからないのだが、確かにこれまで出たワルホール、ダンテ、アーチペル、ナクソス等より音質が向上しているものが多い。演奏はどれも白熱、迫真的なもので(ラインスドルフの指揮のみ情感不足)聴きごたえ充分。とりわけ傑出しているのがライナーの「オランダ人」「マイスタージンガー」、セルの「タンホイザー」、ボダンツキーの「ジークフリート」。ライナーの指揮はこの人の懐の深さを感じずにはおれないし、セルの「タンホイザー」は同作の最高の演奏だと思う。いずれも音質改善で歪がなくなったのはありがたい。ボダンツキーの「トリスタン」は37年盤に比べると演奏、音質とも劣るが、それでもこれだけ灼熱の「トリスタン」はボダンツキー以外になく初登場は感謝。こんなに安いのに豊富な写真入りの解説書がついているのもいいが、これを買う人でワーグナー初体験の人はいないだろうから、あらすじは不要。歌手解説を充実してほしかった。

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     2013/04/17

    歌手についてはこれがベスト盤。グリュンマーのエリーザベト、フィッシャー=
    ディースカウのウォルフラムは本当に素晴らしい。ホップのタイトルロールも悪くない。問題はコンヴィチュニーの指揮と独唱歌手をクローズアップした録音。第2幕大詰めは独唱、オケ、合唱が一体となって大きなクライマックスを迎える。ソニーから出たセル盤では古い録音にもかかわらず圧倒的な感動を与えてくれるのに対し、当盤ではコンヴィチュニーの悠然としすぎた音楽運びと、オケ、合唱が奥に追いやられるために盛り上がりがもうひとつ。

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  • 7 people agree with this review
     2013/03/24

    大半持っているのだが、「新世界」1957年盤が聴きたくて購入。59年とどちらもよい。というより、ドヴォルザークの3つの交響曲へのアプローチが全く違い、「新世界」も2年で違うところこそシルヴェストリの本領といえる。ドヴォルザークが音質改善されていたのも嬉しい。爆演、やりたい放題のイメージが強い人だが、ストラヴィンスキー、バルトークなどアンサンブルはしっかりしており、高い指揮技術を持った人だったと思う。それはボーンマス交響楽団の好演にも表れている。今は世界中で地方オケのレヴェルアップが凄まじいが、当時はそうではなかった。物凄いけれん味が確かに面白いが、ベースがあることを再認識させられた。

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  • 2 people agree with this review
     2013/03/11

    小林美樹は音色が美しく、技巧も万全、歌心も豊か、間違いなく1級の資質の持ち主だ。その上で一言。常に細かくポルタメントをかけるのがミルスタインを思わせるが、これが彼女の芸風なのかもしれないがどうなんだろう。私には耳にしつこく感じられた。オーケストラは洗練に欠け、響きの分離が悪い。熱演だが、鈍く聴こえるのが惜しい。それに、エクストンはどう考えて拍手を収録し続けているのだろう。拍手までが音楽だと考えているのか、もしくは演奏会に来た人に記念品として売りたいのか。50分収録でフルプライスなのも含め、商品として疑問が残る。評価点は甘めである。

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